同じ事業が、令和8年度に名前を変えて続いています。令和7年度分の受付は終わりましたが、事務職員の人件費への補助は「居宅介護支援事業所経営改善等支援事業」の1つとして残りました。
令和8年度分の交付申請は、2026年10月29日から12月28日までです。基準額は260万円から270万円に上がり、補助率は3/4のままです。タイトルの195万円は令和7年度分の上限で、令和8年度分の上限は202.5万円です。この記事は令和7年度分の内容を整理し、令和8年度の申請の流れと変わった点も書きます。
居宅介護支援事業所事務職員雇用支援補助金の要点まとめ
正式名:令和7年度居宅介護支援事業所事務職員雇用支援補助金
だれが
- 申請者
- 事業者(都内で居宅介護支援事業所を運営する法人)
- 対象業種
- 居宅介護支援事業所(介護保険法による指定を受けた事業所)
- 利用目的
- 事務職員の雇用経費(人材確保・雇用)
- 対象地域
- 東京都内
- 従業員数
- 規定なし(事務職員1名分が対象)
いくら
- 補助上限額
- 195万円
- 補助率
- 3/4
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2025年9月1日〜2026年3月20日(交付申請は12月26日まで)
- 事業の完了
- 実績報告は2026年1月5日〜3月20日まで
うちの事業所は対象になる?
次の5つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
次のどちらかに当たると対象外です。
- ✕ ケアマネ業務や他職種を兼ねている
- ✕ 他の介護サービス事業所の事務を兼ねている
居宅介護支援事業所とは、ケアマネジャーがケアプランを作る事業所です。事務職員は常勤でも非常勤でも構いません。
兼務は、役員との兼務に限って認められます。このときは事務職員としての人件費と役員報酬を、はっきり分けて申請します。同じ法人が運営する2か所の事務を兼ねる場合は、2か所分を合わせて対象です。異なる法人の2か所を兼ねる場合、令和7年度のQ&Aでは主な勤務先1か所の分だけが対象でした。
いくら補助される?
事務職員1名分の人件費と、基準額の260万円を比べます。少ないほうに3/4を掛けた額が補助額です。1,000円未満は切り捨てます。
- 人件費が200万円:200万円 × 3/4 = 150万円
- 人件費が260万円:260万円 × 3/4 = 195万円
- 人件費が300万円:260万円(基準額) × 3/4 = 195万円
上限の195万円に届くのは、人件費が260万円以上のときです。300万円の職員でも、超えた40万円分は補助されません。
事務職員を2人雇っていても、補助は1名分です。補助金は事業が終わってから、金額を確定して支払われます。人件費は先に事業所が払います。
何に使える?
対象にならないものを先に挙げます。
- 所定労働時間を超えた分の賃金や手当(残業代)
- 2人目以降の事務職員の人件費
- 補助の対象になる年度より前にさかのぼった経費
次が対象です。
- 給料・報酬・賃金
- 法定福利費・福利厚生費
- 賞与・手当(所定労働時間内のもの。交通費も手当に入ります)
新しく雇った職員も、既に雇っている職員も対象です。ただし補助されるのは、その年度にかかった経費だけです。令和8年度分は、令和8年4月から令和9年3月までに支給した人件費が対象です。
令和8年度で何が変わった?
