家を建てる、または古い家を直す。見積もりの段階で、補助金の申請を自分では出せないと知って戸惑うことがあります。この事業の申請者は、国に登録した建築事業者・販売事業者・工事施工業者で、住む人が直接申し込む窓口はありません。登録のない事業者と契約すると、その工事は補助の対象外です。
補助額は新築で最大125万円(GX志向型住宅を1〜4地域に建てる場合)、リフォームで最大100万円(平成3年以前に建てた住宅)です。受付は2026年12月31日までですが、予算に達した時点で終わります。2026年10月6日時点で、予算に対する申請額の割合はGX志向型住宅の新築が63%、長期優良住宅・ZEH水準住宅の新築が37%、リフォームが8%でした。
みらいエコ住宅2026事業の要点まとめ
正式名:みらいエコ住宅2026事業(Me住宅2026)
だれが
- 申請者
- 登録事業者(住宅の建築主・所有者に代わって申請)
- 対象業種
- 指定なし(住宅の建築主・所有者が対象)
- 利用目的
- 省エネ性能の高い住宅の新築・省エネリフォーム
- 対象地域
- 全国
- 従業員数
- 規定なし
いくら
- 補助上限額
- 125万円/戸(GX志向型住宅の新築・1〜4地域)
- 補助率
- 定額(工事や住宅の種類ごとに額が決まっています)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年3月31日〜2026年12月31日(リフォームは6月30日〜)
- 事業の完了
- 戸建の新築は交付決定から2027年7月31日まで
うちの家は対象になる?
事業の中身は大きく3つに分かれます。注文住宅の新築、新築分譲住宅の購入、賃貸住宅の新築がまとめて「新築」。もう1つが「リフォーム」です。次の5つに当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
登録事業者は国に登録した「みらいエコ住宅事業者」で、分譲住宅は売買契約です。着工は、新築なら基礎工事、リフォームなら契約した最初の工事を指します。リフォームの住宅は平成28年12月31日以前に建ったものです。
GX志向型住宅は全世帯が対象です。長期優良住宅とZEH水準住宅は子育て世帯か若者夫婦世帯が条件で、賃貸住宅にはこの条件が付きません。
子育て世帯は、申請時点で子のいる世帯です。子は令和7年4月1日時点で18歳未満(2007年4月2日以降の生まれ)。令和8年3月末までに工事を始めた場合は、令和6年4月1日時点で18歳未満(2006年4月2日以降の生まれ)になります。若者夫婦世帯は、夫婦のどちらかが令和7年4月1日時点で39歳以下(1985年4月2日以降の生まれ)の世帯です。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 登録のない事業者との契約
- ✕ 立地等の除外要件に当たる場所への新築
- ✕ 子育て・若者夫婦以外の長期優良等の新築
- ✕ 平成29年以降に建った住宅のリフォーム
- ✕ 注文住宅のZEH水準住宅の新築
除外要件は土砂災害特別警戒区域などで、公式サイトの「立地等の除外要件」に載っています。長期優良等は長期優良住宅・ZEH水準住宅のことで、賃貸は除きます。平成29年以降の住宅でも、平成11年基準を満たさないと証明できれば例外です。注文住宅のZEH水準住宅は、交付申請の受付が2026年9月30日で終了しました。
GX志向型住宅として補助を受けるには、建てる事業者がGXへの協力表明をしていることも前提です。公式サイトの「GX建築事業者の検索」で確かめられます。新築は、GX志向型・長期優良住宅・ZEH水準住宅のどれでも、建てる事業者が「担い手確保に向けた取組推進の表明」をしていることも求められます。
リフォームの交付申請の受付は2026年6月30日から始まっています。新築(注文住宅)は2026年3月31日からです。
いくら戻ってくる?
