いまから賃上げをしても、この支援金は受け取れるのか。受け取れません。対象になるのは賃上げの効力が発生する日(適用日)が2026年4月1日から9月30日までの間にある賃上げで、期間は終わっています。
申請の受付は2026年12月4日まで続いています。9月30日までに賃上げを済ませた事業者なら、まだ間に合います。申請は1事業者につき1回限りで、あとから追加できません。
神奈川県賃金アップ支援金の要点まとめ
正式名:神奈川県賃金アップ支援金
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人事業主)
- 対象業種
- 業種を問わない中小企業者等
- 利用目的
- 時給1,500円未満の従業員の賃上げ
- 対象地域
- 神奈川県内に事業所を有する事業者
- 従業員数
- 業種ごとの資本金か従業員数の基準以下
いくら
- 補助上限額
- 最大3,000万円(複数事業所・区分2)。1事業所は区分2で500万円
- 補助率
- 定額(1人あたりの引上げ額に応じた区分制)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年5月29日〜2026年12月4日(先着順)
- 事業の完了
- 賃上げの適用日は2026年4月1日〜9月30日(終了済み)
うちの会社は対象になる?
次のすべてに当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 7
基準は業種ごとで、製造業・建設業・運輸業ほかは3億円以下か300人以下、卸売業は1億円以下か100人以下、サービス業は5,000万円以下か100人以下、小売業は5,000万円以下か50人以下です。どちらか一方を満たせば足ります。賃上げの適用日は2026年4月1日から9月30日の間で、時給は賃上げ前の額で見ます。公表事案は厚生労働省が公表したもの(送検して公表された事案など)です。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 適用日が3月31日以前か10月1日以降
- ✕ 賃上げ前の時給が1,500円以上の従業員
- ✕ 雇用保険の被保険者でない従業員
- ✕ 風営法の接待飲食等営業など
時給が1,500円以上の従業員は、その人の分を数えません。雇用保険の被保険者でなくても、昼間学生や特定の障害のある短時間労働者に当たれば数えます。風俗営業法の接待飲食等営業・性風俗関連特殊営業などを行っている事業者は対象外です。
雇用保険の被保険者とは、週の所定労働時間が20時間以上で、31日以上働く見込みのある従業員のことです。
いくらもらえる?
1人あたりの額は、時給をいくら上げたかで決まります。
| 申請区分 | 時給の引上げ額 | 1人あたり | 1事業者の上限 | 複数事業所の場合の最大 |
|---|---|---|---|---|
| 区分1 | 50円以上 | 5万円 | 250万円(50人) | 1,500万円(300人) |
| 区分2 | 100円以上 | 10万円 | 500万円(50人) | 3,000万円(300人) |
複数事業所の合算は、1事業所あたりの対象従業員が50人を超えない範囲に限られます。
- 時給を50円上げた従業員が4人:4人 × 5万円 = 20万円
- 全員を100円以上上げた従業員が10人:10人 × 10万円 = 100万円
- 区分2で60人が対象:60人のうち50人まで → 50人 × 10万円 = 500万円(上限)
区分は1つしか選べません。 従業員の引上げ額がばらばらでも、申請区分1と2の併用はできず、全員が100円以上上がっていないと区分2は選べません。公式の参考例では、50円・60円・70円・120円の4人は区分1になり、5万円 × 4人 = 20万円です。
時給1,500円未満かどうかの数え方
引上げ前の時給は、最低賃金の計算方法と同じやり方で出します。
- 時給制:時間給に、算入の対象になる月払いの手当を時給に直して足します
- 日給制:日給を1日の所定労働時間で割り、算入の対象になる手当を足します
