豊田市内に工場や研究所を建てる、あるいは製造設備を一新する計画なら、取得費の10%(中小企業の場合)が戻ってきます。上限は10億円です。
ただし、この補助金は事業に着手してから申請しても間に合いません。事業着手日の30日前までに、認定申請を出す必要があります。
創造産業立地補助金の要点まとめ
正式名:豊田市創造産業立地補助金
だれが
- 申請者
- 事業者(営利目的の法人)
- 対象業種
- 製造業、ソフトウェア業
- 利用目的
- 工場・研究所の新設・増設、設備投資
- 対象地域
- 愛知県豊田市
- 従業員数
- 常用雇用者25人以上(大企業は50人以上)
いくら
- 補助上限額
- 最大10億円(中小企業。中堅・大企業は5億円)
- 補助率
- 1/10(中小企業)。中堅5%、大企業4%、みなし大企業は8%か4%
いつ・どこへ
- 申請受付
- 随時(事業着手日の30日前まで)。要綱は2027年3月31日まで
- 事業の完了
- 認定申請の翌日から3年以内に操業を開始
- 公式サイト
- 豊田市「創造産業立地補助金」
うちの会社は対象になる?
次の7つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 7
大企業は、投資額が25億円以上、常用雇用者が50人以上です。市税の滞納がないことも条件です。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 事業着手日の30日前を過ぎている
- ✕ 倉庫・物流施設・事務所が主体
- ✕ 土地の取得費だけが対象の計画
- ✕ 県の補助金の認定を受けていない
この補助金は、愛知県の「新あいち創造産業立地補助金」Aタイプの認定を受けた事業が対象です。県の補助金とセットで申請します。市の様式とは別に、県の様式も使います。県の様式は、市からメールで送られます。
用語を説明します。
- 次世代成長分野:次世代自動車、航空宇宙、環境・新エネルギー、健康長寿、情報通信、ロボットの6分野です。
- 集積産業:愛知県の指針に定められた、輸送機械、電気・電子機器、機械・金属、食料・飲料品などの産業です。西三河地域に係るものに限ります。
- 常用雇用者:工場等を主な勤務地とし、解雇の予告が必要な人です。雇用保険、厚生年金、健康保険に加入していることが要件です。派遣、請負、出向者、外国人技能実習生は含みません。
- 中小企業:製造業などは、資本金3億円以下または従業員300人以下の会社です。どちらか一方を満たせば該当します。
- 中堅企業:中小企業を除き、常時使用する従業員が2,000人以下の企業です。
- みなし大企業:中小企業や中堅企業でも、同じ大企業が株式の2分の1以上を持つ、大企業が合わせて3分の2以上を持つ、役員の2分の1以上を大企業の役員・職員が兼ねている、といった会社です。
- 次世代成長分野には、6分野のほかに「市長が認める分野」もあります。
企業規模(中小・中堅・みなし大企業)は、認定申請を出した時点で判定します。
過去の実績にも条件があります。
- 同じ事業所で、過去に市から新設・増設の補助を受けているときは、事業着手日の5年前までに操業を始めている必要があります(設備投資奨励金で償却資産が1億円以下だった場合は1年前まで)。
- 大企業とみなし大企業は、過去に県の補助を受けた同じ事業所の同じ事業では申請できません。
- すでに認定を受けた事業や認定申請中の事業があると、その事業の県補助金がすべて交付されるまで、新しい認定申請は受け付けられません。
いくら補助される?
