堺市は令和4年4月に、環境省の脱炭素先行地域に選ばれました。この補助金は、その計画である堺エネルギー地産地消プロジェクトの一部です。
だから屋根に太陽光を載せるだけでは足りず、売電先や使う電力の切り替えまで条件に入ります。余剰電力は、市が指定する小売電気事業者に原則20年間、1kWhあたり8円で売る契約が必要です。
余剰電力等活用型太陽光発電設備整備事業の要点まとめ
正式名:余剰電力等活用型太陽光発電設備整備事業
だれが
- 申請者
- 設置する事業者。PPA・リースは需要家と共同で申請
- 対象業種
- 指定なし(住宅を除く、市内の建物が対象)
- 利用目的
- 建物の屋根への太陽光発電設備の設置
- 対象地域
- 堺市内
- 従業員数
- 需要家は従業員2,000人以下の中小・中堅企業
いくら
- 補助上限額
- 定めなし(1件あたりの上限額はなく、予算の範囲内で採択)
- 補助率
- 1/4〜1/2(余剰率が20%台で1/4、30%台で1/3、40%以上で1/2)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 令和8年6月4日〜令和9年2月26日(単年度枠は11月30日まで)
- 事業の完了
- 単年度枠は令和9年1月31日、2か年度枠は令和10年1月31日
うちの建物は対象になる?
次のすべてに当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 7
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 住宅への設置
- ✕ 中古のパネルや設備
- ✕ FIT・FIPの認定を受ける
- ✕ 国の他の補助金と併用する
用語を整理します。需要家は、設置する建物で電力を使う人です。PPAは、事業者が屋根に設備を置いて発電し、需要家に電力を供給する契約です。リースは、設備を貸して月々のリース料を受け取る契約です。PPAとリースの場合は、その事業者が代表となり、需要家と共同で申請します。自己所有でも申請できます。
自家消費は、発電した電力を建物の中で使うことです。余剰電力は、使いきれずに余った分です。余剰率は、総発電量に占める余剰電力の割合のことです。FITは固定価格買取制度、FIPはFeed in Premium制度で、どちらも再エネ特措法に基づく国の制度です。この認定を受けると補助を受けられません。
市税を滞納していないことも条件です。建物の所有者が需要家と別人なら、申請について所有者の同意を得ます。
なぜ売電と電力の切り替えが条件なのか
この補助金で付けた設備は、堺エネルギー地産地消プロジェクトの拠点になります。余剰電力は、市が指定する小売電気事業者がまとめ、市有施設に供給します。
補助を受けた建物は、プロジェクトに位置付けられます。自家消費量や余剰電力量、再エネ100%電力の調達状況は、市がフォローアップします。協定の締結と情報提供は、その裏づけになる約束です。
いくら補助される?
補助率は、設備の余剰率で決まります。
| 余剰率 | 補助率 |
|---|---|
| 40%以上70%未満 | 1/2 |
| 30%以上40%未満 | 1/3 |
| 20%以上30%未満 | 1/4 |
補助額は、補助対象経費に補助率をかけた額です。1件あたりの上限額はありません。ただし、施工単価が1kWあたり20万円を超えた部分は対象外です。パネルの重さが1平方メートルあたり5kg以下なら、25万円までが対象です。
次の例は、対象経費が単価の上限いっぱいだった場合の計算です。
- 工場の屋根に30kW、余剰率45%:600万円 × 1/2 = 300万円
- 店舗の屋根に30kW、余剰率35%:600万円 × 1/3 = 200万円
- 事務所の屋根に30kW、余剰率25%:600万円 × 1/4 = 150万円
- 軽量パネルで7kW、余剰率25%:175万円 × 1/4 = 43万7,500円 → 千円未満を切り捨てて43万7,000円
見積が30kWで750万円なら、単価は25万円/kWです。超えた150万円は対象外で、対象経費は600万円になります。余剰率が45%なら、補助は300万円で、自己負担は450万円です。
余剰率の実際の分布を見ます。令和7年度募集の採択は14件でした。余剰率は21%から69%までに分かれています。令和8年度の区分に当てはめると、1/2が10件、1/3が2件、1/4が2件です。
補助率が1/4と1/2で倍の差になるのは、余剰率が20%台か40%以上かの違いです。昼間に電力を多く使う建物ほど余剰率は下がり、補助率も下がります。事前協議で、建物の電力使用量から余剰率の見込みを市と確かめることを勧めます。
何に使える?