- 月給制:(基本給+算入の対象になる手当)÷ 1か月平均の所定労働時間で計算します
算入の対象になる手当は、従業員の事情にかかわらず必ず毎月支給されるものです。時間外・休日・深夜の割増賃金は最低賃金の対象外なので、時給の計算に入れません。
申請の流れ
- 賃上げを実施する(事業者。適用日は9月30日まで。賃上げが複数回ある場合は、最後の適用日の賃金を支払い終えてから次へ進む)
- 必要書類をそろえる(事業者。賃金台帳など従業員分の書類が多いので早めに)
- 専用サイトから電子申請する(事業者→事務局。12月4日まで。1回限り)
- 不備があれば補正する(事業者。事務局の依頼から原則最大3週間)
- 審査を受け、交付決定を待つ(県→事業者)
- 口座振込で受け取る(県→事業者。申請した事業者名義の口座)
受付は先着順で、到達日が基準です。予算額に達した日に届いた申請は県が抽選し、翌日以降に届いた申請は受け付けません。
必要な書類
準備できた 0 / 13
賃金チェックシートは事業所ごとに入力し、登記簿謄本は発行から3か月以内、法人番号は国税庁法人番号公表サイトの画面を印刷します。確認通知書は「雇用保険被保険者資格取得等確認通知書(事業主通知用)」で、ハローワークから交付されたものを対象の全従業員分出します。賃金台帳は原則、3月31日を含む月・適用日を含む月・申請日直近の月の分です。
県税の納税証明書は神奈川県内の県税事務所で取り、申請日から1か月以内の、税目「県税」の第48号様式を使います。雇用契約書か労働条件通知書と障害者雇用状況報告書などは、昼間学生・障害のある短時間労働者を含める場合の追加書類です。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 適用日が期間の外にある:4月1日から9月30日の間に効力が生じた賃上げだけが対象です。
- 申請区分を取り違えた:100円未満の従業員が1人でもいると区分2は選べず、区分1の5万円で申請することになります。
- 予算額に達した:先着順です。12月4日の前でも、予算額に達した日の翌日以降に届いた申請は受け付けません。
- 追加で申請しようとした:申請は1事業者1回限りです。賃上げをすべて終えてから出します。
- 不正や取消し:交付後でも決定が取り消されることがあります。返還のほか、受領日から年10.95%の加算金が命じられることがあります。
併用と書類の保管
この支援金は国の重点支援地方交付金を使った事業です。厚生労働省(神奈川労働局)のキャリアアップ助成金や、他の行政機関が同じ交付金を財源に実施する賃上げ支援とは、使途が重複しないことを条件に併用できます。神奈川労働局に併用の可否を確かめる必要はありません。他の行政機関の施策との併用は、その機関に申請者が確かめます。
申請書(様式1)には、神奈川県が先に実施した3事業(介護分野の賃上げ・職場環境改善支援事業交付金、障害福祉従事者処遇改善緊急支援事業補助金、医療機関等賃上・物価支援金)のどれかを申請した事業者だけが、使途の重複がないことにチェックします。3事業のどれにも申請していなければ、チェックは要りません。この一文は、対象を絞る条件ではありません。
関係書類は、交付を受けた日が属する県の会計年度の翌年度から5年間の保存が必要です。県から調査や書類の提出を求められることもあります。
よくある質問
いまから賃上げをしても申請できますか?
申請できません。対象になる賃上げは、効力が発生する適用日が2026年4月1日から9月30日までにあるものに限られます。受付は12月4日まで続いていますが、これは期間内に賃上げを済ませた事業者が書類を出すための期間です。10月1日以降に新しく賃上げをしても、この支援金の対象にはなりません。
賃上げ前の時給が1,500円以上の従業員も数えますか?
数えません。対象の従業員は、賃上げ前の1時間あたりの賃金が1,500円未満の人です。時給をすでに1,500円以上もらっている人を昇給させても、その人の分は交付額に入りません。月給制の人は、基本給と算入対象の手当を合わせて1か月平均の所定労働時間で割り、時給に直して判定します。
月給制や日給制の従業員は、どうやって時給を出しますか?
