設備を買う補助金なのか。違います。この補助金が出すのは、水素やアンモニアへの燃料転換などが実際にできるかを調べる「実行可能性調査」の費用で、調べた先の設備導入そのものは対象に入っていません。
申請の締切は12月18日ですが、事前相談をしていない申請は受け付けられず、その相談期限は11月27日です。補助率は対象経費の2/3以内、上限は1事業あたり2,500万円です。
いばらきカーボンニュートラル産業拠点創出に向けた実行可能性調査費補助金の要点まとめ
正式名:いばらきカーボンニュートラル産業拠点創出に向けた実行可能性調査費補助金
だれが
- 申請者
- 事業者(茨城県内に拠点のある法人等)
- 対象業種
- 業種の指定なし
- 利用目的
- 新エネルギー導入・脱炭素化の実行可能性調査
- 対象地域
- 茨城県(調査の実施場所は県内に限る)
- 従業員数
- 公式ページに記載なし(地域振興課へお問い合わせください)
いくら
- 補助上限額
- 2,500万円(1事業あたり)
- 補助率
- 対象経費の2/3以内
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年7月27日〜2026年12月18日
- 事業の完了
- 2027年3月31日まで
自分の会社は対象になる?
次のすべてに当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 県内に活動拠点がない
- ✕ 県から補助金交付等の停止措置を受けている
- ✕ 事業の継続が不確実(再生手続き中など)
- ✕ 暴力団排除条例に当たる者
複数の法人が共同で行う場合は、1社以上が県内に拠点を持ち、参加する全社が県税の納付などの条件を満たす必要があります。企業規模(資本金や従業員数)の上限は、募集要項に書かれていません。大企業が申請できるかどうかは、地域振興課(029-301-2730)への確認が確実です。
対象になる調査、ならない調査
調査のテーマは次の3区分のどれかです。区分に入らない調査は、費用が対象になりません。
| 対象になる調査 | 対象にならないもの |
|---|---|
| 設備の燃料転換に向けた調査(石炭やLNGから低炭素な燃料へ、水素・アンモニアなど新エネルギーの導入、サプライチェーン構築) | 燃料転換につながらない一般的な省エネ診断や設備更新の検討 |
| 製鉄用設備(高炉やコークス炉など)の低炭素化改修の調査 | 製鉄用設備以外の改修で、CO2削減が大きく見込めない案件 |
| CCS・CCUS(CO2を回収して貯留・利用する技術)の実現に向けた調査 | 茨城県外で実施する調査 |
左の列は募集要項の事業区分です。右の列は、募集要項が3区分に限定していること、実施場所を県内に限っていることから導いた線引きです。区分1は、新しい設備を新たに整備する場合や共同で整備する場合の調査も対象に含まれます。
なぜこの線が引かれているかは、県が目的に書いています。新エネルギーのサプライチェーンづくりと、県内の低炭素化・脱炭素化を進める調査を後押しする補助金だからです。
いくら出る?
対象経費の2/3以内で、上限は1事業あたり2,500万円です。千円未満の端数は切り捨てになります。消費税の仕入控除税額(あとで税務上控除できる消費税分)がある場合は、その分を減らして申請します。上限の2,500万円に届くのは、対象経費が3,750万円以上のときです。
- 工場の燃料転換の調査で、対象経費が1,200万円:1,200万円 × 2/3 = 800万円
- 水素の受け入れ設備まで含めた調査で、対象経費が3,000万円:3,000万円 × 2/3 = 2,000万円
- CCUSの調査で、対象経費が4,500万円:4,500万円 × 2/3 = 3,000万円 → 上限の2,500万円
金額は計算の例です。同じ事業で他の公的補助金の交付決定を受けている場合は、その交付決定に相当する額が、先に対象経費から引かれます。
補助金は後払いです。調査が終わって実績報告を出し、県の検査で金額が確定してから支払われます(予定は2027年4月中旬から下旬)。必要があれば、交付決定額の90%以内を概算で先に払う仕組みもあります。使えるかどうかは県の判断なので、資金繰りは後払い前提で組んでください。
何に使える?