対象にならないもの
- 屋根の防水・改修工事
- 既存設備の移設・撤去・処分費
- 既存建物の解体・撤去に伴う除去費
- 建物の躯体を補強する工事費
- 消費税及び地方消費税、振込手数料
- 交付決定前に契約・発注した経費
対象になるもの
- 工事費(材料費、労務費、直接経費、共通仮設費、現場管理費など)
- 設備費(パネル、パワーコンディショナー、接続に必要な機器)
- 業務費、事務費
- 余剰電力の売電に必要な計測・制御機器の設置費
- 系統連系の工事費負担金(1kWあたり1.35万円まで)
交付決定前の発注は、系統連系の工事費負担金を除いて対象外です。見積依頼や競争入札は、交付決定の前にしても有効です。見積は原則として2者以上から取ります。
計測・制御機器は、市が指定する小売電気事業者が機種を決めます。申請の前に、必要な機器と費用を確かめてください。連絡先は市に問い合わせます。
申請の流れ
単年度事業枠の流れです。
- 市に事前協議をする(事業者→堺市 脱炭素先行地域推進室。申込の前に)
- 申込書類をメールで出す(事業者→同室。令和8年11月30日17時まで。送信後に電話で到達を確かめる)
- 採択と交付決定を待つ(市→事業者。この通知の前に発注しない)
- 設置工事をして、市と協定を結ぶ(事業者→市。協定は請求までに)
- 令和9年1月31日までに完了し、支払いも終える(事業者。設備の引き渡しと検収を含む)
- 完了から30日以内に実績報告を出す(事業者→市。様式第17号)
- 額の確定を受けて、請求書を出す(事業者→市。様式第21号。補助金は精算払)
2か年度事業枠は、令和9年2月26日までに申請します。市の事業開始承認を受けてから工事を始め、完了は令和10年1月31日までです。令和9年4月以降に、交付申請と交付決定があります。令和9年4月1日から交付決定を受けるまでは、補助事業に着手できません。令和9年度以降に系統接続の契約を申し込む設備のうち、IP通信を使う制御機器は、JC-STAR★1以上の適合ラベルが要ります。
単年度事業枠で着手したあとに、2か年度事業枠へ変えることは、原則できません。
必要な書類
準備できた 0 / 18
役員情報届出書と前年度決算書は、法人その他の団体のときに出します。B-1からB-3は、経費内訳、経費内訳表、需要家への補助金の控除方法です。自家消費の割合は、年間発電量の30%以上80%未満が条件です。補助率の表が定める余剰率は、20%以上70%未満です。電力使用量の30分値は、令和7年4月1日から令和8年3月31日の実績です。電気料金明細書も、同じ期間分を添えます。新築や移転の直後でこの実績がない建物は、事務局に相談します。
接続検討の回答は、申込の時点で受けていなくても構いません。その場合は、接続検討の状況が分かる書類を出します。計画発電量の計算には、市が提供する計算ファイルを使います。
メールで送るファイルは、様式B-1からB-5と電力使用量の30分値がExcel、ほかはPDFです。誓約書と同意書(B-6からB-8)は、市のチェックリストで原本とされています。上の表は単年度事業枠の書類です。2か年度事業枠の申請では、交付申請書(第1号)の代わりに、事業開始承認申請書(第9号)を出します。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に発注した:その経費は、原則として補助の対象外です。2か年度事業枠では、事業開始承認の前が基準になります。
- 期限までに完了しなかった:単年度枠は令和9年1月31日、2か年度枠は令和10年1月31日までに完了しないと、補助金を受けられません。納期遅延などの事情は、早めに市へ相談します。
- 予算が上限に達した:受付は先着順です。各枠の補助金交付申請の予定総額が上限に達すると、その枠の募集が終わります。
- 不正が認められた:調査で不正行為が認められ、交付決定が取り消されると、受けた補助金に年10.95%の加算金を付けて返すことになります。PPAとリースでは、完了後も電力の利用契約などの期間が終わるまで、違反が判明すれば取消と返還の対象です。
- 申請どおりに設置しなかった:設備が申請と違うと、補助金が減額されるか、出ないことがあります。
併用と、使えなくなる制度
国が行う他の補助金とは併用できません。設備で固定価格買取制度(FIT)やFIPの認定を取ると、補助は受けられません。
補助を受けた設備は、法定耐用年数が終わるまで、温室効果ガスの削減分をJ-クレジット制度に登録できません。環境価値のうち、需要家に供給した電力量に紐づく分は、需要家のものになります。
PPAの補助額相当分は、サービス料金から引かれます。リースも、リース料金から引かれます。PPA事業者が大阪府内に本社を持つなら、引く額を補助額の9/10にできます。
補助事業は、環境省の交付金を使った間接補助です。取引先を含めた現地調査が行われる場合があります。事業者名や建物名、事業の概要は、市と環境省のホームページで公表されます。
よくある質問
自社ビルに自分で付ける場合も申請できますか?
