交付決定の前に修理を済ませてしまった設備でも、補助の対象になるのか。対象になります。7月17日・18日の被災日以降に着手した復旧なら、支払いまで終わっていても申請できます。
足利市の豪雨被害を受けた中小企業が使える補助金で、設備や車両の修繕・更新にかかった費用の20%、上限100万円が出ます。ただし農業者は対象外で、解体費や撤去費のように「対象だと思い込みやすい経費」にも外れるものがあります。
足利市中小企業者復旧支援補助金の要点まとめ
正式名:足利市中小企業者復旧支援補助金
だれが
- 申請者
- 事業者(中小企業者・個人事業主)
- 対象業種
- 農林水産業・医療福祉法人等を除く中小企業
- 利用目的
- 豪雨で被災した事業用設備・車両の修繕、更新
- 対象地域
- 栃木県足利市
- 従業員数
- 中小企業基本法の中小企業者の範囲
いくら
- 補助上限額
- 100万円(1中小企業者あたり、事業所が複数でも合計)
- 補助率
- 対象経費の20%(1/5。税抜)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年9月28日〜2026年12月28日(9月28日は要綱の施行日)
- 事業の完了
- 2027年3月31日まで
- 公式サイト
- 足利市「足利市中小企業者復旧支援補助金」
自分の会社は対象になるのか
次の4つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 4
被災日は令和8年7月17日と18日です。個人事業主も申請できます。申請する設備や車両は、被災日以前から事業に使っていたものに限ります。
「中小企業者」は、中小企業基本法で定められた範囲の会社と個人事業主のことです。業種ごとに資本金や従業員数の基準があり、会社はどちらか一方を満たせば該当します(中小企業庁の定義ページより)。この補助金の公式ページには数字が載っていないため、自社が当てはまるかは産業ものづくり課(0284-20-2110)に確認してください。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 農林漁業者
- ✕ 社会福祉法人、医療法人、NPO法人
- ✕ 学校法人、宗教法人、社団・財団法人
- ✕ みなし大企業
みなし大企業は、中小企業でも大企業の影響が強い会社です。同じ大企業が株式や出資の2分の1以上を持つ、複数の大企業が3分の2以上を持つ、大企業の役員か従業員が役員の半数以上を占める、のどれかに当たると該当します。
株式会社などでも、医療・福祉や農林漁業を主な事業にしていれば対象外です。Q&Aにそう書かれています。
何に使えるのか
対象にならないものを先に見ます。ここで外れる経費が多いので、見積書を取る前に確かめてください。
対象にならないもの
- 商品、材料
- 賃貸物件に付帯する設備
- 設備や車両の解体費、撤去費、運搬設置費
- 車両の廃車費用だけで、買い替えがない場合
- 車両の装備品(車両本体価格だけが対象)
- 被災車両より上の規格の車両への更新
- リース物件の損害金(中途解約金や撤去・廃棄費用)
対象になるもの
- 機械装置、工具、器具備品、建物付属設備の修繕・更新
- 事業用車両の修繕・更新(被災車両と同程度以下)
- リースで導入する設備・車両の本体価格(設置費やオプションは除く)
- 中古の設備・車両の更新(本体価格だけ。条件は新品と同じ)
なぜこの線が引かれているのか
対象は「設備や車両そのものの修繕費・更新費」だけだからです。解体や運搬は設備を直す費用にあたらないとQ&Aに書かれています。被災前に使っていたものを元に戻す補助なので、同程度以下の車両までが対象になります。
事業用車両として認められるのは、次のどれかに当たる車両です。根拠は要綱第3条です。
- 車検証などで事業用として登録されている
- 法人名義(個人事業主は代表者名義)で、固定資産台帳や青色申告決算書に計上されている
- 車体に社名か屋号がある
- 運行記録や業務日報から事業に使っていたと分かる
- 任意保険が「事業使用」の設定で、業務中の事故が保険金の対象になっている
- 市長が事業に使っていると認める(事前相談になります)
申請書には、このうち当てはまるものに印をつける別添のチェックシートが付いています。
いくら補助されるのか
税抜の対象経費の20%で、上限は1中小企業者あたり100万円です。1,000円未満は切り捨てます。
- 工場の機械を修繕した(保険金50万円を受け取った):(150万円 − 50万円)× 20% = 20万円
