茶の輸出向けの機械や工場の改修に、県の補助は出るのか。出ます。費用の1/2以内、上限1,500万円です。ただし令和8年度の公募は2026年8月3日17時で締め切られました。
応募できるのは、県が選んだ「輸出生産拠点」に入っている茶工場経営者や茶生産者だけです。拠点に入っていなければ、設備を決める前に拠点化計画づくりから始めることになります。
静岡茶海外戦略展開支援事業(輸出拡大生産転換設備等導入)の要点まとめ
正式名:静岡茶海外戦略展開支援事業費補助金(輸出拡大生産転換設備等導入支援事業)
だれが
- 申請者
- 輸出生産拠点の茶工場経営者・茶生産者・その団体
- 対象業種
- 農業(茶の生産・荒茶の製造)
- 利用目的
- 輸出向けの茶の生産体制への転換に要する設備導入
- 対象地域
- 静岡県内
- 従業員数
- 公式ページに記載なし
いくら
- 補助上限額
- 1,500万円
- 補助率
- 1/2以内
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年8月3日17時まで(受付は終了)
- 事業の完了
- 交付決定日から2027年2月末まで
うちは対象になる?
次の4つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 4
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 輸出生産拠点に選ばれていない
- ✕ 同じ経費で別の補助を受ける
- ✕ 輸出向けの転換と関係のない設備
輸出生産拠点とは、輸出に取り組む荒茶工場の代表者を中心に、茶生産者が集まって作るグループです。代表者が売り先の茶商などと連携して、輸出用の茶葉がどれだけ要るかを示す計画を県のお茶振興課に出し、選定されると拠点になります。この計画が拠点化計画です。
成果目標は、事業実施年度の2年後までに達成する目標です。5つの中から2つ選びます。
- 輸出向け茶園面積が20%以上増える
- 有機栽培茶やてん茶の生産量が20%以上増える
- 主要品種の指数(やぶきたの栽培面積の割合)が2ポイント以上下がる
- 輸出用茶の生産量または販売額の割合が5ポイント以上上がる
- 労働生産性が10%以上上がる
いくら補助される?
対象経費の1/2以内で、上限は1,500万円です。「以内」なので、1/2ちょうどが出るとは限りません。
- 茶製造ラインの更新に800万円かかる:800万円 × 1/2 = 400万円
- 衛生対応の工場改修と選別機で3,000万円かかる:3,000万円 × 1/2 = 1,500万円
- 設備の総額が4,000万円になる:4,000万円 × 1/2 = 2,000万円 → 上限の1,500万円
上限に届くのは、対象経費が3,000万円以上のときです。消費税のうち仕入税額控除(売上の消費税から差し引ける分)の対象になる額は、補助金から減らして申請します。
何に使える?
対象にならないもの
- 輸出向けの生産体制への転換に直接必要でない設備
- 補助事業の期間内に支払いが終わらなかった経費
- 領収書や履行の確認資料がそろわない経費
対象になるもの
- 茶園管理機械施設(除草機、害虫誘引装置、堆肥舎、獣害対策施設など)
- 茶製造機械(てん茶製造ライン、生葉洗浄機、色彩選別機、異物除去機など)
- 被覆栽培の管理機械(背高被覆棚、自動被覆展開巻取装置など)
- 茶工場稼働率向上施設(蒸葉打圧装置、過熱蒸気発生装置など)
- 茶工場衛生対応改修(有機JAS・GAP対応の内張り、害虫の侵入防止改修など)
- 広域生葉集荷施設、製茶機械の移設費、体制づくりの指導・検討費用
実施要領の事例表に載っている設備です。この表にない設備でも、事業の実施に必要だと知事が認めれば対象になります。公式ページに可否の基準はないため、農林事務所への事前相談が確実です。
申請の流れ
令和8年度公募の手順です。
- 拠点化計画を作るか、拠点に参画する(茶工場の代表者・生産者→お茶振興課。応募の前に)
- 締切の1週間前までに農林事務所へ連絡する(事業者→最寄りの農林事務所)
