設備の代金を補助する制度ですが、最初に求められるのは見積書ではなく、事業承継の計画です。区が派遣する中小企業診断士と計画書をつくり、区の認定を受けてから動きます。
そのため交付決定の前に買った設備は、すべて対象外になります。補助率は3分の2で、上限は100万円です。
文京区 小規模企業者事業承継設備投資補助の要点まとめ
正式名:文京区事業承継総合支援事業(1)小規模企業者事業承継設備投資補助
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人事業主)
- 対象業種
- 業種の指定なし
- 利用目的
- 事業承継に伴う設備の導入・更新
- 対象地域
- 東京都文京区
- 従業員数
- 小規模企業者(原則20人以下、商業・サービス業は5人以下)
いくら
- 補助上限額
- 100万円
- 補助率
- 対象経費の2/3(1,000円未満切り捨て)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年4月1日〜2027年3月31日
- 事業の完了
- 申請した年度内に設置と支払まで
- 公式サイト
- 文京区「文京区事業承継総合支援事業」
うちの会社は対象になる?
次の5つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
小規模企業者とは、中小企業基本法第2条第5項で定められた事業者です。常時使う従業員が原則20人以下(商業・サービス業は5人以下)の会社や個人事業主が当たります。従業員に、家族従業員と会社役員は数えません。
10年の数え方は、交付を申請する日が基準です。おおむね3年以内に承継する予定であることも条件で、チラシと、認定申請に付ける申請前確認リストに載っています。承継後の事業計画は、区が派遣する経営相談員の診断で適当と認められる必要があります。
次のどちらかに当たると対象外です。
- ✕ M&Aで事業を引き継ぐ
- ✕ 国や都の同種の補助金を受けた
申請前確認リストには、ほかに3つの確認があります。許認可が要る業種は、その許認可を受けていること。補助のあとも、年1回・3年ほど診断士や支援員の派遣を受け入れること。社会通念上ふさわしくない経費は、交付決定のあとでも取り消されることがあること。1つでも「いいえ」だと申請できません。
M&Aによる承継は対象外と、公式ページに明記されています。親族や従業員への承継がどこまで対象かは、公式ページに書かれていません。迷う場合は、認定申請の前に経済課へ聞いてください。
いくら戻ってくる?
対象経費の3分の2です。1,000円未満は切り捨てになります。上限の100万円に届くのは、対象経費が150万円以上のときです。
金額は計算のための仮の数字です。
- 飲食店が業務用オーブンを入れ替える:60万円 × 2/3 = 40万円
- 町工場が加工機械を更新して古い機械を撤去する(機械120万円と撤去費15万円):135万円 × 2/3 = 90万円
- 印刷会社が印刷機を導入する:210万円 × 2/3 = 140万円 → 上限の100万円
3つ目は、補助が上限の100万円で止まるので、自己負担は210万円 − 100万円 = 110万円です。補助額の確定は、現地調査のあとに区から届く通知で決まります。
何に使える?
対象にならないものを先に見てください。
- パソコン、タブレット端末、スマートフォン
- 事務用ソフトウェア
- プリンタ、複合機
- リース契約による賃借料
- 中古の設備
- 区外の事業所に置く設備
他の業種にも転用できる汎用性の高い機器は、対象外とされています。個別の設備が当たるかどうかは、区に問い合わせて確かめます。
対象になるのは、事業承継に伴って事業を続けるために欠かせず、経営基盤の強化になる設備です。次の3つを満たす経費が補助されます。
- 設備の購入費(単価50万円以上で、区内の事業所に置くもの)
- 設備の設置費と、運んでくる費用
- 設備を更新するときの、既存設備の撤去費
設置と支払は、申請した年度の中に終わらせる必要があります。
申請の流れ
- 区へ認定申請を出す(事業者→経済課産業振興係。郵送か持参)
- 診断士と計画書をつくる(区が派遣する中小企業診断士と事業者。事業承継計画書など)
- 交付申請を出す(事業者→経済課。書類が整い次第。2027年3月31日まで)
- 交付決定を待つ(区→事業者。おおむね1〜2週間で書面が届く)
- 設備を買う(事業者。交付決定の通知を受け取ったあと)
- 実績報告と請求を出す(事業者→経済課。設置と支払が終わり次第)
- 現地調査を受ける(診断士が設置の状況を確認する)
- 補助額の確定通知と振込(区→事業者。現地調査のおおむね1か月後)
認定申請は、補助の対象になるかどうかを区が先に認める手続きです。診断士との計画づくりに何回かかるかは、公式ページに書かれていません。3月に入ってから始めると、年度内の設置と支払に間に合わなくなるおそれがあります。
必要な書類
準備できた 0 / 9
履歴事項全部証明書は、法人の場合に必要です。チラシには、個人事業主の確定申告書と青色申告決算書の写しや、法人・個人の納税証明書も載っています。どの段階で出すかは、認定申請の前に区へ確かめてください。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に設備を買った:申請前に購入した設備は対象外です。見積書を取るだけなら問題になりませんが、発注や契約は交付決定のあとにします。
- 年度内に設置と支払が終わらなかった:対象は、申請した年度の中で設置と支払が済んだ設備です。申請期間の最終日まで申請できても、その年度の補助にはなりません。
- 汎用性の高い機器やリースを選んだ:パソコンや複合機、リース料は対象外です。
- M&Aで承継した:M&Aによる承継は、対象に入りません。
- 同種の補助金を受けている:国、東京都、公社などの同種の補助金を受けていると対象外です。
同じ事業のほかのメニュー
この補助は、文京区事業承継総合支援事業の3つのメニューの1つ目です。2つ目は専門家による事業承継セミナーで、終了後に個別相談会があります。3つ目の事業承継支援資金は、区が融資をあっせんし、利子の一部を区が負担します。
設備の購入は補助、運転資金や設備資金は融資と、使い分けができます。融資の方は、文京区の融資あっせん制度の対象者であることが条件です。詳しい条件は区の公式ページで確かめてください。
よくある質問
小規模企業者とはどんな事業者ですか?
