空調を省エネ型に替える見積もりを取り終えた。さて申請しようとフォームを開くと、受付が終わっている。奈良県のこの補助金は、いま、そういう状況にあります。
設備費と工事費の2/3(最大400万円)が戻る制度ですが、予算の残りが少なくなり、電子申請フォームは終了しました。希望する場合は、書類をすべてそろえて事務局に問い合わせる形です。申請の期限は2026年12月11日(金)までですが、予算がなくなった時点で終わります。
事業所エネルギー効率的利用推進事業補助金の要点まとめ
正式名:事業所エネルギー効率的利用推進事業補助金
だれが
- 申請者
- 中小企業者(個人事業主を含む)・医療法人・社会福祉法人・NPO法人・学校法人など
- 対象業種
- 業種の指定なし
- 利用目的
- 省エネ・蓄エネ設備の導入
- 対象地域
- 奈良県内に事業所を有すること
- 従業員数
- 公式ページに記載なし
いくら
- 補助上限額
- 最大400万円(設備ごとに30万〜400万円)
- 補助率
- 対象経費の2/3(太陽光発電は1kWにつき5万円)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年6月25日〜2026年12月11日(先着順)
- 事業の完了
- 実績報告は2027年1月29日まで
まず、いま申請できる状況か確かめる
奈良県のページによると、8月21日9時時点の交付申請は予算額の約99%でした(ページの見出しは8月28日9時時点と書かれ、日付が食い違っています)。今年度の予算は5億円です。電子申請フォームは「予算残額が僅かとなったため」終了しています。
申請したい場合は、必要書類をすべて準備したうえで、事務局に問い合わせます。窓口は「奈良県省エネ設備等導入補助金申請受付・審査等事務局」(電話 050-3852-3048)です。
受付の時点で交付できる予算が残り少ないと、希望額を下回る金額で交付決定になることがあります。見積もりどおりの2/3が出るとは限りません。
どんな法人・設備が補助の対象?
次の4つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 4
対象は次のとおりです。中小企業者、医療法人、社会福祉法人、NPO法人、学校法人、一般・公益の社団法人と財団法人。中小企業者は中小企業等経営強化法で決まり、個人事業主も含まれます。公募要領の基準は、資本金か従業員数のどちらか一方が上限以内であることです。製造業・建設業・運輸業などは3億円以下または300人以下、卸売業は1億円以下または100人以下、サービス業は5,000万円以下または100人以下、小売業は5,000万円以下または50人以下です。ゴム製品製造業、ソフトウェア業、旅館業には別の基準があり、事業協同組合なども対象になります。
県外に本社があっても、設備を入れる事業所が県内にあり、中小企業者に当たれば対象です。この場合は本社が申請者になります。
省エネ診断は、一般財団法人省エネルギーセンターの診断のほか、知事が認めるものも使えます。公募要領では、エネルギー管理士が所属する法人・団体が事業所全体の稼働状況とエネルギー使用量を調べ、設備の導入・改修を提案した診断とされています。「高効率エネルギー設備導入事業」を申請する場合だけ必要で、診断書は申請から2年以内のものが有効です。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 診断なしで高効率設備を申請する
- ✕ 太陽光だけを単独で申請する
- ✕ 土地の取得費・借地料を含める
- ✕ 電気自動車の購入
- ✕ 中古品・実証段階の設備
太陽光発電設備は、蓄電池かV2Hを同時に導入するときだけ対象です。全量売電の場合は対象外で、余った電力を売電するのは差し支えないとされています。V2Hは、電気自動車の電気を事業所に送れる充放電設備のことです。蓄電池とV2Hは、太陽光発電設備が併設されていることも条件です。太陽熱利用システムは集熱器の総面積が10平方メートル以上、太陽の熱でお湯を沸かす設備で、太陽光パネルとは別物です。
照明のLED化やエアコンの入れ替えは、高効率エネルギー設備にあたります。薪ストーブをガス暖房に替えるような、化石燃料への切り替えは対象外です。
いくら戻ってくる?
