高松市の「高松市中小企業等人材力向上支援補助金」は、市内の中小企業者が経営者や従業員に研修を受けさせたときの受講料を、最大10割・上限5万円まで補助する制度です。対象は四国職業能力開発大学校とポリテクセンター香川が実施する研修に限られており、対象範囲を正しく理解しておくことが申請の第一歩になります。
対象になる事業者は?
補助対象者は、次のいずれにも該当する事業者です。
- 市内に住所を有する個人事業主、または本店の所在地が高松市内である法人(中小企業基本法に定める中小企業者)
- 交付申請日において市税を申告しており、納期限が到来した市税を滞納していない
- 補助対象経費(受講料)を受講者本人(経営者・従業員)に負担させていない
中小企業者の範囲は業種によって異なります。
| 業種 | 資本金の額または出資の総額 | 常時使用する従業員数 |
|---|---|---|
| 製造業・建設業・運輸業など | 3億円以下 | 300人以下 |
| 卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
| サービス業 | 5,000万円以下 | 100人以下 |
| 小売業 | 5,000万円以下 | 50人以下 |
一方で、大企業の子会社に近い「みなし大企業」(発行済株式の2分の1以上を同一の大企業が保有している場合など)、暴力団関係事業者、宗教法人、法人格のない任意団体、直近1年以内に労働関係法令違反で送検処分を受けた事業者などは対象外です。同一年度内にこの補助金を一度受け取った事業者は、同じ年度に再度申請することはできません(1事業者・年度内1回限り)。
対象になる研修は?資格取得(フォークリフト・施工管理技士等)は対象になる?
読者の多くが気になるのはここでしょう。結論から言うと、対象研修は「四国職業能力開発大学校」と「ポリテクセンター香川」が実施する研修に限定されています。
- 四国職業能力開発大学校:能力開発セミナー
- ポリテクセンター香川:能力開発セミナー(オープンコース)
- ポリテクセンター香川:生産性向上支援訓練(オープンコース)
- ポリテクセンター香川:オーダーメイドコース(他の研修との併用は不可、単独申請のみ)
これらは在職者向けの技能・技術レベルアップ講座で、機械系・電気電子系・電子情報系・居住系・管理系といった分野のコースが用意されています。フォークリフト運転技能講習や施工管理技士の受験対策講座を専門に行う民間スクール・予備校の受講料は、対象研修機関そのものに含まれていないため、原則として対象外と考えられます。ポリテクセンター香川の機械系コースの中に技能講習に近い内容が含まれる年度もあり得ますが、開講コースは年度ごとに変わるため、狙いたい研修が対象に入っているかは高松市産業振興課または各研修実施機関の年度コース一覧で事前に確認するのが確実です。
対象になる研修期間は令和8年4月7日から令和9年2月26日までに修了するものです。国、県その他の団体による他の補助金と重複する研修は対象になりません。
補助率・上限額はいくら?
