訪問先でのカスハラに備える防犯ブザーやボイスレコーダーは補助金で買えるのか。買えます。ただし案内に書かれた「補助基準額10万円」はもらえる額ではありません。補助されるのは、10万円までの購入費の半分で事業所あたり最大5万円です。
訪問系介護サービス事業所の防犯機器等導入支援補助金の要点まとめ
正式名:令和8年度訪問系介護サービス事業所に対する防犯機器等導入支援補助金
だれが
- 申請者
- 事業者(法人)。申請は事業所ごと
- 対象業種
- 医療、福祉(都内の訪問系介護サービス事業所)
- 利用目的
- 防犯ブザー・防犯ボタン付き端末・ボイスレコーダーの購入
- 対象地域
- 東京都
- 従業員数
- 公式ページに記載なし(事務局へお問い合わせください)
いくら
- 補助上限額
- 5万円(事業所あたり)
- 補助率
- 1/2
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年8月31日〜2026年10月16日
- 事業の完了
- 2026年12月31日まで(納品・支払いを済ませる)
うちの事業所は対象になる?
次の4つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 4
対象の8種類は、訪問介護、(介護予防)訪問看護、(介護予防)訪問リハビリテーション、夜間対応型訪問介護、定期巡回・随時対応型介護看護、(介護予防)小規模多機能型居宅介護、看護小規模多機能型居宅介護、居宅介護支援です。併設の事業所はサービスごとに別々の申請になります。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 国や自治体が設置した事業所
- ✕ 介護予防支援の事業所
- ✕ 事務所の中で使う機器
介護予防支援と介護予防ケアマネジメントは、同じ案内ページにある同行支援の補助金では対象ですが、この防犯機器の補助金だけは対象外です。
いくら戻ってくる?
購入費の半分です。1事業所あたり10万円分の機器までが計算の対象になります。10万円を超えた分は補助が増えません。
- 2,000円の防犯ブザー5個と10,000円のボイスレコーダー2台を買う:3万円 × 1/2 = 1.5万円
- 位置検索と通報機能つきの端末とボイスレコーダーに、合計10万円かける:10万円 × 1/2 = 5万円(上限)
- 合計20万円分を買う:対象は10万円まで。10万円 × 1/2 = 5万円(上限)
1つめは都のFAQにある例です。補助額に1,000円未満の端数が出たときは切り捨てになります。補助金は購入のあとに払われる後払いで、振込は2027年4月〜5月ごろの見込みです。購入代金はいったん事業所が立て替えます。
何に使える?
線を引いているのは「訪問先で、訪問する職員を守るために使うか」です。事務所の備品や買ったあとに毎月かかる費用は対象になりません。
対象にならないもの
- 事務所の中で使う録音機器・防犯ボタン付き端末
- 防犯ボタン付き端末の月額使用料などの運用費
- 従業員が個人で買ったもの(領収書の宛名が個人名)
- 2026年4月1日より前に納品か支払いがあったもの
- 12月31日までに納品と支払いが終わらなかったもの
- 申請書に書かなかった機器
- ほかの補助金や公的制度で補助されている経費
対象になるもの
- 防犯ブザー(危険を感じたときに大きな音で周囲に知らせる端末)
- 防犯ボタン付きセキュリティ端末(位置検索と、緊急時に警備会社へ通報する機能がある端末)
- ボイスレコーダー(ハラスメントを録音する機器。主な機能が録音であれば、文字起こし機能つきも対象)
- 申請した機器の付属品(持ち運びケースなど)
「初度整備」とは、防犯機器を初めてそろえるための費用を指す言葉です。すでに持っている機器の買い替えが対象になるかどうかは、公式ページにも要綱にも書かれていません。買い替えを考えているなら、申請の前に事務局へ確かめるのが確実です。
申請の流れ
- 買う機器と金額を決める(事業所。10万円までが計算の対象。買う見込みのものは全部ここに入れる)
- 交付申請書を出す(事業所→補助金事務局。10月16日までに、Jグランツか郵送で)
- 交付決定の通知を待つ(都→事業所。11月下旬〜12月中旬ごろの予定。交付決定とは、補助金の対象として受け付けるかどうかを都が知らせる通知です)
- 機器を納品・支払いまで終える(事業所。12月31日まで。領収書の宛名は法人名か事業所名)
- 実績報告書を出す(事業所→補助金事務局。買った機器の分を報告。受付は1月上旬〜下旬の予定)
- 額の確定通知を受け、補助金が振り込まれる(都→事業所。確定通知は3月中旬〜4月下旬、振込は2027年4月〜5月ごろの見込み)
Jグランツは国の補助金の電子申請システムで、使うにはGビズID(国の電子申請に共通のID)が要ります。GビズIDの手続きは補助金事務局では案内できないため、GビズIDの窓口(0570-023-797)に聞きます。郵送の場合は印鑑証明書に登録した印鑑での押印が要ります。配達の記録が残る特定記録郵便かレターパックで送る決まりです。申請は事業所単位で、サテライト(出張所)で使う機器は本体の事業所で申請します。
必要な書類
準備できた 0 / 2
どちらか、自分の申請方法に合う1つを使います。様式はExcel形式で、案内ページからダウンロードします。案内ページには記載例と、Jグランツの申請操作マニュアルも載っています。Jグランツのマニュアルで添付するとされているのは、この交付申請書のExcelだけです。郵送のときに別の添付書類があるかは、様式の中身を確認できていません。迷ったら同じ事務局に聞きます(電話 03-6630-7865、平日9時〜17時)。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 申請に書かなかった機器を買った:あとから買い足した機器は対象になりません。買う見込みがあるものは、申請の時点で全部書きます。
- 12月31日までに終わらなかった:納品と支払いのどちらも、期限内に済ませる必要があります。片方だけ遅れても対象外です。
- 領収書の宛名が個人名だった:宛名は申請した法人名か事業所名です。従業員が立て替えて個人名で受け取ると認められません。
- ほかの補助金と同じ経費で申請した:同じ経費を複数の制度に出すことはできません。
- 不正や条件違反があった:交付決定が取り消され、返還になります。年10.95%の違約加算金もかかります。
勘違いされやすいのは「10万円」と「同行支援」
同じ案内ページにはこの防犯機器の補助金のほかに「訪問介護員等補助者同行支援補助金」も載っています。申請期間は同じ8月31日〜10月16日で、事務局も同じです。中身は別の制度です。
| 区分 | 防犯機器等導入支援 | 訪問介護員等補助者同行支援 |
|---|---|---|
| 補助の対象 | 防犯ブザーなどの購入費 | 複数人で訪問した際に同行者へ払う謝金 |
| 補助率 | 1/2 | 3/4 |
| 額の決まり方 | 購入費10万円まで | 時間単価1,700円が上限 |
この記事で扱うのは左側の防犯機器です。同行者の謝金を探しているなら、同行支援の補助金のほうを見てください。
もうひとつの勘違いが10万円です。案内ページの「補助基準額10万円」は、補助を計算するときに見る購入費の枠です。受け取れる額は、その半分の5万円になります。
よくある質問
防犯ブザーだけを買う場合でも申請できますか?