補助率は、太陽光発電以外は対象経費の2/3です。対象経費は設備費と工事費(高効率設備は撤去費も含む)で、消費税は含みません。
上限額は1事業者あたりです。設備を入れる事業所の数は問われません。申請は1事業者につき1回ですが、高効率設備と蓄電池のように、複数の事業を同時に申請できます。
| 設備 | 上限額 |
|---|---|
| 高効率エネルギー設備 | 400万円 |
| コージェネレーション | 200万円 |
| 定置用蓄電池 | 160万円 |
| 太陽熱利用システム | 100万円 |
| 太陽光発電(1kWにつき5万円) | 60万円 |
| V2H | 30万円 |
コージェネレーションは、発電しながら出る熱も使う設備のことで、停電時に自立運転できるものが対象です。
- 空調の入れ替え300万円:300万円 × 2/3 = 200万円
- 空調の入れ替え600万円:600万円 × 2/3 = 400万円(上限にちょうど届く)
- コージェネレーション360万円:360万円 × 2/3 = 240万円 → 上限の200万円
- 蓄電池150万円:150万円 × 2/3 = 100万円
- 蓄電池と同時に導入する太陽光15kW:15kW × 5万円 = 75万円 → 上限の60万円
高効率エネルギー設備で400万円に届くのは、対象経費が600万円以上のときです。
高効率設備の要件は、事業所全体で使うエネルギーの5%以上、または100GJ以上の削減が見込めることです。照明だけを替える場合でも、ガスや重油を使っているなら、その分の明細も出します。
申請から入金までの順番
- 事務局に予算の残りを聞く(事業者→事務局。電話 050-3852-3048)
- 省エネ診断を受ける(事業者→診断機関。高効率設備のみ)
- 見積書と書類をそろえて事務局に出す(事業者→事務局。12月11日まで、予算がなくなり次第終了)
- 受付前審査と本審査を待つ(県の事務局→事業者。書類の不備がなくなってからも交付決定まで約3〜4週間。QAでは審査に少なくとも1か月かかるとされています)
- 交付決定のあとに設置して、支払いまで終える(事業者・施工業者。対象になるのは、交付決定日から2027年1月29日までに取得し、支払いを終えた分)
- 実績報告を出す(事業者→事務局。2027年1月29日まで。実績報告書・事業実績書・収支精算書に、設置後の写真、納品書か保証書、契約書か発注書、領収書などを付ける)
- 請求書を出す(事業者→事務局。額の確定通知のあと、2027年2月26日まで)
交付決定の前に発注・契約・購入・支払いを済ませた分は、対象経費になりません。県の手引きは、交付決定通知を受けたあとに事業を始める(発注・契約・施工)ことを条件にしています。契約日(発注日)が交付決定より早いと、補助金は交付されません。申請書に書く着手予定日は、交付申請日から1か月以上先が目安です。
受付前審査は、申請から約1週間です。コンサルタント会社などによる代理申請もできます。申請は電子申請システムのみで、郵送や持参は受け付けていません。書類の食い違いで事務局から問い合わせが来て、約1週間のうちに答えないと受付が取り下げられることがあります。
必要な書類
準備できた 0 / 10
個人事業の場合、登記簿謄本は開廃業等届出書の控えの写しです。省エネ診断報告書、仕様書、エネルギー使用量の明細は、高効率設備を申請するときの書類です。納税証明書は直近6か月以内のもの、省エネ診断報告書は直近2年以内のものが条件です。消費税が非課税の事業でも、消費税の納税証明書は必要です。見積書は1社分で構いません。
ほかに、暴力団等に該当しない旨の誓約書がいります。借入金で設置するとき、施設所有者が別のとき、リースのときは、それぞれ別の書類が加わります。既設設備の仕様書が手に入らないときは、その理由を書いた書面(形式は自由)を付けます。
実績報告の注意点も、県の資料にあります。納品書や保証書には、納入日・納入先・型番が必要です。納入日は交付決定通知書の日付以後、実績報告書の日付以前でなければなりません。領収書の代わりに振込明細書を出せますが、振込額に振込手数料が入っていると、補助金が減額されます。申請書の内容どおりに導入していない場合(品番の変更や導入箇所の相違など)も、交付されません。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 予算がなくなった:先着順で、申請額の合計が予算に達した時点で受付が終わります。
- 期日までに完了できない:各種電化製品の納期が遅れています。実績報告の期限(2027年1月29日)に間に合わないと、交付されません。
- 書類が食い違っている:診断書、見積書、申請内容で型番や数量が合わないと、事務局から問い合わせが来ます。
- 県の指定の期間に答えなかった:問い合わせに約1週間以内に対応しないと、受付が取り下げられることがあります。
交付後に守ること
補助対象経費の額を変えるときは、変更承認申請が要ります(20%以内の変更は申請不要)。事業の完了が遅れそうなときは、遅延等報告書を出して事務局の指示を受けます。補助金に関する経理の書類は、事業が完了した年度の終了後5年間、保存します。補助金で取得した設備は、耐用年数を過ぎるまで、知事の承認なしに目的外の使用・譲渡・貸付・担保提供ができません。
併用と税金
この補助金は、内閣府の物価高騰対応重点地方創生臨時交付金を財源にしています。同じ交付金を財源にした補助金との併用を認めていない他の補助金とは、併用できません。県の他の補助金との併用も認められていません。国や市町村から同じ事業に補助を受ける場合は、その額を対象経費から差し引きます。使いたい補助金がある場合は、その担当窓口に確かめてください。
この補助金で取得した固定資産は、圧縮記帳が認められると県のページにあります。圧縮記帳は、受け取った補助金の分だけ資産の帳簿価額を減らし、課税を先に送る経理処理です。税理士などに相談してください。
よくある質問
今から申請できますか?
電子申請フォームは終了しています。県の案内には、予算額に対して8月21日9時時点で約99%の申請があったと書かれています。申請を希望する場合は、必要書類をすべてそろえて事務局(電話 050-3852-3048)に問い合わせます。受付の時点で残る予算によっては、希望額を下回る交付決定になることがあります。最新の状況は電話で確かめてください。
受付はいつまでですか?