令和8年度は、事務職員の補助が「経営改善等支援事業」の中に入りました。2つの補助が増えています。
| 比べる点 | 令和7年度 | 令和8年度 |
|---|---|---|
| 事務職員の基準額 | 260万円(上限195万円) | 270万円(上限202.5万円) |
| 補助率 | 3/4 | 3/4 |
| 交付申請 | 2025年9月1日〜12月26日 | 2026年10月29日〜12月28日 |
| 実績報告 | 2026年1月5日〜3月20日 | 2027年1月12日〜3月19日 |
| 追加の補助 | なし | 専門家派遣費(基準額40万円・10/10)と広報費(基準額30万円・10/10) |
もう1つ、運営の実績に関する条件が令和8年度の補助条件に書かれています。事業所が都の実地指導などで指摘を受けた場合、改善状況の報告書を出し、都が改善を確認していることが条件です。令和7年度の交付要綱には、この条件が見当たりません。
兼務の考え方は、令和7年度と令和8年度で同じです。ケアマネ業務や他の介護サービス事業所の事務を兼ねる職員は、令和8年度のQ&Aでも対象外です。役員との兼務だけが対象になります。異なる法人の居宅介護支援事業所を兼ねる場合の金額の分け方は、令和8年度のQ&Aに書かれていません。令和7年度のQ&Aは主な勤務先1か所の分としていたので、迷うときは事務局に確かめてください。
この事業の令和6年度分(基準額250万円)は、令和6年度分の記事にまとめています。
申請の流れ
令和8年度分の流れで書きます。交付申請は、原則としてJグランツで出します。Jグランツは、国の補助金を電子申請する窓口です。
- GビズIDを取る(事業者→GビズID。国の電子申請に共通のIDで、取得に2〜3週間かかる)
- 補助の対象にする事務職員を1名決める(事業者。兼務の有無と、勤務形態一覧表・雇入れ通知書を先に整理する)
- Jグランツで交付申請を出す(事業者→都。2026年10月29日から12月28日まで)
- 交付決定のメールを受け取る(東京都→事業者)
- 実績報告を出す(事業者→Jグランツのマイページ。2027年1月12日から3月19日まで)
交付決定の通知を受け取る前に、実績報告を出してはいけません。交付決定の内容に異議があるときは、通知を受け取った日から14日以内なら申請を撤回できます。対象の職員を替えたり、事業の内容を変えたりするときは、先に都の承認が要ります。
必要な書類
準備できた 0 / 5
交付申請書は、上の4点の様式がまとまったExcelです。勤務形態一覧表は、交付申請書を出す月のものです。雇入れ通知書の氏名が旧姓のときは、新しい姓が分かる運転免許証や保険証、戸籍謄本(抄本)の写しも出します。
実績報告では、事業実績報告書(様式第7号)などを出します。仕入控除税額報告書は様式第10号です。消費税の申告で仕入税額控除が確定したときだけ出します。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 兼務が見つかった:ケアマネ業務や、他の介護サービス事業所の事務を兼ねていると対象外です。
- 残業代まで申請した:所定労働時間を超えた賃金は補助されません。申請額は所定時間内の人件費にします。
- 承認なしに職員や内容を変えた:対象の事務職員を替えるときは、あらかじめ書面で承認を受けます。
- 採用の予定だけで申請した:給与を払った実績への補助なので、採用見込みでは申請できません。休職中の職員の分も申請できません。
- 他の補助金と重ねた:国や自治体の補助金を充てた事業は対象外です。民間の補助金との重複も禁止されています。
- 年度内に完了しなかった:補助事業は、交付決定の年度中に終える必要があります。
交付決定が取り消されて返還を命じられると、年10.95%の違約加算金がかかることがあります。
よくある質問
令和7年度分は、今から申請できますか?
できません。令和7年度分の交付申請は2025年12月26日で締め切られ、実績報告の受付も2026年3月20日までで終わっています。同じ事業は令和8年度に続いているので、事務職員の人件費に補助を受けたい場合は、令和8年度分を検討してください。交付申請の受付は2026年10月29日から12月28日までです。
令和8年度分は申請できますか?
令和8年度の交付申請は、2026年10月29日から12月28日までです。専用サイトから、Jグランツで電子申請をします。実績報告は2027年1月12日から3月19日までです。基準額は270万円に上がり、補助の上限は202.5万円になります。募集の日程は変わることがあるので、申請の前に東京都福祉局のページで確かめてください。
令和8年度で、事務職員の補助以外に何が増えましたか?