新築は、住宅の種類と建てる地域で額が決まる定額です。地域は建築物省エネ法の「地域の区分」で、公式サイトの地域区分検索で調べられます。
| 新築の種類 | 1〜4地域 | 5〜8地域 | 対象の世帯 |
|---|---|---|---|
| GX志向型住宅 | 125万円/戸 | 110万円/戸 | すべての世帯 |
| 長期優良住宅 | 80万円/戸 | 75万円/戸 | 子育て世帯・若者夫婦世帯 |
| ZEH水準住宅 | 40万円/戸 | 35万円/戸 | 子育て世帯・若者夫婦世帯 |
長期優良住宅とZEH水準住宅は、古い家を解体する場合に20万円が加わります(複数の古家を解体しても20万円が上限)。賃貸住宅の新築は、要件を満たす住戸数の50%が補助の対象です。
- GX志向型住宅を1〜4地域に建てる:125万円 × 1戸 = 125万円
- GX志向型住宅を5〜8地域に建てる:110万円 × 1戸 = 110万円
- 子育て世帯が5〜8地域に長期優良住宅を建て、古家も解体する:75万円 + 20万円 = 95万円
リフォームは、工事ごとの補助額を足し合わせます。上限は、住宅が建った時期と、実施する工事の組み合わせで変わります。
| 住宅の新築時期 | 義務基準に相当する工事 | 次世代省エネ基準に相当する工事 |
|---|---|---|
| 平成3年以前 | 100万円/戸 | 50万円/戸 |
| 平成4年〜平成28年 | 80万円/戸 | 40万円/戸 |
義務基準は、建築物省エネ法の省エネ基準(断熱等性能等級4など)のことです。「開口部の断熱改修+躯体の断熱改修+特定エコ住宅設備の設置」の3つを組み合わせます。次世代省エネ基準は平成11年に定められた基準で、開口部と躯体の2つが要ります。
- 高効率エアコンを2台入れる:52,000円 × 2箇所 = 104,000円
- エコキュート1台とエアコン1台:45,000円 + 52,000円 = 97,000円
この2例は、補助を受けるための工事の組み合わせ(要件化工事)を満たしている前提の計算です。1回の申請で補助額の合計が5万円以上必要で、エコキュート1台の4万5千円だけでは届きません。ほかの事業(先進的窓リノベ2026、給湯省エネ2026、賃貸集合給湯省エネ2026)で交付決定を受けていれば、下限は2万円になります。
何に使える?
対象にならないもの
- 施主支給や材工分離の工事(住む人が設備を買い、取り付けだけを頼む工事)
- 太陽光発電設備の設置、エネファーム、リース設備
- 中古品を使った工事
- 店舗併用住宅の店舗部分など、住宅以外の部分
- 外気に面さない間仕切りの窓・ドア、ドアの一部や欄間のガラスだけの交換
- 新築では、太陽光発電システムの設置費(工事費の対象から除かれます)
対象になるもの(リフォーム)
- 開口部(窓・ドア)の断熱改修。窓は性能で振り分けられ、性能の高いもの(P・S・A)は先進的窓リノベ2026事業、B・Cはこの事業の担当です(Aの内窓だけはこの事業です)
- 躯体(外壁・屋根や天井・床)の断熱改修。断熱材の使用量(1㎥あたりの額)で補助額が決まります
- 高効率給湯器(エコキュートなど)と高効率エアコン
- 太陽熱利用システム、節水型トイレ、高断熱浴槽、節湯水栓、蓄電池、第一種換気設備
- 子育て対応改修、防災性向上改修、バリアフリー改修
- 空気清浄機能・換気機能付きエアコン、リフォーム瑕疵保険等への加入
リフォームの補助は、外に面した窓のある居室1室(トリガールーム)で要件化工事をすることが出発点です。トイレ・浴室・廊下・納戸などは居室に入りません。
申請の流れ(誰が何をするか)
- 登録事業者を選ぶ(住む人→公式サイトの事業者検索。契約の前に)
- 工事請負契約を結ぶ(住む人→事業者。新築は着工の前、リフォームは工事着手の前)
- 共同事業実施規約を結ぶ(住む人⇔事業者。補助金の戻し方を決めます)
- 工事に着手する(事業者。2025年11月28日以降。リフォームは工事前の写真を必ず撮る)
- 交付申請をする(事業者→事務局。新築は基礎工事の完了後、リフォームは工事の完了後。遅くとも2026年12月31日)
- 交付決定を受ける(事務局→事業者。決定は事業者に届きます)
