工場に新しい機械を1台入れるだけで、上限2億円の助成金が動く。そんなスケールの制度が東京都中小企業振興公社の「躍進的な事業推進のための設備投資支援事業」です。第9回(令和7年度第1回)の受付は2025年5月13日で終了していますが、この制度自体は年3回のペースで継続しており、2026年時点では第13回(令和8年度第2回)が実施されています。
対象は機械装置・器具備品・ソフトウェアの新規導入。助成率は区分により1/2〜4/5、上限は最大2億円という、都の中小企業向け助成金の中でも規模の大きい制度です。試作・開発段階ではなく、量産フェーズでの設備投資を対象にしている点が特徴です。
躍進的な事業推進のための設備投資支援事業の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人・個人事業主。都内に登記簿上の本店または支店があり、都内で2年以上事業を継続している中小企業者等) |
| 制度名 | 躍進的な事業推進のための設備投資支援事業 |
| 対象業種 | 業種指定なし(全業種対象) |
| 利用目的 | 機械装置・器具備品・ソフトウェアの新規導入による量産フェーズの設備投資(設備投資・DX・IT導入) |
| 対象地域 | 東京都内 |
| 従業員数 | 中小企業者等(業種ごとの基準は中小企業基本法に準拠) |
| 補助上限額 | 最大2億円(区分により異なる。第9回時点) |
| 補助率 | 1/2〜4/5以内(区分・賃上げ加算により変動) |
| 申請受付 | 第9回(令和7年度第1回)は終了(申請予約:2025年4月23日~5月8日、書類提出:4月30日~5月13日17時)。以降も年数回のペースで継続実施 |
| 公式サイト | 東京都中小企業振興公社「躍進的な事業推進のための設備投資支援事業」 |

「量産フェーズ」限定という制約
この助成金でまず押さえておきたいのは、対象が量産段階の設備投資に限られることです。試作品を作るための機械や、研究開発段階の設備は対象外になります。すでに製品・サービスとして確立しているものを、より効率よく・より高品質に作るための設備更新が想定されています。
対象経費は次の3種類です。
- 機械装置
- 器具備品
- ソフトウェア
いずれも新たな導入、搬入・据付等に要する経費が対象で、1基あたり50万円(税抜)以上という下限が設けられていました。小規模な備品の入れ替えでは対象になりません。1基50万円という下限を下回る買い物は、いくら台数を買っても合算では対象になりません。 見積もりを取る段階で、この単価要件を満たすかどうかを必ず確認する必要があります。
複数のコースが並立する制度設計
第9回時点で、この制度には複数の申請区分(コース)がありました。区分によって補助率・上限額が異なります。
| 区分の考え方 | 助成率の目安 |
|---|---|
| 競争力強化(製品・サービスの質的向上) | 1/2〜2/3程度 |
| 後継者チャレンジ(事業承継後の新たな取組) | 1/2〜2/3程度 |
| アップグレード促進(生産能力の大幅な拡大) | 3/4〜4/5程度(上限も他区分より高い) |
さらに賃上げに取り組む企業には、助成率が優遇される加算措置も用意されていました。どの区分を選ぶかで補助率・上限額が大きく変わるため、自社の投資が「質的向上」なのか「生産能力の拡大」なのかを整理してから申請区分を選ぶことが重要です。
対象者の要件
申請できるのは、次の要件を満たす中小企業者等です。
- 申請基準日時点で、都内に登記簿上の本店または支店があること(個人事業主は都内での開業届出)
- 都内で2年以上事業を継続していること
新規開業してまもない企業は、この「2年以上」の要件を満たさず対象外になる点に注意が必要です。
制度は継続中。次回の公募に備える
第9回の受付は終わっていますが、この制度は年に複数回、継続して実施されています。 実際、令和7年度だけで第9回・第10回・第11回と回を重ね、令和8年度も第12回・第13回と続いています。
次回の公募に備えて準備しておけることを整理します。
- 導入したい設備の見積もりを早めに取得する。 1基50万円以上という下限要件を満たすか、複数の設備を組み合わせて予算計画を立てる際の判断材料になります
- 自社の投資が「質的向上」「生産能力拡大」「事業承継後の新規取組」のどれに当たるかを整理しておく。 区分によって助成率・上限額が変わります
- 賃上げ計画があれば、加算の対象になるかを早めに確認する。 賃上げコースは分割交付など制度面での変更が入ることもあるため、最新回の要項での確認が必須です
- GビズIDを取得しておく。 申請はJグランツ経由で行われ、GビズIDプライムの取得には数週間かかります
よくある質問
第9回にはもう申請できませんか?
できません。第9回の書類提出は2025年5月13日17時で終了しています。 ただし、この制度自体は継続しており、令和8年度も第12回・第13回と実施されています。最新の募集回は東京都中小企業振興公社の公式サイトで確認できます。
個人事業主でも対象になりますか?
対象になります。都内で開業届出をして2年以上事業を継続している個人事業主も、中小企業者等に含まれます。
試作段階の設備投資でも申請できますか?
対象外です。この助成金は量産フェーズの設備投資に限られます。 試作・開発段階の設備は対象になりません。
