猛暑のたびに、ハウスの温度が下がらない。遮熱や換気の資材を入れたいが、1戸で負担するには重い。そういう場面では、仲間と組んで補助を使うという手があります。
佐賀県の補助金は、遮熱ネットや換気装置などの導入費の2/3以内を出します。申請できるのは、県内の農業者3戸以上でつくる団体です。個人1戸での申請は、原則できません。公募は2026年10月30日(金)が6次募集の締切で、出す先は住まいの市町を担当する農林事務所です。
佐賀県気候変動対応緊急支援事業費補助金の要点まとめ
正式名:佐賀県気候変動対応緊急支援事業費補助金
だれが
- 申請者
- 農業者が組織する団体(県内在住の3戸以上)
- 対象業種
- 農業(施設野菜、露地野菜、果樹、花き・特産、茶)
- 利用目的
- 気候変動に適応した栽培への転換(資材・機械の導入)
- 対象地域
- 佐賀県
- 従業員数
- 規定なし(団体の構成は県内の農業者3戸以上)
いくら
- 補助上限額
- 資材は10aあたり最大42.9万円。機械等は上限額の記載なし
- 補助率
- 事業費(税別)の2/3以内
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年8月24日〜2026年10月30日(5次9月25日、6次10月30日)
- 事業の完了
- 年度内に納品と支払いを完了(実績報告は完了の1か月後か2月28日の早い方)
この募集の「事業実施主体」は、誰のこと?
募集の題名にある「事業実施主体」は、補助金を受けて事業をする側のことです。市町や団体の事務局ではなく、農業者が組織する団体を指します。
条件は3つです。
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資材や機械を使うのは、団体に入った農家(受益農家)です。申請書は団体が出し、誓約書は受益者全員が書きます。
うちの団体は対象になる?
対象の品目は、事業ごとに決まっています。
- 施設野菜(ハウスで作る野菜)
- 露地野菜(いも類を含む)
- 果樹
- 花き・地域特産作物
- 茶
次の項目は、品目に関係なく共通です。
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面積要件は、品目で違います。受益農家1戸あたりの面積は、施設野菜、果樹、花き・特産で3a以上です。露地野菜は、資材の導入なら10a以上、機械の導入なら30a以上(中山間地域は15a以上)で、団体全体の作付けも2ha以上(中山間地域は1ha以上)が必要です。茶の機械は、1戸あたり1ha以上です。簡易潅水資機材は、露地野菜、果樹、花き・特産とも、1戸あたりの事業費が20万円以上という条件もあります。研修会は、花き・特産と茶では受講だけでも足ります。申請する事業の実施要領(別記)を、必ず読んでください。
成果目標は、収量、販売額、ブランド品や高品質品の割合のいずれかを、事業実施の2年後までに10%以上伸ばすことです。目標は今回の資機材だけでなく、団体の自助努力による対策も含めて達成します。
次のどれかに当たると、対象外です。
- ✕ 同規模・同能力への単純更新
- ✕ 個人1戸だけでの申請(原則)
- ✕ 暴力団などに関係する団体
団体が3戸に満たなくても、地域で取り組みが少なく、認定農業者や後継者など地域の担い手と認められる場合は例外になります。法人が認定農業者で面積の条件を満たす場合も、単独で出せる場合があります。条件は事業ごとに違うので、農林事務所に確認してください。
いくら戻ってくる?
補助率は事業費(税別)の2/3以内です。資材の導入は、次の補助上限があります(10aあたり)。
| 資材 | 補助上限(10aあたり) |
|---|---|
| 遮光ネット | 16.9万円 |
| 遮熱ネット | 26万円 |
| 遮熱塗布剤 | 13万円 |
| 高機能被覆資材 | 42.9万円 |
交付対象の面積は、受益者ごとに1a単位で数え、1a未満は切り捨てます。育苗ハウスで10a未満の場合は、10aあたりの上限額を使います。機械等の導入は、上限額が公式資料に書かれていません。
計算例です(事業費は仮の金額)。
- 遮熱ネット10aに、事業費30万円:30万円 × 2/3 = 20万円
- 遮熱ネット10aに、事業費45万円:45万円 × 2/3 = 30万円 → 上限の26万円
- 遮光ネット15aに、事業費45万円:45万円 × 2/3 = 30万円 → 上限の25.35万円(16.9万円 × 1.5)
- 換気装置などの機械に、事業費90万円:90万円 × 2/3 = 60万円
資材は1か所の圃場や施設に、1種類しか入れられません。遮光ネットと遮熱ネットを重ねて申請することはできません。
何に使える?