- 補助金が事業者に振り込まれる(事務局→事業者。リフォームは当月20日締め・翌月末払いの予定)
- 補助金が戻る(事業者→住む人。契約代金の最終支払いに充てるか、現金で。現金なら交付から遅くとも2か月以内)
新築には、このほかに完了報告があります。戸建は交付決定から2027年7月31日までに、建築事業者と建築主が住宅の引き渡しと入居を報告します。報告がないと、振り込まれた補助金の返還を求められます。
3の共同事業実施規約は、補助金の受け取り方法のほか、補助金が出なかったときの損失の負担を決める書類です。工事請負契約を結ぶ前の商談の段階から話しておくよう、公式サイトが勧めています。交付申請の前に予算の確保を頼める「予約」は任意で、遅くとも2026年11月16日までです。
必要な書類
準備できた 0 / 16
共同事業実施規約は事業者と一緒に記入します。本人確認書類は運転免許証・住民票などで、マイナンバーは塗りつぶします。
建築確認申請書・確認済証と住宅の性能を証明する書類は新築で、住民票(世帯票)の写しは新築の長期優良住宅・ZEH水準住宅で出します。基礎工事完了確認書は新築の交付申請で使い、建築事業者が用意します。解体工事の契約書と閉鎖事項証明書は古家の解体加算を受ける新築で出し、証明書は登記情報提供サービスの出力でも構いません。
建物の登記事項証明書と写真3種はリフォームで出し、トリガールームの全面写真は工事後に撮ります。法人が発注者のリフォームでは、商業登記の現在事項証明書か履歴事項証明書などで法人の実在を示します。検査済証と入居後の住民票は、新築の完了報告で出します。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 登録のない事業者と契約した:契約先が登録事業者でないと、補助の対象になりません。
- 工事前の写真がない(リフォーム):撮り忘れると補助金を受けられません。工事後の写真は後日撮れますが、工事前は取り戻せません。
- 契約より先に着工した:工事請負契約より前に工事に着手すると、補助の対象外です。
- 新築の完了報告を出さなかった:引き渡しと入居の報告がないと、交付済みの補助金の返還を求められます。
- 新築の出来高の報告が間に合わない:2027年1月31日までに、工事が一定の出来高(補助額以上の工事費分)に届いた報告がないと、申請は却下され、交付決定も取り消されます。
- 窓の補助を二重に申請した:同じ窓は、この事業と先進的窓リノベ2026事業のどちらか一方でしか補助を受けられません。
- 予算が先になくなった:12月31日の前でも、予算上限に達した時点で受付が終わります。
他の補助と重ねられる?
新築の場合、補助を受けた住宅と同じ住宅では、先進的窓リノベ2026事業・給湯省エネ2026事業・賃貸集合給湯省エネ2026事業の補助を受けられません。別の住宅でリフォームの補助を受けることは可能です。リフォームでは、給湯省エネ2026事業との併用ができます(同じ工事請負契約・工期でも可)。ただし、この事業で補助を受けた工事に、給湯省エネ2026事業を重ねることはできません。
国の別の補助との重複はできません。自治体の補助は、国費が充てられているものを除いて併用できます。
GX志向型住宅は、建築確認申請書の提出日が2026年7月1日以降の場合、HEMSコントローラがJC-STAR★1以上の適合ラベルを取得した製品であることが必須です。再生可能エネルギーシステムのIP通信機器も同じです。
よくある質問
自分で申請できますか?
できません。申請と補助金の受け取りは、みらいエコ住宅事業者(建築事業者・販売事業者・工事施工業者)が行います。補助の対象者である住む人は、必要な書類をそろえるなどの協力をします。補助金は事業者に振り込まれ、そこから契約代金への充当か現金で戻る仕組みです。事業者と結ぶ共同事業実施規約で、戻し方を前もって決めます。
登録事業者かどうかはどう調べますか?
公式サイトの「みらいエコ住宅事業者の検索」で、登録されている事業者を調べられます。登録のない事業者と契約した工事は補助の対象になりません。GX志向型住宅は、事業者がGXへの協力表明をしていることも前提で、「GX建築事業者の検索」で確認できます。契約の前に、この2つの検索で事業者名を探してください。
補助金はいつ、どうやって戻ってきますか?
