仕入れ値が上がり続けても、売値はすぐには動かせません。そんな事業者が、値上げ以外の手として使えたのがこの補助金です。仕入価格が20%以上上がり、粗利益が3%以上減っていることが条件で、上限は100万円、補助率は2/3以内でした。
石川県が公募したのは令和4年(2022年)6月24日から7月29日までです。この募集はすでに終了しています。 同じ名前で募集が続いているわけではないので、この記事は「どんな制度だったか」と「次に似た制度が出たときの見方」を知るために読んでください。
商品・サービス高付加価値化支援事業費補助金の要点まとめ
正式名:令和4年度商品・サービス高付加価値化支援事業費補助金
だれが
- 申請者
- 事業者(石川県内に本社か主たる事業所がある中小企業者等)
- 対象業種
- 業種の指定なし(公式ページに記載なし)
- 利用目的
- 商品・サービスの付加価値を高める取組による収益力の強化
- 対象地域
- 石川県
- 従業員数
- 公式ページに記載なし(中小企業者等が対象)
いくら
- 補助上限額
- 上限100万円
- 補助率
- 2/3以内
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2022年6月24日〜2022年7月29日17時必着(終了)
- 事業の完了
- 交付決定の日〜2023年2月末
うちの会社は対象だった?
次の5つにすべて当てはまれば、対象の見込みでした。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
仕入価格は、令和4年1月以降の好きな1か月を選び、令和3年の同じ月と比べます。粗利益(売上から仕入原価を引いた利益)は、同じ月を令和3年、令和2年、令和元年のいずれかの同じ月と比べて3%以上減っていることが条件でした。中小企業者等の範囲は業種ごとに基準が異なり、公式ページには書かれていません。
次のどちらかに当たると対象外でした。
- ✕ 仕入価格の上昇が20%に届かない
- ✕ 粗利益の減少が3%に届かない
いくら戻ってきた?
かかった費用の2/3以内です。上限は100万円で、上限に届くのは対象経費が150万円のときでした。計算は150万円 × 2/3 = 100万円です。
- 店舗の一部を改装して新しい売り方を始める:90万円 × 2/3 = 60万円
- 新商品の開発と広告宣伝をまとめて行う:150万円 × 2/3 = 100万円
- 外注を使った新サービスの立ち上げ:240万円 × 2/3 = 160万円 → 上限の100万円
上の金額は計算の見方を示すための例です。実際の対象経費の額は公募要領で決まっていました。
どんな取組なら使えた?
公式のチラシには、使い方の例が3つ載っています。どれも、売るものや売り先を変えて収益を立て直す内容です。
- 製造業:原料のナイロン糸が値上がり。従来の生地に抗菌性・抗ウイルス性を加えた新しい生地を開発する
- 宿泊業:温泉旅館が重油の値上がりで圧迫。館内にカフェを開き、地元の近隣客を新たに呼び込む
- 卸売業:野菜の卸で肥料高から仕入価格が上昇。農産物を加工したスムージーを開発し、消費者向けに売る
対象経費の例は、建物の改装費、開発費、広告宣伝費、外注・委託費などです。細かい区分は県の公式ページに載っていません。ただし、交付決定の前に発注・支出した経費は対象外と、チラシに明記されています。発注や支払いを先に済ませると、その分は補助されません。
申請から受け取りまでの順番
- 要件を確かめる(事業者。仕入価格と粗利益を比べる月を決める)
- 事業計画を作る(事業者。商工会・商工会議所・金融機関に相談できる)
- 申請する(事業者→ISICO。2022年7月29日17時必着)
- 審査を受けて交付決定を待つ(ISICO。2022年9月ごろの予定)
- 事業を行う(事業者。交付決定の日から2023年2月末まで)
- 実績を報告して請求する(事業者→ISICO。2023年2月末まで)
- 検査を受け、補助金が入る(2023年3月から順次)
申請の窓口は石川県庁ではなく、公益財団法人石川県産業創出支援機構(ISICO)です。補助金は事業が終わってから精算して払われる後払いでした。工事や開発の代金は、いったん自社で立て替える形になります。
必要な書類
準備できた 0 / 3
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に発注・支出した:その経費は補助の対象になりません。契約や支払いは交付決定の後にします。
- 仕入価格か粗利益の条件を満たせなかった:どちらか片方では足りず、20%以上の上昇と3%以上の減少の両方が要りました。
- 後払いの資金が足りなかった:補助金は事業が終わって検査を受けたあとに入ります。それまでの代金は自社で用意する必要がありました。
よくある質問
今から申請できますか?
