「中東情勢」を名前に含む東京都の支援策は、実は複数あります。資金繰りを支えるための制度融資(借入への保証料補助)と、この記事で扱う助成金(返済不要の給付)は別の制度です。原材料の値上がりで利益率が下がっている事業者が使うべきなのは、この助成金のほうです。
「中東情勢による原材料価格高騰に伴う経営基盤安定化緊急対策事業」は、公益財団法人東京都中小企業振興公社が実施する助成金です。原材料費の縮減につながる設備・システム導入の経費を助成します。
中東情勢原材料高騰対策助成金の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人・個人事業主) |
| 制度名 | 中東情勢による原材料価格高騰に伴う経営基盤安定化緊急対策事業 |
| 対象業種 | 指定なし(都内中小企業等) |
| 利用目的 | 原材料費の縮減等に資する設備・システム等の導入 |
| 対象地域 | 東京都内 |
| 従業員数 | 中小企業基本法上の中小企業者(業種ごとに資本金・従業員数のいずれかの基準を満たすこと) |
| 補助上限額 | 2,000万円 |
| 補助率 | 助成対象経費の5分の4以内 |
| 申請受付 | 第1回は終了(令和8年7月17日~7月31日16時)。第2回の受付は予定されているが期間は公式ページに記載なし(事務局へお問い合わせください) |
| 公式サイト | 東京都中小企業振興公社「中東情勢による原材料価格高騰に伴う経営基盤安定化緊急対策事業」 |

対象になる企業・ならない企業
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 対象になる | 直近決算期の営業利益率が前期比で減少している、次期決算期の利益率減少が見込まれる、または直近決算期で営業損失を計上している都内中小企業 |
| 対象にならない | 直近決算期の営業利益率が前期より改善している企業(数値要件を満たさない) |
営業利益率の悪化・損失計上のいずれかが要件になっており、「原材料が値上がりして困っている」という実感だけでは申請要件を満たしません。 決算書の数値で説明できる状態にしておく必要があります。
対象経費の線引き
対象経費は原材料・副資材費、機械装置・工具器具費、機器・システム改良費、委託・外注費、設備等導入費、システム導入費、専門家指導費、販路開拓経費、その他経費です。対象経費の幅は広いものの、あくまで「原材料費の縮減等に資する」取組みであることが前提です。 原材料の使用量を減らす設備や、代替素材への切り替えのためのシステム導入などが典型例になります。
よく誤解されるポイント
名前が似ている「東京都中小企業制度融資(中東情勢関連)」と混同されがちですが、こちらは融資であり、信用保証料の補助を通じて借入をしやすくする制度です。一方この助成金は、原材料費削減に取り組む設備投資そのものへの返済不要の給付です。資金繰りを一時的にしのぎたいなら制度融資、原材料費の構造そのものを見直す設備投資をしたいならこの助成金、という使い分けになります。
よくある質問
第1回に申請できなかった場合、もう間に合いませんか?
第2回の受付が予定されていますが、具体的な期間は公式ページに記載がありません。事務局(電話03-4376-5728)へ確認することをおすすめします。
中東情勢と直接関係ない値上がりでも対象になりますか?
制度名は「中東情勢による」となっていますが、判定は営業利益率の減少・損失計上という数値要件で行われます。値上がりの直接的な原因を証明する必要があるかは、公式ページに明記がないため事務局への確認が確実です。
申請方法はどこで確認できますか?
申請はJグランツ(国の電子申請システム)で行います。GビズIDプライムアカウントの取得が事前に必要です。
