群馬県の成長実現型M&A補助金は、会社を買う側の専門家費用の1/2を、最大200万円まで補助します。譲受型(買い手支援)の受付は2026年9月30日で終わり、県のページに「新たに申請することはできません」と書かれています。
買い手が基本合意書まで進めないと、補助対象の経費はすべて対象外になります。この記事では、買い手側の条件、金額の決まり方、成立しなかった場合の扱いをまとめます。
売り手の費用を補助する譲渡型と、買収後の統合費用を補助する承継後支援型は、2026年12月18日まで受け付けます。予算がなくなれば、その前に終わります。譲渡型はこちらの記事、承継後支援型はこちらの記事で説明しています。
群馬県成長実現型M&A補助金(譲受型)の要点まとめ
正式名:群馬県成長実現型M&A補助金(譲受型・買い手支援)
だれが
- 申請者
- 事業者(M&Aで会社・事業を買う中堅・中小企業者)
- 対象業種
- 業種の指定なし
- 利用目的
- M&Aの買い手側の専門家費用(デュー・ディリジェンスなど)
- 対象地域
- 群馬県(県内に主たる事業所がある事業者)
- 従業員数
- 中小企業は業種ごとに上限あり、中堅企業は2,000人以下
いくら
- 補助上限額
- 200万円(M&Aが成立しない場合は100万円)
- 補助率
- 1/2以内
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年9月30日まで(終了)
- 事業の完了
- 2027年2月12日まで
- 公式サイト
- 群馬県「群馬県成長実現型M&A補助金」
買い手側の会社は対象になる?
次の6つにすべて当てはまれば、対象の見込みでした。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 6
次のどれかに当たると対象外でした。
- ✕ みなし大企業に当たる
- ✕ 社会福祉法人・医療法人・各種組合など
- ✕ 親族間の承継や不動産だけの売買
中小企業者は、業種ごとに資本金と従業員数の上限が決まっていて、どちらか一方が上限以内なら該当します。製造業・建設業・運輸業などは3億円以下か300人以下、卸売業は1億円以下か100人以下、サービス業は5,000万円以下か100人以下、小売業は5,000万円以下か50人以下です。ソフトウェア業は3億円以下か300人以下、旅館業は5,000万円以下か200人以下です。
中堅企業者は、中小企業者に当たらない会社で、従業員が2,000人以下の会社です。
みなし大企業は、大企業が株式の2分の1以上、または3分の2以上を持つなど、中小企業でも対象外になる会社です。ここでいう大企業は、従業員が2,000人を超える事業者です。
パートナーシップ構築宣言は、取引先との公正な取引や価格転嫁を表明する国の制度です。申請の時点で未登録でも、交付決定までに登録できる見込みがあれば構いません。
買い手の事業は、株式を取得して議決権の過半数を持つ形でないと、対象外とされています。
いくら補助される?
補助額は、対象経費の1/2以内です。M&Aが成立した場合の上限は200万円で、公募要領の表には下限20万円とあります。
- 同業の卸売会社を買収して成立:デュー・ディリジェンス、契約書の作成、仲介手数料の合計300万円 × 1/2 = 150万円
- 製造会社が成立:合計500万円 × 1/2 = 250万円 → 上限の200万円
- 小売会社が基本合意書を結んだあと不成立:デュー・ディリジェンス費用120万円 × 1/2 = 60万円
上限の200万円に届くのは、対象経費が400万円以上のときです。
成立しなかった場合は、補助対象がデュー・ディリジェンス費用だけになり、上限は100万円(下限10万円)です。最初の2例は成立した場合、最後の例は成立しなかった場合です。
何に使える?
