神奈川県が、訪問介護事業所の人材確保と経営改善のために出している補助金です。ヘルパーへの同行指導、研修、ホームページづくり、登録ヘルパーの常勤化、経営改善の外部委託などの費用を、基準額まで全額補助します。
金額はメニューごとに決まっています。1事業所の基準額は、研修が10万円、採用活動(中山間地域等の事業所のみ)と広報が30万円、経営改善が40万円です。タイトルの200万円は、複数の法人で組む協働化のうち、中山間地域等のみで事業所を運営する法人を含むグループの1グループ分です。含まないグループは150万円です。交付申請の期限は2026年11月30日です。
ただし横浜市・川崎市・相模原市・横須賀市の事業所は、この県の補助金の対象外です。4市は、それぞれ別に訪問介護事業所向けの補助事業を行っています。
神奈川県訪問介護等サービス提供体制確保支援事業費補助金の要点まとめ
正式名:神奈川県訪問介護等サービス提供体制確保支援事業費補助金
だれが
- 申請者
- 訪問介護等の指定事業所を運営する法人
- 対象業種
- 訪問介護・定期巡回・夜間対応型訪問介護の事業所
- 利用目的
- ヘルパーの人材確保・育成、経営改善
- 対象地域
- 神奈川県(横浜市・川崎市・相模原市・横須賀市を除く)
- 従業員数
- 規定なし(協働化の支援は小規模法人を含むこと)
いくら
- 補助上限額
- メニューごとに異なる(協働化は1グループ最大200万円)
- 補助率
- 10/10(基準額が上限)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年6月30日〜11月30日(先着・予算なくなり次第終了)
- 事業の完了
- 2027年1月31日まで(支払いも完了)
うちの事業所は対象になる?
次の3つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 3
指定とは、介護保険法にもとづく県などの指定のことです。対象は、訪問介護事業所、定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業所、夜間対応型訪問介護事業所の3種類です。
除かれる4市は、横浜市・川崎市・相模原市・横須賀市です。国や市町村の補助を受けている経費は、この補助金の対象になりません。
次のどちらかに当たると対象外です。
- ✕ 横浜・川崎・相模原・横須賀の事業所
- ✕ 訪問介護など3種類以外の事業所
4市の事業所は、それぞれの市のページで補助事業を確かめてください。県のページから4市のページへ進めます。
小規模法人の協働化・大規模化の支援だけは、見るところが違います。複数の法人で組むグループの代表法人が、県内(4市を除く)にあれば対象です。代表法人が4市にある場合は、その市に申請します。
いくら戻ってくる?
補助率は10/10です。ただし、補助されるのは経費と基準額のうち少ない方です。基準額は、メニューごとに県が決めた上限額です。計算は消費税を除いた金額で行い、千円未満は切り捨てます。
- 事業所のホームページを40万円で作る:40万円 × 10/10 = 40万円 → 基準額の30万円
- 同じホームページを25万円で作る:25万円 × 10/10 = 25万円
- 経験の浅いヘルパーに、30分以上の同行指導を6回する:4,000円 × 6回 = 2.4万円
- 経営改善のコンサルに50万円を払う:50万円 × 10/10 = 50万円 → 基準額の40万円
- 登録ヘルパー1人を常勤にして、月の給与差額が12万円:12万円 → 基準額の10万円 × 3か月 = 30万円
- 小規模法人のグループが、請求システムの共通化に300万円かける:300万円 → 基準額の150万円
基準額を超えた分は自己負担です。補助率が10/10でも、かかった費用が全部戻るわけではありません。
複数のメニューを同時に使えます。その場合の上限は、メニューごとの基準額の範囲内です。メニュー全部を合わせた合計の上限は、県のページに書かれていません。タイトルの200万円は、協働化の支援(中山間地域等の法人を含むグループ)1つ分の基準額です。基準額は法人ではなく事業所ごとです。法人本部が複数の事業所分をまとめて払ったときは、事業所の数で按分します。
何に使える?
