屋根にパネルを載せようと見積を取ると、まず目に入るのは初期費用です。小田原市は、事業所に付ける太陽光発電に1kWあたり5万円を出します。
対象は、市内の事業所に自己所有で設置する事業者です。発電した電気の75%を超える量を自社で使う設計が前提なので、売電が中心の計画は対象になりません。
小田原市 事業用太陽光発電補助金の要点まとめ
正式名:小田原市重点対策加速化事業費補助金【事業用】自家消費型太陽光発電設備(自己所有)
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人事業主)
- 対象業種
- 業種の指定なし
- 利用目的
- 事業所への太陽光発電設備の設置(自家消費)
- 対象地域
- 神奈川県小田原市(市内の事業所に設置)
- 従業員数
- 規定なし
いくら
- 補助上限額
- 公式ページに記載なし(1kWあたり5万円で算定)
- 補助率
- 1kWあたり5万円(定額)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年5月12日〜2026年12月18日
- 事業の完了
- 2027年2月末日まで
うちの事業所は対象になる?
次の6つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 6
自家消費率とは、発電した電気のうち、設置した事業所で使う電力量の割合です。公式ページと手引きは「75%を超える」と書き、交付要綱は「75%以上」と書いています。ぎりぎりの設計は避け、余裕を持たせると安全です。
PPAやリースで入れる場合は、別のページの補助金になります。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 売電が中心の設計
- ✕ 交付決定の前に発注・契約した
- ✕ 登録外の事業者に施工を頼む
- ✕ 同じ設備に国の補助金も使う
- ✕ FIT制度の認定を受ける
FIT制度とは、発電した電気を国が決めた価格で買い取る制度です。この補助金を使う場合、FITの認定は受けられません。中古設備も原則として対象外です。
いくら戻ってくる?
補助額は「発電出力 × 5万円」です。発電出力は、太陽電池モジュールの合計(kW)とパワーコンディショナの定格出力(kW)の、低いほうを使います。小数点以下は切り捨てです。
- モジュール32.4kW、パワコン30kW:30kW × 5万円 = 150万円
- モジュール12.8kW、パワコン15kW:12kW × 5万円 = 60万円
- モジュール50kW、パワコン50kW:50kW × 5万円 = 250万円
2つ目は、12.8kWの端数0.8kWが切り捨てられる例です。パネルを多めに載せても、パワコンが小さければ、補助額はパワコン側で決まります。
ソーラーカーポートを導入する場合は、計算が変わります。補助対象事業費の1/3で、その事業費は1件あたり3億円が上限です(交付要綱)。
見積書で補助対象外になるのは?
補助額はkWで決まりますが、申請には事業費の内訳書を出します。費目ごとに、補助対象と対象外を分けて見せる必要があります。
対象にならないもの
- カラーモニター、HEMS(家庭や事業所のエネルギー使用量を見える化・制御する機器)と、その工事費
- 製品保証にかかる費用
- 補助金の申請手続きの代行費用
- トライブリッド型パワコンに含まれるV2H(電気自動車と建物の間で電気をやりとりする設備)の費用
対象になるもの
- 設備費:太陽電池モジュール、パワーコンディショナ、発電量を測る計測装置
- 材料費:架台、取付金具、ケーブル、接続箱
- 労務費:電気配線の工事、キュービクル(受変電設備)の改修
- 足場などの仮設工事費
見積書は「一式」でまとめず、費目ごとの内訳を書いてもらいます。値引きがあるときは、全項目に按分して内訳書に書く決まりです。
申請の流れ
- 登録事業者に相談して、見積と自家消費率の資料をつくる(事業者→市の登録施工事業者)
- 納税証明書(完納)などをそろえる(事業者→小田原市。反映に3週間ほどかかります)
- 交付申請を出す(事業者→ゼロカーボン推進課。原則は電子申請。2026年12月18日まで)