- 事業計画を作る(事業者。コーディネーターや県の担当者が内容の確認と助言をする)
- 応募書類を出す(事業者→農林事務所。2026年8月3日17時まで)
- 審査会で発表する(事業者→県。応募状況によっては書類審査だけになる)
- 交付決定を受けて事業を進める(2027年2月末まで)
- 実績報告を出す(事業者→県。事業完了から30日後か、2月末のいずれか早い日まで)
応募書類の提出には、3までの手順を経る必要があります。締切後は書類の差し替えも追加もできません。
交付決定とは、県が補助金を出すと決める通知のことで、原則としてこの前の発注・契約は対象外です。交付決定前に着手するには、緊急かつやむを得ない事情を書いた届を、あらかじめ出す必要があります。
必要な書類
準備できた 0 / 8
事業実施計画書は実施要領の様式第1号と別紙2です。ここまでが、実施要領が応募に添えるよう定める書類です。見積書は原則3社以上、生産計画・収支計画は事業実施の翌々年度までの計画が分かるものにします。拠点化計画の写しの入手先は公式に記載がないため、お茶振興課か農林事務所に確かめてください。
選定されたあとの交付申請では、交付申請書、事業計画書、収支予算書、資金状況調べを出します。県の公募ページに、この4つを含む様式がWord一式で載っています。提出の期限は、交付要綱では「別に定める日」とされています。実際の提出書類は、農林事務所から届く案内で確かめてください。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 拠点に入っていない:拠点化計画の作成か参画が前提です。応募の直前では間に合いません。
- 事前連絡をしていない:締切の1週間前までの連絡と、事業計画の助言を受ける手順を飛ばすと受け付けられません。
- 書類に不備がある:締切後の差し替えは認められず、著しい不備や記載不足で受け付けられない場合があります。
- 審査で選ばれない:予算の範囲内での採択です。応募しても選定されないことがあります。
- 補助対象の財産を勝手に処分する:1件50万円以上の財産は、耐用年数にあたる期間、県の承認なしに売却・貸付・担保にできません。
- 他の補助と重ねる:同じ対象期間に、同様の別の補助を受けると本補助金は受けられません。
令和8年度の変更点と次回の見通し
要綱は令和7年度分から適用され、令和8年度分から改正されています。次回の公募時期や内容は、公式ページに記載がありません。令和8年度の公募期間は約5週間(6月26日から8月3日)でしたが、次回も同じとは限らないため、お茶振興課への確認が確実です。拠点化計画づくりは公募を待たずに進められるので、編集部としては先に動くことを勧めます。
複数年度にわたる事業は、実施計画書で認定を受ければ3年以内で認められます。2年目以降は継続審査のあと、年度ごとに交付申請します。
よくある質問
令和8年度の公募はまだ申請できますか?
申請できません。公募期間は2026年6月26日から8月3日17時までで、締切後は書類の差し替えも追加も認められません。追加公募の案内は、県の公式ページに載っていません。次の機会に備えるなら、拠点化計画づくりと、事業計画に載せる設備の見積もり集めを先に進めておくと、公募が始まってから慌てずに済みます。最新の状況は、お茶振興課へ問い合わせて確かめてください。
次の公募はいつ始まりますか?
公式ページに記載がなく、断定できません。交付要綱は令和7年度分から適用され、令和8年度分から改正されているので、事業としては続いています。ただし公募の時期、補助率、上限額が毎年同じとは限りません。県のお茶振興課のお知らせページに公募の御案内が載るので、そこを確かめるのが確実です。農林事務所に聞いても案内してもらえます。
補助率と上限額はいくらですか?
対象経費の1/2以内で、上限は1,500万円です。公募要領とパンフレットの両方にこの数字が載っています。たとえば設備に3,000万円かかれば、1/2の1,500万円が上限に当たります。4,000万円かかっても補助は1,500万円までで、残りは自己負担です。「以内」の表記なので、審査の結果によっては1/2を下回ることもあります。
どんな設備が対象になりますか?
