アジアで製品が売れるのか、現地に拠点を置いて採算は合うのか。工場や人を動かす前に、まず調べたい。そんな段階の中小企業に向けて、浜松市は調査費の半分(上限50万円)を出しています。
使えるのは、市内に本社機能を持つ中小企業者などです。お金の使い道は調査と相談と通訳・翻訳に限られ、交付決定の前に払った調査費は対象になりません。見積を取ったら、契約より先に申請という順番になります。
浜松市 海外展開事業化可能性調査費補助金の要点まとめ
正式名:浜松市海外展開事業化可能性調査費補助金
だれが
- 申請者
- 事業者(市内の中小企業者、または2者以上の共同体)
- 対象業種
- 業種の指定なし
- 利用目的
- 海外販路開拓・海外拠点設立の事業化可能性調査
- 対象地域
- 静岡県浜松市
- 従業員数
- 中小企業基本法の中小企業者の範囲
いくら
- 補助上限額
- 50万円
- 補助率
- 対象経費の1/2以内
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年6月15日〜2027年1月29日17時必着(随時受付・先着順)
- 事業の完了
- 令和9年(2027年)2月28日まで
うちの会社は対象になる?
次の6つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 6
中小企業者とは、中小企業基本法で決まっている範囲の会社のことです。業種ごとに資本金と従業員数の上限があり、どちらか一方を満たせば該当します。上限の数字は業種で変わるので、迷ったら申請窓口に聞くのが早道です。同じ大企業が株式の2分の1以上を持つ会社や、複数の大企業が3分の2以上を持つ会社は、中小企業でも対象外です。給与所得者を雇っている場合は、市民税・県民税・森林環境税の特別徴収義務者に指定されていること(指定されていない正当な理由がある場合を除く)も条件です。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 単なる販売促進や営業が目的
- ✕ 海外拠点の設立準備が中心
- ✕ 国や自治体の別の補助金と同じ事業
- ✕ 展示会出展や仕入れ先開拓が中心
- ✕ 調査国で拠点や販売を始めている
- ✕ 過去と同じテーマ・地域の再申請
いくら戻ってくる?
かかった調査・相談の費用の半分です。上限の50万円に届くのは、対象経費が100万円以上のときです。
- 現地の市場調査を調査会社に委託する:40万円 × 1/2 = 20万円
- 調査委託60万円、専門家への相談10万円、翻訳10万円:80万円 × 1/2 = 40万円
- 現地調査と販路の検討をまとめて委託する:140万円 × 1/2 = 70万円 → 上限の50万円
対象経費は税抜きの額で、補助額に1,000円未満の端数が出たときは切り捨てです。交付決定した額が補助金の上限になり、あとから経費が増えても原則として増額できません。必要な経費は、申請のときに漏れなく入れます。
何に使える?
対象にならないもの
- 専門家の海外渡航費だけの申請
- 申請者自身の旅費
- 通信運搬費
- 各種の税金
- 振込手数料
- 調査期間に支払いが終わらなかった経費
- 役員・社員・4親等以内の親族・関連会社への委託
対象になるもの
- 国内外で行う調査の委託費
- 専門家への相談費
- 調査・相談・テストマーケティングに使う通訳・翻訳費
- テストマーケティングの出展料・会場借上げ費
公式ページには調査委託費・相談費・通訳翻訳費の3つが書かれています。交付要綱と公募要領にはテストマーケティングの出展料も入っています。ここでいうテストマーケティングは、自社製品を限られた期間に試験販売し、顧客の反応を測って本格的な販売につなげる事業で、補助対象期間の中で始めて終えるものです。次の出展は対象外です。
- オンラインで行うもの
- 出展期間が6か月を超える常設のもの
- 飲料・食品など口に入れるもの(調査として販売結果を分析し、事業計画に生かす場合は除く)
- 無料配布や展示だけのもの
申請の流れは?
- 市内の申請窓口に相談する(事業者→浜松地域イノベーション推進機構。早めに)
- 調査・相談先から見積書をもらう(事業者→調査会社・専門家)
- 申請書類を窓口に出す(事業者→同機構。持込みか郵送で1部。受付は月ごとに区切られ、最終は2027年1月29日17時必着)
- 審査を受ける(事業者→審査委員会。事業計画のプレゼンが発表10分・質疑10分の約20分。審査は浜松市とJETRO等の委員会)
- 交付決定の通知を待つ(浜松市→事業者。決定の前に調査を始めない)
- 調査をして、2月28日までに終える(事業者)
- 実績報告書を出す(事業者→市。完了から30日以内か、年度の3月15日のどちらか早い日まで)
- 確定通知を受け取って10日以内に請求書を出す(事業者→市)
申請の受付と問い合わせは公益財団法人 浜松地域イノベーション推進機構(電話 053-489-8111)です。受付時間は平日(祝日を除く)の午前9時〜午後5時です。交付決定の通知と支払いは浜松市が行います。
受付は月ごとの期間に分かれ、決定は締切の翌月下旬ごろの予定です。たとえば10月1日〜30日の分は11月下旬ごろです。先着順で決定し、予算に達した時点で受付が終わります。審査の状況や採否の問い合わせには答えてもらえません。
必要な書類
準備できた 0 / 8
仕様書には、委託や相談の期間、調査内容、成果物を書いてもらいます。履歴事項全部証明書は発行から3か月以内のものです。共同体で申請するときは、代表者を1者決めて手続きを任せます。このほか、市が必要と認める書類を求められることがあります。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に調査を始めた:補助の対象になる期間は、交付決定の日から始まります。それより前に払った費用は対象外です。
- 営業活動になっている:調査ではなく、販売促進や営業が目的の事業は対象外です。
- 拠点の設立準備になっている:拠点設立の場合、調べて事業計画をつくるところまでが対象です。設立の準備は含まれません。
- ほかの補助金と重なった:国や自治体の別の補助金で採択され、交付を受ける事業は対象外です。
- 受付が先に終わった:随時受付の先着順です。1月29日より前に終わることもあります。
- 報告をしなかった:調査の結果が「海外展開を進める」か「今後詳細調査に移行する」になった場合は、事業化の状況を年1回、3年間報告します。うその申請があった場合は、決定の取り消しと返還の対象です。
- 親族や関連会社に頼んだ:役員・社員・4親等以内の親族・関連会社への委託や相談の費用は認められません。
事業化したあとの義務と収益
交付を受けた年度の終了後は、3年間にわたり毎年1回、事業化の状況や売上げを追跡調査報告書で市に報告します。公募要領では、調査の結果が「海外展開を進める」か「今後詳細調査に移行する」になった事業者が対象です。「断念する」場合の扱いは、窓口で確かめてください。帳簿と領収書などは、5年間保管します。
補助事業のおかげで相当の収益が出たと認められるときは、補助の目的に反しない範囲で、交付した補助金の一部または全部を市に納める場合があります。
よくある質問
個人事業主でも申請できますか?
