社員を大学院や専門学校に通わせたい、玉掛けや施工管理の講習を受けさせたい。その費用の一部を、葛飾区が補助します。大学等は負担額の1/2(授業料等の1/3が低ければそちら)で上限30万円です。
申請できるのは、授業料を払って、受講が終わったあとです。先に申請して交付決定を待つ制度ではありません。国の人材開発支援助成金を受けた会社には、支給額の1/3(上限50万円)の上乗せ枠もあります。
産業人材育成支援補助事業(1)大学・訓練等の要点まとめ
正式名:産業人材育成支援補助事業(1)大学・訓練等
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人事業主)
- 対象業種
- 業種の指定なし
- 利用目的
- 従業員の大学等への通学・訓練、国の助成金の上乗せ
- 対象地域
- 東京都葛飾区(区内に主たる事業所があること)
- 従業員数
- 中小企業基本法第2条の中小企業者(業種ごとに基準あり)
いくら
- 補助上限額
- 30万円(大学等・訓練等)
- 補助率
- 負担額の1/2(大学等の場合、上限30万円)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年4月1日〜2027年3月26日(必着)
補助率はコースで違います。大学等は「負担額の1/2」と「授業料等の1/3」の低いほうです。訓練等は訓練費用の1/3、人材開発支援助成は国の支給額の1/3で、上限は50万円です。金額は消費税と地方消費税を除いて計算し、1,000円未満は切り捨てます。
うちの会社は対象になる?
次の5つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
中小企業者とは、業種ごとに資本金と従業員数の上限があり、どちらか一方を満たせば該当する会社のことです。基準は業種で異なるので、自社の上限は区の窓口で確かめてください。個人事業主の場合は、特別区民税を滞納していないことが条件です。区外に住んでいるときは住所地の区市町村民税も見られます。
暴力団や暴力団関係者でないことも要件です。次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 主たる事業所が区外にある
- ✕ 同じ趣旨の補助金をほかで受けた
- ✕ パソコン講座・簿記・英語学習を受ける
同じ趣旨の補助金の制限は、大学・訓練等のコースの条件です。
いくら戻ってくる?
コースごとに計算します。金額は計算のための例です。
大学等は負担額の1/2と授業料等の1/3のうち低いほうが補助額です。
- 大学院の授業料等90万円を会社が全額負担:負担額の1/2は45万円、授業料等の1/3は30万円 → 低いほうの30万円(上限と同額)
- 同じ90万円のうち会社が30万円だけ負担:負担額の1/2は15万円、授業料等の1/3は30万円 → 低いほうの15万円
訓練等は、会社が負担した訓練費用の1/3です。
- 玉掛け技能講習などの訓練費用が12万円:12万円 × 1/3 = 4万円
- 施工管理の講習を複数人で受けて訓練費用が120万円:120万円 × 1/3 = 40万円 → 上限の30万円
人材開発支援助成は、国から支給された額の1/3です。この枠は、国の支給決定が出ていることが前提です。
- 国の支給額が90万円:90万円 × 1/3 = 30万円
- 国の支給額が180万円:180万円 × 1/3 = 60万円 → 上限の50万円
大学等と訓練等の上限額は、概要チラシでは30万円とひとまとめに示されています。両方を使うときの数え方は、窓口で確かめてください。上限に達するまで、同じ年度に何回でも申請できます。複数人が受けた分は合算できます。ただし1回の申請額が1万円未満だと申請できません。
何に使える?
