太陽光発電と蓄電池、コージェネレーション、ヒートポンプ。大分県は、この3種類の導入費に最大1,690万円を補助しました。申請の受付は、2026年8月7日17時に終了しています。
県が目的に挙げたのは、中東情勢によるエネルギー価格の高騰を受けにくい経営体制づくりです。そのため発電した電気を売る使い方は認められず、自家消費が前提でした。次の募集があるかどうかは、公式ページに記載がありません。
大分県エコエネルギー導入緊急支援補助金の要点まとめ
正式名:中小企業等エコエネルギー導入緊急支援事業費補助金
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人事業主)
- 対象業種
- 業種の指定なし
- 利用目的
- 自家消費型の太陽光+蓄電池・コージェネ・ヒートポンプの導入
- 対象地域
- 大分県内(県内に事業所を置く者)
- 従業員数
- 医療・福祉・学校法人は300人以下、商工会等は100人以下
いくら
- 補助上限額
- 最大1,690万円
- 補助率
- 3/4以内(賃上げ枠は4/5以内)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年7月10日〜2026年8月7日(受付終了)
- 事業の完了
- 2027年1月末まで
自分の会社は対象になるか
次の4つに当てはまれば、対象になる見込みでした。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 4
対象者は7区分あります。中小企業者のほか、中小企業団体、従業員300人以下の医療法人・社会福祉法人・学校法人、従業員100人以下の商工会・商工会議所などです。組合、財団・社団法人、NPO法人は、主な業種の従業員規模以下であることが条件でした。
中小企業者とは、中小企業基本法が定める会社のことです。業種ごとに資本金と従業員数の上限があり、どちらか一方を満たせば該当します。製造業その他は資本金3億円以下または300人以下、卸売業は1億円以下または100人以下、小売業は5,000万円以下または50人以下、サービス業は5,000万円以下または100人以下です(中小企業庁の定義)。ゴム製品製造業、旅館業、ソフトウェア業・情報処理サービス業には、別の基準が使われる場合があります。
次のどれかに当たると対象外でした。
- ✕ 太陽光発電だけを入れる
- ✕ 発電した電気を売る前提にする
- ✕ 中古の設備を入れる
- ✕ 風俗営業などを営んでいる
- ✕ 暴力団員か密接な関係者
太陽光発電は、蓄電池とのセット導入が条件でした。蓄電池は定格容量10kWh以上、太陽光は10kW以上が必要です。この10kWは、パネルの合計出力とパワーコンディショナー(直流の電気を交流に変える機器)の合計出力のうち、小さいほうで見ます。
売電をしないために、逆潮流(余った電気が電力会社の送電線へ流れること)を防ぐ措置も必須でした。RPRなどの装置を付ける形です。PPAを使う場合は除かれます。
いくら補助されたか
補助率と上限は、設備の種類と枠で決まりました。
| 区分 | 設備 | 補助率 | 上限額 |
|---|---|---|---|
| 通常枠 | 太陽光発電+蓄電池 | 3/4以内 | 1,000万円 |
| 賃上げ枠 | 太陽光発電+蓄電池 | 4/5以内 | 1,140万円 |
| 通常枠 | コージェネレーション・ヒートポンプ | 3/4以内 | 1,500万円 |
| 賃上げ枠 | コージェネレーション・ヒートポンプ | 4/5以内 | 1,690万円 |
コージェネレーションは、1つの燃料から電気と熱を同時につくる設備です。ヒートポンプは、空気などの熱を集めて冷暖房や給湯に使う設備を指します。
補助額は、対象経費に補助率をかけた額です。1,000円未満は切り捨てます。
- 太陽光+蓄電池(通常枠):1,200万円 × 3/4 = 900万円
- 太陽光+蓄電池(通常枠):1,600万円 × 3/4 = 1,200万円 → 上限の1,000万円
- ヒートポンプ(通常枠):2,000万円 × 3/4 = 1,500万円 → ちょうど上限
- コージェネ(賃上げ枠):2,000万円 × 4/5 = 1,600万円 → 上限1,690万円には届かない
上限に届くのは、太陽光+蓄電池の通常枠で対象経費が約1,334万円以上のときです。賃上げ枠なら1,425万円以上でした。コージェネとヒートポンプは、通常枠で2,000万円、賃上げ枠で約2,113万円以上です。
賃上げ枠は、何をすれば使えたのか
