社員を研修に出すことにして、講座に申し込み、受講料も払った。そのあとで補助金があると知る。リスキリングの補助金で起きやすいのが、この順番の失敗です。
文京区の人材強化支援補助金(リスキリング)は、区内の中小企業が講座の受講料や資格の受験料の1/2を、1社あたり最大10万円まで受け取れる補助金です。講座の申込みより前に、区へ認定申請を出す必要があります。
文京区人材強化支援補助金(リスキリング)の要点まとめ
正式名:文京区中小企業人材強化支援事業補助金(リスキリング)
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人事業主)
- 対象業種
- 業種の指定なし
- 利用目的
- 従業員・役員の講座受講、資格取得
- 対象地域
- 東京都文京区
- 従業員数
- 公式ページに記載なし(区内の中小企業者)
いくら
- 補助上限額
- 1社あたり10万円(受講する人数に関わらず)
- 補助率
- 対象経費の1/2
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年4月1日〜2027年3月31日(予算額に達するまで)
- 事業の完了
- 2028年3月31日まで
まず、うちの会社は対象になる?
次の5つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
対象は、中小企業基本法に定める中小企業者(業種ごとに資本金と従業員数の上限があり、どちらか一方を満たせば該当します。基準は業種で異なるため、迷うときは経済課で確かめてください)に当たる事業者です。個人事業者は、主たる事業所が区内にあれば対象です。法人は住民税が法人都民税にあたります。事業税が非課税の個人事業者は、所得税を完納しているかが見られます。1年の数え方は、認定申請日から遡って区内で引き続き事業をしていた期間です。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 講座を申し込んだ後に申請する
- ✕ 認定後に区外へ移転した
- ✕ 受講費用を社員本人に負担させる
- ✕ 国や自治体が開く講座を受ける
認定とは、区が「この会社を補助の対象にする」と認める最初の手続きのことです。
いくら戻ってくる?
かかった費用の1/2で、1社あたり最大10万円です。受講する人が何人でも上限は変わりません。上限の10万円に届くのは、対象の費用が20万円以上のときです。
次の金額は、考え方を示すための仮定の例です。
- 経理担当がITパスポートの講座と受験に合わせて8万円:8万円 × 1/2 = 4万円
- 営業職2人が受けるデータ活用の講座に合計15万円:15万円 × 1/2 = 7.5万円
- 代表者と社員3人が新事業向けの講座を受け、合計30万円:30万円 × 1/2 = 15万円 → 上限の10万円
3つ目のように費用が大きい場合、10万円を超えた分は自己負担です。人数を増やしても補助額は増えないため、1社の上限から逆算して講座を選ぶと考えると整理しやすくなります。
補助の対象になる講座かどうかは、区の事前確認フォームで申請の前に聞けます。
どの費用が補助される?
対象にならないもの
- 講座・教育課程の入学のための検定料、入学金など、受講を始めるのに必要な費用
- 認定申請日より前に支払った費用
対象になるもの
- 教育課程、講座、講習などの受講料
- 資格試験の受験料
- 検定試験の受検料
- そのほか、事業の実施に必要と認められる費用(個別の相談が必要)
資格に合格できなかった場合でも、その資格にかかった受講料や受験料は対象です。対象期間は、認定申請日から2028年3月31日までに支払った費用です。
講座の内容は、事業の拡大かDXの実現につながるものに限られます。事業の拡大には、業種の拡大・転換のほか、既存事業の規模を広げる目的も入ります。DX(デジタル技術で業務や事業を変えること)は、高度な講座や資格から、ITパスポートなどのIT関係の講座・資格まで幅広く対象です。