メニューは7つです。人材確保体制構築支援事業の3つと、経営改善支援事業の4つに分かれます。
| メニュー | 基準額 |
|---|---|
| 経験年数が短いヘルパー等への同行支援 | 30分未満は1回2,500円、30分以上は1回4,000円(1人30回まで) |
| 研修体制の構築の支援 | 1事業所10万円 |
| 中山間地域等での採用活動の支援 | 1事業所30万円 |
| 小規模法人等の協働化・大規模化の支援 | 1グループ150万円 |
| 経営改善の支援 | 1事業所40万円 |
| 登録ヘルパー等の常勤化の促進 | 1人1か月10万円(3か月まで) |
| 介護人材・利用者確保のための広報 | 1事業所30万円 |
中山間地域等にある事業所は、同行支援が1回3,500円(30分未満)と5,000円(30分以上)に上がります。中山間地域等のみで事業所を運営する法人がグループに入る協働化は、1グループ200万円です。
中山間地域等は、南足柄市(内山・矢倉沢)、大井町(赤田・高尾・柳・篠窪)、松田町、山北町、真鶴町、湯河原町、清川村です。
対象にならないもの
- 消費税・地方消費税(税抜きで申請します)
- すでに国や市町村の補助を受けた内容
- 補助対象外の経費と混ざって払い、区分できないもの
- 2027年2月以降に支払った経費
- 運転など、移動だけが目的の同行や、介護保険外サービスの同行
- ヘルパー以外の職員(事務員など)の募集や、訪問介護以外の利用者集めの広報
- 人材紹介会社・派遣会社に払う紹介手数料
- 非常勤職員の単純な賃上げ
- 派遣会社から来たヘルパーを常勤にする費用
- 同じ法人の事業所だけで行う協働化
- 合同説明会の出展料など、移動以外の採用費用(中山間地域等の採用支援)
対象になるもの
- 同行支援:経験の長いヘルパーが、経験の浅いヘルパーに同行して指導する費用(運転だけは除く)
- 研修体制:研修カリキュラムづくり、外部研修の受講費、事業所が自分で開く研修の費用
- 採用活動:中山間地域等の事業所が、地域外の求職者向けに都市部の合同説明会へ出る移動費
- 協働化:人材募集や合同研修、システムの共通化、共同購入、ICT環境の整備にかかる費用
- 経営改善:コンサルタントや社会保険労務士への委託料、事務作業を行う臨時職員の雇用費、加算の新規取得のために雇った臨時職員の賃金
- 常勤化:登録ヘルパーが常勤になるときの賃金差額(法定福利費を含む)
- 広報:ホームページの開設・改修、チラシ、求人広告、動画の制作費
経験の浅いヘルパーとは、訪問業務の経験が1年未満の人、または3年以上訪問業務から離れていた人です。他の事業所での経験も数えます。
登録ヘルパーとは、勤務日や勤務時間が決まっていないヘルパーです。非常勤のヘルパーも含みます。常勤とは、事業所の就業規則で常勤職員とされる雇い方です。
研修でパソコンやモニターを買うときは、研修計画など必要性が分かる書類を一緒に出します。研修の対象は原則ホームヘルパーです。ヘルパーの定着につながる研修と認められれば、事務職員も対象にできます。
申請の流れ
- 取り組むメニューと対象の事業所を決める(事業者。事業所ごとに申請書類を作る)
- 交付申請書類を電子申請で出す(事業者→神奈川県 地域福祉課。11月30日まで)
- 交付決定の通知を受ける(県→事業者。受理から概ね30日後)
- 事業を進めて、支払いを2027年1月31日までに終える(事業者)
- 実績報告書を出す(事業者→県。事業が終わってから1か月以内、遅くとも2027年2月12日まで)
- 補助額が確定して、補助金が支払われる(県→事業者。手引きでは2027年3月までに受け取る予定)
交付決定とは、県が申請を認めて補助額を通知することです。事前着手届を出していない事業所は、交付決定の日より前に使った経費が補助の対象になりません。事前着手届の受付は、すでに終わっています。
交付決定の前に、全部の事業が終わっている場合も対象外です。
申請は先着順で、予算を超えると11月30日より前に受付が終わります。県のページに予算の総額は書かれていません。これから着手する事業所は、事業を始める1か月前までに申請するよう県のページにあります。年内に着手したい取組があるなら、申請を早めることをお勧めします。
