定年を65歳に引き上げれば、65歳超雇用推進助成金は自動的にもらえるのか。もらえません。就業規則に書いて労働基準監督署に届け出るだけでなく、制度を実施した月の翌月から4か月以内の、各月1日から15日に申請しないと受け付けてもらえないからです。
コースは3つあり、申請の順番が逆です。定年の引上げや廃止は実施したあとに申請し、評価・賃金制度の整備と有期社員の無期化は、始める前に計画の認定を受けます。申請先は厚生労働省ではなく、委任を受けて運営するJEED(独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構)の都道府県支部です。
65歳超雇用推進助成金の要点まとめ
正式名:65歳超雇用推進助成金(3コース)
だれが
- 申請者
- 雇用保険適用事業所の事業主(法人・個人事業主)
- 対象業種
- 業種の指定なし
- 利用目的
- 定年引上げ・高年齢者の雇用管理整備・無期雇用転換
- 対象地域
- 全国
- 従業員数
- 規模の指定なし(中小企業かどうかで額が変わるコースあり)
いくら
- 補助上限額
- 上限400万円(無期雇用転換コース。年度ごと10人まで)
- 補助率
- 定額(コース・人数・引上げ年齢で額が変わる)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 通年(コースごとに申請期間あり。予算に達し次第、受付停止)
- 公式サイト
- JEED「助成金」
自社に合うのはどのコース?
| コース | 取り組み | 申請のタイミング |
|---|---|---|
| 65歳超継続雇用促進 | 65歳以上への定年引上げ、定年廃止、66歳以上の継続雇用制度の導入、他社による継続雇用制度の導入 | 実施したあと(事後) |
| 高年齢者評価制度等雇用管理改善 | 高年齢者の評価・賃金制度、労働時間、研修、健康管理などの整備 | 始める前に計画の認定(事前) |
| 高年齢者無期雇用転換 | 50歳以上で定年前の有期契約社員を無期雇用に転換 | 始める前に計画の認定(事前) |
事前のコースは、計画の実施期間の外で行った措置が対象になりません。計画の認定を受ける前に、制度を始めてしまわないでください。
自社は対象になる?
3コースに共通する条件から確認します。次の4つに当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 4
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 就業規則に書かず、運用だけで実施
- ✕ 過去の年度の労働保険料が未納
- ✕ 1年以内に労働関係法令違反で送検
- ✕ 国や地方公共団体
補足です。継続雇用促進コースと評価制度等コースでは、勤続1年以上で60歳以上の雇用保険被保険者が1人以上いることも要ります。高年齢者雇用推進者とは、高年齢者の雇用管理を進める担当者として選ぶ人です。この被保険者に、短期雇用特例被保険者と日雇労働被保険者は含みません。労働保険料は、令和8年度の申請なら令和6年度以前の分が見られます。このほか、暴力団と関わりのある事業主、性風俗関連営業や接待を伴う飲食等営業を行う事業主、申請日か支給決定日に倒産している事業主、不正受給から5年たっていない事業主も受給できません。
労働関係法令違反とは、労働基準監督署などの告訴・告発で送検された場合のことです。申請日の前日から1年前までの間が見られます。
高年齢者雇用安定法に反する定めがないことの中身は次のとおりです。同法第8条は「60歳以上の定年を定めること」、第9条第1項は「定年の引上げ・継続雇用制度の導入・定年の廃止のどれかで65歳までの雇用を確保すること」を求めています。この2つと違う定めが就業規則にあると、対象になりません。