- 飲食店が水没した冷蔵庫や厨房機器を更新した:80万円 × 20% = 16万円
- 配送用の車両を更新した(本体価格のみ):300万円 × 20% = 60万円
- 設備の修繕に12万3,456円かかった:12万3,456円 × 20% = 2万4,691円 → 2万4,000円
- 機械と車両の復旧に600万円かかった:600万円 × 20% = 120万円 → 上限の100万円
上限の100万円に届くのは、保険金などを引いた対象経費が500万円以上のときです。
下限額は決まっていません。ただし補助額が1,000円以上になる、対象経費5,000円以上が実質の下限です。
保険金や、不要になった設備の売却益は、経費から引いて計算します。車両保険で全額まかなえた場合は対象外です。値引きは、どの設備の費用から引いたかを見積書で示してください。示さなければ、補助対象の経費から先に引いたものとして計算されます。
勘違いされやすい点
- 交付決定の前に着手してよい:公式ページと要綱に、交付決定前に着工・購入・契約した経費も対象と書かれています。ただし審査で一部が対象外になることがあるため、迷う経費は先に相談してください。
- 事業所が2つあっても上限は1つ:両方が被災しても、上限は1事業者100万円です(Q&A)。
- 自動車災害見舞金とは別物:見舞金は自家用車が対象で、この補助金は事業用車両が対象です。併用の可否を悩む必要はありません。
- 他の補助金とは重ねられない:同じ設備・車両について国や県などから補助を受ける、または受ける予定があると、対象になりません。
同じ豪雨の被災者向けでも、農業者向けは別の補助金です。
申請の流れ
修繕・更新が支払いまで終わっているかで、2つの流れに分かれます。
これから行う人、発注したがまだ終わっていない人(パターンA・事前申請)
- 被災証明書を取る(事業者→商業にぎわい課。書面で申請。窓口は市役所別館2階)
- 交付申請書と見積書を出す(事業者→産業ものづくり課。12月28日まで。郵送は必着)
- 交付決定を受ける(足利市→事業者。通知書が郵送されます)
- 修繕・更新をして支払う(事業者→業者。領収書と修繕後の写真を残す。内容が変わるときは変更申請)
- 実績報告と請求を出す(事業者→産業ものづくり課。2027年3月31日まで)
支払いまで終わった人(パターンB・完了同時申請)
- 被災証明書を取る(事業者→商業にぎわい課)
- 交付申請書と実績報告書を同時に出す(事業者→産業ものづくり課。見積書、支払い明細書、領収書、完了後の写真を付ける。12月28日まで)
- 審査と交付決定を待つ(足利市→事業者)
- 請求書を出す(事業者→産業ものづくり課)
振込は、請求書の提出から2週間から1か月ほどかかります。Q&Aでは、実績報告の提出後およそ1〜2か月後とも書かれています。申請は1中小企業者につき1回だけです。
提出方法は4つあります。
- オンライン申請(足利市の電子申請ページ)
- メール(kougyou@city.ashikaga.lg.jp。24時間)
- 郵送(産業ものづくり課宛。期限日までの必着)
- 窓口(市役所本庁舎別館1階の産業ものづくり課。平日9時〜16時30分)
必要な書類
準備できた 0 / 9
申請書は設備用と車両用で様式が分かれています。通帳の名義は申請者と同じにします。車検証は車両の修繕・更新の実績報告で要ります。車両を更新するときは、チェックシートで被災車両との同等性(排気量、積載量、用途、形状など)を車検証から転記し、被災車両を廃車した証明書を出せるかも答えます。被災証明書は、証明書の準備ができたら商業にぎわい課から連絡が来ます(0284-20-2159)。被災証明の申請書では、被災原因の欄に「令和8年7月短時間集中豪雨」と書きます。被害の分かる現場写真(写真で示せないときは、業者が作った証明か見積書)も一緒に出します。
もらえなくなるとき
- 期限に遅れる:交付申請は2026年12月28日まで。事業の完了は2027年3月31日までです。期限を過ぎると交付決定の取消の対象になります。
- 納期が間に合わない:メーカーの納期遅延など、事業者の責任でない理由で3月31日に間に合わないと見込まれるときは、判明した時点で早めに相談してください(Q&A)。
- 保険金で全額まかなえた:復旧費から保険金を引いて残りがなければ、補助は出ません。
- 書類に誤りや虚偽がある:交付決定の取消と、すでに受け取った補助金の返還を命じられることがあります。
よくある質問
個人事業主でも申請できますか?