調査の費用でも、対象にならないものがあります。先に外れるものを確認します。
対象にならないもの
- 事業に使う土地の取得
- 汎用性のある設備、調査後に量産へ転用できる設備
- 汎用性のあるソフトウェア、通常の事業で使い続けられるシステム
- 自社所有のコピー機・パソコンのリース料
- 経理や補助金書類の作成など、一般的な事務の人件費
- 恒常的な雇用と認められる人の賃金
- 試作・実証が終わったあとに使い残した原材料
対象になるもの
- 人件費(事業に直接従事する人の、直接作業した時間分)と旅費
- 設計費、設備費、工事費、賃借料
- 専用ソフトウェア・情報システムの構築費
- 試作・実証に必要な原材料費(実証に使う燃料を含む)
- 委託・外注費、臨時雇用のアルバイトなどの補助人件費
- 通信運搬費、印刷製本費
- 光熱水費(大規模な研究施設などで、専用メーターで調査分が分かる場合に限る)
量産に転用できる設備が対象外なのは、補助の目的が「調べること」だからです。調査が終わっても使い続けられる設備は、調査費ではなく設備投資と見なされます。
人件費は、手引きにある計算式で時間単価を出します。「(年間総支給額+年間法定福利費)÷年間理論総労働時間」の実績単価計算か、健保等級(健康保険の標準報酬月額の等級)から決まる単価を使う方法です。従事した時間は、本人が毎日書く業務日誌で示します。
委託・外注は、50%以上を外に出すなら理由書が要ります(募集要項は「50%を超えない」、手引きは「50%未満」と書き方が違うので、50%未満に収めると安全です)。グループ企業との取引であることだけを理由に選んだ委託先は認められません。可能な範囲で2者以上から見積書を取り、最も安い提示をした者などを選びます。1者に決める特別な事情があるときは、申請の時点で理由書を添えます。
申請の流れ
- 事前相談をする(事業者→茨城県地域振興課 鹿行担当。11月27日まで)
- 申請書類をそろえる(事業者。見積書は委託先・販売店から取る)
- 県に提出する(事業者→県。12月18日まで。郵送は17時必着、郵送・持参とも2部)
- 審査を受けて交付決定を待つ(県→事業者。必要ならヒアリングがあります)
- 調査を実施する(事業者。2027年3月31日までに終える)
- 実績報告を出す(事業者→県。完了から30日後か2027年3月31日の早いほうまで)
- 金額が確定して支払いを受ける(県→事業者。2027年4月中旬から下旬の予定)
申請の前には、必ず県へ連絡するよう募集要項が求めています。提出は郵送、メール、持参のいずれかで、持参の受付は8時30分から12時と13時から17時です。
交付決定とは、県が補助金を出すと決めて知らせる通知のことです。交付要項は、補助対象期間を「交付決定日から2027年3月31日まで」と定め、発注・契約・支払いをこの期間内に終えることを経費の条件にしています。交付決定より前に発注した分は対象外になる読み方なので、契約は通知を受けてからにしてください。
必要な書類
準備できた 0 / 9
履歴事項全部証明書は発行から3か月以内のもので、個人事業主は開業届の写しでも構いません。納税証明書は法人事業税と法人県民税のものです。確定申告書は直近2年分で、決算書の写しでも構いません。共同事業者の分もそれぞれ要ります。
人件費を計上するなら積算が分かる資料、委託費を計上するなら業務内容が分かる資料と見積書も付けます。同じ事業で他の補助金を受ける予定がある場合は、その内容を証明する書類(交付申請書や交付決定通知)も要ります。
よく誤解されるポイント
設備導入の補助金と同じ感覚で申請すると外れる
燃料転換の補助金と聞くと、ボイラーやタンクの購入費が出ると思いがちです。この補助金は、導入に踏み切る前に「技術的に、採算の面で、供給の面で成り立つか」を調べる段階の費用が対象です。調査の結果を受けた設備導入に使える補助金は、この募集要項には含まれていません。
締切の12月18日は、実質的な締切ではない
事前相談をしていない申請は、受け付けてもらえません。相談の期限は11月27日で、申請の締切より3週間早くなります。書類を完成させてから相談しようとすると間に合わない可能性があります。計画の骨子ができた段階で連絡するのが安全です。
12月18日より前に募集が終わることがある
募集要項には「予算の上限に達した場合には、募集期間内にいても募集を締め切る場合がある」とあります。締切日まで受け付けるとは限りません。予算の残りは公式ページで確かめてください。
採択されても金額が確定するのは最後
交付決定の額は上限ではなく見込みです。実績報告のあとの検査で対象外と判断された経費は、確定額から引かれます。証拠書類は経費ごとに整理して保存してください。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 事前相談を受けていない:相談なしの申請は受け付けられません。期限は11月27日です。
- 交付申請書と違う事業をした:事前に県の承認を受けずに内容を変えると、補助事業の打切りを命じられることがあります。
- 補助金を別の用途に使った:交付決定の全部または一部が取り消され、すでに受け取っていれば返還になります。
- 経費の証拠がそろわない:発注書、納品書、請求書、支払明細書などで金額と使途を確認できない経費は対象外です。
- 使い残しの原材料がある:試作・実証用の原材料は、事業終了時に使い切るのが原則です。未使用分は対象外になります。受払簿を作っていないと原材料費そのものが対象外です。
よくある質問
設備の購入費も補助されますか?
調査の実施に必要な機械装置や建築材料などの購入・製造・据付の費用は、設備費として対象です。ただし、汎用性のあるものと、事業が終わったあとに量産へ転用できるものは対象外です。工場の設備を本格的に入れ替える費用は、この補助金の目的である調査費に当たりません。何が設備費に入るか迷う場合は、申請前の事前相談で県に確認します。
調査のあとの設備導入にも使えますか?