申請できます。対象は防犯ブザー・防犯ボタン付きセキュリティ端末・ボイスレコーダーの3種類で、どれか1種類だけでも構いません。たとえば2,000円の防犯ブザーを5個買うと、購入費は1万円で、補助は5,000円です。訪問先で職員が身につけて使うことが前提なので、事務所の机に置く機器は含まれません。
ボイスレコーダーは文字起こし機能つきでも対象ですか?
対象になります。都のFAQでは主な機能が録音である製品は補助対象とされています。文字起こしの機能がついていても、録音が中心の製品なら問題ありません。ただし、事務所の中で使う録音機器は対象外で、訪問先で使うものに限られます。持ち運びケースなどの付属品は、申請書に書いた製品のものであれば対象に含まれます。
すでに買ってしまった機器も申請できますか?
対象は、2026年4月1日から12月31日までに納品と支払いの両方が済んだ機器です。4月1日より前に納品や支払いがあったものは対象外です。申請の受付は8月31日からなので、期間内に買い終えた機器も対象期間には入ります。交付決定の前に買った場合の扱いは、公式ページに明記がありません。申請の前に事務局へ確認すると安心です。
上限は10万円ですか、5万円ですか?
受け取れる補助額の上限は5万円です。案内ページに載る「補助基準額10万円」は、購入費のうち計算の対象にする枠で、補助率は1/2です。たとえば20万円分の機器を買っても、計算の対象は10万円までなので補助は5万円になります。反対に購入費が3万円なら補助は1万5千円で、実際に払った額が基準になります。
申請は法人単位ですか、事業所単位ですか?
事業所単位です。併設の事業所があるときは、サービスの種類ごとにそれぞれ申請します。出張所(サテライト)で使う機器は、本体の事業所でまとめて申請する決まりです。法人が複数の事業所をもっている場合も、事業所ごとに1件ずつ、機器と金額を決めて出します。窓口は同じ補助金事務局なので、複数件を続けて出すこともできます。
申請の締切はいつですか?
交付申請の受付は2026年10月16日(金)までです。都の案内ページには、申請期限を過ぎると、補助対象の期間内に経費が出ていても交付できないとあります。年度内に機器を買う見込みがあるなら、必ず期限内に申請してください。Jグランツでも郵送でも受け付けており、郵送は特定記録郵便やレターパックなど、配達記録が残る方法で送ります。
補助金はいつ振り込まれますか?
2027年4月〜5月ごろの見込みです。流れは、交付申請、交付決定、機器の購入と支払い、実績報告、額の確定通知、振込の順です。補助金は購入のあとに払われるので、代金はいったん事業所が立て替えます。資金に余裕がないときは、振込までの期間を見込んで機器の数や時期を決めておくと、支払いの時期に困りません。
補助金を受け取ったあとにも手続きはありますか?
あります。消費税と地方消費税の申告で、補助金にかかる仕入税額控除(仕入れ時に払った消費税の控除)が確定したら、報告書を出します。控除額が0円でも提出が必要で、時期は2028年度(令和10年度)の予定です。内容によっては、控除相当額の返還を求められることがあります。時期が近づいたら都から案内があります。
書類はどのくらいの期間、保管しますか?
都のFAQでは事業完了後5年間です。交付要綱は、事業の属する会計年度の終了後5年間と書いているので、長い方に合わせると安全です。補助金にかかる収入と支出がわかる帳簿をつけ、領収書などの証拠書類もあわせて整理して残します。実績報告のときには、領収書や納品の記録を確かめられるので、機器を買うたびに宛名が法人名か事業所名になっているかを確認して、保管しておくのが確実です。
ほかの補助金と併用できますか?
同じ経費では併用できません。都のFAQによると、ほかの公的制度の対象になっている経費や、ほかの制度で補助されている経費は、この補助金の対象になりません。同じ機器を複数の補助金に申請することも認められていません。国や区市町村の別の補助金を使う予定があるときは、機器ごとにどの制度で買うかを分けて計画してください。
問い合わせ先はどこですか?
申請の内容や書き方は、東京都介護現場カスタマーハラスメント対策強化事業の補助金事務局に聞きます。電話は03-6630-7865で、受付は平日の9時から17時までです(土日祝日と年末年始は除く)。この事業全体の担当は、東京都福祉局 高齢者施策推進部介護保険課 介護人材担当(電話 03-5000-7555)です。
