小田原市の「再エネ・省エネ設備等の導入支援」は、複数の補助金が1つのページにまとまった制度一覧です。個人・住宅向けの制度(蓄電池・EV・ZEH等)と、事業者向けの制度が並んで掲載されています。この記事では事業者向けだけを取り上げます。

事業者向けの主力は「事業用自家消費型太陽光発電設備(自己所有)」の補助金です。補助額は容量1kWあたり5万円。上限額は撤廃されています。申請受付は令和8年5月12日から12月18日まで。自家消費率75%を超える設計が条件です。

この補助金の概要(早見表)

検索項目内容
制度名小田原市 重点対策加速化事業費補助金【事業用】自家消費型太陽光発電設備(自己所有)
対象業種業種指定なし(市内に事業所を持つ事業者)
利用目的太陽光発電設備の導入、自家消費による電気代削減・脱炭素
対象地域神奈川県小田原市(市内の事業所に設置)
従業員数規模の指定なし(大企業・中堅企業・中小企業者・小規模企業者いずれも対象)
補助上限額定めなし(上限額500万円/件は令和6年9月2日施行の要綱で撤廃済み)
補助率1kWあたり5万円(カーポート型は補助対象事業費の1/3、建材一体型・窓は3/5、建材一体型・壁は1/2)
申請受付令和8年5月12日(火)〜12月18日(金)
公式サイトhttps://www.city.odawara.kanagawa.jp/field/envi/saiene/co20-subsidy/r6-3pv-business.html
横にスクロールできます

※この表の項目(対象業種・利用目的・対象地域・従業員数)は、GRANTOSの補助金診断の検索軸に対応しています。

まず区別すること。個人向けと事業者向けは別の制度です

小田原市の「再エネ・省エネ設備等の導入支援」ページには、事業者向けと個人・住宅向けの制度が混在しています。間違って個人向けの制度を調べてしまうと、対象要件も金額も一致しません。

個人・住宅向けの制度は、この記事の対象外です。

  • 地球温暖化対策推進事業費補助金(蓄電池・電気自動車・V2H・燃料電池・ZEH。3万円〜10万円/件)
  • 自家消費型太陽光発電設備(自己所有)・併用蓄電池(家庭用)

事業者が使える制度は、次の3つです。このあと順に解説します。

  1. 自家消費型太陽光発電設備(自己所有):1kWあたり5万円、上限なし
  2. 脱炭素先行地域づくり事業費補助金:エリア限定、より手厚い補助率
  3. 再生可能エネルギー事業奨励金:固定資産税相当額を交付

補助金額のシミュレーション。5万円×kWで、上限なしの意味

上限額が撤廃されたことで、設備容量が大きいほど補助額も比例して増える制度になっています。

太陽光発電設備の容量補助額(5万円/kW)
10kW50万円
30kW150万円
50kW250万円
100kW500万円
横にスクロールできます

容量はkW単位で小数点以下を切り捨てて計算します。たとえば工場の屋根に50kWの設備を載せるケースなら、補助額は250万円。以前の制度では上限500万円/件という天井がありましたが、現在は撤廃されているため、大規模な設備ほど恩恵が大きくなります。

条件は自家消費率75%超であること。売電中心の設計では対象になりません。発電した電気の大半を自社で使う設計であることが前提です。20kW以上の設備は、標識の設置も必要になります。

申請の順番。交付決定前の発注はNG

契約・発注・工事着手より前に、交付決定を受ける必要があります。「補助金交付決定を受ける前に補助対象設備に係る発注・契約・工事を行わないこと」と明記されています。

流れは次のとおりです。

  1. 交付申請:見積もりを取得し、申請書類を提出(契約前に実施が必須)
  2. 交付決定:市からの通知を受け取る
  3. 契約・発注・工事:交付決定後に着手
  4. 事業実施:令和9年1月末日までに完了
  5. 実績報告:完了後に証憑一式を提出

施工は市に登録された販売・施工事業者に発注することが条件です。市税を滞納している事業者、暴力団関係者は対象になりません。

じつは、PPAやリースで導入した設備が対象になるかどうかは、制度によって扱いが分かれます。設備を自社で所有するのか、第三者が所有して電気だけ買うのかで、補助の考え方が変わるためです。この線引きは、GRANTOS公式LINEの登録者限定ページで、自治体の設備・省エネ補助金に共通する実例とあわせて紹介しています。

より手厚い制度もある。ただしエリアが限定されます

小田原市には、太陽光以外の設備も対象にした「脱炭素先行地域づくり事業費補助金」があります。補助率は対象設備によって異なりますが、概ね2/3程度と、自己所有型の太陽光より手厚い設計です。

ただし、対象エリアが「小田原駅東口エリア」と「久野地区生活拠点エリア」の2か所に限定されています。市内のどこでも使える制度ではありません。

対象エリア範囲の目安
小田原駅東口エリア小田原城址公園および錦通り・お堀端・ダイヤ街等の複数商店街を含む区域
久野地区生活拠点エリア小田原市立病院と周辺(県道74号・市道0031・0035・2280・2541で囲まれた区域)
横にスクロールできます

対象設備は太陽光発電設備だけでなく、蓄電池・BEMS(ビルエネルギーマネジメントシステム)・充放電設備・高効率換気空調設備・省エネ診断・AEMS(エリアエネルギーマネジメントシステム)など幅広く含まれます。EVカーシェア用の設備は、1台あたり100万円という水準です。

この制度を使えるかどうかは、事業所の住所で決まります。申請書を作る前に、まず「申請書作成前に必ずゼロカーボン推進課までご連絡ください」と案内されている通り、事前相談が必須です。

固定資産税が戻ってくる別枠もある

太陽光発電設備を導入したあと、固定資産税相当額がそのまま交付される「再生可能エネルギー事業奨励金」という制度もあります。認定発電設備として償却資産課税台帳に登録されている設備が対象です。

対象になるのは、令和3年1月2日から令和6年1月1日までの間に市内で新たに取得した発電設備。新規に太陽光発電設備を検討している場合、この奨励金の対象期間には当てはまらない可能性があります。

太陽光発電設備の導入以外にも、自分の事業が対象になる補助金・助成金がないか気になる方は、3分でできる補助金診断も活用してみてください。

3分でできる補助金診断はこちら

エリア判定や設備区分ごとの補助率、複数制度の使い分けなど、実務の進め方に迷う場合は専門家に相談するのも一つの手です。

専門家に無料相談する

よくある質問

個人事業主でも対象になりますか?

対象になります。対象者は「小田原市内の事業所等に太陽光発電設備を設置する者」で、法人・個人を問いません。市税の滞納がなく、暴力団関係者でないことが条件です。

PPA(第三者所有モデル)やリース契約でも補助を受けられますか?

対象になります。小田原市には自己所有型とは別に、PPA・リース事業者向けの太陽光発電設備補助金があります。家庭用・事業用の両方に対応していますが、補助単価は自己所有型と異なる可能性があるため、申請前に小田原市ゼロカーボン推進課への確認をおすすめします。

中古の太陽光パネルでも対象になりますか?

公式ページに明記はありませんが、新規取得を前提にした制度である可能性が高いため、中古設備を検討している場合は事前に確認することをおすすめします。


免責事項: 本記事の内容は2026年7月時点で確認できた情報にもとづきます。補助額・補助率・対象エリア・申請要件・受付状況は変更される場合があるため、申請前に必ず小田原市の公式ページおよび最新の交付要綱で内容をご確認ください。

出典: