大田区の奨学金返還支援は、令和8年4月から事前申請の期限が長くなりました。以前は入社日から3か月以内でしたが、いまは入社日から3年を経過したあとの最初の3月31日までです。入社から数年たった人も、申請できる場合があります。
申請するのは会社ではなく本人です。事前申請をして認定を受けないと、毎年の交付申請に進めません。
大田区 奨学金返還支援事業の要点まとめ
正式名:大田区ものづくり等人材確保のための奨学金返還支援事業
だれが
- 申請者
- 個人(本人)
- 対象業種
- 個人が申請(就職先は製造業・運輸業・建設業)
- 利用目的
- 奨学金返還の負担軽減・区内中小企業の人材確保
- 対象地域
- 東京都大田区(区内在住・区内の事業所に就業)
- 従業員数
- 規定なし(就職先は資本金3億円以下か300人以下)
いくら
- 補助上限額
- 累計最大50万円(年10万円×最長5年)
- 補助率
- 前年度奨学金返還額の1/2
いつ・どこへ
- 申請受付
- 事前申請は入社3年後の3/31まで/交付申請は毎年4〜6月
自分は対象になる?
次のすべてに当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 6
税金と奨学金の返還を滞納していないことも条件です。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 契約社員・パート・アルバイト
- ✕ 区外の支社や事業所に配属された
- ✕ 親など本人以外の名義の奨学金
補足です。
- 中小企業とは、資本金3億円以下または従業員300人以下の法人です。個人事業主の就職先は対象外です。
- 業種は、会社全体の売上の約50%以上が製造業・運輸業・建設業であることが目安です(公募要領)。
- 本社が区外でも、本人が区内の事業所に勤務していれば対象になりえます。
- 対象の奨学金は、日本学生支援機構の第一種・第二種、交通遺児育英会、あしなが育英会、地方公共団体のもの、学校が貸与するものなどです。
- 令和8年度に事前申請できるのは、令和5年4月1日以降に入社した人です(公募要領の例)。年度ごとに、この線が1年ずつ動きます。
- 令和8年度に事前申請できる生年月日は、昭和62年4月2日以降です。
- 新卒でなくても申請できます。事前申請書には、就業経験を「新卒」か「既卒(別の企業等で働いた経験がある)」から選ぶ欄があります。
- 区のページの概要欄などに、令和7年4月以降といった古い書きぶりが残っています。この記事は、令和8年4月版の公募要領とチラシに合わせています。
いくら受け取れる?
対象期間に返した奨学金の合計の半分です。1,000円未満は切り捨てます。上限は年10万円で、最長5年(60か月分)です。
対象期間とは、次の3つが全部重なる月です。1か月に満たない月は数えません。
- 大田区に住民票がある
- 対象の事業所で働いている
- 奨学金を返している
支給額は、公募要領の例で見ると分かります。
- 月1万円を12か月返した:12万円 × 1/2 = 6万円
- 月1.5万円を12か月返した:18万円 × 1/2 = 9万円
- 月2万円を12か月返した:24万円 × 1/2 = 12万円 → 上限の10万円
- 月1万円を6か月だけ重なった:6万円 × 1/2 = 3万円
上限の10万円に届くのは、1年間の返還額が20万円以上のときです。5年間満額なら、累計で最大50万円です。奨学金の返還が先に終わった場合は、最後の返還月分で支援も終わります。
支給の対象になるのは、交付申請をする年度の前年度に返した分だけです(要綱第3条)。交付申請ができるのは事前申請をした翌年度からなので、令和8年度に事前申請すると、最初の交付は令和9年4月以降になります。対象は令和8年度(令和8年4月〜令和9年3月)に返した分で、それより前の分は入りません。入社が決まった時点で早めに事前申請したほうが、受け取れる年数が増えます。
申請の流れ
- 事前申請をする(本人→大田区 産業経済課。内定後から、入社3年後の最初の3月31日まで)
- 事前認定の通知を受ける(大田区→本人。事前申請日の翌月中)
- 現況報告と交付申請をする(本人→大田区。事前申請の翌年度から毎年4月1日〜6月30日)
- 交付決定の通知を受ける(大田区→本人。交付申請日の翌月中)
- 請求書を出す(本人→大田区。交付決定通知の日付から30日以内。郵送か持参)
- 振込を受ける(大田区→本人。請求書の到着からおおむね1か月後)
3から6は毎年くり返します。事前申請はオンライン、郵送、持参のどれでもできます。郵送は当日消印有効です。請求書は押印が要るため、オンラインでは出せません。6月30日が土日祝の場合は、その前の開庁日が期限です。
必要な書類
事前申請のとき
準備できた 0 / 5
オンライン申請なら、申請書は不要です。住民票は発行から3か月以内のもので、本人分だけです。
現況報告と交付申請のとき
| 書類 | どこで手に入るか |
|---|---|
| 現況報告書兼交付申請書 | 区の案内ページ |
| 在籍証明書(第5号) | 就職先 |
| 返還額の分かる書類 | 奨学金の団体 |
| 住民票の写し | 区役所 |
住民票は、氏名や住所が変わったときだけ出します。在籍証明書は、同じ内容なら任意の様式でも構いません。区の様式には、会社の印と、期間の定めのない労働契約の正規雇用であることを書く欄があります。
請求のとき
| 書類 | どこで手に入るか |
|---|---|
| 請求書(第8号) | 決定通知に同封 |
| 口座が分かる書類 | 手元の通帳など |
口座の名義は、本人と一致している必要があります。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 現況報告を出さなかった:交付申請をしない年も、現況報告は毎年必要です。出さないと支援の対象外になり、次の年に交付申請をしても不交付です。
- 事前申請の期限を過ぎた:期限は、入社日から3年を経過したあとの最初の3月31日です。過ぎると認定を受けられません。
- 要件を満たさなくなった:区外への転出、退職や転職、税金や奨学金の滞納などです。要綱は、事前認定のときに申請した事業所で就業開始日から継続して働くことを求めています。辞退届の提出が必要で、決定が取り消されることがあります。
- 不正に受け取った:交付後に取り消された場合は、返還を命じられます。受け取った日からの違約加算金は年10.95%です(要綱)。
要件を満たさなくなったあとで、もう一度要件を満たした場合は、1回だけ再申請できます。交付申請ができるのは、事前申請をした年度の翌年度から7年間です。
税金・併用
この支援金は、所得税法上の「学資に充てるため給付される金品」に当たるため、非課税所得です(区のよくある質問)。
同種の支援を受けている場合は対象外です。事前申請書の誓約欄にも、「奨学金の返還において、当制度以外の他の制度を使って支給を受けていません」とあります。他の自治体や会社の奨学金返還支援との併用は、公式に記載がありませんでした。区の産業経済課に確かめてください。
よくある質問
契約社員やパートでも対象になりますか?
対象になりません。要件は正社員として就業していることで、区のよくある質問でも、フルタイムの契約社員と、期間の定めのないパート・アルバイトは対象外とされています。要綱では、期間の定めのない労働契約に基づく正規雇用労働者と定めています。パートから同じ会社の正社員になった場合は、他の条件を満たせば対象です。
親が借りた奨学金でも使えますか?
使えません。対象になるのは、本人の名義で借り受けた奨学金です。区のよくある質問でも、本人以外の名義は対象外とされています。対象の奨学金は、日本学生支援機構の第一種・第二種、交通遺児育英会、あしなが育英会、地方公共団体や学校が貸与するものなどです。民間の教育ローンが当たるかは、公式ページに記載がありませんでした。
複数の奨学金を合算できますか?