できません。公募は2022年6月24日から7月29日17時までで、すでに終了しています。後継の制度が出ているかは、石川県商工労働部経営支援課(076-225-1525)か、受付を担当したISICOの新事業支援課(076-267-1145)に聞くのが確実です。同じ名前の制度が続いているとは限らないので、名称だけで探さないようにしてください。
誰が対象でしたか?
石川県内に本社か主たる事業所がある中小企業者等です。そのうえで、令和4年1月以降の任意の1か月で主要原材料の平均仕入価格が令和3年の同じ月より20%以上上がり、同じ月の粗利益が3%以上減っていることが要りました。業種の指定は公式ページにありません。中小企業者等の範囲は公募要領で定められていました。
補助額はいくらでしたか?
上限は100万円で、補助率は対象経費の2/3以内でした。150万円の対象経費で上限の100万円になります。たとえば90万円なら60万円、240万円かかっても補助は100万円までです。上限を超えた分は自己負担になります。いくらまでが対象経費に入るかは公募要領の区分によるので、見積の段階で確かめておく必要がありました。
値上げだけの計画でも通りましたか?
公式のチラシは、事業計画で「商品・サービスまたは事業の高付加価値化に取り組むこと」を求めていました。既存の製品の高付加価値化、既存の製品を生かした収益力の強化、既存の枠を超える差別性・市場性のある取組が例に挙がっています。値上げだけの計画が採択されたかどうかは、一次情報に記載がなく確認できていません。
何に使えましたか?
建物の改装費、開発費、広告宣伝費、外注・委託費などが挙げられていました。たとえば製造業が新しい生地を開発する費用、旅館が館内にカフェを開く改装費、卸売業が加工品を作る外注費といった使い方が例示されています。ただし交付決定の前に発注・支出した経費は対象外です。細かい区分は公募要領で確かめる必要がありました。
申請はどこにしましたか?
石川県庁ではなく、公益財団法人石川県産業創出支援機構(ISICO)が受け付けました。応募の方法は、ISICOの公募ページと公募要領に載っていました。締切は2022年7月29日の17時必着で、日付だけでなく時刻まで決まっていました。問い合わせはISICO産業振興部新事業支援課(076-267-1145)です。
申請したら必ず補助されましたか?
いいえ。公式のチラシには「申請後、厳正な審査の上、予算の範囲内で採択者を決定します」とあります。要件を満たしていても、審査で採択されなければ補助は受けられません。事業計画の作り方は、商工会・商工会議所などの公的支援機関や金融機関に相談するよう案内されていました。
補助金はいつ入金されましたか?
事業が終わったあとの精算払いで、先に入るお金ではありません。スケジュールは、交付決定から2023年2月末までが事業期間で、2月末に実績報告を行い、確定検査と額の確定を経て請求し、2023年3月から順次交付される流れでした。入金までの間の支払いは、自社で立て替える必要がありました。
事業の期間はいつまででしたか?
交付決定の日から2023年2月末までです。採択と交付決定は2022年9月ごろの予定とされていたので、実際に動かせる期間は半年足らずでした。実績報告も2023年2月末が期限です。開発や改装のように時間のかかる取組は、期間に収まる計画にしておく必要がありました。
交付決定の前に注文しても補助されますか?
されません。チラシに「交付決定前に発注済みや支出済みの経費は、補助対象外です」と書かれています。契約や発注、支払いを先に済ませると、その経費は戻りません。工事業者や外注先には、交付決定が出てから着手する前提で日程を相談しておくとよいでしょう。
同じ制度の問い合わせ先はどこですか?
石川県商工労働部経営支援課経営支援グループ(076-225-1525)と、ISICO産業振興部新事業支援課(076-267-1145)です。似た制度が出ているかを探すときも、まずこの2か所に聞いてみるとよいでしょう。