対象経費に、企業の規模ごとの率をかけた額です。1,000円未満は切り捨てます。
| 企業の規模 | 補助率 | 限度額 | 投資額の下限 |
|---|---|---|---|
| 中小企業 | 10% | 10億円 | 1億円 |
| 中小企業(みなし大企業) | 8% | 10億円 | 1億円 |
| 中堅企業 | 5% | 5億円 | 1億円 |
| 中堅企業(みなし大企業) | 4% | 5億円 | 1億円 |
| 大企業 | 4% | 5億円 | 25億円 |
表の率と限度額は、市の要綱の別表(2026年7月31日施行)と、市の概要パンフレット(2026年9月4日の第4版)に合わせました。市の案内ページの表には、中堅企業10%、大企業8%と載っています。愛知県のページでは、県の補助金を含めた率が中堅・中小企業10%以内、大企業8%以内で、このうち県の分が5%以内、4%以内です。案内ページの率は、県の分を合わせた数字と考えられます。パンフレットには、中堅企業と大企業は市と同額が県から別に交付されると書かれています。市の分の率と、県の分を含む率の関係は、申請の前に産業振興課で確かめてください。
計算例です。
- 中小の自動車部品メーカーが、工場棟の増築に3億円、加工機に2億円:5億円 × 10% = 5,000万円
- 大企業が株式の2分の1以上を持つ中小の電子部品メーカー(みなし大企業)が、5億円を投資:5億円 × 8% = 4,000万円
- 中小のロボット部品メーカーが、新工場に150億円を投資:150億円 × 10% = 15億円 → 上限の10億円
- 中堅の航空機部品メーカーが、研究棟と試験設備に20億円を投資:20億円 × 5% = 1億円
- 大企業が新工場に30億円を投資:30億円 × 4% = 1.2億円
- 投資額が8,000万円の計画:1億円に届かず、対象外
上限の10億円に届くのは、中小企業が100億円以上を投資するときです。補助額が大きいため、交付は分割されることがあります。中小企業は4億円を超えると、中堅・大企業は2億円を超えると、2年間に分けて交付できます。
過去に県補助金の対象になった工場がある企業グループの敷地内に、同じグループの企業が工場を建てる場合は、グループ全体で受けられる総額に上限があります。中小企業は20億円、中堅・大企業は10億円です。
何に使える?
対象にならないものを先に確認します。
- 土地の取得費
- 消費税・地方消費税の相当額
- 過去に市から補助金などを受けた資産の費用
- 事務用品など、製造や開発に直接関わらない償却資産
- 最初の機械が動き出してから1年以上たって発注した機械
対象になるのは、固定資産取得費用です。事業着手日から操業開始日までの間に取得した、固定資産税がかかる資産(土地を除く)の費用を指します。次の3つが入ります。
- 工場や研究所の建設費のうち、専ら生産・研究開発に使う部分
- 生産・研究開発に使う機械・装置などの償却資産の取得費
- 愛知県の補助金の要綱で定められた費用
償却資産は、認定申請を出したあとに発注したものが対象です。認定前に発注した機械は入りません。納期が長いなど正当な理由がある場合は、認定申請のときに理由書を出し、承認を受ける必要があります。
土地の取得費は、別の制度の「用地取得補助金」があります。創造産業立地補助金などと一緒に申請する形で、産業集積地区内の土地に限ります。パンフレットでは、取得額の10%で、限度額は1億円です。事業着手日より前に取得した土地は、所有権移転登記から1年以内のものが対象です(時系列資料)。
施設の使い方にも条件があります。製造や研究開発に使う延べ床面積が施設全体の過半を占め、補助を受ける事業の延べ床面積が、その製造・研究開発の面積の過半を占める必要があります。倉庫、物流施設、事務所が中心の建物は、工場として扱われません。
「増設」には2つの形があります。
- 既存の工場を増築する
- 工場の機械・装置を一新する(建物の機械・装置の過半を新しい設備にする)
申請の流れ
- 事前に市へ連絡する(事業者→豊田市 産業振興課。電話 0565-34-6641。申請前に一度連絡するよう案内されています)
- 認定申請を出す(事業者→豊田市。事業着手日の30日前まで。市の様式一式と県の様式を使う)
- 認定の結果を受け取る(豊田市→事業者。現地ヒアリングのあと、認定可否決定通知が届く)