できます。区のよくある質問で、合算して申請できるとされています。上限は、奨学金が1つでも複数でも変わらず、返還額の半額で年10万円です。たとえば、2つ合わせて月2万円を返していれば、年間の返還額は24万円で、半額の12万円が上限の10万円に切り下がります。
区外の支社に配属されたら対象外ですか?
対象外です。支援対象者本人が大田区内の事業所で働いていることが条件だからです。区のよくある質問では、本社が大田区にあっても、配属先が区外の支社なら対象外とされています。逆に、本社が区外でも、本人が区内の事業所に勤務していれば、他の条件を満たす限り対象です。
入社後に大田区へ引っ越しても対象ですか?
事前申請の時点で、大田区の住民基本台帳に登録されていれば対象です。ただし、事前申請は入社日から3年を経過したあとの最初の3月31日までに出す必要があります。また、支援額の対象になるのは、区内に住み、対象の事業所で働き、奨学金を返している月が重なった期間だけです。引っ越し前の月は数えません。
転職して入社した人も対象になりますか?
新卒でなくても申請できます。事前申請書に「既卒(別の企業等で働いた経験がある)」を選ぶ欄があるためです。基準は入社日で、令和8年度なら令和5年4月1日以降に入社した人が事前申請できます。ただし、事前認定のときに申請した事業所で継続して働くことが要件です(要綱)。認定後に別の会社へ移ると、要件を満たさなくなるおそれがあります。移る前に、産業経済課へ相談してください。
事前申請の期限はいつですか?
内定後から、入社日から3年を経過したあとの最初の3月31日までです。令和8年4月に拡充され、以前の入社日から3か月以内より長くなりました。公募要領の例では、令和5年4月1日以降に入社した人が、令和8年度(令和9年3月31日まで)に事前申請できます。迷うときは、産業経済課に入社日を伝えて確かめてください。
奨学金を返還中に猶予を受けても大丈夫ですか?
大丈夫です。返還猶予で前年度に返還がなかった場合は、現況報告だけで足ります。現況報告は毎年必要なので、返還がない年も出し忘れないでください。猶予期間があっても、交付申請ができる期間は、事前申請をした年度の翌年度から7年間のままです。猶予の分だけ延びることはありません。
定員や先着順はありますか?
定員はなく、先着順でもありません。区のよくある質問で、期限までに焦らず申請してくださいとされています。ただし、事前申請の期限と、毎年4月1日から6月30日の申請期間は決まっています。期限を過ぎると認定や交付が受けられなくなるので、入社日から逆算して、余裕のある時期に出してください。
支援金は課税されますか?
課税されません。区のよくある質問で、所得税法上の「学資に充てるため給付される金品」に当たるため、非課税所得とされています。支給額がそのまま手元に残ります。住民税など他の税の扱いは、公式ページに記載がありませんでした。気になる場合は、お住まいの区の税務窓口か税理士に確認してください。
振込はいつ頃ですか?
年に1回です。交付決定通知の日付から30日以内に請求書を出します。振込は、公募要領では請求書の到着からおおむね1か月後、区のよくある質問では請求書の提出の翌月中です。交付申請の期間は毎年4月1日から6月30日で、決定の通知は交付申請日の翌月中です。口座の名義は、本人と一致している必要があります。
会社として何かできることはありますか?
申請するのは本人です。会社は、事前申請に使う内定証明書や雇用契約書、毎年の在籍証明書、法人の登記事項証明書の取得を助ける立場になります。公式ページに会社向けの手続きの記載はありません。採用の案内に、制度の名前と区の案内ページを載せておくと、対象の人が自分で調べやすくなります。
問い合わせ先はどこですか?
大田区産業経済部 産業経済課 産業経済担当(産業振興・イノベーション)です。電話は03-5744-1376で、受付は8時30分から17時15分まで(土日祝日・年末年始を除く)です。所在地は〒144-0035 大田区南蒲田1丁目20番20号 大田区産業プラザPiOです。入社日や雇用形態の判断で迷うときは、申請の前に相談してください。
