令和8年度の受付は2026年8月14日に終了しました。病院・有床診療所・有床助産所には、食材費と光熱費の高騰分を計算式どおりに交付する支援金で、対象になるのは2026年1月から6月まで途切れず運営していた施設だけでした。
東京都の公式ページには、令和5年度下半期分と令和7年度の同名の支援金も並んでいます。今回のページは「昨年度に引き続き」の実施と書いていますが、次の年度の予定は載っていません。
東京都医療機関等物価高騰緊急対策支援金(病院・有床診療所向け)の要点まとめ
正式名:東京都医療機関等物価高騰緊急対策支援金(令和8年度)
だれが
- 申請者
- 事業者(医療法人・法人・個人事業主)
- 対象業種
- 医療(病院・有床診療所・有床助産所)
- 利用目的
- 物価高騰による食材費・光熱費の負担軽減
- 対象地域
- 東京都内(都が開設する施設を除く)
- 従業員数
- 規定なし(施設単位で申請)
いくら
- 補助上限額
- 施設ごとに計算式で決まる(一律の上限額は公式ページに記載なし)
- 補助率
- 定額(計算式にもとづく交付)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年7/1〜7/22 事前申込、7/23〜8/14 交付申請(終了)
うちの施設は対象だった?
次の3つにすべて当てはまる施設が対象でした。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 3
病院と有床診療所は、健康保険法の保険医療機関(保険診療ができる指定を受けた施設)に限ります。有床助産所は保険医療機関でなくてよく(自由診療のみの除外も助産所は当てはまらず)、医療法の助産所に当たる施設であれば対象です。暴力団関係者がいる場合も対象外です。
次のどれかに当たると対象外でした。
- ✕ 都が開設している施設
- ✕ 期間の途中で開設・閉院・休止した
- ✕ 保険指定のない自由診療のみ
- ✕ 介護医療院・施設内の医務室
独立行政法人・公立・共済組合の病院は対象です。都の直営施設と指定管理者が運営する施設は対象外でした。事業所が都内なら、開設者の所在地が都外でも対象です。
いくらだった?
支援金は、食材費と光熱費を別々に計算して足します。
- 食材費:78円 × 延べ入院患者数(2026年1月1日〜5月31日)
- 光熱費:78,000円 + 14,000円 × 許可病床数(対象期間は2026年1月1日〜6月30日)
許可病床数に休棟中の病床は入りません。有床助産所は許可病床数を入所定員数に読み替えます。この計算に上限額の定めはなく、病床が多く入院が多い施設ほど額が大きくなります。
- 50床・延べ入院患者数2,000人の病院(公式Q&Aの例):78円 × 2,000人 = 156,000円 + 78,000円 + 14,000円 × 50床 = 778,000円 → 合計 934,000円
- 19床・延べ入院患者数1,000人の有床診療所:78円 × 1,000人 = 78,000円 + 78,000円 + 14,000円 × 19床 = 344,000円 → 合計 422,000円
病院・有床診療所・有床助産所の算定では、食材費・光熱費それぞれの1,000円未満の端数は切り捨てです。基準単価は6か月分の単価で、分割せず1回で支給されます。
「7.8万円」は病院の金額ではない
公式ページの表には78,000円が2回出てきます。ここを取り違えやすいです。
| 施設の区分 | 食材費 | 光熱費 |
|---|---|---|
| 病院・有床診療所・有床助産所 | 78円 × 延べ入院患者数 | 78,000円 + 14,000円 × 許可病床数 |
| 無床診療所・歯科診療所・無床助産所 | なし | 1施設 78,000円 |
| 施術所・歯科技工所 | なし | 1施設 39,000円 |
78,000円は、病院などでは光熱費の基本額にすぎません。1施設あたり78,000円で終わるのは無床診療所などの区分です。申請フォームも区分ごとに別なので、誤ったフォームで出すと支給できない可能性があります。
延べ入院患者数には何を数える?
食材費は延べ入院患者数に単価を掛けるため、数え方で額が変わります。数えないものを先に挙げます。
数えないもの
- 院内で生まれた正常な新生児
- 生母の入院に伴って入院した健康な新生児・乳児
- 短期滞在手術等基本料1を算定した日帰り入院
- 食事を出していない病床の入院
- 職員の食材費
数えるもの
- 一般病床・療養病床に入院したショートステイ利用者
- 入院基本料を算定した日帰り入院
- 食事の形態に関係なく入院した人(流動食でも常食でも同じ1人)
数える期間は、2026年1月1日から5月31日までの延べ人数で、実績の数を申請します。
申請の流れ(令和8年度の実績)
- WEBで事前申込をする(事業者→東京都のWEB申込フォーム。2026年7月1日〜7月22日)
- 交付申請兼実績報告を出す(事業者→Jグランツまたは郵送。7月23日〜8月14日)
- 都が交付決定と額の確定をする(東京都→事業者。申請内容が適正なとき)
- 支援金を受け取る(東京都→事業者の口座。9月下旬以降の予定)
Jグランツで申請する場合も、事前申込は必要でした。書面の場合は、申込の審査が終わると、交付申請書兼実績報告書が原則メールで届きます。押印して印鑑証明書を付け、8月14日の消印有効で郵送します。
Jグランツには、gBizIDプライム(国の電子申請に共通で使うID)が必要でした。取得に2〜3週間かかるとされています。
必要な書類
準備できた 0 / 7
印鑑証明書(個人事業主は印鑑登録証明書)が要るのは書面申請の場合で、Jグランツ申請では不要でした。委任状と使用印鑑届は、必要な場合に事務局が別に案内します。受取口座は、口座名に法人名・医療機関名・代表者名のいずれかが入っているものです。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 期間の途中で開設・休止した:2026年1月〜6月に継続して事業をしていることが条件です。5月に開設した診療所は対象になりません。
- フォームを間違えた:病院等と無床診療所等では申請フォームが違います。誤ったフォームでは支給できない可能性があります。
- 締切後に出した:8月14日を過ぎた申請や提出は一切受け付けられません。
- 補正の連絡に応じなかった:不備があって都が補正を求めたのに直さないと、申請を取り下げたものとみなされます。
- 虚偽や暴力団との関係が分かった:受けたあとでも交付決定が取り消され、支援金の返還を命じられます。
併用できる支援と税金
東京都の「医療機関等における賃上げ・物価上昇に対する支援事業」を申請していても、この支援金は申請できます。別の事業という扱いです。
区市町村にも物価高騰対策の事業があります。食材費・光熱費が対象経費に重なる場合は、どちらか片方の申請です。重ならない場合は併給できるケースがあるため、実施している区市町村にも確認が必要です。
支援金が課税対象になるかは、公式のQ&Aに「税務署に御確認ください」とあります。編集部では、課税の扱いを判断できる材料を確認できませんでした。
よくある質問
無床診療所は対象になりますか?
