長崎県は、最低賃金の引き上げに伴う賃上げ負担の支援金を2本に分けました。分け目は雇用保険です。農業経営体で雇用保険に入っていない人を雇っているなら、この支援金(常時雇用15万円、臨時雇用は5万〜15万円)が窓口になります。
入っている人を雇っている場合は、県の別の支援金(中小・小規模事業者賃上げ緊急支援金)です。自分がどちらに当たるかを、先に確かめてください。
農業経営体賃上げ対策緊急支援金の要点まとめ
正式名:農業経営体賃上げ対策緊急支援金
だれが
- 申請者
- 事業者(認定農業者・認定新規就農者)
- 対象業種
- 農業
- 利用目的
- 最低賃金引き上げに伴う雇用費負担の軽減
- 対象地域
- 長崎県内
- 従業員数
- 規定なし(雇用保険未加入者を雇用)
いくら
- 補助上限額
- 常時雇用15万円。臨時雇用は5万・10万・15万円
- 補助率
- 定額支給(経費に対する率ではなく固定額)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年6月1日〜2026年12月28日
うちの経営体は対象になる?
次の5つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
認定農業者は、市町村から農業経営改善計画の認定を受けた農業者です。認定の有無は、市町村の農業担当課で確かめられます。申請書の様式には、認定見込みの人も含むと書かれています。認定の申請中なら、認定書の代わりに計画書を付けます。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 認定を受けていない農業者
- ✕ 時給が最低賃金以下の従業員がいる
- ✕ 雇用保険加入者だけを雇っている
ほかにも、様式の宣誓事項に次の条件があります。
- 法人は県内に本社か事業所があること。個人は県内の税務署に開業届を出していること
- 過去5年間に重大な法令違反がないこと
- 過去に不正受給で不支給や取り消しを受けていないこと
- 暴力団と関係がないこと、再生・更生手続き中でないこと
法人は、事業規模の大きい法人が除かれます。様式の除外条件に、資本金3億円以下と従業員300人以下の基準が出ています。該当するか迷う法人は、申請の前に農業会議へ確かめてください。
雇用保険に入っている人と入っていない人の両方を雇う場合の扱いは、公式に記載がありませんでした。農業会議へ電話で確かめるのが確実です。
いくら受け取れる?
どの区分も1経営体あたりの定額です。人数が増えても、金額は増えません。
- 常時雇用の経営体:15万円
- 臨時雇用で延べ300日以上:5万円
- 臨時雇用で延べ600日以上:10万円
- 臨時雇用で延べ900日以上:15万円
常時雇用と臨時雇用は、どちらか片方しか申請できません。両方を行っていても、1回の申請で1つの区分を選びます。
常時雇用と臨時雇用の分かれ目
申請書の様式に、数え方が書かれています。
- 常時雇用:常時使用する農業従業員が1人以上いること
- 臨時雇用:常時使用する従業員に当たらない人を、臨時に雇った日数の合計
「常時使用する従業員」とは、解雇するときに30日前の予告が要る通常の従業員です(労働基準法第20条)。次の人は数えません。
- 会社役員、個人事業主、専従者
- 日々雇い入れられる人
- 2か月以内の期間を定めて使う人
- 季節的な仕事で4か月以内の期間を定めて使う人
臨時雇用の日数は、令和7年12月1日から令和8年11月30日までに雇った日数です。様式の欄は「全体の日数」とあり、雇った人全員の合計になります。
- 繁忙期のパートが延べ500日:5万円 × 1経営体 = 5万円(600日に届かない)
- 収穫期の手伝い3人で延べ650日:10万円 × 1経営体 = 10万円(人数が3人でも同じ)
- 年間の延べ日数が900日:15万円 × 1経営体 = 15万円
期間の終わりより前に申請する場合の日数の数え方は、公式に記載がありませんでした。申請書を書く前に、農業会議で確認してください。
申請の流れ
- 認定の有無、雇用保険、最低賃金、納税を確かめる(事業者。申請の前に)
- 申請書様式(Excel)を県のページから取る(事業者→長崎県の案内ページ)
- 申請書に記入する(事業者。常時雇用か臨時雇用のどちらかを選ぶ)
- 書類をそろえて、長崎県農業会議へ出す(事業者→農業会議。メール・郵送・持参のいずれか。12月28日まで)
- 審査と支給を待つ(農業会議・県。振込の時期は公式に記載なし)
受付時間は平日の9時から17時45分です(県のチラシによる)。
必要な書類
準備できた 0 / 6
常時雇用は、原則として従業員1人分の雇用契約書を付けます。臨時雇用は、賃金台帳か給与の明細など、雇用日数が分かる書類を付けます。納税の証明書は、県税、所得税(法人は法人税)、消費税及び地方消費税の未納がないことを示すものです。口座の書類は、通帳の表紙か見開きの写しです。
申請書は請求書を兼ねているので、支給後に別の請求書は要りません。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 予算の上限に達した:県のチラシに「予算の上限に達し次第、募集を終了します」とあります。12月28日より前に終わることがあります。
- 期限を過ぎた:受付は2026年12月28日までです。過ぎた申請は受け付けられません。
- 雇用保険加入者だけを雇っている:この支援金の対象外です。県の別の支援金が窓口になります。
- 最低賃金を下回る従業員がいる:申請時点で、全従業員の時給が最低賃金を上回っていることが宣誓事項です。
- 税に未納がある:県税、所得税、消費税及び地方消費税に未納があると、証明書が出せません。
- 2回目を申請した:申請は1経営体につき1回のみです。区分は出す前によく確かめてください。
虚偽の記載が分かったときは、支援金額の確定の取り消しや返還に応じる旨が、様式の宣誓事項にあります。
この支援金の位置づけ
同じ県の支援金なのに、窓口は2つあります。雇用保険に入っている人を雇う事業者は、専用の事務局が受け付けます(電話 095-893-6260)。こちらは一律15万円で、Webでも申請できます。
農業経営体の窓口は、県から委託を受けた農業会議です。窓口を分けた理由は、公式ページに説明がありませんでした。
よくある質問
家族だけで営む農家でも申請できますか?