賃上げ枠の条件は、月額賃金の総支給額を1.5%以上増やすことです。比べるのは、交付申請前の直近1か月と、実績報告前の直近1か月です。
月額賃金の合計が200万円の事業所なら、203万円以上にします。月に3万円の上乗せです。残業代、賞与、各種手当、役員報酬、福利厚生費、法定福利費、退職金は数えません。
注意したいのは時期です。県のQ&Aでは、申請より前に済ませた賃上げは対象外と答えています。賃上げを実施するのは、申請日から事業終了日までの間です。
比較する従業員は、賃上げ前後の両方の賃金台帳に名前がある人です。時給や日給の人は、賃上げ後の労働時間と日数も、申請時の直近1か月の実績で計算します。パートやアルバイトも含めます。退職者、途中採用者、賃金形態を変えた人は計算から外します。
何に使えたか
対象にならない経費を先に確認します。
- 土地の取得・賃借の費用
- 中古品
- 建屋の建設・改造の費用
- 既存の構築物や設備の撤去費
- 土地造成・整地の費用
- 消費税と地方消費税
- 使用前自己確認などの申請費用
対象になる経費は、次の3つです。
- 設計費(設備の設置に必要な設計)
- 設備費(設備の購入・製造など)
- 工事費(配電、配管などの工事)
古い設備を入れ替える場合でも、撤去費は出ません。見積もりでは、撤去費を分けておくと補助額の計算がしやすくなります。
どう採択が決まったか
この補助金は、先着順ではありませんでした。申請期間内に出した申請のうち、要件を満たすものを点数順に並べて採択しています。
点数は、設備の定格出力と定格容量の合計を、補助金額で割った値です。補助1円あたりの発電出力と蓄電容量が大きいほど上位になります。県はこの方式を、事業の効果を高めるためと説明しています。
申請件数が少ない種類の設備は、この点数によらず採択することがあるとされていました。多様な設備を広げる狙いです。
申請から完了までの流れ
募集時の流れです。
- 見積書を2社以上から取る(事業者→施工業者。うち1社は、県の入札参加資格を持つ事業者の見積書。太陽光の設置工事一式なら、電気工事の資格です)
- 大分県スマート申請システムで申請する(事業者→産業GX推進室。2026年8月7日17時まで)
- 審査と採択を待つ(県→事業者。交付決定は2026年8月中旬〜下旬の予定)
- 交付決定のあとに工事を始める(施工業者)
- 事業を終え、実績報告を出す(事業者→県。2027年1月末まで)
- 額の確定通知を受け、請求する(県→事業者。支払いは精算払い)
実績報告の期限は、事業完了の承認から30日後か、1月末のどちらか早い日でした。交付決定後、申請を取り下げられるのは通知を受けた日から15日を過ぎる日までです。
必要な書類
準備できた 0 / 12
賃金増加率試算表と賃金台帳は賃上げ枠のみ、滞納がない証明書と登記簿は発行後3か月以内のものです。見積書は、2社とも同じ仕様にして、機器の型式を内訳に書き、仕様書の型式と合わせます。仕様書には、逆潮流を防ぐ機器があることがわかる資料も付けます。提出書類が足りない申請は、順位付けの時点で除外されます。PPAの場合は、第5号様式の誓約書や補助金還元誓約書(第6号)なども要りました。
補助を受けたあとに守ること
交付を受けても、次のどれかに当たると取り消しや返還になることがあります。
- 賃上げが足りなかった:賃上げ枠で交付を受けても、総支給額が1.5%以上増えていなければ交付決定が取り消されます。通常枠への切り替え審査は、原則としてありません。
- 申請した出力・容量に届かなかった:申請した定格出力や定格容量を満たす設備を入れなかったときも、取り消しの対象です。
- 他の補助金と併用した:国や他の公的機関の補助金と併用することはできません。
- 設備を使い続けなかった:法定耐用年数が終わるまで、補助対象の設備を継続して使います。目的外の使用、譲渡、貸付、担保にするときは、知事の承認が要ります。
- J-クレジットに登録した:法定耐用年数の間は、削減効果をJ-クレジット(排出削減量を売買できる国の制度)に登録しません。
帳簿と証拠書類は、補助事業が終わった年度の翌年度から5年間保管します。
併用と今後の募集
併用できないのは、国や他の公的機関の補助金です。太陽光発電だけを入れる場合は、別の「個人向け及び事業者向け自家消費型太陽光発電設備等導入事業費補助金」が使えることがあると、県のページで案内されています。
次回の募集時期や予算は、公式ページに記載がありません。導入を検討している場合は、産業GX推進室(097-506-3271)に問い合わせます。
よくある質問
太陽光発電だけでも申請できましたか?
