事業を譲る側と引き継ぐ側は、それぞれ別に申請できます。経費の1/2が戻り、上限は1人50万円です。先に発注すると対象外になるので、順番だけは最初に押さえてください。
八幡浜市の事業承継補助金は、市内の事業を次の代につなぐ費用を支えます。譲る側なら専門家への相談料や不要資産の処分費、引き継ぐ側なら店舗の改装や設備の購入などが対象です。
八幡浜市 事業承継補助金の要点まとめ
正式名:八幡浜市事業承継補助金
だれが
- 申請者
- 事業を譲る側(被承継者)または引き継ぐ側(承継者)
- 対象業種
- 農林漁業・金融保険業・風俗営業などを除く
- 利用目的
- 事業承継にかかる経費
- 対象地域
- 愛媛県八幡浜市
- 従業員数
- 法人は中小企業基本法の中小企業者(本文の表を参照)
いくら
- 補助上限額
- 50万円
- 補助率
- 1/2以内
いつ・どこへ
- 申請受付
- 公式ページに期間の記載なし
- 事業の完了
- 申請年度の3月31日まで
うちは対象になる?
次の6つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 6
個人の場合は、市内に住民登録があることも条件です。事業承継を機に市外から転入する人は、承継が完了するまでに住民登録されれば構いません。
法人の場合は、中小企業基本法の中小企業者であることも求められます。業種ごとに決まった資本金か従業員数の、どちらか一方が上限以内なら該当します。
| 業種 | 資本金 | 従業員数 |
|---|---|---|
| 製造業・建設業・運輸業などその他 | 3億円以下 | 300人以下 |
| 卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
| サービス業 | 5,000万円以下 | 100人以下 |
| 小売業 | 5,000万円以下 | 50人以下 |
| ゴム製品製造業 | 3億円以下 | 900人以下 |
| ソフトウェア業・情報処理サービス業 | 3億円以下 | 300人以下 |
| 旅館業 | 5,000万円以下 | 200人以下 |
この表は市の資料には載っていません。中小企業の範囲として、神奈川県の公募要領が示している数字と同じものです。自分の業種がどこに当たるか迷うときは、商工観光課で確かめてください。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 農林漁業・金融保険業の事業
- ✕ 交付決定の前に発注した経費
- ✕ 経費の合計が税抜10万円未満
商工会議所と商工会は、八幡浜商工会議所か保内町商工会のどちらかです。承継の後に入会する形でも認められます。資格が必要な事業は、承継までに資格を持つ見込みがあれば足ります。
いくら戻ってくる?
補助額は、税抜の対象経費に1/2を掛けた額です。1,000円未満は切り捨てます。上限の50万円に届くのは、税抜で100万円以上かかったときです。
- 譲る側が専門家に事業承継計画の策定を委託する:40万円 × 1/2 = 20万円
- 引き継ぐ側が店舗の改装工事をする:120万円 × 1/2 = 60万円 → 上限の50万円
- 引き継ぐ側が備品を買い、税抜15万5,000円かかる:15万5,000円 × 1/2 = 7万7,500円 → 7万7,000円
- 税抜の合計が8万円にとどまる:10万円に届かないため対象外
金額は計算の仕方を示す例です。実際の見積額は、依頼先から取った見積書で確かめてください。
同じ案件で、譲る側と引き継ぐ側がそれぞれ1回ずつ交付を受けられます。2回目の申請はできません。
何に使える?
対象にならないもの
- 交付決定より前に発注・契約・支払いをした経費
- 消費税と地方消費税の分
- 国や県などの同種の補助金と重複する経費
対象になるもの
- 譲る側:専門家(税理士・中小企業診断士など)への相談料、事業承継計画の策定や企業価値の算定の委託料
- 譲る側:事業譲渡に伴う廃業費用、不要資産の処分費用
- 引き継ぐ側:登記や許認可の申請の書類作成費、行政書士などへの手続報酬
- 引き継ぐ側:承継に伴う工事・修繕費、設備・備品の購入費、広告宣伝費
公式ページは「主な対象経費」として上の項目を挙げています。ここに載っていない経費でも、市長が事業承継に必要と認めれば対象になる場合があります。載っていない経費を使うなら、発注の前に商工観光課へ聞いてください。
申請の流れ
- 商工会議所か商工会に相談し、事業承継計画書を作る(申請者→八幡浜商工会議所/保内町商工会。申請の前に)
- 交付申請書を市に出す(申請者→商工観光課。発注・契約の前に)
- 交付決定通知書を受け取る(市→申請者。着手はこの通知のあと)
- 事業を進め、支払いまで終える(申請者。申請年度の3月31日までに)
- 実績報告書を出す(申請者→商工観光課。事業の完了後30日以内か3月31日の、早いほうまでに)
- 確定通知を受けて請求書を出す(申請者→商工観光課。そのあと指定の口座に振り込まれます)
実績報告の時点で事業承継が終わっていなければ、事業承継完了報告書が別に要ります。完了の期限は、実績報告を出した日から1年です。
支払いの期限と承継そのものの期限は別です。経費の支払いは申請年度の3月31日までに終えます。承継の完了は、それより後でも構いません。
必要な書類
準備できた 0 / 9
納税証明書は、譲る側と引き継ぐ側の両方の分が要ります。履歴事項全部証明書は法人の場合、確定申告書か開業届は個人事業主の場合です。住民票は個人の場合だけで、マイナンバーの記載がないものを出します。
誓約書と同意書は、自筆の署名か押印が必要です。専門家に委託する場合は、契約書(案)か相談申込書の写しも添えます。売買契約書などを作っているときは、その写しも出します。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に着手した:交付決定日より前の発注・契約・支払いは、対象外です。発注の前に、申請を済ませてください。
- 年度内に支払いが終わらなかった:支払いが3月31日を過ぎた経費は対象になりません。年度の後半に申請するほど、日程が厳しくなります。
- 承継から3年以内に廃業や転出をした:事業が完了した日から3年以内に廃業したり、市外へ本店を移したりすると、交付決定が取り消されることがあります。取り消されると、返還を命じられます。
- 承継が期限までに終わらなかった:実績報告の時点で未完の場合、報告から1年以内に完了しないと取り消しの対象です。
受付期間と予算について
案内ページ、交付要綱、チラシのどれにも、申請の受付期間は書かれていません。予算の額も出ていません。要綱は「予算の範囲内で」交付すると定めています。
期限がない制度は、通年で受け付けて予算が尽きたら終わる形が多くあります。ただし八幡浜市は、そのとおりだと明記していません。公式に言えるのはここまでで、これより先は商工観光課の判断です。
編集部としては、申請の前に電話で受付の状況を聞くことを勧めます。事業承継計画書は商工会議所や商工会の支援を受けて作るため、時間がかかります。受付の状況を聞くのと同時に、計画書づくりも早めに始めておくと動きやすくなります。
よくある質問
譲る側と引き継ぐ側のどちらが申請できますか?