事業主本人、会社役員、専従者は、常時使用する従業員の数に入りません(様式)。家族だけで営む場合、常時雇用の区分は使いにくくなります。専従者でない家族を臨時の日数に入れてよいかは、公式に記載がありませんでした。まず認定の有無を確かめ、長崎県農業会議(095-822-9647)に電話して確認してください。
雇用保険に入っている従業員がいる場合はどうなりますか?
この支援金は、雇用保険未加入者を雇う経営体向けです。入っている従業員を雇う場合は、県の「中小・小規模事業者賃上げ緊急支援金」が窓口で、事務局の電話は095-893-6260です。一律15万円で、Webで申請できます。同じ経営体が両方を受けられるかは、公式に記載がありませんでした。両方に当たりそうなら、事務局と農業会議の両方に確認してください。
認定農業者かどうか分かりません。どう確かめますか?
認定農業者は、市町村から農業経営改善計画の認定を受けた農業者です。認定新規就農者も、市町村の認定が前提です。自分が認定を受けているかは、計画を出した市町村の農業担当課で確かめられます。申請書の様式は、認定見込みの人も含むとしており、申請中なら計画書を付けます。認定を受ける見込みがない場合、この支援金は対象外です。
常時雇用と臨時雇用はどう分かれますか?
申請書の様式に、常時使用する従業員の数え方があります。解雇の予告が要る通常の従業員から、役員・個人事業主・専従者、日々雇い入れられる人、2か月以内の人、季節的な仕事で4か月以内の人を除いた人数です。この人数が1人以上なら常時雇用です。それ以外の人を臨時に雇った日数が、臨時雇用の区分になります。
臨時雇用の延べ日数はどう数えますか?
常時使用する従業員に当たらない人を、令和7年12月1日から令和8年11月30日までに臨時で雇った日数の合計です。たとえば3人が各200日働けば600日になり、10万円の区分です。区分は、300日以上で5万円、600日以上で10万円、900日以上で15万円です。賃金台帳か、雇用日数が分かる書類を付けます。
人数が多いと金額は増えますか?
増えません。県のページでは、金額はどの区分も1経営体あたりと書かれています。常時雇用なら雇う人数にかかわらず15万円です。臨時雇用は延べ日数で区分が上がりますが、これも1経営体に対する額です。人数を増やして金額を伸ばす仕組みではないので、雇用の実態に合った区分を選んで申請します。
申請はどこへ、どう出しますか?
申請先は、県から委託を受けた長崎県農業会議です(095-822-9647)。メール、郵送、持参のいずれかで出します。郵送先は〒850-0035 長崎市元船町17-1 長崎県大波止ビル3階です。申請書は県のページからExcelで取れます。受付時間は平日の9時から17時45分で、県のチラシにあります。メールアドレスは県のページに載っています。
申請に必要な書類は何ですか?
申請書兼請求書(様式1)に、次の書類を添えます。常時雇用は従業員1人分の雇用契約書の写し、臨時雇用は賃金台帳などの写しです。ほかに、県税・所得税(法人は法人税)・消費税及び地方消費税の未納がないことの証明書、振込先の口座が分かる書類、認定書(申請中は計画書)が要ります。
申請はいつまでにすればよいですか?
受付は2026年6月1日から12月28日までです。ただし県のチラシに、予算の上限に達し次第、募集を終了するとあります。そのため、12月28日より前に終わる可能性があります。対象に当たると分かった時点で、早めに申請書を出すのが安全です。納税の証明書や認定書の用意に日数がかかると、間に合わないことがあります。
申請は何回できますか?
申請は1経営体につき1回のみです(県のチラシ)。様式にも、常時雇用支援金と臨時雇用支援金は、どちらか片方のみ申請できるとあります。複数の営業所や事業所があっても、申請は一度だけです。出し直しの扱いは公式に記載がありませんでした。区分に迷うときは、出す前に農業会議へ相談してください。
振込はいつ頃になりますか?
振込の時期は、県のページにもチラシにも様式にも記載がありませんでした。申請してから支給までの日数や、審査の流れも同じです。資金繰りに組み込む場合は、申請の際に農業会議へおおよその時期を聞いておくのが確実です。予算の上限に達し次第終了する制度なので、支給の見通しよりも、先に申請を出すことを優先してください。
問い合わせ先はどこですか?
申請先でもある長崎県農業会議(095-822-9647)と、長崎県農業経営課(095-895-2931、2937)です。チラシには、最寄りの振興局でも問い合わせを受け付けるとあります。雇用保険に入っている人を雇う場合の別の支援金は、中小・小規模事業者賃上げ緊急支援金事務局(095-893-6260)です。
使いみちに決まりはありますか?
県の案内は、最低賃金の引き上げで増えた雇用費の負担を軽減するための支援金としています。使いみちを細かく縛る記載や、領収書などの提出を求める記載は、公式ページにも様式にもありませんでした。経費の一部を補う補助金ではなく、定額で支給する支援金です。ただし、申請書の宣誓事項に虚偽があれば返還を求められるため、記入内容は正確に書いてください。
