正社員を時給換算で引き上げても、この支援金の対象になるのか。対象になります。ただし条件があります。引き上げ前の時給が1,500円未満だった従業員が対象で、すでに時給1,500円を超えている人を昇給させても支給されません。
引き上げ幅が時給50円以上なら1人あたり5万円、100円以上なら1人あたり10万円です。1事業者あたりの上限は最大500万円(複数事業所の場合は3,000万円)まで広がります。令和8年5月29日から12月4日まで受け付けています。
神奈川県賃金アップ支援金の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人・個人事業主) |
| 制度名 | 神奈川県賃金アップ支援金 |
| 対象業種 | 業種を問わない中小企業者等(業種ごとに資本金・従業員数の基準あり) |
| 利用目的 | 低賃金層の従業員の賃金引き上げ |
| 対象地域 | 神奈川県内に事業所を有する事業者 |
| 従業員数 | 中小企業基本法上の中小企業者等の基準に該当すること |
| 補助上限額 | 区分1(時給50円以上):1人5万円・1事業者250万円(50人)・複数事業所1,500万円(300人)/区分2(時給100円以上):1人10万円・1事業者500万円(50人)・複数事業所3,000万円(300人) |
| 補助率 | 定額(1人あたりの引上げ額に応じた区分制) |
| 申請受付 | 令和8年5月29日(金)~12月4日(金) |
| 公式サイト | 神奈川県賃金アップ支援金 専用サイト |

対象になる従業員、ならない従業員
- 対象になる:引き上げ前の時給が1,450円のパート従業員を、時給1,550円(100円アップ)に引き上げた
- 対象になる:引き上げ前の時給が1,480円の従業員を、時給1,530円(50円アップ)に引き上げた
- 対象にならない:引き上げ前からすでに時給1,500円以上だった従業員(上限の水準に届いていないため対象外)
- 対象にならない:令和8年4月1日から9月30日の実施期間より前に引き上げた従業員
1事業所あたり50人までという人数の上限があるため、対象人数が多い企業ほど、支給総額は頭打ちになります。複数事業所を持つ場合は、1事業所あたり50人を超える従業員が対象外になる点に注意してください。
賃上げ率2区分の考え方
区分1(時給50円以上)と区分2(時給100円以上)で1人あたりの金額が5万円と10万円に分かれています。引き上げ幅が大きいほど1人あたりの支給額も大きくなる設計です。たとえば、パート従業員10人を全員100円アップさせた場合、10万円×10人=100万円が支給される計算になります。
よく誤解されるポイント
「賃上げした人数分だけ支給される」と思われがちですが、1事業者につき申請は1回限りです。年度の途中で複数回に分けて賃上げを実施しても、まとめて1回で申請する必要があります。実施期間(令和8年4月1日~9月30日)内に行った引き上げをすべて集計してから申請してください。
よくある質問
引き上げ前の時給が1,500円ちょうどの従業員は対象になりますか?
対象外です。要件は「引上げ前の1時間当たりの賃金が1,500円未満」であることなので、1,500円ちょうどの場合は該当しません。1,499円など、わずかでも1,500円を下回っている必要があります。
正社員(月給制)も対象になりますか?
対象になります。月給制の場合は「(基本給+算入対象の諸手当)÷1か月平均所定労働時間」で時給換算し、最低賃金の計算方法と同じ考え方で判定します。時給換算した額が1,500円未満であれば対象です。
パート・アルバイトも対象になりますか?
対象になります。雇用形態を問わず、県内事業所に勤務する雇用保険被保険者、またはこれに準ずる者であれば申請の対象です。時給制のパート・アルバイトは、時給そのもので判定します。
週20時間未満で雇用保険に入っていない従業員はどうなりますか?
原則は対象外ですが、例外があります。雇用保険の加入要件は満たしているのに未加入だった「昼間学生」と、障害者雇用促進法上の特定短時間労働者(週20時間未満で働く障害者)は「これに準ずる者」として対象に含まれます。それ以外の非加入者は対象になりません。
賃上げの理由は「定期昇給」でもよいですか?