講座そのものにも条件があります。区の案内チラシによると、民間の教育機関が開く既存の講座で、受講案内が広く公開され、受講証明書が出るものが対象です。国や自治体が主催する講座と、定額制のサブスクリプション形式は対象外です。対象外の例として、一般的なビジネスマナーやWord・Excelの基礎講座、趣味・教養の講座、見学会、法令で義務付けられた特別教育、職場内コミュニケーションが挙がっています。資格も、内容が公開され、取得の証明書が出るものに限られます。
申請の流れ:講座の申込みの前にやること
- 事前確認フォームで、講座や資格が対象か聞く(事業者→文京区経済課。申込みの前に)
- 認定申請の書類をそろえ、郵送か窓口へ持参する(事業者→経済課。講座の申込みより前に)
- 講座を申し込み、受講や受験を終えて、費用を支払う(事業者→受講先。2028年3月31日までに完了)
- 年度をまたぐときは、中間報告を出す(事業者→経済課。認定した事業が当年度中に終わらない場合だけ)
- 実績報告と請求の書類を出す(事業者→経済課。事業が終わってから、遅くとも2028年3月31日までに)
区が内容を確認して補助金の額を確定し、そのあと支払われます。認定の結果が出るまでの日数と、補助金が振り込まれる時期は、公式ページに書かれていません。講座の開始日が決まっているなら、早めに経済課へ電話で聞いておく手があります。
必要な書類
準備できた 0 / 11
上の表のうち、認定申請の段階で出すのは上から8行までです。最後の3行は、事業が終わったあとの実績報告と請求で出します。
- 登記簿謄本は、申請日から3か月以内に発行された原本です
- 納税証明書は原本で、住民税(個人事業者で非課税なら非課税証明書)と事業税(非課税なら所得税)の分が要ります。窓口は公式ページに指定がなく、住民税と事業税で分かれることがあるため、発行先は事前に確かめてください
- 確定申告書の写しは、決算期を迎えている個人事業者が、直近の所得税確定申告書と青色申告決算書の写しを出します
- 講座の書類は講座を受ける場合、資格の書類は資格を取る場合だけ出します
- 実績報告には、実績報告書の別紙(事業報告書・決算書)と、講座の修了または資格の取得が分かる書類も付けます
社員が費用を立て替えた場合は、会社から本人へ支払ったことが分かる給与明細などの書類が追加で要ります。
補助が受けられなくなるのはどんなとき?
- 先に申し込んだ・支払った:認定申請日より前に支払った費用は対象外です。講座の申込み前に事前申請が必要という決まりも、公式ページに書かれています。
- 入学金や検定料を含めた:入学のための検定料や入学金など、受講を始めるのに必要な費用は対象外です。見積もりの段階で受講料と分けておきます。
- 費用を社員に負担させた:講座や資格の費用は個人に負担させない決まりです。立て替えた場合は、会社が払い戻した証拠を残します。
- 予算に達した・書類に不備があった:予算額に達するまでの先着順です。書類の不足や不備、要件を満たさない場合は、他の申請者が優先されることがあります。
- 区外へ移転した:認定を受けたあとに区外へ移転すると、補助の対象外になります。
令和8年度に広がった対象と、他の補助金との関係
令和8年度から、従業員に加えて、代表者や役員がリスキリングに取り組む場合も対象になりました。経営者本人が資格を取る費用も、同じ1社10万円の枠に入ります。
他の行政機関から同種の補助金などを受けている、または受ける予定がある場合は、この補助金の対象外です。国や都の人材育成の助成金を使う予定があるときは、重ならないか先に経済課へ聞いておくと安心です。
よくある質問
すでに申し込んだ講座は対象になりますか?
公式ページでは、講座などの申込み前に事前申請が必要とされ、対象になる費用も認定申請日から後に支払ったものです。申込みや支払いを済ませた講座は、対象にならない可能性が高くなります。同じ講座でも、まだ申し込んでいない次の回や別の講座なら対象にできることがあるため、申込みを待つ前に経済課へ状況を伝えて相談してください。
社員が何人受講しても、上限は10万円ですか?
はい。上限は1社あたり10万円で、講座を受けたり資格を取ったりする人数には関係しません。補助率は1/2なので、対象の費用が20万円に届いた時点で上限に達し、それ以上は自己負担です。たとえば5人が受講して合計40万円かかっても、補助は10万円です。人数ごとに分けて何度も出す形になるかは公式ページに書かれていないため、複数回に分けたい場合は経済課に確かめてください。
代表者や役員の受講も対象ですか?