申請できます。募集要項は、PPA方式、リース方式、自己所有方式のいずれでも新規に設置する事業を対象にしています。自己所有なら、建物を使う企業が自分で申請します。需要家が中小企業か中堅企業(従業員2,000人以下)であることは、どの方式でも必要です。建物の所有者が別の人なら、申請の同意が要ります。
住宅の屋根は対象になりますか?
対象外です。堺市内の建物のうち、住宅を除くものが対象です。事業所、工場、店舗、保育園などの非住宅の建物が想定されています。令和7年度の採択には、工場や店舗のほか、保育園のルームも含まれていました。住宅を兼ねた建物の扱いは、公式ページに記載がありません。脱炭素先行地域推進室に問い合わせてください。
すでに付けている太陽光の増設は対象になりますか?
確認できた資料に、増設の扱いは書かれていません。募集要項の要件は、太陽光発電設備を「新規に設置」することです。既存の設備に足す計画は、先に事前協議で市に確かめてください。窓口は、堺市環境局カーボンニュートラル推進部の脱炭素先行地域推進室(電話072-340-2095)です。
補助率はどう決まりますか?
設備の余剰率で決まります。余剰率は、総発電量に占める余剰電力量の割合です。40%以上70%未満なら1/2、30%以上40%未満なら1/3、20%以上30%未満なら1/4です。自家消費の割合は、年間発電量の30%以上80%未満が条件です。計算には、市が提供する計画発電量等の計算ファイルを使います。ファイルは、問い合わせた事業者に個別に渡されます。
補助金の上限額はいくらですか?
1件あたりの上限額はありません。ただし、予算の範囲内で採択されます。補助の対象になる経費には、単価の上限があります。施工単価が1kWあたり20万円を超えた部分は対象外で、軽量パネル(5kg/m²以下)は25万円までです。単価は消費税抜きで、工事費・設備費・業務費・事務費の合計を、DCベースの定格出力で割って出します。
余剰電力はどこにいくらで売りますか?
市が指定する小売電気事業者に、原則20年間売ります。売電価格は、1kWhあたり8円(消費税抜)です。売電に必要な計測・制御機器は、小売電気事業者が機種を指定し、補助事業者の負担で設置します。この設置費は、補助対象経費に入ります。第三者への売却を前提にした設備や、自己託送は認められていません。
単年度事業枠と2か年度事業枠は何が違いますか?
工事の期間と手続きが違います。単年度枠は11月30日までに申込み、交付決定を受けてから工事をして、令和9年1月31日までに完了します。2か年度枠は令和9年2月26日までに申請し、事業開始承認を受けて着工します。交付申請は令和9年4月以降で、完了は令和10年1月31日です。着手後に枠を変えることは、原則できません。
契約や発注は、いつしてもいいですか?
交付決定を受けてからにしてください。決定前に契約や発注をした経費は、原則として補助の対象外です。例外は、系統連系の工事費負担金だけです。2か年度枠では、事業開始承認の前が基準です。見積依頼や競争入札は、決定前にしても有効です。同一資本の会社が含まれるときは、資本関係のない法人から2者以上の見積を取ります。
他の補助金と併用できますか?
国が行う他の補助金とは併用できません。設備でFITやFIPの認定を取った場合も、補助を受けられません。これらは募集要項とFAQに書かれています。都道府県や市区町村の補助金との併用は、確認した資料に記載がありませんでした。他の制度も使う予定なら、事前協議の段階で脱炭素先行地域推進室に伝えてください。
申込みはどうやって出しますか?
申込書類を、脱炭素先行地域推進室の宛先にメールで送ります。メールを送ったあとは、必ず電話で到着を確かめてください。提出期限は、単年度枠が令和8年11月30日17時、2か年度枠が令和9年2月26日17時です。申込みの前に、事業計画と補助要件について、市と事前協議をします。取り下げるときは、申込辞退届を出します。
補助を受けたあとにすることはありますか?
あります。補助を受けた建物は、堺エネルギー地産地消プロジェクトに位置付けられ、自家消費量や余剰電力量の状況を市が確認します。設備は、市の取得財産等管理台帳に載せ、処分制限期間中は市の承認なしに処分できません。書類は、事業完了の年度の終了後5年間保存します。発電事業の状況の提供を、市や環境省に求められることもあります。
問い合わせ先はどこですか?
堺市環境局カーボンニュートラル推進部の脱炭素先行地域推進室です。電話は072-340-2095、メールはkanene@city.sakai.lg.jpです。住所は堺市堺区南瓦町3番1号の堺市役所高層館5階です。質問は、メールで受け付けています。計画発電量の計算ファイルは、問い合わせた事業者に個別に提供されます。
