高齢の求職者や障害のある方をハローワークの紹介で雇い入れると、1人あたり最大240万円の助成金を受け取れる制度です。人手不足で採用に苦労している会社ほど、対象になる求職者の受け皿を広げる意味でも知っておきたい制度です。
特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人・個人事業主) |
| 制度名 | 特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース) |
| 対象業種 | 業種指定なし |
| 利用目的 | 高年齢者・障害者・母子家庭の母等をハローワーク等の紹介で雇い入れた場合の人件費助成 |
| 対象地域 | 全国 |
| 従業員数 | 規定なし(中小企業・中小企業以外で助成額が異なる) |
| 補助上限額 | 重度障害者等を雇用した場合、中小企業で最大240万円(短時間労働者以外・2年間) |
| 補助率 | 定額(対象労働者の区分ごとに支給対象期に分割支給) |
| 申請受付 | 通年(予算がなくなり次第終了) |
| 公式サイト | 厚生労働省「特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)」 |

いくらもらえる?対象者と雇用形態で変わる金額
支給額は「対象労働者の区分」「雇用形態(短時間労働者かどうか)」「企業規模」の組み合わせで決まります。以下は短時間労働者以外(週30時間以上)の場合の総額です。
| 対象労働者 | 中小企業 | 中小企業以外 |
|---|---|---|
| 高年齢者(60歳以上)・母子家庭の母等 | 60万円 | 50万円 |
| 身体・知的障害者 | 120万円 | 50万円 |
| 重度障害者等 | 240万円 | 100万円 |
短時間労働者(週20時間以上30時間未満)の場合は、高年齢者・母子家庭の母等で40万円(中小企業以外30万円)、障害者で80万円(中小企業以外30万円)となります。支給額は一括で振り込まれるのではなく、対象労働者が実際に雇用され続けている期間に応じて支給対象期ごとに分割して支払われる仕組みです。中小企業では最大2年間・4期に分けて、対象期ごとに申請が必要になります。
令和8年5月1日以降は、高年齢者について「ハローワーク等で就労支援を受けていること」が対象要件として追加されている点にも注意してください。
承認までの重要なタイミングと必要書類
この助成金は、採用後に慌てて手続きするものではありません。ハローワークまたは民間の職業紹介事業者の紹介を経て雇い入れることが大前提です。自社で直接募集して採用した場合は対象外になります。
- 採用活動の段階:ハローワークまたは職業紹介事業者に求人を出し、紹介を受けて選考する
- 対象労働者を雇用保険の一般被保険者として雇い入れる
- 雇用継続する見込みがあることを確認する(65歳までの継続雇用、かつ2年以上の雇用が前提)
- 支給対象期(第1期〜第6期)ごとに、賃金台帳などの証拠書類を添えて支給申請書を提出する
「ハローワークの紹介」を経ていない採用は、後から遡って助成金の対象にできません。求人を出す段階からこの制度の利用を視野に入れておくことが、実質的な隠れ期限になります。
対象になる採用・ならない採用
- 対象になる例:ハローワークの紹介で60歳以上の求職者を雇用保険の一般被保険者として採用した
- 対象になる例:民間の職業紹介事業者を通じて重度身体障害者を採用し、継続雇用が見込める
- 対象にならない例:知人の紹介や自社サイトの直接応募で採用した(紹介機関を経ていない)
よくある質問
Q. 60歳以上であれば誰でも対象になりますか?
高年齢者として対象になりますが、令和8年5月1日以降はハローワーク等で就労支援を受けていることが追加要件になります。単に年齢を満たすだけでは要件を満たさない場合があるため、雇用前に労働局・ハローワークに確認してください。
Q. 短期のアルバイトでも対象になりますか?
対象労働者は雇用保険の一般被保険者として継続的に雇用され、雇用期間が2年以上(中小企業以外は1年以上)見込まれることが要件です。短期のアルバイト・スポットワークは対象外です。
Q. 賃金台帳を提出しないとどうなりますか?
令和8年4月以降、賃金台帳の提出が確認できない場合は不支給となる扱いが明確化されています。支給対象期ごとに、賃金台帳を含む必要書類を漏れなく揃えて申請する必要があります。