- 事業着手届を出し、着工・発注する(事業者→豊田市。建物は着工日、償却資産は発注日のうち早い日が事業着手日)
- 操業を始める(事業者。認定申請の翌日から3年以内。事業所操業開始届を出す)
- 交付申請を出す(事業者→豊田市。対象資産の支払いを終えてから、操業開始の翌日から10か月以内に。交付申請書と実績報告書が一体の様式)
- 請求して交付を受ける(事業者→豊田市。補助額の確定後に請求書を出す)
事業着手日は、くい打ち、鍬入れ、地盤改良、起工式や地鎮祭など、建設の意思を外に示す行為を始めた日です。機械・装置を一新する場合は、最初の発注日です。建物と償却資産のうち早い日が着手日になります。
申請は、市のフォームから出します。認定申請のフォームは「ドラフト版」と呼ばれ、これが提出を兼ねます。出す前に、産業振興課へ一度連絡するよう案内されています。
必要な書類
準備できた 0 / 14
- 履歴事項証明書は、発行から3か月以内のものです。
- 決算書類は、貸借対照表、損益計算書、事業報告かそれに準ずるものです。
- 認定申請の書類は、認定申請書から決算書類までの8点です。それ以降は、操業開始後の交付申請に出します。
- 検査済証の写しと建築図面は、機械・装置を一新する場合は不要です。
- 第三者に申請を任せるときは、委任状(様式第4号)も出します。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 着手が先に進んだ:認定申請は事業着手日の30日前までに出す決まりです。着工や発注が先に進むと、この期限を守れなくなります。
- 3年以内に操業を始められなかった:認定申請の翌日から3年以内に操業を始めないと、認定が取り消されます。
- 操業を5年続けられなかった:操業開始の翌日から5年間、操業を続ける必要があります。休止や廃止があると、交付の取消しや返還の対象です。
- 雇用を維持できなかった:認定申請の時点から県の補助金が交付される年度末まで、常用雇用者を中小企業と中堅企業は25人以上、大企業は50人以上で保つ必要があります。
- 設備を勝手に処分した:補助で取得した資産は、事業が完了した年度の翌年度から5年間、目的外の使用、譲渡、貸付、担保にできません。市長の承認があれば例外です。
- 県の補助金を辞退した:県の認定を受けても、県補助金の交付を辞退した事業は対象外です。
- 交付申請が10か月を過ぎた:操業開始の翌日から10か月以内に、交付申請書兼実績報告書を出す決まりです。
返還を命じられると、受け取った日から納付の日までの日数に応じて、年10.95%の加算金も払います。
併用・変更・税金のこと
同じ新設・増設で、次の制度と重ねて認定申請することはできません。
- 成長産業立地奨励金
- 設備投資奨励金
- 21世紀高度先端産業立地補助金
要綱は2027年3月31日で効力を失います。ただし、失効前に認定を受けた事業の交付は、従来どおり続きます。
認定後に事業内容を変えるときは、事前に変更承認申請を出します。たとえば、固定資産取得費用が20%を超えて減る場合や、1億円を超えて減る場合、操業開始時期を6か月を超えて変える場合です。
受け取った補助金の税金の扱いは、案内ページ、要綱、パンフレットに記載がありませんでした。会計処理は税理士に確かめてください。
よくある質問
従業員が30人の会社でも申請できますか?
申請できます。中小企業と中堅企業は、常用雇用者が25人以上で、補助の交付期間中に維持することが条件です。投資額は1億円以上が必要です。常用雇用者に数えるのは、工場等を主な勤務地とし、雇用保険、厚生年金、健康保険に加入している人です。派遣、請負、出向者、外国人技能実習生は入りません。
県の補助金とは、どういう関係ですか?
この補助金は、愛知県の新あいち創造産業立地補助金のAタイプの認定を受けた事業が前提です。県と市の補助金を併用する形で、パンフレットには、中堅企業と大企業は市と同額が県から交付されると書かれています。県の補助金を辞退した事業は対象になりません。認定申請の書類には、市の様式のほかに県の様式もあり、県の様式はメールで届きます。申請の前に、市の産業振興課へ連絡します。県のAタイプの窓口は、愛知県 産業立地通商課 立地推進グループ(電話 052-954-6372)です。
事業着手日は、いつのことですか?
