電子カルテを新しく入れたい病院や診療所が、導入前の計画づくりをコンサルタントに頼む費用を東京都が補助します。200床未満の病院と医科診療所なら、かかった費用の3/4で上限は75万円です。補助されるのはコンサルタント費用だけで、電子カルテのシステム更新や部門システムの費用は対象になりません。申請の受付は2026年10月30日までです。
医療機関診療情報デジタル導入支援事業の要点まとめ
正式名:令和8年度医療機関診療情報デジタル導入支援事業
だれが
- 申請者
- 事業者(病院・医科診療所の開設者)
- 対象業種
- 医療業(東京都内の病院・医科診療所)
- 利用目的
- 電子カルテ導入計画の策定を頼むコンサルタント費用
- 対象地域
- 東京都
- 従業員数
- 公式ページに記載なし
いくら
- 補助上限額
- 75万円(200床未満の病院・医科診療所。200床以上は50万円)
- 補助率
- 3/4(200床未満の病院・医科診療所)、1/2(200床以上の病院)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年4月15日〜2026年10月30日
- 事業の完了
- 2027年3月31日まで
うちの医療機関は対象になる?
次の5つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
病院には、病床配分決定を受けて新しく開く病院も含みます。調査は、電子カルテの導入状況などについて都が行うものです。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 電子カルテの更新(入れ替え)のための費用
- ✕ 部門システムを入れるための費用
- ✕ 国や地方公共団体が開設
- ✕ 保険医療機関ではない診療所
- ✕ 国や地方公共団体の別の補助金を充てる分
独立行政法人・国立大学法人が開設する医療機関も対象外です。
対象者の欄に載っているのは「病院」と「医科診療所」です。歯科診療所が対象かどうかは、公式ページに書かれていませんでした。該当する場合は事務局へ先に確かめてください。
いくら補助される?
補助額は次の順で決まります。
- 基準額(1医療機関あたり100万円)と、コンサル費用の実際の支出額を比べて、少ない方を選びます
- 1で選んだ額と、総事業費から寄附金などの収入を引いた額を比べて、少ない方を選びます
- 2の額に補助率を掛けます(1,000円未満は切り捨て)
病院の規模で補助率が変わります。
- 200床未満の病院と医科診療所:3/4(上限75万円)
- 200床以上の病院:1/2(上限50万円)
計算例です。
- 診療所が導入計画づくりに60万円のコンサル契約を結ぶ:60万円 × 3/4 = 45万円
- 150床の病院が150万円の契約を結ぶ:基準額100万円で頭打ちなので、100万円 × 3/4 = 75万円(自己負担は75万円)
- 250床の病院が80万円の契約を結ぶ:80万円 × 1/2 = 40万円
- 250床の病院が120万円の契約を結ぶ:基準額100万円で頭打ちなので、100万円 × 1/2 = 50万円
200床未満で上限の75万円に届くのは、コンサル費用が100万円以上のときです。補助金が支払われるのは事業の完了後で、2027年5月の予定です。それまでの費用は先に立て替えます。
何に使える?
対象にならないもの
- 電子カルテシステムの更新に関する費用
- 部門システムの導入に関する費用
- コンサルタント費用以外の費用
対象になるもの
- 電子カルテ導入計画の策定にかかるコンサルタント費用
- 導入コストの算出などの調整業務にかかるコンサルタント費用
都の記入例では、導入計画の作成費、導入コストの算出費、コンサルタントの出張費用が補助対象分です。コンサルタントの紹介手数料は補助対象外の欄に入っています。
対象になるのは、2026年度(交付決定の通知後から2027年3月31日まで)に行う業務です。導入を予定する電子カルテには、次の条件があります。
- 病院と、リース契約で電子カルテを入れる診療所は、厚生労働省の標準規格であるSS-MIX2ストレージへの出力か、HL7 FHIRの記述仕様での出力のどちらかができること
- 国が構築する電子カルテ情報共有サービスなど、全国医療情報プラットフォームへの接続を検討すること
申請の流れ
- コンサルタントから詳細な見積書を取る(医療機関→コンサル事業者。単価と時間が分かる形で)
- 計画書などの書類をそろえる(医療機関。必要書類は下の表)
- jGrantsでオンライン申請する(医療機関→東京都医療DX推進事業補助金事務局。10月30日まで)
- 交付決定の通知を待つ(東京都→医療機関。提出された分から審査が進みます。手引は7月以降の随時、公式ページは8月以降の見込みと書いています)
- 通知のあとに入札・契約を始める(医療機関。通知の前の契約は対象外)
- 2027年3月31日までに事業を終える(コンサルの報告書の納品と支払いまで)
- 実績報告を出して、補助金を受け取る(医療機関→東京都。支払いは2027年5月の予定)
jGrantsは、国の補助金申請システムです。様式のダウンロード先もjGrantsの制度ページです。使うのが難しいときは、事務局へ相談できます。
必要な書類
準備できた 0 / 6
交付申請書と印鑑証明書は、jGrantsで申請するなら出さなくて構いません。事業計画書の正式名は「医療機関診療情報デジタル導入支援事業計画書(別記第1号様式 別紙1)」、経費所要額調は別記第1号様式 別紙2です。予算書抄本はこの事業の支出予定額が載っているもので、記入例は手引の末尾にあります。見積書の写しなどは、所要額が分かるものを出します。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に契約した:入札や契約は、交付決定の通知のあとに始めます。通知の前に契約した案件は対象外です。
- 審査で採択されなかった:交付決定は、事業計画書の内容などを審査して決まります。申請しただけで採択が決まるわけではありません。
- 更新費や部門システム費を入れた:電子カルテの更新と部門システムの費用は対象外です。対象はコンサル費用だけです。
- ほかの補助金を充てた:国や地方公共団体の別の補助金を充てた分は、対象外になります。
- 契約方法が決まりに合わない:原則は一般競争入札か指名競争入札です。特命随意契約にするときは、契約の前に東京都へ理由を報告します。
- 不正や目的外の使い方をした:交付決定が取り消され、補助金の返還を命じられます。年10.95%の違約加算金もかかります。
併用と税金で気をつけること
国や地方公共団体のほかの補助金は、同じ経費に充てられません。併用を考えるなら、経費を分けて整理します。
補助事業が終わったあと、消費税の申告で仕入控除税額が確定したら、東京都に報告します。東京都は、その相当額の全部または一部を返還させることがあります。
よくある質問
電子カルテのシステム本体の費用も補助されますか?