コース別の対象の線引き
| 対象になる | 対象にならない | |
|---|---|---|
| 65歳超継続雇用促進 | 旧定年を上回る65歳以上への定年引上げ(旧定年が70歳未満)、定年廃止、旧定年・旧継続雇用年齢を上回る66歳以上の継続雇用制度 | すでに70歳以上の継続雇用制度がある事業主が、希望者全員への切り替え以外で新たに導入する場合 |
| 高年齢者評価制度等雇用管理改善 | 55歳以上を対象に規定した制度を、1人以上の支給対象被保険者に実施 | パソコン研修など業務上必要な研修だけの制度 |
| 高年齢者無期雇用転換 | 50歳以上で定年年齢未満、有期契約の通算期間が1年以上5年以内の人 | 労働契約法による申込みで無期転換した人、派遣労働者、64歳以上 |
無期雇用転換コースは、転換前の3年以内に同じ事業主で無期雇用だった人も対象外です。入社時に無期雇用にすると約束して雇った人も外れます。
中小企業事業主の判定
評価制度等雇用管理改善コースと無期雇用転換コースは、中小企業事業主かどうかで額が変わります。資本金か常時雇用する労働者数の、どちらか一方が下の表の範囲なら中小企業事業主です。支給申請日の前日の状況で判定します。
| 業種 | 資本金・出資の総額 | 常時雇用する労働者数 |
|---|---|---|
| 小売業(飲食店を含む)・サービス業 | 5,000万円以下 | 小売業50人以下・サービス業100人以下 |
| 卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
| その他の業種 | 3億円以下 | 300人以下 |
個人や各種の法人などは、労働者数だけで判定します。
いくらもらえる?
コース別の最大は、継続雇用促進が240万円(対象被保険者10人以上の定年廃止)、評価制度等が90万円(措置60万円+機器の上乗せ30万円)、無期雇用転換が年度ごとに400万円(40万円×10人)です。
65歳超継続雇用促進コース
支給額は、対象被保険者の人数と、実施した制度、引上げ年齢で決まります。対象被保険者とは、事業主に1年以上継続して雇われている60歳以上の雇用保険被保険者のことです。
引上げ年数は、引上げ後の年齢(職種などで違うときは最も低い年齢)と、改正前の就業規則の年齢との差で数えます。下の表の66〜69歳への引上げにある「5歳未満」「5歳以上」は、この引上げ年数のことです。
定年の引上げ・廃止
| 対象被保険者 | 65歳へ引上げ | 66〜69歳(5歳未満) | 66〜69歳(5歳以上) | 70歳以上へ引上げ | 定年廃止 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1〜3人 | 15万円 | 25万円 | 40万円 | 45万円 | 60万円 |
| 4〜6人 | 20万円 | 32万円 | 65万円 | 70万円 | 120万円 |
| 7〜9人 | 25万円 | 39万円 | 110万円 | 115万円 | 180万円 |
| 10人以上 | 30万円 | 46万円 | 135万円 | 140万円 | 240万円 |
66歳以上の継続雇用制度の導入
| 対象被保険者 | 66〜69歳(希望者全員) | 66〜69歳(対象者基準あり) | 70歳以上(希望者全員) | 70歳以上(対象者基準あり) |
|---|---|---|---|---|
| 1〜3人 | 22万円 | 20万円 | 40万円 | 36万円 |
| 4〜6人 | 37万円 | 32万円 | 65万円 | 60万円 |
| 7〜9人 | 60万円 | 50万円 | 105万円 | 95万円 |
| 10人以上 | 90万円 | 75万円 | 130万円 | 120万円 |