建物は着工した日、機械・装置の購入は最初の発注日です。両方ある場合は早い日が着手日になります。着工とは、くい打ち、鍬入れ、地盤改良、起工式や地鎮祭など、建設の意思を外に示す行為を始めた日です。定義は案件ごとに異なるため、市は事前の相談を勧めています。認定申請は、この着手日の30日前までに出します。
土地の購入費も補助されますか?
この補助金の対象外です。土地を除く固定資産の取得費用だけが対象になります。土地の取得費は、別に「用地取得補助金」があります。創造産業立地補助金などと一緒に申請する制度で、単独では申請できません。産業集積地区内の土地を取得する場合に限ります。条件や額は、産業振興課に確かめてください。
既存の工場の設備を入れ替えるだけでも対象ですか?
対象になる場合があります。「設備一新」という増設の形で、建物にある機械・装置の数か設置面積の過半を、新しい設備にするのが条件です。投資額が1億円以上(大企業は25億円以上)であることも必要です。機械・装置の最初の発注日が事業着手日になるため、認定申請は、その発注の30日前までに出します。
ソフトウェア業も対象になりますか?
対象になります。対象業種は、製造業と、情報通信業のうち日本標準産業分類のソフトウェア業です。事業所は、製造やソフトウェアの開発に使う工場や研究所に限ります。研究所とは、製品の研究開発や試作を行い、量産を主な目的としない施設です。物流施設、倉庫、事務所が中心の建物は対象になりません。
補助率が市のページと要綱で違うのはなぜですか?
市の案内ページの表には、中堅企業10%、大企業8%という率が載っています。いっぽう、2026年7月31日に施行された要綱の別表と、同年9月4日の概要パンフレットでは、中堅企業5%、大企業4%です。愛知県のページには、県の補助金を含めた率として、中堅・中小企業10%以内、大企業8%以内とあり、県の分は5%以内と4%以内です。案内ページの率は、県の分と合わせた数字と考えられます。市が支払う率の根拠は、要綱の別表です。中小企業は10%、みなし大企業は8%で、資料の間にずれはありません。県の分を含めた受取額は、産業振興課で確かめられます。
補助金はいつ受け取れますか?
操業開始の翌日から10か月以内に交付申請を出し、審査で補助額が確定してから、請求書を出して受け取ります。時期は、工事の期間と操業開始の時期で決まります。認定申請から操業開始までは3年以内です。補助額が、中小企業は4億円、中堅・大企業は2億円を超える場合は、2年間に分けて交付されることがあります。
補助金を受けたあとの義務は何ですか?
操業を、操業開始の翌日から5年間続けます。常用雇用者も、認定申請の時点から県の補助金が交付される年度末まで、中小・中堅は25人以上、大企業は50人以上を保ちます。取得した資産は、事業が完了した年度の翌年度から5年間、目的外の使用や売却はできません。帳簿や関係書類は、同じく5年間保存します。違反すると、補助金の返還を求められます。
認定後に計画が変わったらどうしますか?
主な製品の内容、企業名、代表者、所在地、立地場所を変えるときは、事前に変更承認申請を出します。固定資産取得費用が20%を超えて減るときや、1億円を超えて減るときも対象です。操業開始時期が6か月を超えて変わるときも同じです。事業を中止・廃止するときは、すぐに届け出ます。
要綱が失効するとどうなりますか?
要綱は2027年3月31日で効力を失います。そのため、新しく認定申請を出すなら、この日までに認定を受ける計画で動くのが安全です。失効前に認定を受けた事業の補助金の交付は、従来どおり続きます。失効後の制度の扱いは、案内ページに記載がありませんでした。産業振興課で確かめられます。
問い合わせ先はどこですか?
豊田市 産業部 産業振興課 立地促進担当(電話 0565-34-6641)です。受付フォームもあります。申請前の連絡を求められているため、計画の初期に相談します。事業着手の定義や、県の補助金との組み合わせは、案件ごとに判断が分かれます。