この区分とは別の申請フォームで、対象になります。無床診療所・歯科診療所・無床助産所は、2026年1月1日から6月30日までを対象期間として、1施設あたり78,000円です。食材費はありません。施術所と歯科技工所は1施設あたり39,000円です。病院や有床診療所向けのフォームで出すと、支給できない可能性があるため、自分の区分を先に確かめてください。
食材費と光熱費の両方を受け取れますか?
病院・有床診療所・有床助産所は、両方を計算した合計額が支給されます。食材費は78円に延べ入院患者数を掛けた額で、光熱費は78,000円に14,000円×許可病床数を加えた額です。食材費は病院・有床診療所・有床助産所だけの項目で、無床診療所などには付きません。職員の食材費は数えられません。
都立病院や公立病院は対象ですか?
東京都が開設している施設は対象外です。都の直営施設と、指定管理者が運営する施設も対象になりません。独立行政法人、区市町村などの公立、共済組合が開設する病院は対象です。開設者の区分で迷うときは、申請前に事務局の電話かフォームで確かめるのが確実です。
2026年の途中で開設した施設は対象ですか?
対象外です。2026年1月1日から6月30日まで継続して事業を実施していたことが要件で、期間の途中で開設・閉院・休止した施設は対象になりません。公式のQ&Aには、無床診療所を5月5日に開設した例が挙がっていて、この場合は支給の対象外とされています。7月以降は対象期間に入りません。
新生児は延べ入院患者数に入れますか?
院内で生まれた正常な新生児は数えません。生母の入院に伴って入院した健康な新生児や乳児も、数えません。短期滞在手術等基本料1を算定している日帰り入院も対象外です。入院基本料を算定している日帰り入院と、一般病床・療養病床のショートステイ利用者は、数えます。
許可病床数に休棟中の病床は含みますか?
含みません。休棟中とは、病床機能報告での休棟中の扱いです。対象期間の途中で許可病床数が増減した場合は、期間を通じて稼働している許可病床数で申請します。有床助産所の場合は、許可病床数を入所定員数に読み替えてください。休棟かどうか判断に迷うなら、事務局に確かめると安心です。
同じ法人に病院が複数あるときはどう申請しますか?
事業所ごとに申請します。Jグランツでは、法人でgBizIDプライムを取得したあと、病院・有床診療所ごとにgBizIDメンバーアカウントを発行して申請します。同じ施設で複数の事業を行っているときは、いずれか一つの事業として申請します。会計や物品を完全に分けて根拠を示せる場合は、それぞれで申込むこともできます。
書面でも申請できましたか?
できました。Jグランツでの申請が勧められていましたが、郵送も認められていました。書面でもWEBの事前申込が先に必要で、審査が終わると交付申請書兼実績報告書が案内されます。押印した書類に印鑑証明書を付けて、2026年8月14日の消印有効で送る流れです。
支援金の使い道に制限はありますか?
申請した事業所の運営に充てるものとされています。使い道を細かく分ける決まりは、公式のQ&Aにありません。消費税仕入控除税額報告も不要です。ただし、他の補助事業等から同じ対象経費で重ねて支援金を受けることはできません。区市町村の事業と重なる場合の取り扱いは、先に挙げたとおりです。
区市町村の物価高騰対策と両方もらえますか?
対象経費が重なるときは、どちらか片方の申請です。併給できる場合の例として、区市町村の事業が対象経費を定めていない場合や、対象経費に光熱費と食材費が入っていない場合があります。区市町村側に申請するとき、都の支援金分を除いて申請する方法もあります。実施する区市町村にも必ず確認してください。
予算より申請が多いと減額されますか?
適正と認められた申請には、すべて支給する扱いです。ただし適正と認められた申請額の合計が都の予算額を上回ったときは、予算の範囲内で支給額を調整することがあります。公式ページにも「支援金は、都の予算の範囲内において支給する」とあります。実際の支給額は交付決定の通知で確かめてください。
問い合わせ先はどこですか?
東京都医療機関等物価高騰緊急対策支援金事務局です。電話は03-6822-4160で、受付は平日の午前9時から午後5時までです。メールはiryo-r8bukka@iryo-bukkar8.jp、問い合わせフォームもあります。公式ページは、問い合わせの前にQ&Aを読むよう求めています。Jグランツの操作はgBizIDの連絡先が窓口です。
次の年度も同じ支援金はありますか?
公式ページには、次の年度の予定は書かれていません。ページには令和5年度下半期分と令和7年度の同名の支援金のページも並び、今回は「昨年度に引き続き」の実施と説明されています。続けて実施される保証はありませんので、実施の有無は東京都保健医療局の公式ページで確かめてください。