対象者基準とは、継続雇用の対象を会社が設けた基準に合う人に限る仕組みです。
他社による継続雇用制度の導入
| 対象被保険者 | 66〜69歳(希望者全員) | 66〜69歳(対象者基準あり) | 70歳以上(希望者全員) | 70歳以上(対象者基準あり) |
|---|---|---|---|---|
| 1〜3人 | 20万円 | 16万円 | 32万円 | 30万円 |
| 4〜6人 | 30万円 | 26万円 | 50万円 | 45万円 |
| 7〜9人 | 50万円 | 40万円 | 85万円 | 75万円 |
| 10人以上 | 70万円 | 60万円 | 105万円 | 100万円 |
定年引上げと継続雇用制度の導入を併せて実施しても、支給されるのは高いほうの額だけです。
高年齢者評価制度等雇用管理改善コース
| 措置 | 中小企業事業主 | 中小企業以外 |
|---|---|---|
| 高年齢者の職業能力を評価する仕組みを活用した賃金・人事処遇制度の導入・改善 | 60万円 | 45万円 |
| 労働時間・在宅勤務・研修・健康管理などの制度の導入・改善 | 30万円 | 23万円 |
措置の実施に必要な機器等を導入した場合は、導入経費(上限50万円)に60%(中小企業以外は45%)をかけた額が上乗せされます。100円未満は切り捨てです。1つの計画で複数の措置を講じても、措置分は最も高い1つだけが支給されます。
高年齢者無期雇用転換コース
対象労働者1人につき40万円(中小企業以外は30万円)です。支給の上限は、1支給申請年度(4月〜3月)、1適用事業所あたり10人までです。
計算例
- 製造業が定年を60歳から70歳に引き上げ、対象被保険者が5人:4〜6人の「70歳以上へ引上げ」で70万円
- 小売店が定年を廃止し、対象被保険者が12人:10人以上の「定年廃止」で240万円
- 事務所が63歳までの継続雇用を、希望者全員の70歳までに改め、対象被保険者が8人:7〜9人の「70歳以上(希望者全員)」で105万円
- 中小企業が賃金・人事処遇制度を導入し、機器に30万円かけた:60万円 + 30万円 × 60% = 78万円
- 同じ中小企業が機器に80万円かけた:60万円 + 50万円(上限)× 60% = 90万円
- 介護事業所が有期の介護職員3人を無期に転換(中小企業事業主):40万円 × 3人 = 120万円
- 同じ事業所が12人を転換した場合:40万円 × 10人(上限)= 400万円
機器の導入経費は、80万円かけても対象になるのは上限の50万円までです。上乗せは最大でも30万円になります。
機器の導入費は、どこまで経費になる?
継続雇用促進コースと無期雇用転換コースは、定額の支給で経費は見られません。経費が論点になるのは、評価制度等雇用管理改善コースの機器等だけです。
対象にならないもの
- 認定された計画に予定されていない機器
- 制度の導入に必要な専門家やコンサルタントへの委託費・相談費
- 法令で事業主に義務づけられた設備の導入
- 高年齢者に限らず、作業全般の効率化につながるもの
- 主に高年齢者の精神的な負担の軽減を目的とするもの
- 利用者へのサービス向上につながるもの
- 振込手数料などの二次的な費用
- 事業主以外の名義で購入したもの(リース契約を除く)
- 事業主や役員、その親族、従業員が関わる取引
- 帳簿の上だけで、実際の支払いがないもの
対象になるもの
- 認定された措置の実施に必要な機器・システム・ソフトウェア
- 計画の実施期間内に導入し、支給申請日までに支払いを終えたもの
- 領収書の但し書きが具体的で、契約書の相手と領収書の宛名が一致するもの
対象になるかは、高年齢者以外にも広く使えるものでないかなどを見て、JEEDが個別に判断します。支給申請書には、経費を税込みで書きます。
申請の流れは?