実施要領の事例表に載っているのは、除草機や害虫誘引装置などの茶園管理機械、てん茶製造ラインや色彩選別機などの茶製造機械、背高被覆棚、蒸葉打圧装置、有機JASやGAPに対応する工場の内張り改修などです。表にない設備でも、事業の実施に直接必要だと知事が認めれば対象になります。迷う設備は、見積もりを取る前に農林事務所へ相談してください。
輸出生産拠点に入っていない茶農家でも応募できますか?
応募できません。事業実施主体は、拠点化計画を作成しているか、計画に参画している、県が選んだ拠点の茶業者です。拠点化計画は、補助金の申請の前に作成または参画しておくよう案内されています。拠点に入っていない場合は、近くの茶工場の代表者が作る拠点に参画するか、お茶振興課に拠点化計画の出し方を問い合わせます。
成果目標は何を選べばよいですか?
5つの目標から2つを選び、事業実施年度の2年後までに達成する見込みを計画に書きます。目標は、輸出向け茶園面積の20%以上の増加、有機栽培茶やてん茶の生産量の20%以上の増加、主要品種指数の2ポイント以上の低下、輸出用茶の割合の5ポイント以上の増加、労働生産性の10%以上の向上です。自分の事業で数字を出せそうな2つを選びます。
他の補助金と併用できますか?
同じ対象期間に、同様の補助を別の制度で受ける場合は、本補助金を受けられません。交付要綱の交付条件に書かれています。国の補助事業と組み合わせたいときは、同じ経費を重ねて申請することにならないか、農林事務所で応募の前に確かめてください。経費を明確に分けられるかどうかが論点になります。
交付決定の前に機械を買ってしまったら対象になりますか?
原則として対象外です。事業の実施期間は交付決定日から始まります。例外として、緊急かつやむを得ない事情があるときは、理由を書いた交付決定前着手届をお茶振興課長に先に出せば、交付決定の前に着手できます。届を出さずに発注した経費は対象になりません。着手を考えている時期は、必ず農林事務所に先に相談してください。
補助で買った機械を売ったり貸したりできますか?
1件の取得価格が50万円以上の財産は、耐用年数にあたる期間、県の承認なしに目的外の使用、譲渡、交換、貸付、担保にできません。承認を得て処分して収入があれば、県に納付する場合があります。財産管理台帳を事業の完了後も整え、帳簿と領収書は交付を受けた年度の終了後5年間保管します。
消費税は補助の対象になりますか?
補助対象経費に含まれる消費税のうち、仕入税額控除(売上の消費税から差し引ける分)の対象になる額は、補助金から減らして申請します。申請時に金額が分からなければ、実績報告の段階で減額します。報告のあとの消費税の申告で額が確定したときは、県に報告して返還する場合があります。課税事業者か免税事業者かで扱いが変わるので、税理士に確かめておくと安心です。
複数年にわたる事業はできますか?
できます。事業実施計画書で複数年度の事業として認定を受ければ、期間は3年以内です。次年度以降は、進捗状況と次年度分の計画書で継続審査を受け、年度ごとに改めて交付申請します。令和8年度の公募要領が示す事業実施期間は、交付決定日から2027年2月末までです。事業の完了後も3年間は、実施状況を県に報告します。
問い合わせ先はどこですか?
県の窓口は、経済産業部農業局お茶振興課お茶振興班です。公募要領とパンフレットの電話は054-221-3297、県の公募ページの問い合わせ欄は054-221-2674で、番号が異なります。どちらもお茶振興課の番号なので、つながらなければもう一方にかけてください。応募書類の提出先は、最寄りの農林事務所(富士・中部・志太榛原・中遠・西部天竜農林局)で、各事務所の企画経営課または地域振興課が受け付けます。事業を実施する茶園や工場の所在地を管轄する事務所へ、まず連絡してください。