対象にならないものから確認します。
- 仲介・FA契約を結ぶ前に受けたコンサルティングの費用
- 債務整理にかかる費用
- 経営資源の引継ぎがない不動産売買の費用
- 買収後の統合作業(PMI)など、クロージング後の費用
- 振込手数料、送料、消費税
- 親会社・子会社など関係会社への発注
対象になるのは、専門家への委託料です。
- 財務・法務のデュー・ディリジェンス(買収先を買う前に調べる調査)
- 契約書などの作成とレビュー
- セカンドオピニオンの費用
- M&A仲介・FA(財務アドバイザー)の手数料
- 各種登記手続きの費用
仲介・FAの着手金や成功報酬は、国のM&A支援機関登録制度に登録された業者が支援したものに限り、補助対象です。デュー・ディリジェンスだけを行う弁護士や会計士などは、登録が不要です。専門家は、弁護士、公認会計士、税理士、中小企業診断士などの国家資格者か、登録された支援機関である必要があります。
申請の流れ
令和8年度の譲受型は、次の順で進みました。
- 事前相談をする(事業者→県 地域企業支援課。必須。メールの件名は「【M&A補助金・事業者名】事前相談希望」)
- 専門家から見積もりを取る(事業者→専門家。30万円以上の契約は3者以上から)
- 申請書類を出す(事業者→県。2026年9月30日まで。メール・郵送・持参)
- 交付決定を待つ(県→事業者。申請から2〜3週間)
- 交付決定のあとに着手し、2027年2月12日までに終える(事業者→専門家)
- 実績報告を出す(事業者→県。完了から15日後か2027年2月26日の、早い日まで)
受付は先着順で、予算額まで交付決定した時点で終わります。補助金は精算払いで、専門家への支払いを終えて実績報告が認められたあとに振り込まれます。
必要な書類
準備できた 0 / 12
履歴事項全部証明書は、申請日から3か月以内のものです。個人事業主は、開業届と所得税申告書の写しを出します。仲介・FA契約書は、契約済みの場合だけ必要です。売り手との交渉の記録は、面談記録や交渉のメールで構いません。登録申請中の宣言は、事務局の受付完了メールで代えられます。補助事業計画書には、申請内容を群馬県事業承継・引継ぎ支援センターへ情報提供することへの同意欄があります。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 基本合意書を結べなかった:補助事業に係る経費がすべて対象外になります。
- 自己都合でM&Aをやめた:相手方の責めによらず、申請者の一方的な都合で成立しなかったと県が認めると、全経費が対象外です。交付後でも取り消されることがあります。
- 交付決定の前に着手した:発注、契約、申込みも着手に含まれ、原則として対象外です。例外は仲介・FAの委託契約で、交付決定の前に結んでいても、交付決定後に支払った分は対象になります(着手金は対象外)。
- 2027年2月12日を過ぎた:事業、支払い、書類の日付のどれが過ぎても対象外です。
- 支払い方法が認められない:現金、手形、PayPayやSuicaなどの支払いは、いかなる場合も対象外です。原則は銀行振込です。
他の国・県・市町村の制度で、同じ内容の交付を受けている場合も対象外です。
よくある質問
譲受型にいまから申請できますか?
申請できません。受付は2026年9月30日で終わり、県のページにも新たに申請できないと書かれています。同じ制度の譲渡型(売り手支援)と承継後支援型は、2026年12月18日まで受け付けています。ただし、予算がなくなれば期限の前に終わります。買収後の統合作業に費用がかかる方は、承継後支援型の条件を確認してください。譲受型の次回の募集について、県のページに記載はありません。
会社を譲る側の会社も、この補助金を使えますか?
譲受型は買い手側のための区分です。売り手が使えるのは、譲渡型(売り手支援)で、補助上限は100万円です。譲渡型は、支援機関から事業承継の支援を受けていることなど、別の要件があります。買い手と売り手が同じM&Aでそれぞれ別の区分を使えるかは、要領に定めがありません。同じ内容の経費で他の補助金を重ねて受けることはできないので、事前相談で確認してください。
M&Aが成立しなかったら、補助金はどうなりますか?
基本合意書を結んでいるかどうかで分かれます。結んだあとに成立しなかった場合は、補助対象がデュー・ディリジェンス費用だけになり、上限は100万円(下限10万円)です。基本合意書の締結まで進まなかった場合は、補助事業に係る経費がすべて対象外です。申請者の一方的な自己都合で成立しなかったと県が認めたときも、全経費が対象外になり、交付後に取り消されることがあります。
すでに基本合意書を結んでいる場合は申請できましたか?
