新製品を作る前の「素材をどれにするか」「どの手法が最適か」を検討する段階にも、補助金は使えるのか——使えます。ただし自社だけで検討する場合は対象外です。東京都「製品開発着手支援助成事業」は、大学や試験研究機関、他社といった外部資源を使う技術検討費用に限って助成する制度です。令和6年度の募集(2024年11月6日〜20日)はすでに終了しています。
この記事では制度の内容を記録として整理し、次回募集に備えて何を準備すべきかをまとめます。
製品開発着手支援助成事業の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人・個人事業主) |
| 制度名 | 製品開発着手支援助成事業 |
| 対象業種 | 業種指定なし(都内中小企業者等) |
| 利用目的 | 創業・第二創業、研究開発・実証 |
| 対象地域 | 東京都内(都内創業を計画している者も含む) |
| 従業員数 | 中小企業基本法上の中小企業者であること |
| 補助上限額 | 上限100万円(下限額10万円) |
| 補助率 | 2分の1以内 |
| 申請受付 | 令和6年度は終了(11月6日〜20日) |
| 公式サイト | 東京都中小企業振興公社「製品開発着手支援助成事業」 |

「着手支援」という名前が示す対象範囲の狭さ
この助成金は、製品・技術開発そのものではなく、開発に着手する前の技術検討段階を対象にしています。素材や機能の選定、手法の選定といった検討作業に必要な経費に限定されているため、開発フェーズに入ってからの機械設備投資などは対象になりません。
対象経費は「原材料・副資材費」と「委託・外注費」の2つだけです。しかも委託・外注費には条件があり、大学・試験研究機関・他社などの外部資源を活用することが必須要件になっています。自社の技術者だけで検討する場合は対象になりません。
対象になるもの・ならないものの線引き
| 対象になる | 対象にならない |
|---|---|
| 大学・試験研究機関・他社への委託による技術検討費用 | 自社内だけで完結する検討作業の人件費 |
| 技術検討に使う原材料・副資材費 | 製品化後の量産設備の導入費用 |
| 素材・機能・生産手法の選定にかかる経費 | 展示会出展費用や広告宣伝費 |
外部資源を活用しない検討作業は対象外という条件は見落とされやすいポイントです。「自社の研究員だけで検討したい」という計画では申請できません。
よく誤解されるポイント
「製品開発の助成金」という名前だけを見て、量産化や設備投資まで使えると誤解されがちです。 実際には「開発に着手する前の技術検討」という狭い範囲に絞られており、上限も100万円と比較的小さめです。量産設備を導入する段階になったら、「躍進的な事業推進のための設備投資支援事業」(上限最大1億円)など、別の制度を検討することになります。
もう一つ、下限額が10万円に設定されている点も見落としやすいところです。検討費用の総額が小さすぎると、そもそも申請要件を満たしません。
次回募集に備えて準備すること
- 技術検討を委託する大学・試験研究機関・他社の候補を探しておく
- 見積書(委託費・原材料費)を早めに取得する
- 開発予定期間(最長1年)を見据えたスケジュールを組んでおく
よくある質問
自社の技術者だけで検討する場合は対象になりますか?
なりません。外部資源(他社、大学、試験研究機関など)を活用することが必須要件です。
助成対象期間はどれくらいですか?
過去の実施例では、交付決定から最長1年間とされています。年度ごとに具体的な期間は変わるため、公式ページで確認してください。
開発着手支援を受けたあと、量産段階の補助金にも申請できますか?
この助成事業と、量産・設備投資段階を支援する別の助成事業(躍進的な事業推進のための設備投資支援事業など)は別制度です。それぞれの申請要件を満たせば両方の利用を検討できます。