65歳超継続雇用促進コース(事後申請)
- 就業規則を改め、制度を施行する(事業主。定年引上げなどを規定)
- 労働基準監督署に就業規則を届け出る(事業主→労働基準監督署。意見書つき)
- 高年齢者雇用推進者を選び、高年齢者雇用管理の措置を実施する(事業主。申請日の前日まで)
- 支給申請書を出す(事業主→JEEDの都道府県支部。施行日の属する月の翌月から4か月以内の各月1日〜15日。15日が土日祝なら翌開庁日)
- 審査を受け、支給の決定後に振り込まれる(JEED本部→事業主)
施行日の属する月は申請期間に入りません。6月1日に施行した場合、申請できるのは7月1日から10月15日までです。
高年齢者評価制度等雇用管理改善コース(事前申請)
- 高年齢者雇用推進者を選ぶ(事業主。計画書を出す日の前日まで)
- 雇用管理整備計画書を出す(事業主→都道府県支部。計画の開始日の6か月前から3か月前まで)
- 計画の認定を受ける(JEED→事業主)
- 実施期間(1年以内)に措置を実施する(事業主。就業規則等の施行と労働基準監督署への届出を含む)
- 実施確認期間(計画終了日の翌日から6か月)に運用する(事業主)
- 支給申請書を出す(事業主→都道府県支部。実施確認期間の終了後、2か月以内)
計画の実施期間が2027年2月1日から2028年1月31日なら、計画書は2026年8月1日から11月1日に出します。支給申請は2028年8月1日から9月30日です。
高年齢者無期雇用転換コース(事前申請)
- 無期転換の制度を就業規則等に規定する(事業主。実施時期を明示し、通算5年以内の有期契約の人が対象)
- 高年齢者雇用推進者を選び、雇用管理の措置を実施する(事業主。計画書を出す日の前日まで)
- 無期雇用転換計画書を出す(事業主→都道府県支部。計画の開始日の6か月前から3か月前まで。計画期間は2〜3年)
- 認定を受けてから、計画期間内に転換する(事業主→労働者)
- 転換後6か月分の賃金を払う(事業主。働いた日数が11日未満の月は除く)
- 支給申請書を出す(事業主→都道府県支部。その賃金を払った日の翌日から2か月以内)
計画期間中に、1年ごとに1度も事業主都合で転換を実施しなかった場合は、その計画は失効します。
必要な書類
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上の表は、継続雇用促進コースの支給申請を中心にしています。評価制度等と無期雇用転換は計画書と支給申請書の2回に分かれ、書類の一覧は各コースの手引きの提出書類チェックリストにあります。
就業規則は、原則として改正前も改正後も労働基準監督署の受領印があるものが必要です。賃金台帳は、雇用保険の加入期間が1年未満か休職中の人の分だけです。登記事項証明書は、個人事業主なら所得税申告書か開業届の写しになります。登記情報提供サービスの印刷は認められません。
紙で出すときの添付書類は、2部ずつです。申請書などの様式を手書きした場合は、原本1部と写し2部になります。電子申請(e-Gov)でも申請できます。マイナンバーが書かれた書類は、黒塗りして出します。
一度出した書類は、事業主の都合で差し替えたり訂正したりできません。作成していなかった書類を、申請のために後から作ることも不適切です。
よく誤解されるポイント
運用では認められず、就業規則の条文で判断される
実際に65歳まで雇っていても、就業規則に書かれていなければ対象外です。助成金は書類で要件を確かめる「制度助成」だからです。労働基準監督署の指導で実施している、事前に確認してもらっている、といった申し立ても考慮されません。申立書は審査の書類として扱われません。
「実施日」は施行日で、その月は申請できない
制度を実施した日は、改正後就業規則の施行日です。施行日の属する月は申請期間に入らず、翌月から4か月以内の各月1日〜15日が申請期間になります。就業規則は施行だけでなく、労働者への周知も義務です。
有期雇用のパートは「対象被保険者」に入らない
継続雇用促進コースの対象被保険者は、定年前に期間の定めのない契約だった人か、改正前の定年後に継続雇用制度で雇われている人です。定年前から有期契約の人は外れます。60歳以上でも、勤続が1年に満たない人は数えません。
