奨学金を返し続けているのは、社会人になった本人だけとは限りません。近年は、従業員の奨学金返還を企業が肩代わりする制度を導入する動きが広がっています。ただ、肩代わり分を企業が単独で負担するのは、体力のある会社ばかりではありません。
鯖江市の「令和8年度中小企業人材確保奨学金返還支援補助金」は、この肩代わり負担の一部を市が補助する制度です。対象は、市内に主たる事務所を有し、従業員向けの奨学金返還支援制度を就業規則等に定めている中小企業者(業種ごとに資本金・従業員数の上限が決まっており、製造業その他は資本金3億円以下または従業員300人以下、卸売業は1億円以下または100人以下、小売業は5,000万円以下または50人以下、サービス業は5,000万円以下または100人以下。どちらか一方を満たせば該当します)。補助率は対象経費の2分の1以内、1事業者あたり年度内120万円が上限です。
中小企業人材確保奨学金返還支援補助金の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人・個人事業主) |
| 制度名 | 令和8年度中小企業人材確保奨学金返還支援補助金 |
| 対象業種 | 全業種(中小企業者。業種の限定記載なし) |
| 利用目的 | 従業員の奨学金返還支援制度にかかる経費(給与・手当・共済費等)の補助 |
| 対象地域 | 福井県鯖江市(市内に主たる事務所を有する事業者) |
| 従業員数 | 中小企業者に該当すること(業種ごとの資本金・従業員数の上限は本文参照) |
| 補助上限額 | 1事業者あたり年度内120万円(1人月額1万円×最大10人分に相当) |
| 補助率 | 2分の1以内 |
| 申請受付 | 通年(原則6か月ごとに、経過後1か月以内に申請) |
| 公式サイト | 鯖江市「令和8年度中小企業人材確保奨学金返還支援補助金」 |

補助の対象になる従業員には条件がある
補助の対象になるのは、次をすべて満たす従業員です。
- 交付申請時点で鯖江市民であること
- 令和7年4月以降に雇用された、30歳未満の新卒者または県外からの転職者であること
交付申請時点で鯖江市民であることが条件なので、通勤圏内でも市外在住のままでは対象になりません。採用時点で転入の意思を確認しておくと、あとで対象外と分かるリスクを避けられます。
120万円の上限は「1人月1万円×10人」の積み上げ
補助額は、1人あたり月額1万円が上限で、対象人数は1事業者あたり年度内10人までです。1人月1万円×12か月×10人=120万円となり、これが鯖江市の示す年度内の上限額と一致します。対象人数が10人に満たない場合、上限額もそれに応じて下がります。5人分であれば、年度内の上限は60万円です。
申請は6か月ごと、経過から1か月以内
申請のタイミングは、年度単位ではありません。原則6か月ごとに、その6か月を経過した日から1か月以内に、事業精算書・収支決算書などをそろえて提出します。半年に一度、事務作業が発生する制度だと考えておく必要があります。
用意する書類は、補助金交付申請書、事業精算書、収支決算書、就業規則の写し、労働条件通知書、雇用保険資格取得通知書、奨学金返還証明書類です。初回の申請では、登記簿謄本または開業届もあわせて必要になります。
よくある質問
個人事業主でも申請できますか?
対象になり得ます。制度の対象は「中小企業者」とされており、必要書類に開業届(初回のみ)が含まれているため、個人事業主も要件を満たせば申請できます。
奨学金返還支援制度が就業規則に無い場合は申請できますか?
できません。従業員向けの奨学金返還支援制度を設け、就業規則等に明記していることが前提条件です。
何人分でも申請できますか?
できません。1事業者あたり年度内10人が上限です。11人目以降の返還支援分は、この補助金の対象になりません。
免責事項: 本記事の内容は2026年7月時点で確認できた情報にもとづきます。補助上限額・補助率・対象要件・受付状況は変更される場合があるため、申請前に必ず鯖江市の公式ページまたは産業振興課産業振興グループ(電話0778-53-2229)で最新の内容をご確認ください。
出典(一次情報)