専門家(コンサルタントなど)を使った経営改善の取組と、利用者を集めるための広報活動に、それぞれ補助が付きました。経営改善は加算の新規取得や職員の待遇改善などの取組が対象で、基準額は40万円です。広報活動は基準額が30万円です。どちらも補助率は10/10で、事務職員の補助とは別に申請できます。
既に雇っている事務職員も対象ですか?
対象です。新しく雇った職員だけでなく、既に雇っている職員も補助されます。ただし、令和7年度のQ&Aでは、補助されるのは令和7年度にかかった経費だけで、さかのぼっての補助はできないとされています。年度の途中で申請する場合も、対象になるのはその年度の人件費です。
事務職員を2人雇っています。2人分もらえますか?
もらえません。補助されるのは、事業所ごとに事務職員1名分の人件費です。複数の職員がいる場合は、いずれか1名分を選んで申請します。人件費の高い職員を選ぶと基準額に届きやすくなりますが、その職員が兼務の条件に当たらないかを先に確かめてください。
パートやアルバイトの事務職員でも対象ですか?
対象になります。常勤か非常勤かの指定はありません。新しく雇う職員は、雇った日から原則1年以上、その居宅介護支援事業所で働く見込みが必要です。短い契約で更新の見込みも説明できない場合は、条件を満たさないおそれがあります。契約期間と更新の考え方を、申請前に整理しておくと安心です。
ケアマネジャーが事務も兼ねている場合は、対象ですか?
対象外です。補助されるのは、居宅介護支援事業所の事務だけをする職員の人件費です。ケアマネなど他の職種を兼ねている場合や、他の介護サービス事業所の事務を兼ねている場合は、どちらも対象になりません。事務の時間だけを切り分けて申請できるとは、令和7年度のQ&Aに書かれていません。
法人の役員が事務職員を兼ねている場合はどうなりますか?
役員との兼務に限って、対象になります。ただし補助されるのは、事務職員としての人件費だけです。役員としての報酬は含められません。事務職員の経費と役員の経費を、はっきり分けて申請する必要があります。給与明細や勤務の記録で、どこまでが事務の分かを説明できるようにしておいてください。
市役所から出向してきた職員の人件費は対象ですか?
区市町村の職員は補助の対象になりません。実施要綱が、事務職員から区市町村職員を除いています。たとえば市の社会福祉協議会が運営する居宅介護支援事業所に、市役所から出向した職員が事務をしている場合が当たります。出向ではなく、法人が直接雇った事務職員であれば、ほかの条件を満たす限り対象です。
年の途中で事務職員が交代しました。申請できますか?
重なる月がなければ、2人分を合算して申請できます。令和8年度のQ&Aの例では、Aさんが令和8年4月から12月まで働いて12月末に退職し、Bさんが令和9年1月から3月まで働く場合です。補助される額は1名分の人件費として数えます。様式は事務局への問い合わせが必要です。2人の勤務月が重なるときの扱いは、Q&Aに書かれていません。
残業代は補助されますか?
補助されません。所定労働時間を超える労働に対する賃金や手当は、対象外です。令和7年度のQ&Aには、所定労働時間が9時から17時で、繁忙期の1か月だけ19時まで働いてもらった場合も、その期間の残業分は含められないと書かれています。申請額は、所定労働時間内の人件費だけにします。
補助金はいつ支払われますか?
事業が終わってから、金額を確定して支払われる「確定払い」です。補助事業が完了し、実績報告を出して、審査で金額が確定したあとになります。それまでの人件費は、事業所が先に払う必要があります。支払日の目安は、要綱には書かれていません。資金繰りの面では、年度の終わりまで立て替える前提で準備してください。
問い合わせ先はどこですか?
令和7年度分は、東京都福祉局の介護保険課(電話 03-5320-4279)が窓口でした。令和8年度分は、居宅介護支援事業所経営改善等支援補助金事務局(電話 050-1724-4015、9時〜18時)が案内しています。土日祝日と年末年始は休みです。対象かどうかで迷う兼務のケースは、申請の前に事務局へ確かめると、出し直しを防げます。