必要な書類
準備できた 0 / 8
県の案内ページにあるExcelの「基本情報入力シート」に入力すると、各様式が自動でできます。取り組まないメニューの事業計画書は、空欄のまま出します。提出は、県の受付フォームにファイルをアップロードします。電子申請が難しい場合は、県に相談すると郵送先を案内してもらえます。
委任状が要るのは、振込先の口座の名義人が代表者でないときだけです。パソコンやモニターを買う場合は、研修計画などの資料も添えます。
役員等氏名一覧表には、代表者と全部の役員を書きます。暴力団員がいないことを確かめるため、書いた内容を県警察本部に照会することに同意する旨が様式に入っています。代表者または役員に暴力団員がいると、補助の対象になりません。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 予算がなくなった:先着順なので、予算を超えると11月30日より前でも受付が終わります。
- 交付決定の前に事業を終えた:交付決定の前に全部の事業が終わっていると、補助の対象になりません。
- 支払いが2027年2月以降になった:2026年4月1日から2027年1月31日までに支払いが終わった経費だけが対象です。
- 手続きを飛ばして内容を変えた:事業の内容や、経費の配分の20%を超える変更は、知事の承認が要ります。承認を受けないと、交付決定が取り消されることがあります。
- 補助金を賃上げに使った:非常勤職員の単純な賃上げは対象外です。常勤化に必要な差額だけが対象です。
変更の承認を受ける変更交付申請は、2026年12月25日が最終の提出期限です。補助金を辞退するときは、交付決定の通知を受けてから10日以内に取り下げを出します。
併用・税金・書類の保管
国や県、市町村の別の補助を受けた経費は、この補助金の対象になりません。申請のときに、誓約のチェック表で「受けていない」と約束します。
一方で、介護人材確保・職場環境改善等事業とは、必要な額の範囲で重ねて受けられます。研修の費用が基準額の10万円を超えたときは、超えた分をその事業で補助してもらえます。
自社や関連会社(親会社・子会社など)から買ったときは、取引先の利益に当たる分を経費から除く決まりです。申請のとき、そうした取引がないことを約束します。
補助事業で買った単価30万円以上の機械・器具・備品などは、財産の処分に制限がかかります。耐用年数が終わるまでに売ったり捨てたりするときは、知事の承認が要ります。交付要綱に定めがあります。
帳簿と領収書は、事業が完了した日のある県の会計年度の翌年度から5年間保管します。県の追跡調査や、国の会計検査が入ることがあります。
よくある質問
横浜市の事業所ですが、この補助金は使えますか?
使えません。県の補助金は、横浜市・川崎市・相模原市・横須賀市を除く県内の事業所が対象です。この4市でも、訪問介護事業所を対象にした補助事業が別に行われています。県のページに4市それぞれのページへのリンクがあるので、市の補助事業の内容と受付期間を確かめてください。小規模法人の協働化は、代表法人が4市にあれば、その市に申請します。
受付はいつまでですか?
交付申請は2026年11月30日(月)までです。2026年6月30日から受け付けています。ただし先着順で、予算を超えると、締切より前に受付が終わります。予算の総額は県のページに書かれていません。実績報告は、事業が終わってから1か月以内に出します。遅くとも2027年2月12日(金)までです。支払いは2027年1月31日までに終えます。
補助率が10/10なら、費用は全額戻りますか?
全額は戻りません。補助額は、かかった経費と基準額のうち少ない方です。ホームページを40万円で作っても、広報の基準額は1事業所30万円なので、補助は30万円です。25万円で作れば25万円が補助されます。消費税は対象外で、税抜きで計算します。申請の前に、取り組みたい内容がどのメニューか、基準額がいくらかを確かめてください。
複数のメニューを同時に申請できますか?