補助対象経費は受講料のみ(消費税・地方消費税は対象外)。研修の区分によって補助率と上限額が変わります。
| 研修実施機関 | 研修区分 | 補助率 | 補助上限額 |
|---|---|---|---|
| 四国職業能力開発大学校 | 能力開発セミナー | 10分の10 | 3万円 |
| ポリテクセンター香川 | オープンコース(能力開発セミナー・生産性向上支援訓練) | 10分の10 | 3万円 |
| ポリテクセンター香川 | オーダーメイドコース | 2分の1 | 5万円 |
補助額の目安を具体例で見てみます。
- 製造業の経営者が四国職業能力開発大学校の能力開発セミナー(受講料2万5,000円)を受講:補助率10割のため2万5,000円が補助され、実質負担はほぼゼロになる
- サービス業の従業員2名がポリテクセンター香川のオープンコースをそれぞれ受講(1人あたり受講料2万円、計4万円):補助率10割だが上限は3万円のため、補助額は3万円にとどまる
- 建設業がポリテクセンター香川のオーダーメイドコースを企業単独でカスタム実施(受講料15万円):補助率2分の1で7万5,000円相当だが、上限5万円が適用され、補助額は5万円になる
このように、受講料が上限額を超えると補助率どおりには増えず頭打ちになる点に注意が必要です。
申請の流れと見落としやすいタイミング
補助金は「交付申請→交付決定→受講料の支払い→受講→実績報告→請求」という順番で進みます。ここで重要なのは、受講料を支払う前に高松市への交付申請を済ませておくという順番です。
- 交付申請:受講料の支払い前までに、交付申請書(様式第1号)・事業計画書(様式第2号)・収支予算書(様式第3号)を電子申請フォームから提出。申請期間は令和8年5月18日(月)から令和8年12月25日(金)までですが、予算に達した時点で受付を停止します(先着順の運用のため、早めの準備が有利)
- 交付決定:市が内容を審査し、交付決定通知書または不交付決定通知書を送付
- 受講料の支払い:受講日の8営業日前までに支払いを完了させる
- 受講:対象研修を受講し修了する
- 実績報告:研修修了後30日以内、または令和9年2月26日(金)のいずれか早い日までに、実績報告書兼誓約書(様式第8号)・収支決算書(様式第9号)・研修修了を確認できる書類の写し・受講料の領収書等の写しなどを郵送で提出
- 請求:交付指令書の到着後7日以内、または令和9年3月17日(水)のいずれか早い日までに請求書を提出(振込までさらに2週間程度)
令和8年4月7日より前に研修実施機関へ受講料を支払ってしまっている場合、その受講料は交付対象外になります。研修を決めたら、支払いより先に交付申請の準備を進めることが何より重要です。
補助対象外になりやすい経費
次のような経費は補助対象になりません。
- 消費税・地方消費税
- 契約書・請求書・領収書等の宛名が申請者本人でないもの(従業員が立て替えた場合、申請者が全額を従業員に支払い済みであれば対象になり得ます)
- フランチャイズ本部や自社内部・役員の親族が営む法人等との取引
- 振込手数料・代引手数料・インターネットバンキング利用料など
- 商品券・クーポン・ポイント・仮想通貨・手形・小切手による決済
- 1取引10万円(税抜き)を超える現金払い
国にも研修費用を支援する制度があります。あわせてこちらの記事で解説しています。
高松市の補助金だけで足りない場合や、他にも自社が対象になる補助金がないか気になる方は、3分でできる補助金診断も活用してみてください。
よくある質問
フォークリフトや施工管理技士などの資格取得講座も対象になりますか?
対象研修機関は四国職業能力開発大学校とポリテクセンター香川の2機関に限定されています。民間の資格専門スクールの受講料は対象研修機関に含まれないため、原則対象外と考えられます。
申請期間内であれば必ず補助を受けられますか?
申請期間は令和8年5月18日(月)から令和8年12月25日(金)ですが、予算の範囲内での運用のため、期間中でも予算に達した時点で受付を停止します。受付状況は高松市公式ページで随時周知されるため、研修を検討している場合は早めに交付申請の準備を進めることをおすすめします。
1つの研修で従業員を追加したり、途中で受講コースを変更できますか?
変更交付申請は可能ですが、交付決定を受けた金額を超える増額、受講者(従業員)の追加、受講する研修・コースの変更は認められません。研修内容や対象人数は交付申請の時点で確定させておく必要があります。
複数の補助金・助成金の使い分けや、交付申請のタイミング設計に迷う場合は専門家に相談するのも一つの手です。
免責事項: 本記事の内容は2026年7月時点で確認できた高松市公式ページ・交付要綱・申請手引にもとづきます。補助率・上限額・対象研修・申請期間・必要書類は変更される場合があるため、申請前に必ず高松市の公式ページで最新情報をご確認ください。
出典:
- 高松市公式サイト「社員スキルアップサポート補助金(高松市中小企業等人材力向上支援補助金)」
- 高松市「高松市中小企業等人材力向上支援補助金交付要綱」(同ページよりPDFダウンロード)
- 高松市「高松市中小企業等人材力向上支援補助金の手引」(同ページよりPDFダウンロード)
- ポリテクセンター香川
- 四国職業能力開発大学校 能力開発セミナー