- 交付決定を待つ(小田原市→事業者。書類に不備がなければおおむね1か月)
- 売電の申込みをする(事業者→地産再エネ集約事業者。交付決定の通知を受けたらすぐ)
- 契約・着工し、2027年2月末日までに完了する(事業者・施工事業者)
- 実績報告を出す(事業者→ゼロカーボン推進課。完了から2か月以内か、市が指定した日の早いほう)
契約も着工も、交付決定のあとです。交付決定の前に発注・契約・工事をした設備は、補助の対象になりません。見積を取るのは申請の準備として必要ですが、契約書に判を押すのは決定の通知が届いてからです。
売電の申込みは、余った電気が出ない見込みでも必要です。手続きの申込みから発電を始められるまで3〜6週間ほどかかるため、通知が届いたら早めに地産再エネ集約事業者へ連絡します。このとき低圧発電側の申込みをFITで出してしまうと、やり直しになります。
必要な書類
準備できた 0 / 9
登記事項証明書は法人だけが出します。役員等氏名一覧表は個人も出し、個人なら申請者本人の分だけ書きます。納税証明書は、市外に本社があっても小田原市の「完納」のものが要ります。ソーラーカーポートの場合は、交付対象事業費が3億円以内だとわかる書類も付けます。
自家消費率の根拠資料には、導入場所の30分ごとの電力デマンド値と、日中の電力使用量、年間の想定発電量が入ります。「発電量の○%を日中に使う」と置くのは認められず、使用量の根拠を書く決まりです。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に発注・契約した:着工前でも、発注や契約をした時点で対象外です。
- 予算が先になくなった・期限に遅れた:予算がなくなり次第、募集は終わります。提出期限や予算終了のあとに出した書類は対象外です。
- 売電の条件を外れた:FITの認定を受けたり、余剰電力を指定の事業者以外に売ったりすると条件に反します。
- 登録外の事業者に頼んだ:市の登録を受けた販売・施工事業者に請け負わせる事業でないと対象外です。
- 2027年2月末日までに終わらなかった:事業の完了は2月末日が期限です。工期は逆算して組みます。間に合わないときは、期限の前に内容変更を申請し、市の承認を受ければ翌年度へ延ばせる定めが要綱にあります。
併用できる補助金と、導入後の縛り
国の補助金を受けると、この補助金は使えません。ただし手引きは、国の財源に基づかない補助金や、国の補助金でも補助対象設備が同じでないものは併用できるとしています。小田原市の再生可能エネルギー事業奨励金は、同時には受けられません。神奈川県の補助金や共同購入事業は、併用できる場合があるとされています。条件は県のページで確かめます。
設備には、導入後の約束もあります。
- 法定耐用年数(太陽光発電設備は17年)が過ぎるまで、原則として処分や譲渡をしない
- 同じ期間、削減した温室効果ガスをJ-クレジット制度に登録しない
- 20kW以上の設備には標識を付ける
- 市が行う設備の使用状況の調査に協力する
よくある質問
補助額に上限はありますか?
公式ページには上限額の記載がなく、発電出力1kWあたり5万円で算定すると書かれています。出力が大きいほど補助額も増えます。ただしソーラーカーポートは別の計算で、補助対象事業費の1/3、事業費は1件あたり3億円が上限です(交付要綱)。上限が気になる大型の計画は、申請の前にゼロカーボン推進課(0465-33-1426)へ確かめると安心です。
個人事業主や小さな会社でも使えますか?
使えます。対象者は「小田原市内の事業所等に太陽光発電設備を設置する者」で、法人か個人か、会社の大きさは問われていません。条件は、市税に滞納がないことと、暴力団員でないことです。個人も役員等氏名一覧表を出します。建物が事業所と住居を兼ねる場合や賃貸住宅を事業に使う場合は、先にゼロカーボン推進課へ問い合わせます。
自家消費率75%超は、どうやって示しますか?
申請の時点では、想定の数字を根拠つきで出します。導入場所の30分ごとの電力デマンド値から日中(6時〜18時)の電力使用量を出し、年間の想定発電量で割ります。新築なら、月ごとの想定使用量がわかる書類を使います。事業用は休業日も考えて計算します。工事のあとの実績報告でも、実際の数字で自家消費率を示します。
売った電気の売り先は自由ですか?