できます。人材確保体制構築支援事業と経営改善支援事業の複数のメニューを実施できます。ただし、補助はメニューごとの基準額の範囲内です。申請のときは、それぞれの費用がどのメニューの経費なのかを分けて書きます。実績報告では、メニューごとに領収書などを出します。メニューごとの基準額は別々に使えますが、あるメニューの基準額を超えた分を、別のメニューに回すことはできません。
基準額は法人ごとですか、事業所ごとですか?
事業所ごとです。1つの法人が複数の事業所を持つなら、事業所ごとに基準額が使えます。法人本部がまとめて取り組んで払ったときは、事業所の数で経費を割って、事業所ごとに計上します。たとえば3事業所のために30万円かけたなら、1事業所あたり10万円です。申請書類の様式も、法人ごとではなく対象の事業所ごとに作ります。
経験年数が短いヘルパーとは、どんな人ですか?
訪問業務に従事した期間が1年未満の人、または3年以上訪問業務から離れていた人です。他社や他の事業所での経験年数も数えます。施設での介護経験があっても、訪問介護の経験がなければ当たります。生活援助だけをしてきた人が新しく身体介護をするときは、1年以上の経験があっても当たります。同行は1人につき30回までで、運転だけの同行は対象外です。
登録ヘルパーの常勤化には、賃上げの費用も使えますか?
単純な賃上げには使えません。使えるのは、登録ヘルパーや非常勤のヘルパーが常勤になるとき必要な賃金と法定福利費の差額です。補助は1人につき1か月10万円まで、3か月分が上限です。ヘルパーが離職して、新しく常勤のヘルパーを雇うときの差額も対象です。離職から雇うまでは6か月以内です。派遣会社から来たヘルパーを常勤にする費用は、対象外です。
研修のためにパソコンやモニターを買えますか?
買えます。ただし、パソコンやモニターは研修以外にも使えるので、申請のときに研修計画など必要性が分かる書類を出します。研修は、事業所が自分で開くものも、外部の研修に参加するものも対象です。オンライン研修を年間契約で払う場合は、対象期間のうちに払い終えていれば対象です。研修で使う書籍も買えます。所定の労働時間の外で行う研修の費用も対象です。
事前着手届を出していません。もう始めた事業の費用は対象になりますか?
事前着手届を出していない場合、対象になるのは交付決定の日以降の経費だけです。交付申請のあとに着手する場合も、交付決定日以降の分になります。事前着手届の受付は終わっています。交付決定の前に全部の事業が終わっているときは、補助の対象になりません。これから始める取組は、交付決定を待ってから動くか、県へ先に相談してください。
小規模法人の協働化・大規模化は、1つの法人でも使えますか?
使えません。複数の法人が協力して行う取組が対象で、同じ法人の事業所だけで行うものは対象外です。グループには、次のどれかに当たる法人が1つ以上必要です。1事業所だけを運営する法人、月の延べ訪問回数が平均200回以下の法人、常勤換算の職員数が平均5人以下の法人、事業所がすべて中山間地域等にある法人です。申請は代表法人が行います。
事務員の採用の広報は対象になりますか?
対象になりません。広報の支援は、ホームヘルパーの募集や、訪問介護の利用者を集めるための広報だけが対象です。事務員など、ヘルパー以外の人の募集は対象外です。ホームページの作成や、求人広告、動画の制作は対象です。ヘルパーの募集と他の事業の紹介を同じ媒体に載せる場合は、経費を切り分ければ、ヘルパー募集の分が対象になります。人材紹介会社への手数料は対象外です。
問い合わせ先はどこですか?
神奈川県 福祉子どもみらい局 福祉部地域福祉課の福祉介護人材グループです。電話は 045-210-4755 です。疑問点は、県の電子申請システムの問い合わせフォームからも送れます。2026年7月23日の説明会のアーカイブ動画が、県のページで公開されています。申請の手引き(交付申請編)とQ&Aも、同じページにあります。申請の前に目を通すと、書類の出し直しを減らせます。