中小企業基本法第2条第5項で定められた事業者です。常時使う従業員の数が原則20人以下で、商業とサービス業は5人以下です。家族従業員と会社役員は数えません。会社でも個人事業主でも当たります。ただし業種ごとに区分が決まっているため、自社がどれに当たるかは、認定申請の前に区の経済課産業振興係へ確かめておくと安心です。この条件を外れると、他の条件を満たしても対象になりません。
M&Aで事業を引き継ぐ場合は使えますか?
使えません。公式ページに、M&Aによる承継は対象外と明記されています。この補助が想定しているのは、区内で10年以上続けてきた事業を引き継ぎ、引き続き区内で続けていく承継です。親族や従業員への承継がどこまで当たるかは、公式ページに書かれていません。承継の形が決まっているなら、認定申請の前に経済課へ聞いておくと、無駄な準備を避けられます。
事業承継は、いつまでに行う予定であればよいですか?
チラシと申請前確認リストには、おおむね3年以内に事業承継を行う予定であることが、対象者の条件として載っています。チラシは、申請日の時点でと書いています。公式ページの本文にこの年数は書かれていません。申請日までに区内で10年以上同じ事業を営んでいることも必要です。承継の時期が3年より先になりそうな場合は、対象になるかどうかを経済課に問い合わせてください。
どんな設備なら対象になりますか?
事業承継に伴って事業を続けるために欠かせず、経営基盤の強化になる設備です。条件は、単価が50万円以上であること、区内の事業所に置くこと、中古でないことの3つです。設置費と運搬費、更新に伴う既存設備の撤去費も対象経費に入ります。個別の設備が当たるかどうかは、申請前に見積書と仕様書を示して区に確かめるのが確実です。
パソコンやレジは補助の対象になりますか?
パソコン、タブレット端末、スマートフォン、事務用ソフトウェア、プリンタ、複合機は対象外の例として挙げられています。他の業種にも転用できる汎用性の高い機器が、対象になりません。レジが汎用機器に当たるかどうかは、公式ページに書かれていません。購入を考えている機種の見積書を手元に置いて、経済課に確認してください。
50万円未満の設備を何台か買う場合はどうなりますか?
対象経費の条件は、設備1つあたりの単価が50万円以上であることです。30万円の機械を2台買って合計が60万円になる場合に、合算して条件を満たす扱いになるかは、公式ページに書かれていません。単価で見る条件だと読めるため、単価が50万円に届かない設備は対象外と考えて計画するのが安全です。判断に迷う設備は、区に問い合わせてください。
設備を先に買ってしまったら、補助は受けられませんか?
申請前に購入した設備は補助の対象外です。公式ページに「必ず交付決定後に対象設備を購入してください」と書かれています。見積書を取るだけなら問題ありませんが、発注や契約、支払は交付決定の後にします。購入を急ぐ事情があるときは、先に区へ事情を伝えて認定申請を進め、交付決定の見込みの時期を確かめてから日程を組みます。
診断士の支援は必ず受ける必要がありますか?
受ける必要があります。公式ページには、申請の要件として、区が派遣する中小企業診断士による支援の受け入れと、事業承継計画書の作成が挙げられています。診断士は、計画書づくりの段階と、設備を入れたあとの現地調査の2回、かかわります。申請前確認リストでは、補助を受けたあとも年1回、3年ほど診断士や支援員の派遣を受け入れることへの同意を求められます。派遣の日程調整のために、区から連絡が来ることがあります。
補助金はいつ振り込まれますか?
設備の購入と設置、支払が終わって実績報告書を出し、診断士の現地調査が済んだあと、おおむね1か月で指定の口座に振り込まれます。つまり設備の代金は、いったん事業者が全額払う必要があります。支払の資金を用意しておくことが前提です。3分の2が戻ってくるのは、調査の完了後になります。
申請はいつまでにすればよいですか?
申請期間は2026年4月1日から2027年3月31日までです。ただし設置と支払は、申請した年度の中に終える必要があります。3月に申請しても、交付決定を待って購入し、年度内に設置と支払を終えるのは難しくなります。認定申請から診断士の計画づくり、交付決定までの日数を逆算して、早めに動いてください。
受付の場所と時間を教えてください。
文京区役所の区民部経済課産業振興係(文京シビックセンター地下2階)です。受付は月曜から金曜の8時30分から17時15分で、祝日を除きます。電話番号は03-5803-1173です。認定申請書は郵送でも出せます。書類の書き方や、設備が対象に当たるかどうかで迷ったときは、申請の前に電話で聞いておくと出し直しを防げます。