対象にならないもの
- 消費税
- 資材の施工費、既存資材の処分費
- 設置用の部材(ハウスバンド、パッカー、巻き上げ装置など)
- 同規模・同能力への単純更新
対象になるもの
- 資材:遮光ネット、遮熱ネット、遮熱塗布剤、高機能被覆資材(雨よけ野菜といちご等の育苗ハウス、花き・特産のみ)
- 機械等:簡易潅水資機材、換気装置、外気導入装置
- イチゴ:苗冷蔵処理設備、育苗方式の転換に必要な設備
- 果樹冷蔵設備、露地野菜の排水対策機械、茶の2段刈摘採ユニット
機械等の施工費は、事業ごとに扱いが違います。施設野菜の機械は施工費を含みますが、果樹と花き・特産の簡易潅水資機材は含みません。代行施工にした場合の代行施工料は、工事価格の5%以内が上限です。事業ごとに対象の資機材が違うので、公式ページの表で品目との組み合わせを確認してください。
申請の流れは?
- 団体を整える(農家→農家。3戸以上、代表者、規約を決める)
- 品目と導入する資機材を決める(団体。面積と成果目標を確かめる)
- 申請書類をそろえる(団体→受益者。見積書やカタログも集める)
- 農林事務所に出す(団体→地域農業振興センター。6次は2026年10月30日まで)
- 県の審査を受ける(県→団体。予算の範囲で採択され、承認が通知される)
- 交付申請書を出す(団体→県。提出期限は知事が別に定める日)
- 交付決定を受けて導入する(団体。決定前は原則着手しない。納品と補助金の支払いは年度内に完了)
- 実績報告を出す(団体→県。完了から1か月後か2月28日の早い日まで)
提出先は、お住まいの市町を担当する農林事務所の地域農業振興センター(農業企画課)です。受付は土日祝日を除く9〜17時です。
- 佐賀市、多久市、小城市:佐城農業振興センター(0952-45-8881)
- 鳥栖市、神埼市、吉野ヶ里町、基山町、上峰町、みやき町:三神農業振興センター(0952-52-1290)
- 唐津市、玄海町:東松浦農業振興センター(0955-73-9347)
- 伊万里市、有田町:西松浦農業振興センター(0955-23-5106)
- 武雄市、大町町、江北町、白石町、鹿島市、嬉野市、太良町:藤津農業振興センター(0954-63-5115)
契約は、原則として入札か2者以上の見積合わせで業者を決めます。1件20万円未満など、単一業者との契約が認められる例外もあります。
事業の着手は、原則として交付決定のあとです。やむを得ない場合に限り、事業計画の承認を受けていれば、決定前に着手できます。その間に出た損失は、すべて自分たちで負担します。
必要な書類
準備できた 0 / 10
誓約書のBは代表者だけ、Cは受益者全員が書きます。団体の規約は、生産部会か農協以外の団体のときに出します。機械等の導入では、見積書、カタログ、規模決定計算書、利用計画書、設置図面などを添えます。換気装置・イチゴ苗冷蔵装置・イチゴ育苗設備・果樹冷蔵設備は規模決定計算書、潅水資機材と露地野菜の排水対策機械は利用計画書が要ります。露地野菜では、作付面積と圃場の位置がわかる書類も要ります。
収支計画書は、実施要領では総事業費が2,000万円以上のとき、提出書類チェックリストでは受益者1人あたりの事業費が2,000万円を超えるときと書かれています。どちらにあたるか迷うときは、農林事務所に確認してください。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 決定前に勝手に始めた:承認がないまま交付決定前に着手すると、損失はすべて自己負担です。
- 要綱や指示に違反した:補助金を別の用途に使うなど、交付の条件に反すると、交付決定の全部または一部が取り消されることがあります。
- 補助目的に反して処分した:50万円以上の財産は、耐用年数のあいだ処分が制限されます。譲渡や貸付けは知事の承認が要ります。
- 年度内に終わらなかった:資機材の納品と、県から団体への補助金の支払いは、年度内に完了する必要があります。予定の期間に完了しないときは、すぐ県に報告して指示を受けます。
- 規模が大きすぎる:被覆資材は、導入する資材の換算面積が受益面積の1.5倍以内でなければなりません。
追加公募・変更点・税金
事業は、施設野菜、露地野菜、果樹、花き・特産、茶の5つです。この募集は追加公募で、申請期限に6次募集(9月28日〜10月30日)が加わりました。チラシ(追加公募の延長)では、次の3点が今回の変更として示されています。
- 換気装置に、フルオープン装置が加わった
- 高機能被覆資材の対象に、いちご等の育苗ハウスが加わった
- 資材導入支援の面積要件が、10aから3aに緩和された
令和8年度に取り組み、補助額がまだ確定していない団体には、物価の急騰で事業着手後に増えた経費への「物価急騰特別支援」があります。変更承認申請を出し、知事の承認を受ける形です。
補助金の財源は、国の物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金です。消費税は補助対象外で、仕入れに係る消費税等相当額がある場合は、申請額から差し引きます。
よくある質問
個人の農家でも申請できますか?
