マルチシートや出荷用の袋、育苗ポットの値上がりは、補助金で取り戻せるのか。埼玉県のこの事業なら、値上がり分の半分が戻ります。ただし対象は、2026年2月末の価格から50%以上上がった石油由来の資材と、その代替品です。燃料は入りません。
もう一つ、先に知っておくことがあります。値上がり分の補助額が合計10万円に届かないと、交付の対象になりません。上限は50万円です。
埼玉県 仕入価格高騰緊急支援事業(農林水産業者)の要点まとめ
正式名:中東情勢に伴う仕入価格高騰緊急支援事業(農林水産業者)
だれが
- 申請者
- 農林水産業者(個人・法人)
- 対象業種
- 農業・畜産業・林業・水産業
- 利用目的
- 石油由来資材の値上がり分の補填
- 対象地域
- 埼玉県
- 従業員数
- 規定なし
いくら
- 補助上限額
- 50万円(下限10万円)
- 補助率
- 値上がり分の1/2
いつ・どこへ
- 申請受付
- 第1期 〜2026年11月13日、第2期 〜2027年1月15日
- 事業の完了
- 2026年3月以降に仕入れた分が対象(仕入れの終わりの日は公式ページに記載なし)
うちは対象になる?
次のすべてに当てはまれば、申請できる見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 6
認定農業者であることは要件ではありません。個人は住所が県内、法人は主たる事業所が県内にあることが条件です。
次のどれかに当たると、対象になりません。
- ✕ 値上がり率が50%に届かない資材だけ
- ✕ 補助額の合計が10万円に届かない
- ✕ 燃料や施設整備費だけを申請する
どこまでが対象で、どこからが対象外か
線引きの軸は二つあります。何を買ったかと、いくら値上がりしたかです。
対象にならないもの
- 燃料
- 施設整備費
- 消費税・地方消費税
- 2026年2月末から値上がり率が50%未満の資材
対象になるもの
- 石油や天然ガスなどの化石資源を原料にした資材(被覆資材、育苗ポット、出荷用の袋、結束テープ、ネットなど)
- 石油由来資材に代わる資材で、機能が同等で原料の石油使用量が減っているもの(紙製の育苗ポット、生分解性マルチなど)
県が公開している「石油等由来製品及びその代替品リスト」は、製品の一例です。リストにない製品は個別に判断されるので、コールセンターに聞くことになります。値上がり率が50%以上かどうかは、仕入元で確かめる流れです。
いくら戻ってくる?
資材ごとに「(今の仕入単価 − 2026年2月末の単価)× 1/2」を出し、仕入数量を掛けます。単価は税抜です。合計の千円未満は切り捨てになります。以下の単価と数量は仮の数字です。
- マルチシート:2月末1,000円、3月以降1,500円(ちょうど50%上昇)→ 差額500円の半分で250円 × 1,200本 = 30万円
- 育苗ポットを紙製に切り替え:2月末20円(プラ製)、3月以降40円(紙製)→ 差額20円の半分で10円 × 20,000個 = 20万円
- 上限に当たる例:上の2つに出荷用の袋の分を足して合計が80万円 → 上限の50万円
- 届かない例:合計が8万円 → 10万円に満たないので対象外
代替品は、切り替える前の製品の2月末の単価と比べます。上の育苗ポットなら、プラ製の20円が基準です。
申請の流れ
申請はオンラインだけで、窓口や郵送では受け付けていません。
- 2026年3月以降に仕入れた資材を洗い出す(事業者。納品書や領収書など、支払いが済んだことを示す書類があるものから拾う)
- 2月末と3月以降の価格・数量が分かる資料をそろえる(事業者→仕入元の伝票など)
- 申請フォームに入力して書類を添付する(事業者→県の専用サイト。第1期は11月13日、第2期は2027年1月15日の23時59分まで。メールアドレスで利用登録をしてから入力する)
- 審査と補正に応じる(事務局→事業者。不備はメールか電話で連絡)
- 交付決定・確定の通知を受け取る(県→事業者。指定口座に振り込み)
農業と畜産など2つ以上を営んでいる場合も、1回の申請にまとめます。添付できるファイルはPDF・JPEG・PNG・ZIPです。
必要な書類
準備できた 0 / 6
仕入額の資料は、単価が書かれたものに限られます。品目が10点以上のときは、様式2のExcelをダウンロードして記入し、フォームに添付します。2月末に同じ製品の仕入れがない場合は、そのときの販売価格を示す資料を出せば、仕入量の資料は省けます。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 受付期間を過ぎた:期間後に出したものは受け付けられません。第1期と第2期の間(11月14日〜12月6日)は申請できません。
- 値上がり率が50%未満:資材ごとに、2月末の価格と比べて確かめます。
- 合計が10万円に届かない:資材を合算しても10万円未満なら対象になりません。
- 連絡がつかない・書類が期日までに出ない:追加の書類を求められたとき、連絡が取れなかったり期日までに出さなかったりすると、不交付になることがあります。
- 虚偽の申請:交付決定の取り消しになり、振込後なら返還です。年10.95%の加算金も払います。
勘違いされやすい点
ほかの補助との併用は、全面禁止ではありません。国や市町村の同様の制度を併用した場合、その額が価格高騰分の総額の1/2以下なら、その分を減じた額が補助額の上限になります。申請書には「市町村等支援金」の欄があります。一方で、同じ仕入れ分について県から別の補助金を受けることは、要綱で禁止されています。
同じ埼玉県の中東情勢向けの補助金には、中小企業向けの別の制度もあります。この記事は農林水産業者向けの制度で、申請窓口も専用サイトも別です。
電子申請の手引きでは、添付する仕入れの資料は「領収書」など支払いが済んだことを確かめられる書類とされています。納品書だけでは足りない場合があるので、請求書や領収書もそろえます。仕入れの対象は2026年3月以降の分で、終わりの日は公式ページにも申請要領にも書かれていません。
今年度の変更点・併用・税金
申請要領は消費税を補助対象外としています。補助金を受け取ったときの所得税や法人税の扱いについては、公式ページに記載がありません。税理士や税務署に確認してください。
よくある質問
燃料は対象になりますか?