使えるとは書かれていません。募集要項が対象とするのは、新エネルギーの導入や脱炭素化を進める実行可能性調査の費用です。調査の結果、設備を導入する判断をした場合の費用を補助する仕組みは、今回の募集要項や手引きには出てきません。導入段階の支援策があるかどうかは、地域振興課(029-301-2730)に尋ねると確実です。
申請の締切と事前相談の期限はいつですか?
募集は2026年7月27日から12月18日までです。郵送は12月18日17時必着で、当日の消印は無効です。事前相談の期限は11月27日で、これを過ぎると相談できず、相談していない申請は受け付けられません。予算の上限に達すると、期間内でも募集が終わることがあります。早めに相談の連絡を入れておくと、書類づくりの時間も確保できます。
中小企業でなくても申請できますか?
募集要項の応募資格に、資本金や従業員数の上限は書かれていません。条件は、茨城県内に本店・支店・営業所などの活動拠点があること、県税に未納がないこと、経営基盤と資金の管理能力があることなどです。大企業を含めて規模で外れるかどうかは、公式ページから読み取れないため、申請前に地域振興課へ確認してください。
県外の会社でも申請できますか?
茨城県内に活動拠点(本店、支店、営業所など)がない法人は、単独では申請できません。複数の法人が共同で事業を行う場合は、参加する法人のうち1社以上が県内に拠点を持てば足ります。その場合も、すべての参加法人が県税の未納がないことなどの条件を満たす必要があります。調査の実施場所は、どの場合も茨城県内に限られます。
調査を茨城県外で行ってもいいですか?
県外での調査は対象になりません。募集要項は、補助事業を新エネルギーの導入やサプライチェーンの構築、県内の低炭素化・脱炭素化を促進する実行可能性調査とし、実施場所は茨城県内に限ると定めています。県内の工場や敷地で行う調査を中心に計画を組み立ててください。県外への出張や視察の旅費が経費になるかは、計画の内容次第なので、事前相談で確かめます。
複数の会社で共同申請できますか?
できます。複数の法人または団体が共同で事業を実施する場合も交付の対象です。参画する法人のうち最低1社が茨城県内に活動拠点を持ち、全社が県税の未納がないことや事業の継続性などの条件を満たす必要があります。提出書類のうち、法人の証明書類や納税証明書、確定申告書の写しなどは、共同事業者の分もそれぞれ用意します。
補助金はいつ払われますか?
後払いです。調査が終わり、実績報告書を出して県の検査を受け、補助金額が確定してから支払われます。予定は2027年4月中旬から下旬です。事業の実施に必要と認められれば、交付決定額の90%以内を概算で先に払うこともできると募集要項にあります。概算払いが使えるかどうかは県の判断になるため、自己資金での立替えを前提に資金計画を作ってください。
外注(委託)はどのくらいまでできますか?
調査を他の事業者に委託・外注できますが、補助対象事業費の50%以上を外に出す場合は、理由書の提出が必要です。グループ企業との取引であることだけを理由にした委託は認められません。可能な範囲で2者以上から見積書を取り、最低価格を出した者などを選びます。特別な理由で1者に決めるときは、申請の時点で理由書を添えます。
他の補助金と併用できますか?
同じ補助事業で他の公的機関の補助金の交付決定を受けている場合、その交付決定に相当する額は補助対象経費から除かれます。つまり、同じ経費を二重に補助してもらうことはできません。併用するときは、他の補助金の内容を証明する書類(交付申請書や交付決定通知など)を申請に添えます。重ねて使えるかは組み合わせで変わるため、事前相談で伝えておくと安心です。
審査ではどんな点を見られますか?
県が評価基準で総合的に判断します。有効性(目的・目標が具体的で実行可能か)、発展性(産業競争力の強化や新産業の創出につながるか、周辺企業への波及があるか)、効率性(スケジュールと予算計画が妥当か)、実現性(経営の健全性と実施体制、経理の管理体制)の4つです。必要に応じてヒアリングがあり、審査の経過や結果への問い合わせには応じてもらえません。
交付決定のあとに内容を変えてもいいですか?
事前に県の承認を受ければ変更できます。経費の配分を大幅に変える場合や、事業を中止・廃止する場合も、先に承認が要ります。承認を受けずに交付申請書と違う事業を行うと、補助事業の打切りを命じられることがあります。経費を変えるときは、変更交付申請の手続きになる場合があるので、変更が見込まれる時点で早めに県へ連絡してください。
問い合わせ先はどこですか?
茨城県政策企画部地域振興課 鹿行担当です。電話は029-301-2730(直通)、メールはchikei3@pref.ibaraki.lg.jp、住所は〒310-8555 水戸市笠原町978番6です。申請前の事前相談もこの窓口になります。持参は8時30分から12時と13時から17時の受付です。審査の結果についての問い合わせには応じてもらえないので、申請前に疑問を解消しておきます。