補助されません。対象になるのは、電子カルテを新たに入れるかどうかを検討する段階で必要な調整業務のコンサルタント費用だけです。導入計画の策定や導入コストの算出などが当たります。電子カルテの更新費用と部門システムの導入費用は、はっきり対象外とされています。システムの購入費は別の財源で手当てする前提で、資金計画を立てます。
補助額はいくらになりますか?
基準額は1医療機関あたり100万円です。200床未満の病院と医科診療所は補助率が3/4なので、上限は75万円になります。200床以上の病院は補助率が1/2で、上限は50万円です。実際の支出が基準額より少ないときは、少ない方の額に補助率を掛けます。たとえば60万円のコンサル契約なら、診療所は45万円が補助されます。
200床以上の病院でも申請できますか?
申請できます。病院の規模で対象から外れることはなく、200床以上の病院は補助率が1/2になるだけです。基準額は同じ100万円なので、補助額の上限は50万円です。200床未満の病院や診療所より補助率が低くなるので、自己負担の額を先に計算しておくと、コンサル契約の予算を決めやすくなります。
歯科診療所は対象になりますか?
公式ページと交付要綱の対象者には、病院と医科診療所が書かれています。歯科診療所が含まれるかどうかは、書かれていませんでした。対象になるか分からないときは、申請の前に東京都医療DX推進事業補助金事務局へ確かめてください。問い合わせの電話は050-3816-2607で、メールはtokyo-dx@saison-psp.co.jpです。
過去にこの補助金を受けた医療機関は申請できますか?
申請できません。交付要綱の補助対象者から、この補助金の交付を受けたことがある医療機関は除かれています。令和6年度や令和7年度など、前の年度の同じ事業で交付を受けたことがあるかどうかは、院内の記録で確かめておきます。記録が分からなければ、先に事務局へ問い合わせると、申請書類を出し直さずに済みます。
他の補助金と併用できますか?
同じ経費に、国や地方公共団体の別の補助金を充てることはできません。充てた分は補助の対象外になります。ほかの補助金を使う予定があるときは、この補助金で見るコンサルタント費用と経費を分けます。見積書の項目も分けて出すのが安全です。どこまでが重複に当たるかは、申請の前に事務局へ確かめてください。
申請の受付はいつまでですか?
申請の受付は、2026年4月15日に始まり、10月30日(金)までです。申請はjGrantsでのオンライン申請が原則です。見積書や計画書、歳入歳出予算書の抄本など、そろえる書類があります。コンサル事業者に詳細な見積書を頼むところから始めると、期限の直前に慌てずに済みます。最新の受付状況は、東京都の案内ページで確かめてください。
申請が受付中なのに、交付決定はいつ出ますか?
交付決定の時期は、公式ページが2026年8月以降の見込み、申請手続の手引が7月以降の随時と書いています。手引には「ご提出いただいたものから審査を進めていきます」ともあるので、10月30日の締切を待たずに出した分から順に審査されます。ただし、締切ぎりぎりに出した分がいつ決まるかは書かれていません。決定の通知が届くまで、入札や契約を始めてはいけません。時期が気になるときは、事務局に問い合わせます。
契約はどのように結べばいいですか?
原則として、一般競争入札または指名競争入札で行います。特命随意契約で結ぶ場合は、契約の前に東京都へ特命の理由を報告します。都が内容を確認して、理由によっては特命随意契約を認めないことがあります。コンサルタントを1社に決めている場合でも、先に東京都へ連絡して確かめておく必要があります。
補助金はいつ支払われますか?
補助金の支払いは、事業が終わったあとで、2027年5月の予定です。事業の完了とは、コンサルタントからの報告書などの納品と、事業者への支払いがどちらも終わった状態を指します。原則として2027年3月末までに終える必要があるため、そこから逆算して、コンサル業務の期間を決めます。
導入する電子カルテにも条件はありますか?
あります。病院と、リース契約で電子カルテを入れる診療所は、厚生労働省の標準規格であるSS-MIX2ストレージへの出力か、HL7 FHIRの記述仕様での出力のどちらかができる電子カルテを予定します。あわせて、国が構築する電子カルテ情報共有サービスなど、全国医療情報プラットフォームへの接続を検討することも条件です。コンサルタントに、これらを踏まえた計画を頼みます。このほか、都が効果を確かめるために行う電子カルテの導入状況などの調査へ協力することも、補助の条件です。
問い合わせ先はどこですか?
申請の受付と問い合わせは、東京都医療DX推進事業補助金事務局です。電話は050-3816-2607、メールはtokyo-dx@saison-psp.co.jpです。2026年度の受付と書類審査と問い合わせ対応は、外部の事業者に委託して行われています。制度全体の担当は、東京都保健医療局 医療政策課の医療改革推進担当(03-5320-4448)です。