どちらも申請できます。要綱は、市内の事業所で事業を営む被承継者(譲る側)と、事業を引き継ぐ承継者(引き継ぐ側)を補助対象者としています。ただし対象経費は立場によって違います。譲る側は専門家への相談料や不要資産の処分費、引き継ぐ側は工事・設備・登記などの費用です。自分の立場で使える経費かどうかを、見積もりを取る前に確かめてください。
譲る側と引き継ぐ側で、それぞれ50万円もらえますか?
上限は、申請する人ごとに50万円です。要綱は、交付の回数を同じ事業承継の案件につき被承継者と承継者それぞれ1回限りと定めています。合計で100万円と決まっているわけではなく、実際の額はそれぞれの経費の1/2で決まります。経費が少なければ、上限には届きません。
商工会議所や商工会の会員でないと申請できませんか?
申請の時点で会員でなくても、承継のあとに入会する形で足ります。会員になる先は、八幡浜商工会議所か保内町商工会のどちらかです。事業承継計画書も、このどちらかの支援を受けて作る必要があります。会員の条件と計画書の支援がつながっているので、申請の前に一度どちらかの窓口へ相談に行くのが近道です。
事業承継計画書は、決まった様式がありますか?
様式は自由です。ただし、八幡浜商工会議所か保内町商工会から指導や支援を受けて作ったものに限ります。自分だけで書いた計画書は、条件を満たしません。内容に何を書くかは公式ページに細かい指定がないため、相談先の窓口で聞きながら進めるのが確実です。申請書を出すときに添付する書類のひとつです。
経費の合計が10万円に届かないときはどうなりますか?
対象になりません。補助を受けるには、対象経費の合計が税抜で10万円以上であることが条件です。10万円ちょうどなら補助額は5万円です。上限の50万円に届くのは、税抜100万円以上のときです。見積もりを取るときは、消費税を除いた額で合計を確かめます。
消費税は補助の対象に入りますか?
入りません。対象経費は、消費税と地方消費税に当たる額を除いた金額です。見積書や請求書に税込の金額が書かれているときは、税抜の額に直して計算します。補助額を1/2で出すときも、10万円以上かどうかを見るときも、税抜の額が基準です。たとえば税込11万円の見積もりは、税抜では10万円です。ちょうど下限になるので、見積書の金額は発注前に税抜で確かめておくと安心です。
もう発注してしまった経費でも申請できますか?
その経費は対象外です。交付決定日より前に着手した発注・契約・支払いは補助されません。すでに一部を発注済みでも、交付決定のあとに新しく発注する別の経費があれば、その分は申請できます。どの経費が対象になるかは、申請の前に商工観光課へ電話で確かめてください。
3月31日までに事業承継が終わらないと対象外ですか?
承継そのものが3月31日までに終わらなくても、対象外にはなりません。期限があるのは経費の支払いで、申請年度の3月31日までに終えます。承継は、実績報告を出した日から1年以内に完了すればよいと要綱が定めています。完了したら事業承継完了報告書を出します。1年を過ぎると、交付決定が取り消される場合があります。
承継のあとに廃業したら、補助金を返しますか?
返還を求められる場合があります。要綱は、事業が完了した日から3年以内に廃業したときや、本店や主たる事業所を市外に移したときに、交付決定を取り消せると定めています。取り消しになると、すでに受け取った分の返還を命じられます。死亡や天災など、やむを得ない事情があると市長が認めた場合は除かれます。
国や県の補助金と一緒に使えますか?
同じ経費に、国・県などが実施する同種の補助金を重ねて受けることはできません。別々の経費に、別の制度を使うのは妨げられていません。たとえば工事の費用にこの補助金を使い、別の専門家費用に別の制度を使う形です。使う予定の制度があれば、どの経費をどちらに充てるか、先に商工観光課へ伝えておくと安心です。
申請の受付はいつまでですか?
公式ページ、交付要綱、チラシのいずれにも、受付期間は書かれていません。予算の範囲内で交付する制度なので、予算がなくなれば終わる可能性があります。ただし、そう明記されているわけではありません。確かなことは、商工観光課(0894-22-3101)に聞いてください。申請は発注の前に済ませる必要があるため、早めの確認が欠かせません。
問い合わせ先はどこですか?
八幡浜市の産業建設部 商工観光課(電話 0894-22-3101)です。受付時間は、市役所の開庁時間(平日の午前8時30分から午後5時15分)に合わせて考えてください。事業承継計画書の作り方と会員になる手続きは、八幡浜商工会議所か保内町商工会の窓口です。