対象です。令和8年度から、従業員に加えて代表者や役員がリスキリングに取り組む場合も補助の対象になりました。受講料や受験料は、社員の分と同じ1社あたり10万円の枠の中で計算します。講座や資格が事業の拡大かDXの実現につながるものであることは、代表者や役員の場合も変わりません。事業計画書には、その講座で何ができるようになるかを書くことになります。
資格試験に落ちた場合も補助されますか?
補助されます。公式ページには、資格を取得できなかった場合でも、その資格にかかった受講料や受験料などは補助対象になると書かれています。ただし、実績報告では支払ったことが分かる書類を出す必要があります。再受験の費用が対象になるかは書かれていないので、再受験を見込む場合は認定申請の前に、予算書へ入れてよいか経済課に聞いておくと確実です。
個人事業主でも申請できますか?
申請できます。対象は区内の中小企業者で、法人だけでなく個人事業者も入ります。個人事業者の場合は、主たる事業所が文京区内にあり、認定申請日の時点で区内で1年以上事業を続けていることが条件です。住民税と事業税を完納していることも求められ、事業税が非課税なら所得税の納税証明書で確認されます。決算期を迎えている場合は、確定申告書と青色申告決算書の写しも出します。
講座が対象になるか、先に確かめられますか?
確かめられます。区の案内ページに事前確認フォームがあり、検討している講座や資格が補助対象になるかを、認定申請の前に文京区経済課へ問い合わせられます。判断の基準は、事業の拡大かDXの実現に役立つ内容かどうかです。対象になるか迷う講座ほど、申込みの前にこのフォームで聞いておくと、申込み後に対象外と分かる失敗を避けられます。
社員が費用を立て替えた場合はどうなりますか?
立て替え分も補助の対象になりますが、書類が増えます。会社から社員本人へ費用を支払ったことが分かる書類として、給与明細などを実績報告で出します。そもそも講座や資格の費用を個人に負担させないことが、補助の条件です。立て替えが起きそうなときは、先に会社が払う形にするか、立て替え分を確実に精算できるようにしておきます。
入学金や検定料は対象になりますか?
対象になりません。講座や教育課程に入学するための検定料、入学金など、受講を始めるのに必要な費用は対象外と書かれています。対象になるのは、受講料、資格試験の受験料、検定試験の受検料です。スクールの見積書に入学金が含まれているときは、予算書に入れる金額から分けて計算してください。補助額は対象の費用だけで計算します。
申請の受付はいつまでですか?
2027年3月31日までです。ただし、申請件数が予算額に達するまでの随時受付で、先着順に受け付けられます。期限の前でも、予算に達すれば受付が終わるおそれがあります。申請時期が遅いほど、予算の残りが不安になります。受講の予定が決まったら早めに認定申請を出し、残りの予算は経済課に電話で聞いておくと確実です。
年度をまたぐ講座でも使えますか?
使えます。講座の受講や資格の取得を2028年3月31日までに終える見込みがあれば対象になります。認定した事業が当年度中に終わらず次の年度に終わる場合は、途中で中間報告書を出す必要があります。様式は区の案内ページにあり、記載例もあります。事業が終わってから、実績報告と請求の書類を出して、補助金の額が確定します。
申請書類はどうやって出しますか?
郵送か、文京区役所の経済課の窓口へ持参します。郵送先は〒112-8555 東京都文京区春日1丁目16番21号の文京区役所経済課宛です。公式ページには、電子申請の案内は書かれていません。認定申請の書類には登記簿謄本や納税証明書の原本が含まれるため、発行に日数がかかることを見込んで、早めに取り寄せておくと間に合わせやすくなります。
問い合わせ先はどこですか?
文京区区民部経済課(電話03-5803-1173)です。文京シビックセンター地下2階北側にあります。対象になる講座かどうか、再受験の費用や複数回の申請の扱い、認定の結果が出るまでの日数など、公式ページに書かれていない点は、申込みの前に電話か問い合わせフォームで聞いておきます。