先に対象にならないものを確認します。
- パソコン講座(Word・Excel・PowerPointなどの使い方や基礎知識)
- 簿記・英語学習・ビジネスマナーなどの一般教養講座
- 資格試験の受験費用(講習と一体になっているものは対象)
- 消費税と地方消費税の分
次が対象になります。
- 大学等への通学:授業料・実験実習料・教材費
- 訓練等の実施:訓練費用・授業料・教材費・材料費
「大学等」には、大学(大学院を含む)・短期大学・専修学校(専門課程を置くものに限る)・高等専門学校・日本語学校が入ります。「訓練等」は、城東職業能力開発センターの現場訓練、東京都中小企業振興公社のオーダーメード研修、東京都立産業技術研究センターのオーダーメード型技術支援事業、認定職業訓練、研修機関の講習、eラーニング・通信制のオンライン訓練です。
公式ページが挙げる訓練の例は、玉掛け技能講習・高所作業車運転技能講習・職長・安全衛生責任者教育・フルハーネス型安全帯使用作業特別教育・各種の施工管理技士講習などです。建設業許可の取得に必要な資格の講習も入ります。事業主本人が通う場合も対象です。
物流・建設の事業者向けには、別の枠(2)があります。この記事は(1)大学・訓練等の話です。
申請の流れ
- 授業料等を払い、受講を終える(事業者→学校・訓練機関)
- 書類をそろえる(事業者。請求書・領収書、通学や修了の証明など)
- 申請書類を区に出す(事業者→商工振興課 工業振興係。オンライン申請か、郵送・持参。2027年3月26日必着)
- 交付決定の通知を受け取る(区→事業者)
- 請求書を出す(事業者→区。補助金が交付される)
人材開発支援助成のコースは、国の支給決定を受けたあとに同じ流れで申請します。3月に入学や訓練の実施がある場合は、事前に窓口へ相談するよう案内されています。複数年にわたる通学は年度ごとの補助なので、毎年度の申請が要ります。
必要な書類
準備できた 0 / 11
納税証明書は、法人なら前年度の法人都民税、個人事業主なら特別区民税のものです。領収書では代えられません。開業届か確定申告書の控えは個人事業主だけで、確定申告書は第一表と第二表の2年分です。従業員への支払の証明は、従業員が学校へ授業料等を納めたときだけ要ります。助成金に関する2種類の書類は、人材開発支援助成のコースだけで、支給決定の書類はその年度に交付されたものを出します。そのコースの事業計画書は第2号と第2号の3の両方の様式を使います。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 対象外の講座を受けた:パソコン講座・簿記・英語学習・ビジネスマナーなどの一般教養は補助されません。
- 同じ趣旨の補助金をほかで受けた:大学・訓練等のコースでは、国や他の地方公共団体から同じ趣旨の補助金を受けていないことが条件です。
- 申請額が1万円に満たない:1回の交付申請額が1万円未満だと、申請できません。数回分をまとめてから出します。
- 申請期限に間に合わなかった:2027年3月26日が必着です。3月に受講が終わる場合は、先に窓口へ相談してください。
- 国の助成金の支給決定がない:人材開発支援助成のコースは、国の支給決定を受けていることが前提です。
よくある質問
大学等と訓練等は、何が違いますか?
受講先の種類と補助率が違います。大学等は、大学・大学院・短期大学・専修学校(専門課程)・高等専門学校・日本語学校への通学が対象で、補助率は負担額の1/2と授業料等の1/3の低いほうです。それ以外の研修機関の講習やeラーニングは訓練等で、補助率は訓練費用の1/3です。上限額は、概要チラシでは大学等と訓練等をまとめて30万円と示されています。両方を使うときの数え方は、申請の前に窓口で確かめてください。
人材開発支援助成のコースだけを先に使えますか?
使えません。このコースの要件は、厚生労働省の人材開発支援助成金のうち、人材育成支援コースか事業展開等リスキリング支援コースの支給決定を受けていることです。補助の対象は国から支給された額なので、国の支給が決まる前には申請できません。支給決定を証する書類は、その年度に交付されたものが必要です。厚生労働省に出した申請書のうち、コースが分かる書類の写しも添えます。大学等・訓練等のコースは、国の助成金とは別に申請できます。
先に申請してから通学を始められますか?
この制度は、受講してから申請します。公式ページは、授業料等の支払いと事業の実施が終わったあとに、必要書類をそろえて出すよう案内しています。申請書には、企業負担額・従業員負担額・区の補助金に分けた収入額と、支出額を書く欄があり、支払い済みの金額で書く形です。申請書類を区に出して審査を受け、交付決定の通知が届いたら、補助金の請求書を出します。3月に入学や訓練がある場合は、事前に窓口へ相談してください。
通信制の大学や専門学校も対象になりますか?
