札幌市には、建物の省エネ化を後押しする補助金がもうひとつあります。既存設備の入れ替えを支援する「省エネ設備補助金」です。今回の「ZEB・ZEH-M設計支援補助金」は、それとは狙いが違います。対象になるのは工事費ではなく設計費、つまり新築段階の建物だけです。
補助額は建築物の区分と延べ面積に応じた定額で60万円〜300万円。令和8年度の申込期限は令和9年1月29日(消印有効)ですが、予算の上限に達すればその時点で受付が終わります。
ZEB・ZEH-M設計支援補助金の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人・個人事業主) |
| 制度名 | ゼロエネルギー・ビル(ZEB)・ゼロエネルギー・マンション(ZEH-M)設計支援補助金 |
| 対象業種 | 指定なし(延べ面積300㎡以上の建築物を新築等する建築主等) |
| 利用目的 | ZEB・ZEH-Mの建設に必要な設計費(省エネ計算・BELS取得費)の一部補助 |
| 対象地域 | 札幌市内 |
| 従業員数 | 規定なし |
| 補助上限額 | ZEB:300㎡以上2,000㎡未満は150万円、2,000㎡以上は300万円/ZEH-M:300㎡以上2,000㎡未満は60万円、2,000㎡以上は100万円(いずれも定額) |
| 補助率 | 定額補助(補助率の定めなし) |
| 申請受付 | 令和8年4月1日〜令和9年1月29日(消印有効)。先着順で予算上限到達次第終了 |
| 公式サイト | 札幌市「ZEB・ZEH-M設計支援補助金」 |

対象になる建築物の区分
ZEB(ゼロエネルギー・ビル)は事務所などの非住宅建築物、ZEH-M(ゼロエネルギー・マンション)は共同住宅が対象です。どちらも断熱性能と高効率設備、創エネによって一次エネルギー消費量を削減した建物で、削減率に応じてOriented・Ready・Nearly・完全ゼロエネの4段階に分かれます。
この水準を満たすことは、BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)という第三者評価機関の認証で証明します。BELS評価書の取得が申請の前提条件です。
補助額を決めるのは削減率の段階ではなく、ZEBかZEH-Mかの区分と延べ面積です。同じ延べ面積でも、ZEBのほうがZEH-Mより補助額が高く設定されています。
補助対象は設計費のみ。工事費は含まれない
補助対象は工事費ではなく、設計検討や省エネ計算にかかる費用とBELS取得費です。断熱材や高効率空調そのものの工事費は対象外になります。
設計事務所に見積もりを依頼する際は、「ZEB・ZEH-M水準の検討・証明にかかる費用」と「通常の設計費」を分けて出してもらうと、補助対象経費の切り分けがしやすくなります。
申請のタイミング:BELS取得より先に申込みが必要
この補助金でもっとも間違えやすいのが順番です。申込日より前にBELS評価書を取得すると、その建築物は補助対象外になります。設計が固まり「これからBELS評価を取りに行く」段階が、申込みのタイミングです。
- 申込み(設計段階・BELS取得前): 様式1「申込書」を郵送または持参。令和9年1月29日(消印有効)が期限
- BELS評価書の取得: 申込み後にBELS評価機関へ申請し、区分基準を満たすことの認証を受ける
- 完了届の提出: 様式4「補助金交付申請兼完了届」を、設計委託契約書の写し・BELS評価書の写し・口座申請書(様式6)・建物概要書(様式7)とあわせて提出。令和9年3月12日(消印有効)が期限
申込みから完了届提出までの間に、設計とBELS取得の両方を終える必要があります。着工スケジュールから逆算して申し込むことをおすすめします。
受給後も、エネルギー使用状況に関するアンケートへの協力や、建築主名・建築物名称・所在地等の公表に応じる必要があります。
似た名前の制度が札幌市にはもうひとつあります。ただし対象がまったく違います。設備の入れ替え費用を支援するのがこちらの制度です。
よくある質問
ZEBとZEH-Mの違いは何ですか?
ZEBは事務所ビルなどの非住宅建築物、ZEH-Mは共同住宅(マンション)を対象にした区分です。補助額を決めるのは削減率の段階ではなく、ZEBかZEH-Mかの区分と延べ面積です。同じ面積なら、ZEBのほうが補助額は高くなります。
工事費(断熱材・空調設備の費用)は補助対象になりますか?
対象外です。この補助金はZEB・ZEH-Mの設計検討や省エネ計算、BELS取得に要する設計費相当分への補助であり、実際の断熱工事や設備工事の費用は含まれません。
個人が建てる住宅(戸建て)も対象になりますか?
対象は延べ面積300㎡以上の建築物です。一般的な戸建て住宅では、この面積要件を満たさないケースが多くなります。
