ケアマネジャーが利用者対応の合間に請求書類や記録の作成にも追われている。そんな居宅介護支援事業所の負担を、事務職員を雇うことで軽くする——そのための人件費を東京都が補助する制度があります。この記事が扱う令和6年度分は2025年3月28日で受付を終了しています。
運営は東京都福祉局。補助対象は事務職員1名分の人件費(給料・賞与・法定福利費等を含む)で、補助基準額に対して補助率3/4という高い水準の補助金です。令和7年度以降も年度ごとに継続実施されている制度で、令和7年度の補助基準額は260万円(補助率3/4)でした。
居宅介護支援事業所事務職員雇用支援補助金の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人。都内に所在する居宅介護支援事業所を有する事業者) |
| 制度名 | 居宅介護支援事業所事務職員雇用支援事業費補助金 |
| 対象業種 | 医療・福祉(居宅介護支援事業) |
| 利用目的 | 事務職員の新規雇用または既存雇用にかかる人件費の補助(人材確保・雇用) |
| 対象地域 | 東京都内 |
| 従業員数 | 規定なし(対象は事務職員1名分の人件費) |
| 補助上限額 | 250万円(令和6年度の補助基準額。年度により変動、令和7年度は260万円) |
| 補助率 | 3/4 |
| 申請受付 | 令和6年度分は終了(2024年9月30日~2025年3月28日)。令和7年度以降も年度ごとに継続実施 |
| 公式サイト | 東京都福祉局「居宅介護支援事業所事務職員雇用支援補助金」 |

ケアマネジャーの「事務負担」を切り離す発想
この補助金の狙いは明確です。居宅介護支援事業所のケアマネジャー(介護支援専門員)が本来の相談業務・ケアプラン作成に専念できるよう、請求業務や記録整理などの事務作業を担う「事務職員」を雇うための人件費を補助するというものです。
対象になる人件費の内訳は次のとおりです。
- 給料・報酬・賃金
- 法定福利費
- 福利厚生費
- 賞与
- 手当(ただし所定労働時間を超える労働に対する賃金・手当は除く)
残業代や休日出勤手当は対象に含まれません。 あくまで所定労働時間内の人件費が対象という点は、予算計画を立てる際に見落としやすいポイントです。
新規雇用でも既存の職員でも対象になる
この補助金の特徴の一つは、「新たに雇用した」事務職員だけでなく「既に雇用している」事務職員の人件費も対象になることです。これから事務職員を採用する事業所だけでなく、既に事務職員を雇っているものの人件費負担が重い事業所にとっても使いやすい制度設計になっています。
ただし、対象になる事務職員には次の条件があります。
- 勤務場所は都内に所在し、申請法人が運営する居宅介護支援事業所であること
- 従事する業務は、当該居宅介護支援事業所における事務業務のみであること(申請法人の他の事業所や、他法人の居宅介護支援事業所の事務業務との兼務は可)
- 雇用の日から起算して原則1年以上、当該居宅介護支援事業所に勤務する見込みがあること
- 常勤・非常勤は問わない
「1年以上勤務する見込み」という要件があるため、短期のパート・アルバイトでは対象になりにくい点に注意が必要です。
補助対象は「1事業所1名分」
補助対象経費は、居宅介護支援事業所ごとに事務職員1名分の人件費です。複数の事務職員を雇っていても、補助されるのは1名分に限られます。
補助金の額の算定方法は「補助対象経費(実際の人件費)」と「補助基準額」を比較して、少ない方の額に補助率(3/4)を掛けて算出されます。つまり、実際の人件費が補助基準額を上回っていても、補助基準額を超えた部分には補助が出ません。 逆に人件費が補助基準額を下回っていれば、その実額に3/4を掛けた金額が補助されます。
対象経費の重複禁止
この補助金には「民間補助金との重複禁止」という条件があります。同じ対象経費について、この補助金と民間の補助金を重ねて受け取ることはできません。ただし国や東京都の他の制度との重複可否は別途確認が必要です。
次回の公募に備えて
令和6年度分は終了していますが、この制度は継続実施されており、令和7年度は9月頃からの受付が予定されています。次回の公募に備えて準備しておけることを整理します。
- 雇用予定・雇用中の事務職員の業務内容を「事務業務のみ」に整理しておく。 ケアマネジャー業務と事務業務が混在していると対象外になる可能性があります
- 1年以上の勤務見込みが説明できる雇用契約の形にしておく。 短期雇用では要件を満たしません
- 人件費の内訳(給料・法定福利費・福利厚生費・賞与・手当)を整理し、補助基準額との比較で見込み額を試算しておく
- 反社会的勢力の排除に関する誓約など、都の補助金共通の手続き書類にも早めに目を通しておく
よくある質問
令和6年度分にはもう申請できませんか?
できません。受付は2025年3月28日で終了しています。 令和7年度分は2025年9月1日から募集が開始される予定でした。次年度以降も継続実施される見込みです。
パート・アルバイトの事務職員でも対象になりますか?
対象になります。常勤・非常勤を問わないとされていますが、雇用の日から1年以上当該事業所に勤務する見込みがあることが条件です。
ケアマネジャーが事務作業も兼務している場合、その人件費は対象になりますか?
対象になりません。補助対象となる事務職員は、当該居宅介護支援事業所における事務業務のみに従事する者とされています。ケアマネジャー業務と事務業務を兼務している職員の人件費は、この補助金の対象外です。