公式ページには、大学等の通信制についての記載がありませんでした。大学等は「通学」の費用が対象です。一方、eラーニングや通信制のオンライン訓練は、訓練等として対象に入ります。事業計画書(第2号様式)の種別欄にも、通信制の選択肢があります。通信制の学校に通わせる場合は、申請の前に商工振興課 工業振興係(03-3838-5587)へ、どのコースに当たるかを確かめてください。学校名とコース名、授業料の額を伝えると話が早く進みます。
社長本人が大学院に通う費用も対象ですか?
対象です。この制度は従業員(事業主を含む)を大学等に通わせる場合や、訓練等を実施する場合の費用を補助します。ただし、業務の遂行に必要な技術・技能・知識を身につけるためのものが前提です。申請書類の事業計画書(第2号様式)では、対象者の氏名と勤続年数、学校や訓練機関の名称、通学期間、履修の目的とスケジュール、履修内容を書きます。通学や訓練が事業にどう役立つかが伝わるように書いてください。
同じ年度に何回申請できますか?
大学・訓練等は、補助上限額の30万円に達するまで、同じ年度に何回でも申請できます。複数人が受講する場合は、合算して申請できます。ただし1回の交付申請額が1万円に満たないと申請できないので、少額の講習は何回分かをまとめてから出します。たとえば訓練費用6万円の講習なら補助は2万円で、1回分だけでも申請できます。複数年にわたる通学は年度ごとの補助になるため、年度ごとの申請が要ります。
資格試験の受験料は対象になりますか?
資格試験などの受験費用は、対象外です。ただし、講習と一体になっているものは補助の対象になります。たとえば講習の費用に試験料が含まれている場合は、その分も対象経費に入ります。申請の前に、受講先の請求書で講習代と受験料が分かれているかを確かめておくと、書類の出し直しを防げます。一体かどうかの判断に迷うときは、請求書と講習の案内を手元に置いて、工業振興係(03-3838-5587)に聞いてください。
パソコン講座や簿記、英語は対象になりますか?
対象外です。Word・Excel・PowerPointなどの一般的なアプリケーションや、パソコンの使い方・基礎知識の講座は補助されません。簿記、英語学習、ビジネスマナーなどの一般教養も同じです。一方、玉掛け技能講習や職長・安全衛生責任者教育のような、業務に直結する技能講習は対象に入ります。建設業許可の取得に必要な資格の講習や、各種の施工管理技士講習も、公式ページが挙げる対象の例です。
消費税は補助の対象ですか?
対象外です。補助額は、消費税と地方消費税の分を除いた金額で計算します。たとえば訓練費用が税込13万2,000円なら、税抜の12万円が計算のもとになり、その3分の1の4万円が補助額です。税抜10万円なら3万3,333円になりますが、1,000円未満は切り捨てるので3万3,000円です。見積書や請求書で、税抜の金額が分かる形になっているかを確かめてください。
個人事業主はどんな書類が必要ですか?
共通書類に加えて、開業届の写しか、直近の確定申告書(第一表・第二表)の控えの写し2年分が必要です。納税の証明は、特別区民税の納税(非課税)証明書です。区外に住んでいる場合は、特別区民税のほかに、住所地の区市町村民税の納税(非課税)証明書も出します。どちらも領収書では代えられません。法人の場合は、前年度の法人都民税の納税証明書です。企業概要(第3号様式)には資本金や従業員数も書きます。
申請は窓口以外でもできますか?
できます。申請は、オンラインか、郵送・持参のどちらかです。郵送・持参の宛先は、葛飾区 産業観光部 商工振興課 工業振興係(〒125-0062 葛飾区青戸7-2-1 テクノプラザかつしか2階)です。請求書もオンラインか郵送・持参で出します。申請の期限は2027年3月26日の必着なので、郵送は日数に余裕を見てください。訂正が出たときは、原則として書類を差し替える形になるので、提出前に記入漏れを確かめます。
問い合わせ先はどこですか?
葛飾区の商工振興課 工業振興係(電話03-3838-5587)です。対象になる講座かどうか、通信制の扱い、3月に受講が始まる場合の進め方などで迷うときは、申請の前に問い合わせておくと、書類の出し直しを防げます。区の案内ページには、申請書の記入例や、申請から交付までの流れのPDFも載っています。区役所の窓口時間は、月〜金曜日の8時30分〜17時です(祝日・休日と12月29日〜1月3日を除く)。