2026年6月25日から12月11日(金)までです。ただし先着順で、申請額の合計が今年度の予算に達し次第、受付が終わります。県のページでは、予算が残りわずかになったとして電子申請フォームの受付が終了しています。12月11日まで待てば申請できるとは限らないため、早めに事務局へ連絡してください。
省エネ診断は必ず受ける必要がありますか?
「高効率エネルギー設備導入事業」を申請する場合は必要です。交付申請日までに、一般財団法人省エネルギーセンターなどの省エネ診断を受けておきます。診断書は申請から2年以内に発行されたものが有効です。診断の費用は診断機関によって違うため、機関に問い合わせます。診断書には、既存設備と更新予定設備の名称(品番)、数量、定格消費電力、エネルギー削減量の算出根拠が必要になります。診断機関は公募要領で確かめられます。
太陽光発電だけを導入する場合も対象になりますか?
対象になりません。太陽光発電設備導入事業は、定置用蓄電池導入事業かV2H導入事業と同時に導入する場合に限ります。補助額は1kWにつき5万円で、上限は60万円です。たとえば15kWなら計算上は75万円ですが、上限の60万円までになります。蓄電池とV2Hは、それぞれ上限が160万円と30万円です。
個人事業主でも申請できますか?
申請できます。県の「よくあるお問い合わせ」に、中小企業等経営強化法の中小企業者には個人事業主も含まれ、公募要領の資本金・従業員数の条件を満たせば対象になると書かれています。必要書類は、登記簿謄本の代わりに個人事業の開廃業等届出書の控えの写しです。開業届制度ができる前に開業した人は青色申告書の写しで確認され、それ以外で届出書がない場合は、税務署で再発行などの手続きをします。
照明のLED化やエアコンの入れ替えだけでも対象になりますか?
対象になります。高効率エネルギー設備導入事業にあたり、型番の指定はありません。ただし、省エネ診断に書かれた機種と同等か、より省エネ性能の高い機種を入れる必要があります。診断と違う機種を入れるときは、削減量の再計算を求められます。照明は照らすエリアが変わらず、元の能力以下なら、配置や数を変えられます。60W相当の蛍光灯1灯を20W相当のLED3灯にするのは可能で、40W相当2灯にするのは80Wになるため不可です。
他の補助金と併用できますか?
この補助金は、内閣府の物価高騰対応重点地方創生臨時交付金が財源です。同じ交付金を財源にした補助金との併用を不可にしている他の補助金とは、併用できません。県の他の補助金との併用も不可です。国や市町村の補助を受ける場合は、その額を対象経費から差し引きます。併用できるかどうかは、使いたい補助金の担当窓口に直接聞くよう、県のページに書かれています。同じ経費を二重に申請しないよう、先に確かめておくと安心です。
リースで導入しても対象になりますか?
リースによる設置もできます。リース事業者は共同事業者として補助の対象になり、リース契約の期間は法定耐用期間以上でなければなりません。リース料は、通常のリース料から補助金相当額を引いたものにします。必要書類は、リース料金計算書(第6号様式)、リース物件の見積書、過去1年以内の類似のリース契約書の写し、関係会社でないことの誓約書です。借入金(ローン等)で設置する場合は借入金に係る誓約書、設置する人と施設の所有者が別の場合は施設所有者の設置承諾書がいります。リースの条件の細かい扱いは、事務局に確かめてください。
納期が遅れたらどうなりますか?
実績報告の期限は2027年1月29日です。期限までに事業を完了できないと、補助金は交付されません。県のページは、国際情勢の影響で電化製品の納期に大幅な遅れが出ていると注意しています。「事業完了」とは、交付決定通知を受け取ったあとに設備を設置し、支払いまですべて終えることです。申請の前に、施工業者と工期を相談してください。
補助金はいつ振り込まれますか?
県のページに振込日の記載はありません。流れは、実績報告のあと補助金額の確定通知が届き、その通知を受け取ってから請求書を出す順番です。請求書が出されたあと、県が確認して補助金を交付します。請求書の提出期限は2027年2月26日です。振込までの日数は書かれていないため、資金繰りを組むときは、事務局に確かめてください。いったん自己負担で支払うことになる点にも注意が必要です。
補助金を受けたあとの税金はどうなりますか?
県のページによると、この補助金で取得した固定資産は、所得税法・法人税法の規定にある、地方公共団体の補助金に当たります。そのため圧縮記帳が認められています。圧縮記帳は、補助金の分だけ資産の帳簿価額を減らし、課税を先に送る経理処理です。適用するときは、税理士などの専門家に相談して、適切に処理してください。
問い合わせ先はどこですか?
制度の概要や申請の方法は、奈良県省エネ設備等導入補助金申請受付・審査等事務局(電話 050-3852-3048)が受けています。制度を所管するのは、県の環境森林部 脱炭素・水素社会推進課です。申請の前に、交付要綱、公募要領、交付申請の手引き、交付申請システムマニュアルを読んでおくよう案内されています。