月給制は(基本給+算入の対象になる手当)÷ 1か月平均の所定労働時間です。1か月平均の所定労働時間は(365日-年間の所定休日数)× 1日の所定労働時間 ÷ 12か月で出します。日給制は日給を1日の所定労働時間で割り、月払いの手当を時給に直して足します。割増賃金は計算に入れません。
従業員ごとに賃上げ額が違う場合は、どうなりますか?
引上げ額がいちばん低い人に合わせて、全員を同じ区分で申請します。たとえば50円、60円、70円、120円の4人なら、全員が100円以上ではないので区分1です。交付額は5万円 × 4人 = 20万円になります。事業所ごとに区分を分けて申請することもできません。
申請は何回までできますか?
1事業者につき1回限りです。複数回に分けた申請や、あとからの追加申請はできません。賃上げを何度かに分けて実施した場合は、最後の適用日の賃金の支払いを終えてから、まとめて1回で申請します。複数の事業所がある事業者は、本社が一括して申請します。本社が県外にあっても申請できます。
パートやアルバイトも対象ですか?
雇用保険の被保険者であれば対象になります。被保険者になる目安は、週の所定労働時間が20時間以上で、31日以上働く見込みがあることです。例外として、被保険者にならない昼間学生と、特定の障害のある短時間労働者も対象になります。この2つの人を含める場合は、契約書などの追加書類が要ります。
複数の事業所がある場合の上限はいくらですか?
複数の事業所を持つ事業者は、1事業所あたりの対象従業員が50人を超えない範囲で合算できます。上限は区分1で1,500万円(300人)、区分2で3,000万円(300人)です。1事業所が50人を超えた分と、事業者全体で300人を超えた分は対象になりません。県内に事業所が1つなら、上限は区分1が250万円、区分2が500万円です。
申請はいつまでで、先着順ですか?
2026年12月4日までです。受付は先着順で、書類が事務局に届いた日が基準になります。予算額に達した日に届いた申請は、県が抽選して予算の範囲内で受理します。予算額に達した日の翌日以降に届いた申請は受け付けません。そのため、書類がそろい次第、早めに出すのが安全です。
必要書類はどこで集めればいいですか?
様式1から3と賃金チェックシートは、専用サイトからダウンロードします。雇用保険被保険者資格取得等確認通知書はハローワークから交付された書類で、事業主通知用が必要です。賃金台帳は自社のものを使います。納税証明書は県内の県税事務所で取ります。従業員分の書類が多いので、早めに準備を始めてください。
納税証明書は、どの種類を出せばいいですか?
神奈川県内の県税事務所が出す、税目が「県税」の納税証明書(第48号様式)です。申請日から1か月以内のものが必要です。法人税などの国税や、市町村税の証明書では足りません。「法人県民税」など税目を限った第48号様式の2も認められないので、窓口で申請するときに税目を確認してください。
賃金台帳は何か月分が必要ですか?
原則として3つの月の分が必要です。2026年3月31日を含む月、賃上げの適用日が初めて反映された月、申請日直近の月です。後ろの2つが同じ月になるときは、2か月分になります。対象の全従業員分が必要で、可能なかぎり対象の従業員だけを、事業所ごとに出すよう求められています。
受け取ったあとに返還を求められることはありますか?
あります。偽りその他の不正な手段で交付を受けた場合や、調査を正当な理由なく拒んだ場合などは、交付決定が取り消されます。交付後でも同じです。その場合は支援金の返還が命じられ、受領の日から年10.95%の加算金も求められることがあります。返還の期限は命令から20日以内です。
問い合わせ先はどこですか?
神奈川県賃金アップ支援金事務局のコールセンター(電話 050-5810-6950)です。平日の8時30分から17時15分まで受け付けています。事務局は県が阪急交通社に委託して運営しています。制度そのものについては、神奈川県産業労働局労働部雇用労政課の労政グループ(電話 045-210-5739)が所管しています。