段階的に引き上げると、2回目が対象外になることがある
定年を70歳に引き上げたあと71歳以上にしても、旧定年が70歳以上なので2回目は対象外です。定年65歳のまま、希望者全員の70歳までの継続雇用を導入したあとに72歳へ引き上げる場合も、対象外です。1回目の結果を確認してから、2回目を検討してください。
令和7年度と令和8年度では、適用される制度が違う
令和7年12月から令和8年3月に制度を実施した場合も、申請が令和8年4月8日以降なら令和8年度の制度が適用されます。申請書類のページも、令和7年度制度と令和8年度制度で分かれています。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 申請期間を過ぎた:期間外の書類は、天災などやむを得ない場合を除いて受理されません。郵送は到着日が基準で、消印日ではありません。
- 就業規則に書かれていない:制度も、高年齢者雇用安定法と違う定めがないことも、条文で確認されます。
- 予算の上限に達した:月ごと・四半期ごとの予算上限を超えそうなときは、予告なく申請の受付が止まります。
- 計画と違う内容で実施した:評価制度等では、変更の手続きを経ずに認定された内容と違う実施をすると、対象にならないことがあります。
- 事業主都合で離職させた:無期雇用転換では、転換日の前日から6か月前〜1年後までに、事業主都合で被保険者を離職させていないことが要ります。倒産・解雇などを理由に離職して特定受給資格者と決まった人が、転換日の被保険者数の6%を超える場合も外れます(3人以下は除く)。
- 不正受給:返還に加え、年3%の延滞金と返還額の20%の支払いを命じられ、5年間受給できません。事業主名が公表されます。
令和8年度の見直しと、併給・税金
令和8年4月8日に支給要領が改正されました。継続雇用促進コースの支給額は、15〜160万円から15〜240万円の範囲に変わりました。他社による継続雇用制度の導入は、定率助成から定額助成に変わっています。
あわせて、1事業主1回限りの支給が廃止されました。継続雇用制度は、希望者全員に加えて、対象者基準に合う人を対象にする制度も対象に入っています。措置の実施に必要な専門家等への委託の要件も、なくなりました。
併給調整は、同じ事由や同じ経費に対して、国や地方公共団体の補助金・助成金を受けたときにかかります。ほかの雇用関係助成金は、厚生労働省の併給調整早見ツールで確認してください。JEEDの70歳雇用推進プランナーなどの企画立案サービスも、過去1年以内に受けて同一内容なら対象です。
助成金は、消費税の課税対象外です。法人税では支給決定のあった事業年度の益金に、所得税では支給決定のあった年の事業所得の収入に入ります。
よくある質問
どこに申請すればよいですか?
事業主の主たる雇用保険適用事業所(本社など)がある都道府県のJEED支部で、高齢・障害者業務課が窓口です。東京と大阪は高齢・障害者窓口サービス課です。評価制度等と無期転換の計画書は、主たる事務所か、措置を実施する事業所の所在地の支部に出します。労働局やハローワークではありません。持参・郵送・電子申請のいずれかで出せます。
3つのコースを同時に申請できますか?
コースごとに別の制度で、要件も対象者も違います。コース同士を組み合わせる場合の可否は、手引きに明記が見つかりませんでした。同じ事由や同じ経費で、2つ以上の助成金が同時に申請されると、一方しか支給されないことがあります。組み合わせるときは、事前に都道府県支部に確かめてください。計画の認定と申請期間は、コース別に管理します。
定年を63歳から65歳に引き上げます。対象被保険者は3人です。いくらですか?
65歳への定年引上げで、対象被保険者が1〜3人の区分なので15万円です。引上げ年数は、改正前の就業規則の63歳と、引上げ後の65歳との差で数えます。66歳以上に引き上げる場合は、66〜69歳の列になります。支給されるのは、実際に対象被保険者と認められた人数の区分の額です。10人と見込んで申請しても、条件を満たす人が少なければ区分が下がります。
対象被保険者は、パートも数えますか?