公式ページと交付要綱が対象にしているのは、市内に本社機能を持つ中小企業者と、その2者以上でつくる共同体です。個人事業主の扱いは文面からは読み取れません。申請を考えている場合は、浜松地域イノベーション推進機構(電話 053-489-8111)に、対象になるかを先に問い合わせてください。
海外展示会に出るだけでも対象になりますか?
展示会への出展や仕入れ先の開拓が中心の事業、単なる販売促進や営業を目的にした事業は、公募要領で対象外です。対象になるのは、海外販路開拓の計画について実現可能性や採算性を調べ、その結果をもとに事業計画をつくる事業です。一方、調査の一部として行うテストマーケティングの出展料は経費に入ります。オンライン出展、6か月を超える常設の出展、無料配布や展示だけの出展は含まれません。出展が調査の中でどういう位置づけになるかは、申請前に窓口で確かめてください。
海外に拠点をつくる準備費用も出ますか?
出ません。拠点設立の場合に対象になるのは、設立に向けた計画の実現可能性や採算性を調べ、事業計画をつくるところまでです。現地法人の登記や物件の確保といった設立の準備は対象外と定められています。調査の結果を見てから拠点づくりに進むかを決める段階の費用、と考えると整理しやすくなります。
補助の対象になる期間はいつからいつまでですか?
交付決定の日から、その日が属する年度の2月末日までです。令和8年度分では、公式ページが令和9年2月28日までと書いています。交付決定より前に契約したり払ったりした調査費は入りません。公募要領の予定では、決定は受付月の翌月下旬ごろです。1月29日までの受付分は2月下旬ごろの決定で、2月28日までの調査期間がほとんど残りません。年度の終わりに近い時期に申請するほど調査に使える期間は短くなるので、見積の段階で調査会社と日程を詰めておくと安心です。
申請の締切はいつですか?
2027年1月29日(金)の17時必着です。随時受付の先着順なので、予算の状況によっては締切の前に受付が終わる可能性があります。申請書類は市ではなく、公益財団法人 浜松地域イノベーション推進機構が受け取ります。窓口に出向く場合は、書類がそろっていることを先に電話で確かめると、出し直しを避けられます。
補助は何回まで受けられますか?
交付要綱は、補助事業者の要件の1つに「当該年度に本補助金の交付決定を受けていないこと」を挙げています。同じ年度に交付決定を受けるのは1回までと読めます。翌年度以降は、過去に交付決定を受けた事業者でも、テーマと地域が同じ事業は対象外です(公募要領)。テーマか地域を変えた調査まで申請できるかは、窓口に聞いてください。複数年にわたって調査を続ける予定なら、窓口に先に聞いておくと計画を立てやすくなります。
共同体で申請するとはどういう意味ですか?
市内に本社機能を持つ中小企業者2者以上で組織した共同体も、補助事業者になれます。申請者のうち1者を代表者に指定し、申請・報告・請求・受領の手続きを代表者がまとめて担います。同業の複数社で同じ国の市場を調べるときなどに、調査費を分け合う形が考えられます。構成する会社は、それぞれ要件を満たしている必要があります。
補助金はいつ入金されますか?
調査が終わってからの後払いです。実績報告書を出して審査を受け、補助金の額が確定すると確定通知が届きます。通知を受け取った日から10日以内に請求書を出すと、支払いの手続きに進みます。入金までは自社で全額を立て替えることになるので、調査会社への支払い時期とあわせて資金の見通しを立てておきます。
補助金をもらったあとにやることはありますか?
交付を受けた年度の終了後3年間は、毎年1回、事業化の状況や売上げなどの経営状況を追跡調査報告書で市に報告します。公募要領では、調査の結果が「海外展開を進める」か「今後詳細調査に移行する」になった事業者が対象です。帳簿や領収書は5年間保管します。補助事業で相当の収益が出たと認められる場合は、交付した補助金の一部または全部を市に納めることがあります。調査の成果を事業につなげる前提の制度です。
問い合わせ先はどこですか?
申請の受付と詳しい問い合わせは、公益財団法人 浜松地域イノベーション推進機構 事業推進部 技術支援グループ(電話 053-489-8111)です。補助金の交付決定の通知と支払いは浜松市役所 産業部 産業振興課(電話 053-457-2323)が行います。最新の受付状況は、市の案内ページでも確かめられます。