事務局から事業者へ先に振り込まれ、事業者が住む人に戻します。方法は、契約代金(最終支払い)への充当が原則で、現金払いも選べます。現金の場合は、補助金の交付から遅くとも2か月以内の還元が事業者に求められます。新築は、2026年度末(2027年3月末頃)か完了報告の審査完了(当月20日締め・翌月末払い予定)の早いほうで事業者に振り込まれます。
GX志向型住宅は誰でも対象ですか?
世帯の条件はなく、すべての世帯が対象です。ただし、建築主自身が住むこと、床面積が50㎡以上240㎡以下であること、立地の除外要件に当たらないこと、建てる事業者がGXへの協力表明をしていることが条件です。補助額は1〜4地域が125万円、5〜8地域が110万円で、地域は公式サイトの地域区分検索で調べられます。
子育て世帯・若者夫婦世帯の年齢の基準は?
子育て世帯の子は、令和7年4月1日時点で18歳未満(2007年4月2日以降の生まれ)です。若者夫婦世帯は、夫婦であり、どちらかが同日時点で39歳以下(1985年4月2日以降の生まれ)である世帯です。令和8年3月末までに工事を始めた場合は、基準日が令和6年4月1日になり、生まれの範囲が1年広がります。
注文住宅のZEH水準住宅は、いまから申請できますか?
できません。注文住宅の新築のうちZEH水準住宅は、交付申請が2026年9月30日まで、予約が8月17日までで、いずれも終わっています。GX志向型住宅と長期優良住宅は、遅くとも2026年12月31日まで(予約は11月16日まで)で、予算に達すれば先に終わります。分譲住宅の購入や賃貸住宅の新築は、公式サイトの各ページで条件を確かめてください。
リフォームの対象になる住宅は?
平成28年12月31日以前に新築されたことが、登記事項証明書(全部事項証明書)で確認できる住宅です。平成29年以降の住宅でも、平成11年の省エネ基準を満たしていないと証明できれば対象です。住宅を所有して住む個人やその家族、賃貸に出す個人・法人、賃借人、マンションの管理組合などが、補助の対象者になります。
窓の工事は、この事業と窓リノベのどちらで申請しますか?
窓の性能で決まります。熱貫流率が低く性能の高い窓(性能区分P・S・A)は先進的窓リノベ2026事業、B・Cはこの事業です。ただし、性能区分Aの内窓はこの事業の担当になります。窓リノベの予算が上限に達すると、窓リノベの対象だった窓もこの事業の対象になります。同じ窓を両方に申請すると、窓リノベ側が無効になることがあります。
給湯省エネ2026事業とは併用できますか?
リフォームでは併用できます。対象設備の性能などに応じて、両方の事業を使えます(同じ工事請負契約・工期でも可)。ただし、この事業で補助を受けた工事については、給湯省エネ2026事業で重ねて受けられません。新築では、この事業の補助を受けた住宅と同じ住宅で、給湯省エネ2026事業の補助を受けることはできません。
自治体の補助金と併用できますか?
国の別の補助との重複はできませんが、自治体の補助は併用できます。ただし、国費が充てられている自治体の補助は併用できません。お住まいの自治体の補助が国費を使っているかは、その自治体の窓口に確かめてください。併用できる補助の額は、この事業の補助額とは別に受け取れます。
契約より前に着工してしまったらどうなりますか?
補助の対象になりません。リフォームは、工事請負契約より前に工事に着手した場合、対象外と公式サイトに書かれています。新築も、建築着工の前に工事請負契約を結んでいる住宅が対象です。工事の着手は、補助対象の工事に限らず、契約に含まれる最初の工事を指します。見積もりだけを取る段階なら問題ありませんが、契約の前に始めないようにしてください。
予算がなくなったらどうなりますか?
予算上限に達した時点で、交付申請(予約を含む)の受付が終わります。2026年12月31日が最終ですが、前に終わることがあります。公式サイトのトップページに、毎日午前中に更新される予算に対する申請額の割合が載っています。交付申請の予約(任意)をしておくと、一定期間、申請予定額が確保されます。有効期間は提出から3か月か12月31日の早いほうです。