数えるのは、勤続1年以上で60歳以上の雇用保険被保険者のうち、定年前に期間の定めのない契約だった人か、定年後に継続雇用制度で雇われている人です。定年前から有期契約のパートは外れます。短期雇用特例被保険者と日雇労働被保険者も含みません。兼務役員と同居の親族は、それぞれ雇用実態証明書を出していれば被保険者として扱われます。
継続雇用制度を導入するだけでも使えますか?
使えます。旧定年と旧継続雇用年齢の両方を上回る66歳以上の継続雇用制度の導入が対象です。令和8年度から、希望者全員だけでなく、対象者基準に合う人を対象にする制度も対象に入りました。希望者全員のほうが金額は高めです。すでに70歳以上の継続雇用制度が対象者基準だった事業主は、希望者全員の制度を新たに入れた場合に限ります。
従業員が10人未満で、改正前の就業規則を届け出ていません。使えますか?
使える場合があります。常態として使用する労働者が10人未満のままなら、改正前の就業規則の届出は求められず、「旧就業規則に関する申立書」を出します。ただし改正後の施行日の前日までに10人以上になっていた事業場は、改正前も改正後も、申請日の前日までに届出が必要です。改正後の就業規則は、人数にかかわらず届け出ます。
申請期間を1日過ぎてしまいました。受け付けてもらえますか?
天災などやむを得ない場合を除いて、受理されません。各月の期間は、月初から15日まで(15日が土日祝なら翌開庁日)です。たとえば6月に施行したなら、7月から10月までの各月に申請の機会があります。期間を逃しても、残りの月に出せるなら間に合います。最後の月の15日を過ぎると、その施行分は対象外です。
評価制度等コースで、どんな措置が対象ですか?
賃金・人事処遇制度、労働時間制度、在宅勤務制度、研修制度、健康管理制度の導入・改善などです。55歳以上を対象に労働協約か就業規則に規定し、1人以上の支給対象被保険者に実施します。研修は1人4時間以上で、業務遂行の過程の外で行うものです。健康管理は、法定の健康診断以外で、費用の半額以上を事業主が負担する検診などが対象です。
無期雇用転換コースで、通算5年を超えた有期契約の人は対象ですか?
対象外です。有期契約の通算期間が転換日で1年以上5年以内の人が対象です。5年を超えて、労働契約法に基づき本人の申込みで無期になった人も外れます。契約の間に6か月以上の空白がある場合(通算対象の契約期間が1年未満なら、その半分以上の空白)は、その前の契約期間は通算されません。転換後は、65歳以上まで雇用される見込みがあることも条件です。
申請は電子でもできますか?
e-Gov電子申請で申請できます。持参・郵送でも出せます。社会保険労務士が代行して電子申請するときは、提出代行等に関する証明書が要ります。郵送では、簡易書留などの記録が残る方法を使い、各支部への到着日が申請期間内でなければなりません。システムの停止予定などは、JEEDのお知らせに載るため、期限の近くは先に確認しておくと安心です。
受付が止まったら、どうなりますか?
月ごとや四半期ごとの予算額の上限を超えそうなとき、予告なく申請の受付が止まります。止まった場合の扱いは、手引きに書かれていません。申請に関する重要なお知らせは、JEEDのホームページに載る予定です。申請期間が限られるコースなので、制度を実施したら、早い月に出すほうが安全です。
助成金には税金がかかりますか?
消費税は課税対象外です。法人税では、支給決定のあった日の属する事業年度の益金に入ります。所得税では、支給決定のあった日の属する年の事業所得の総収入金額に入ります。収入として扱われるため、申告の際は、受け取った年度の処理を税理士などに確かめてください。
中小企業かどうかは、いつの時点で判定されますか?
支給申請日の前日の状況で判定します。資本金か出資の総額、または常時雇用する労働者数の、どちらか一方が業種ごとの基準以内なら中小企業事業主です。小売業(飲食店を含む)とサービス業は資本金5,000万円・労働者数はそれぞれ50人と100人、卸売業は1億円・100人、その他は3億円・300人が基準です。