できませんでした。太陽光発電は、定格容量10kWh以上の蓄電池とセットで導入することが条件でした。太陽光発電だけを入れる場合は、同じ県の別の補助金「個人向け及び事業者向け自家消費型太陽光発電設備等導入事業費補助金」の対象になることがあると、県のページに案内があります。どちらが合うかは、設備の構成によって変わるため、県の産業GX推進室に確かめると確実です。
賃上げ枠の条件はどのようなものですか?
実績報告前の直近1か月の総支給額が、交付申請前の直近1か月より1.5%以上増えていることです。対象は基本給に準じた月額賃金で、残業代、賞与、各種手当は含みません。申請前に済ませた賃上げは対象外で、申請から事業終了までに実施します。満たせない場合は交付決定が取り消され、通常枠への切り替えは原則ありません。
発電した電気を売ってもいいですか?
売電は認められていません。自家消費型の設備が対象のため、逆潮流を防ぐ措置(RPRなど)を付けることが必須でした。ただしPPAは、この措置の対象から除かれています。PPAとは、事業者が設備を設置・所有・管理し、発電した電気を使う側に供給する契約のことです。余った電気を売る計画の場合は、この補助金の目的に合いません。
PPAでも使えましたか?
オンサイトPPAに限り使えました。オンサイトとは、使う側の敷地内に設備を置き、電力系統を通さない形です。申請するのはPPA事業者で、補助金額の9/10以上をサービス料金から差し引くことが条件でした。停電時に電気を供給できる自立運転機能も必要です。需要家の県税の滞納がないことも求められます。
消費税や撤去費は補助の対象になりますか?
どちらも対象外です。補助対象経費に含まれるのは、設計費、設備費、工事費で、消費税と地方消費税は含みません。既存の構築物や設備の撤去費、建屋の建設・改造費、土地造成も対象外です。使用前自己確認などの申請費用も出ません。見積書では、対象になる費用と対象外の費用を分けておくと、補助額を計算しやすくなります。
複数の事業所で申請できましたか?
事業所単位での申請はできました。ただし申請が多い場合、同じ事業者の複数事業所の申請は、採択しないことがあるとされていました。採択は先着順ではなく、補助1円あたりの発電出力と蓄電容量が大きい順に決まります。複数の事業所で導入を考えるときは、まず効果の大きい事業所から申請する方法が現実的です。
申請後に設備の規模を変えられましたか?
定格出力や定格容量が減る変更、補助金額が増える変更は認められませんでした。それ以外の変更は、変更承認申請書(第8号様式)を出して承認を受けます。補助対象経費の20%以内の増減と、交付目的に反しない内容の変更は、軽微な変更とされています。規模を小さくすると採択の前提が崩れるので、見積もりの段階で規模を固めておきます。
完了報告はいつまでに出しますか?
事業完了の承認を受けた日から30日後か、交付決定のあった年度の1月末日のどちらか早い日までです。募集概要では、2027年1月末までに事業を完了し、実績報告書を出す予定とされていました。実績報告には、契約書、請求書、領収書、完成写真、検査調書の写しなどを添えます。賃上げ枠は、実績報告前1か月分の賃金台帳も要ります。
消費税の仕入控除税額はどう扱いますか?
申請時に仕入控除税額が分かっている場合は、その分を減らして申請します。分からない場合は、そのまま申請して構いません。あとで額が明らかになったら、実績報告のときに補助金額から減らして報告します。確定後に申告で額が決まったときは、報告書(第9号様式)を出し、その金額を返還します。税理士にも早めに相談しておくと安心です。
問い合わせ先はどこですか?
大分県 商工観光労働部 産業GX推進室です。電話は097-506-3271で、Faxは097-506-1753です。所在地は大分市大手町3丁目1番1号の本館7階です。次回の募集の有無、PPAの扱い、賃上げ枠の計算のように、公式ページだけでは判断しにくい点は、窓口に直接確かめるのが近道です。
次の募集はありますか?
公式ページには、次回の募集に関する記載がありません。このページの見出しは「募集終了」となっており、更新日は2026年8月27日です。本事業は国の交付金を使った緊急支援事業のため、同じ形で続くかどうかは分かりません。設備の導入を考えているなら、産業GX推進室に問い合わせると、今後の予定を教えてもらえる場合があります。
