停電は、人工呼吸器を使う人にとって命に関わります。この補助金は、患者本人ではなく医療機関に交付される点が特徴です。医療機関が発電機や蓄電池を購入し、それを在宅の患者へ無償で貸し出すことが条件になっています。
東京都保健医療局が実施する「在宅人工呼吸器使用難病患者非常用電源設備整備事業補助金」について、対象物品・基準額・申請の流れを一次情報で解説します。
在宅人工呼吸器使用難病患者非常用電源設備整備事業の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(都内在住の在宅難病患者に人工呼吸療法を行う医療機関) |
| 制度名 | 在宅人工呼吸器使用難病患者非常用電源設備整備事業補助金 |
| 対象業種 | 医療機関 |
| 利用目的 | 非常用電源設備(自家発電装置・無停電電源装置・蓄電池)の購入 |
| 対象地域 | 東京都内 |
| 従業員数 | 規定なし |
| 補助上限額 | 自家発電装置21万2,000円/無停電電源装置4万1,100円/蓄電池10万4,000円(物品ごとの基準額。自家発電装置と蓄電池はどちらか一方を選択) |
| 補助率 | 10分の10(全額支給。上限額未満に限る) |
| 申請受付 | 4月1日〜同年12月末まで(1月以降の申請は要相談) |
| 公式サイト | 東京都保健医療局「在宅人工呼吸器使用難病患者非常用電源設備整備事業」 |

なぜ「患者」ではなく「医療機関」が申請者なのか
補助対象は患者本人ではなく、在宅療養を支える医療機関です。医療機関が発電機・蓄電池を購入し、担当する患者に無償で貸し出す仕組みになっています。患者側は購入費用を一切負担しませんが、申請手続きも患者本人が行うわけではなく、主治医のいる医療機関が窓口になります。停電時に確実に電源を確保できるかどうかの判断を、医療の専門知識を持つ医療機関に委ねる設計と読み取れます。
対象物品は「どちらか一方」しか選べない
補助対象になる物品は3種類ですが、選び方に制約があります。
- 自家発電装置(基準額21万2,000円)
- 無停電電源装置(基準額4万1,100円)
- 蓄電池(基準額10万4,000円)
自家発電装置と蓄電池は、どちらか一方を選んで申請する仕組みで、両方をまとめて申請することはできません。無停電電源装置は令和3年12月に対象物品として追加された比較的新しいメニューです。1物品につき1台までで、複数台の同時購入も対象外です。
交付決定前の購入は補助対象外
申請の流れは「交付申請→交付決定通知→物品購入→実績報告→確定通知→支払い」の順です。交付決定の前に発電機や蓄電池を購入してしまうと、その購入費は補助対象になりません。 交付決定通知は交付申請から1か月程度で届くとされているため、購入を急ぐ場合でも先に申請を済ませる必要があります。
よくある質問
前年度以前から在宅療養している患者も対象になりますか?
対象になる場合があります。原則は「今年度4月1日以降に在宅療養を開始した方」ですが、これまで本事業を利用したことがない方であれば、前年度以前から療養している場合でも申請を認めるケースがあると案内されています。担当窓口への相談が必要です。
蓄電池とソーラーパネルを組み合わせて使う場合、ソーラーパネルも補助対象になりますか?
対象外です。補助対象は蓄電池のみで、ソーラーパネルはこの事業の対象に含まれていません。
購入した設備の修理費用も補助対象になりますか?
対象外です。補助対象は物品の購入経費のみで、修理や点検にかかる費用はこの事業では補助されません。