対象外です。燃料は、この補助の対象に入りません。施設整備費も同じく対象外です。対象は、農林水産業の経営に使う資材のうち、石油や天然ガスなどの化石資源を原料に作られた製品と、その代替品です。燃料の値上がりに悩んでいる場合は、ほかの支援策を探すことになります。
認定農業者でなければ申請できませんか?
認定農業者であることは要件ではありません。県内に住所があるか、主たる事業所を置く農林水産業の法人で、申請日の時点で県内で経営しており、今後も続ける意思があり、関連する法令や条例を守っていれば申請できます。家族経営の農家や小さな漁業者でも、条件を満たせば対象です。
2026年2月末に同じ製品を買っていない場合はどうなりますか?
2月末時点の販売価格が分かる資料を出せば申請できます。様式2の「2月末時点の仕入実績」の数量欄に「−」を書き、備考欄に「令和8年2月末時点の販売価格を添付」と記入する決まりです。代替品の場合も同じで、切り替え前の製品の販売価格を示す資料を添付します。資料は、仕入元から出してもらうのが現実的です。
リストにない製品も対象になりますか?
なる場合があります。県の「石油等由来製品及びその代替品リスト」は一例で、リストにない製品は個別に判断すると書かれています。リストは随時更新される予定です。判断は個別なので、使っている資材が石油由来かどうか迷ったときは、品名を伝えてコールセンターに確認します。電話番号は050-1746-2634です。
値上がり率50%はどうやって確かめますか?
「(3月以降の仕入単価 − 2月末の単価) ÷ 2月末の単価」が0.5以上かどうかです。たとえば2月末に1,000円だった資材が1,500円になっていれば、ちょうど50%で対象です。公式ページには、確認は仕入元でするよう書かれています。納品書や請求書の単価が比べられるように、2月末の分と3月以降の分を並べて保管しておくと進めやすくなります。
消費税は補助の対象ですか?
対象外です。計算に使う単価はすべて税抜で、差額もその数字で出します。たとえば税込1,650円と税込1,100円で計算する場合は、税抜の1,500円と1,000円に直して計算します。税込のまま計算すると、補助額を多く見積もってしまいます。最後に、合計の千円未満が切り捨てられる点も、様式2の注記にあります。
郵送や窓口で申請できますか?
できません。申請は専用サイトの電子申請フォームのみです。スマートフォンからも申請できますが、機種によって画面が崩れることがあるため、パソコンか標準ブラウザの最新版を勧めます。入力画面の保存時間は60分です。書類をそろえてから開くのが安全です。添付の容量は1項目あたり9.4MBが上限で、超えるときはコールセンターに連絡します。
申請に手伝いは受けられますか?
県から委託を受けた支援団体に、電子申請の手続きや、仕入実績・価格の分かる資料の提供について相談できます。申請要領に書かれている制度です。窓口の名称や連絡先は申請要領に載っていないため、まずはコールセンター(050-1746-2634)に問い合わせます。受付時間は平日の9時から17時までです。
第1期と第2期の両方に申請できますか?
公式ページ、申請要領、交付要綱のどこにも、両方に出してよいかは書かれていません。補助の上限は50万円ですが、期をまたいで通算なのかも分かりません。同じ仕入れ分を二重に出すことが認められないのは、重複受給を禁じる要綱から明らかです。分けて出すことを考えているなら、事前にコールセンターで確かめてください。
補助金はいつ振り込まれますか?
審査が終わり、交付決定・確定の通知が出たあとに、申請書に書いた口座へ振り込まれます。通知はシステム上で渡されるか、郵送です。具体的な日数は、公式ページにも申請要領にも書かれていません。申請書は「交付申請書兼請求書」で、申請と請求を同時にする形になっています。口座の情報は正確に入力します。
仕入れの資料がなくなってしまった場合はどうしますか?
2月末の価格と3月以降の仕入額が分かる資料は、必須の書類です。単価が書かれていないものは認められません。手元にない場合は、仕入元に請求書や納品書の再発行を頼みます。申請の受付期間は限られているので、早めに動くことが大切です。受け取った資料は、補助金を受け取った年度の終了後5年間は保存します。
問い合わせ先はどこですか?
専用のコールセンターです。電話は050-1746-2634で、受付は9時から17時まで、土日祝日と年末年始(2026年12月29日〜2027年1月3日)は休みです。通話料は自己負担です。公式ページには問い合わせフォームもあります。対象になるか迷う資材の確認や、期のまたぎ方の質問は、申請の前に済ませておくと安心です。