自由ではありません。余った電気を売る場合は、市に登録された地産再エネ集約事業者へ売ります。FIT制度の認定は受けられません。余剰が出ない見込みでも、売電の申込みは必要です。実績報告には、売電を申し込んだことがわかる書類を付けます。申込みから発電開始まで3〜6週間かかるので、交付決定の通知が届いたらすぐ連絡します。
契約の前に見積を取ってもいいですか?
取ってかまいません。申請には見積書が要るので、むしろ先に取ります。禁止されているのは、交付決定の前に補助対象設備の発注・契約・工事をすることです。この順番を破ると補助の対象外になります。施工事業者に見積を頼むときは、契約するのは交付決定のあとになると伝えておくと、工期の調整がしやすくなります。
施工は、どの事業者に頼んでもいいですか?
いいえ。市の登録を受けた太陽光発電設備の販売・施工事業者に頼む必要があります。メーカーから施工技術の認定を受けているなど、市が決めた基準を満たす事業者です。登録外の事業者に請け負わせる事業は、補助の対象外になります。登録事業者の一覧は、小田原市のホームページで公開されています。見積を頼む前に、候補の事業者が登録されているかを確かめます。
蓄電池も補助の対象ですか?
交付要綱の蓄電池の補助は、家庭用だけです。事業用の太陽光発電設備には、5万円/kWの補助(ソーラーカーポートは事業費の1/3)しか定められていません。手引きの自家消費率の計算式には、蓄電池の充放電量を加える項目があります。ただし事業用で蓄電池を同時に入れる場合の扱いは書かれておらず、その費用は補助の対象と別に考えます。実際にどこまで補助の対象になるかは、見積を出す前に、ゼロカーボン推進課に確かめてください。
他の補助金と併用できますか?
同じ設備に国の補助金を使うことはできません。国の補助金でも補助対象設備が別のものは、併用できるとされています。小田原市の再生可能エネルギー事業奨励金は受けられません。神奈川県の補助金や共同購入事業は、併用できる場合があります。県の補助金は条件や受付期間が別なので、先に県のページを見て、使える組み合わせか確かめておきます。
申請の締切と、工事の完了期限はいつですか?
申請の受付は2026年12月18日までです。ただし予算がなくなり次第、それより前に終わります。事業の完了は、2027年2月末日までです。間に合わない見込みのときは、期限の前に内容変更の承認を受ければ翌年度へ延ばせる定めが要綱にあります。実績報告は、完了日から2か月以内か、市が交付決定通知で指定した日の、早いほうが期限です。完了日は、設備の引渡日と工事費用の支払日のうち遅いほうです。工期は、この期限から逆算して組みます。
申請は代行業者に頼めますか?
委任はできます。申請を事業者に委任した場合、交付決定通知書の写しの電子ファイルは受任者にも送られます。ただし、申請手続きの代行費用は補助の対象外です。行政書士でない人が報酬を得て官公署への提出書類を作ると、行政書士法に反するおそれがあると、手引きにも注意が書かれています。誰に何を頼むかは、申請前に決めます。
中古のパネルは対象になりますか?
原則として対象外です。交付要綱は、整備する設備は商用化され導入実績があるものとし、中古設備は原則として対象外としています。例外が認められる場合は、要綱に細かい定めがありません。中古のパネルを使う予定があるときは、申請の前にゼロカーボン推進課へ相談してください。見積を取った後で対象外とわかると、計画を組み直すことになります。
太陽光以外の設備にも補助はありますか?
小田原市には、事業用の高効率空調・高効率照明(自己所有)の補助もあり、別のページで案内されています。交付要綱では補助率が1/2で、上限は500万円(中小企業等で、再エネ電力使用事業所登録制度の達成事業所か宣誓事業所に登録されていれば600万円)です。対象のエリアや条件が違うため、詳しくは小田原市の該当ページで確かめてください。
問い合わせ先はどこですか?
小田原市 環境部 ゼロカーボン推進課 ゼロカーボン推進係です。電話は0465-33-1426です。納税証明書(完納)の取り方で、小田原市外に所在する場合は、資産税課(0465-33-1361)に聞きます。交付決定後に設備や金額を変えたいときは、契約や工事を変える前に、必ずゼロカーボン推進課へ連絡します。