よいです。公式FAQでは「賃上げの理由は問いません。交付要件を満たせば対象となります」と明記されています。ベースアップでも定期昇給でも、時給換算での引き上げ幅の要件を満たしていれば申請できます。
時給に含めてよい手当と含めてはいけない手当の違いは何ですか?
「従業員の個別の事情や状況にかかわらず、必ず毎月支給される手当」だけを時給換算に算入できます。時間外勤務手当・休日出勤手当・深夜勤務手当のように、働き方や実績によって金額が変わる手当は算入できません。
役員や事業主の家族従業員(専従者)は対象になりますか?
公式ページには役員・家族従業員(事業専従者)の扱いについて明確な記載が見当たりません。対象は「雇用保険被保険者またはこれに準ずる者」が前提なので、雇用保険の適用を受けない役員は対象外となる可能性があります。事務局(050-5810-6950)に個別にご確認ください。
従業員によって引き上げ幅が違う場合、区分はどうなりますか?
従業員ごとに実際の引き上げ幅で判定します。50円以上100円未満なら区分1、100円以上なら区分2として、1つの事業所内で両方の区分が混在してもかまいません。それぞれの区分の対象人数を合算して支給額を計算します。
賃上げを4月と7月の2回に分けて実施した場合はどうなりますか?
分割して実施すること自体は可能です。ただし申請は1事業者につき1回限りなので、令和8年4月1日から9月30日までの実施期間内に行った引き上げをすべて集計してから、まとめて1回で申請する必要があります。
支援金をもらった後、賃上げを維持する義務はありますか?
公式ページでは、賃上げ後に一定期間維持することを直接の交付要件とする記載や、引き下げた場合の返還規定は見当たりません。ただし、交付を受けた年度の翌年度から5年間、関係書類を保存する義務と、調査に協力する義務が定められています。最新の要件は申請要領でご確認ください。
国のキャリアアップ助成金と併用できますか?
併用できます。公式FAQでは、キャリアアップ助成金や他の行政機関の重点支援交付金との併給について、使途の重複がない場合は可能と明記されています。ただし、同じ賃上げ分を複数の制度から重複して受け取ることはできないため、対象範囲の切り分けは申請者側での確認が必要です。
国の業務改善助成金とは併用できますか?
公式FAQで明示的に併給可否が示されているのはキャリアアップ助成金です。業務改善助成金との関係については公式ページに記載が見当たらないため、同一の賃上げ分での重複受給を避けられるか、事務局へ直接ご確認ください。
交付決定より前に賃上げを実施してよいですか?
支援金の対象となる賃上げの実施期間は令和8年4月1日から9月30日までと定められており、この期間内であれば申請前の賃上げも対象になります。申請自体は、対象期間中の賃上げに伴う賃金の支払いをすべて完了させてから行う必要があります。
申請が予算の上限に達したらどうなりますか?
受付は先着順です。予算額に達した日に申請が集中した場合はその日の申請の中で抽選となり、予算に達した翌日以降の申請は受け付けられません。締切の12月4日を待たずに受付が終了する可能性があるため、早めの準備をおすすめします。
申請に必要な書類は何ですか?
交付申請書兼請求書(様式1)、役員等氏名一覧表(様式2)、振込口座を証明する書類(様式3・通帳の写し)、全従業員分の賃金チェックシート、商業・法人登記簿謄本、雇用保険被保険者資格を確認できる書類、賃金台帳、県税の納税証明書などが必要です。すべて電子申請システムから提出します。
賃金台帳はいつの分を提出しますか?
原則3か月分が必要です。令和8年3月31日を含む月、賃上げを適用した月、申請日の直近の月の3点で、賃上げ適用月と直近月が同じ月であれば2か月分で足ります。引き上げ前後の時給差を賃金台帳で確認できる状態にしておく必要があります。