原則として、個人1戸では申請できません。対象は、県内在住の農業者3戸以上で組織する団体で、代表者の定めと、組織や運営についての規約が要ります。例外として、地域で取り組みが少なく認定農業者や後継者として担い手と認められる場合は、3戸未満でも可能です。まず近隣の農家と団体を作れるかを考え、難しいときは農林事務所に例外の可否を相談するのが近道です。
申請の締切はいつですか?
6次募集の締切は、2026年10月30日(金)です。期間は9月28日から10月30日で、5次募集は8月24日から9月25日でした。受付は土曜・日曜・祝日を除く9時から17時で、提出先は市町を担当する農林事務所の地域農業振興センターです。団体の規約や受益農家の確認に時間がかかるので、締切の直前ではなく、余裕をもって窓口に連絡しておくと安心です。
採択されれば、必ず補助を受けられますか?
受けられるとは限りません。県が計画内容を審査して、予算の範囲内で採択します。申請の状況によっては、採択件数や補助額を調整する場合があると公式ページに書かれています。申請したからといって、見積どおりの額が出るとは限りません。計画を立てるときは、補助が減っても導入できる資金計画にしておくと、あとで困りません。
機械の補助の上限額はいくらですか?
公式資料に、機械等の導入支援の上限額は書かれていません。補助率は事業費の2/3以内です。ただし、機械ごとに受益面積や台数の考え方が決まっていて、たとえば露地野菜の排水対策機械は、受益面積が4ha未満なら1台です。規模決定計算書で、導入する規模が適切だと示す必要があります。事業費が大きいほど自己負担も増えるので、見積もりの段階で2/3を引いた負担額を確かめておきましょう。
遮光ネットと遮熱ネットを両方入れられますか?
同じ圃場や施設には、資材を1種類しか導入できません。遮光ネット、遮熱ネット、遮熱塗布剤、高機能被覆資材のうち、2種類以上の重複はできないと要綱に書かれています。ただし、団体のなかで農家ごとに別の資材を入れることは可能で、成果目標の計算にも使えます。圃場ごとに、どの資材を入れるかを決めておきます。
契約や工事は、いつ始めていいですか?
原則として、補助金の交付決定のあとです。やむを得ない場合は、事業計画の承認を受けていれば、決定前でも着手できます。この場合は、実施要領の別記様式2号で知事に届け出ます。決定前に着手した場合の損失は、団体がすべて自分で負担することを了解して進めることになります。業者との契約日は、決定のあとにするのが無難です。
補助の対象になる面積はどう数えますか?
交付対象の面積は、受益者ごとに1a単位で数え、1a未満の端数は切り捨てます。補助上限は10aあたりの金額なので、たとえば遮熱ネットを15a分入れる場合の上限は、26万円 × 1.5 = 39万円です。育苗ハウスで、交付対象の面積が10a未満のときは、10aあたりの上限額が適用されます。端数の扱いで差が出ることがあるので、見積もりの前に面積を確かめておきます。
申請に必要な成果目標とは何ですか?
収量(茶は生茶か荒茶ベース)、販売額、ブランド品や高品質品の割合のうち、1つを選びます。事業実施の2年後に、事業実施主体の全体で10%以上増やす目標です。今回導入する資機材の効果だけでなく、団体の自助努力による対策も含めて達成してかまいません。申請書には、事業実施前年(取りまとまっていなければ前々年)の実績を書きます。
実績報告はいつまでに出しますか?
補助事業の完了日から1か月を経過した日か、交付決定に係る年度の2月28日の、いずれか早い日までです。令和8年度分なら、期限は2027年2月28日より前に来ることもあります。さらに、目標年度までのあいだは、毎年度、事業実施状況報告書を翌年度の7月末日までに出します。導入の時期は、報告までの日数を逆算して決めてください。
受益農家が途中で変わったらどうなりますか?
事業計画の変更になります。受益者の変更や増減は、実施要領の別記様式4号で速やかに知事に届け出る軽微な変更です。事業の中止や廃止、補助金が増える内容の追加、事業費の30%を超える減額などは、重要な変更として、申請と同じ手続きが必要です。農家が抜けると3戸の条件を割ることもあるので、変更の前に農林事務所へ連絡してください。
問い合わせ先はどこですか?
市町を担当する農林事務所の地域農業振興センター(農業企画課)が窓口です。県庁では、農林水産部 園芸農産課(電話 0952-25-7114)が受け付けています。申請の書類は、さが園芸888運動のサイトからダウンロードできます。対象になる資機材や、3戸未満の例外などで迷ったら、書類を作る前に担当課に聞いておくと、出し直しを防げます。
