クラウドサービスの処理がどこか一箇所に集中すると、通信が混み合って遅くなります。それを防ぐため、複数のデータセンターに処理を分散させる技術を開発する事業者を支援したのが、この産業技術実用化開発事業費補助金(地域分散クラウド技術開発事業)です。 2次公募は2020年9月17日17時で受付を終了しています。
産業技術実用化開発事業費補助金(地域分散クラウド技術開発事業・2次公募)の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(日本に拠点を有する民間団体等。コンソーシアム形式での申請も可) |
| 制度名 | 令和2年度産業技術実用化開発事業費補助金(地域分散クラウド技術開発事業)(2次公募) |
| 対象業種 | 情報通信業(データセンター・クラウド基盤の技術開発を行う事業者) |
| 利用目的 | 研究開発・実証、DX・IT導入(地理的に分散したデータセンターの統合運用技術・高速データ処理技術の開発) |
| 対象地域 | 全国 |
| 従業員数 | 規定なし(事業を遂行するための資力・資金調達能力を有することが必須項目) |
| 補助上限額 | 公式ページに記載なし(採択予定件数2〜3件程度・全体予算額は約9億円と公表。1件当たりの上限は個別協議) |
| 補助率 | 2分の1以内 |
| 申請受付 | 終了(2次公募締切:2020年9月17日17時必着) |
| 公式サイト | JDCC(日本データセンター協会)「産業技術実用化開発事業費補助金(地域分散クラウド技術開発事業)」 |

なぜテレワークの普及とセットで語られる制度だったのか
募集要領には、新型コロナウイルスの感染防止でテレワークが急増し、音声通話やテレビ会議のデータ量が増えた結果、通信品質が低下したという背景が書かれています。原因の一つとして挙げられていたのが、クラウドの処理を行うデータセンターが東京・大阪に一極集中している構造でした。この制度は、地方に分散したデータセンターを一体運用する技術を開発することで、通信の集中を避ける狙いがありました。
対象になる技術開発は次の2種類でした。
- 3拠点以上の地理的に分散したデータセンターを、セキュリティを保ちながら一体的に運用するソフトウェア技術
- 仮想化環境において、既存技術より高速なデータ処理を実現するソフトウェア技術
予算総額約9億円に対し採択予定は2〜3件
募集要領には「採択予定件数:2〜3件程度」「全体予算額:約9億円」と明記されていました。単純計算で1件あたり数億円規模になりますが、これは技術開発の規模に応じた個別協議で決まる金額であり、公式には1件あたりの上限額として明示されていません。 実際にJDCCが公表した採択結果ではソフトバンク株式会社が採択されており、中小企業の一般的な設備投資向け補助金とは規模も対象者像も異なる制度だったことが分かります。
よくある質問
今から2次公募に申請できますか?
できません。2020年9月17日17時の締切をもって受付を終了しています。この令和2年度補正予算の枠組みでの再募集は行われていません。
中小企業でも申請できましたか?
応募資格に「日本に拠点を有していること」「本事業を的確に遂行する組織・人員等を有していること」等の条件はありましたが、資金調達能力や事業規模に関する審査基準もあり、実際の採択は大手通信事業者でした。技術開発の規模から見て、データセンター・クラウド基盤事業を手がける事業者向けの制度だったと考えられます。
一次公募との違いは何ですか?
同じ令和2年度補正予算の枠組みで、事業目的・補助率(2分の1以内)は共通です。一次公募は2020年7月10日から30日、2次公募はその後の2020年8月17日から9月17日に実施されました。予算の消化状況に応じて追加の公募が行われる、という一般的な仕組みの一例です。