申請できませんでした。要件は、交付申請の時点で、補助事業に係るM&Aが基本合意書の締結前であることでした。基本合意書は、買い手と売り手が大筋の条件に合意したことを示す書類です。基本合意書を結んだあとに発生した経費は、対象外になります。このため、買収先の候補を決めたら、基本合意書に進む前に事前相談を済ませ、申請の順番を計画する必要がありました。
パートナーシップ構築宣言とは何ですか?
サプライチェーン全体の共存共栄や、取引先との公正な取引(価格転嫁、振興基準の遵守)を表明する国の制度です。譲受型と承継後支援型は、交付申請の時点で宣言の登録企業であることが要件でした。未登録でも、登録申請を行い、交付決定までに登録企業になる見込みがあれば認められました。提出書類は、登録済みなら宣言文、申請中なら事務局の受付完了メールなどです。
仲介手数料やFA費用は、補助されますか?
補助されます。ただし、着手金、リテーナー費用(月額の固定報酬)、基本合意時報酬、成功報酬は、M&A支援機関登録制度に登録された仲介業者・FA業者が支援したものに限ります。登録のない業者に払った手数料は、対象外です。契約前に、業者が登録されているかを確認する必要があります。デュー・ディリジェンスだけを行う士業は、登録が不要です。ただし、内容が仲介と同じとみなされる場合は、登録業者に限られます。
事前相談は、必ず必要ですか?
必要でした。交付申請の前に、県の地域企業支援課パワーアップ推進係へ事前相談を行うことが、公募要領に定められています。メールの件名は「【M&A補助金・事業者名】事前相談希望」で、事業者名、所在地、担当者の所属と氏名、連絡先、希望する事業区分、相談希望日を書きます。連絡先のメールアドレスは、担当者に直接届くものにし、代表アドレスや部署のアドレスは避けます。
見積書は、何者から取りますか?
30万円(税込)以上の契約は、発注1件ごとに3者以上から見積もりを取ります。1者に決めざるを得ない場合は、その事業者でなければならない合理的な理由を書いた業者選定理由書(様式任意)を出します。同じ日か近い日に同じ相手へ出した発注は、見積書が別々でも1つの契約として扱われます。関係会社は、見積もりを取る相手としても避けるよう定められています。
補助金はいつ振り込まれますか?
精算払いです。専門家への支払いをいったん全額自己負担で済ませ、実績報告書と証拠書類を県に出し、審査で適正と認められたあとに振り込まれます。実績報告の期限は、完了から15日後か2027年2月26日の早い日です。M&Aが成立した場合は、成立の報告書、基本合意書、最終契約書、株主名簿など形態別の書類も出します。支払いは2027年2月12日までに完了させる必要があります。
補助を受けたあとにやることはありますか?
あります。補助事業が完了した年度の翌年度から3年間、事業の状況について年次報告を出します。1年目は2027年9月、2年目は2028年9月、3年目は2029年9月の期間内です。報告がないと、県の補助金の申請資格を失うことがあります。経理書類は、完了した年度の翌年度から5年間保存します。取得価格が50万円以上の財産を5年以内に処分する場合は、県の承認が必要です。
親族への事業承継は対象ですか?
対象外です。親族間の事業承継は、実質的な経営資源の引継ぎとは認められません。ほかに、物品や不動産だけの売買、従前から支配権を持つ者の間の承継、株式の移転で譲受者が議決権の過半数を持たない場合も対象外です。資産保有型会社や資産運用型会社に関するものも、一定の例外を除いて対象外とされています。判断が難しいときは、事前相談で確認してください。
問い合わせ先はどこですか?
群馬県産業経済部 地域企業支援課 パワーアップ推進係です。電話は027-226-3342、メールはpower-up@pref.gunma.lg.jpです。住所は前橋市大手町1-1-1で、持参する場合は県庁12階北フロアです。譲渡型と承継後支援型への申請や、すでに交付決定を受けた事業の変更・報告の相談も、同じ窓口になります。変更が交付決定額の30%以上になる場合は、事前に承認が必要です。