申請できます。Q&Aに、個人事業主でも対象要件を満たせば申請できると書かれています。要件は、市内に被災した事業所があること、被災日(7月17日か18日)以前から市内で営業していること、被災後も営業を続けること、市税の滞納がないことです。農林漁業を主な事業にしている場合は対象外になるため、事業の中身も確認してください。
社会福祉法人や医療法人は対象になりますか?
対象外です。社会福祉法人、医療法人、NPO法人、学校法人、宗教法人、一般・公益の社団法人と財団法人は、中小企業者の範囲に入らないためです。株式会社などでも、医療・福祉や農林漁業を主な事業にしているときは対象外とQ&Aに書かれています。判断に迷う場合は、産業ものづくり課(0284-20-2110)に事業の内容を伝えて確認してください。
修理を先に終えて支払いも済ませました。申請できますか?
申請できます。被災日の7月17日・18日以降に着手した復旧であれば、完了も支払いも済んでいて構いません。この場合はパターンBの完了同時申請で、交付申請書と実績報告書を一緒に出します。領収書、支払い明細書、完了後の写真を付けて、12月28日までに申請してください。交付決定の前の着手でも対象になりますが、審査で一部が外れることはあります。
設備の撤去費や運搬設置費は補助されますか?
補助されません。対象になるのは、事業用設備や車両そのものの修繕費・更新費だけです。解体費、撤去費、運搬設置費は対象外とQ&Aに書かれています。見積書を取るときは、設備本体の費用と撤去・運搬の費用を項目で分けてもらうと、補助の対象になる金額を確かめやすくなります。補助額の計算には、本体の費用だけを使います。
事業所が2か所あって、両方被災しました。上限は2倍ですか?
上限は2倍になりません。1事業所ごとではなく、1事業者につき合計100万円までです。Q&Aにその旨が書かれています。申請も1中小企業者につき1回だけなので、複数の事業所の復旧費をまとめて申請してください。事業所ごとの費用の見積書を取り、まとめて申請書に書く形になります。
車両はどの程度のものまで買い替えられますか?
被災した車両と同程度以下のものです。同程度かどうかは、排気量か定格出力、最大積載量、用途、自家用か事業用か、車体の形状で確認されます。生産終了などのやむを得ない事情で後継モデルに替える場合は、対象になることがあります。補助の対象は車両本体の価格だけで、装備品は含みません。中古車でも対象です。
リースで導入する設備は対象になりますか?
対象になります。リースで新しい設備や車両を入れる場合は、リース料率をかける前の本体価格の20%が補助の対象で、上限は100万円です。設置費やオプションは含みません。リース物件が被害を受けたときにリース会社へ払う損害金(中途解約金など)や撤去・廃棄費用は、補助の対象外です。リース物件では、保険等の確認・誓約書に、リース会社による証明(本体価格や受取保険金額)が必要です。リース会社への依頼を早めに進め、契約書で本体価格を確認してください。
保険金をもらった場合、補助額はどうなりますか?
保険金は、復旧費から引いて計算します。災害で受け取った保険金や、不要になった設備の売却益が対象です。たとえば修繕に150万円かかり、保険金が50万円なら、補助の計算に使う経費は100万円で、補助額は20万円です。車両保険などで全額をまかなえる場合は、補助の対象外になります。保険の請求は、申請の前に進めておくと計算しやすくなります。
消費税は補助の対象経費に含まれますか?
含まれません。補助対象の経費は税抜の金額で、消費税と地方消費税に相当する額は入りません。見積書や領収書の税込の金額ではなく、税抜の金額に20%をかけてください。1,000円未満の端数は切り捨てます。税抜の金額が見積書に書かれていない場合は、業者に内訳を書いてもらうと、申請書の金額を間違えにくくなります。
納期の遅れで3月31日に間に合いそうにありません。どうすればよいですか?
原則として、2027年3月31日までに納品と支払い、実績報告まで終える必要があります。期限を過ぎると交付決定の取消の対象になります。ただしメーカーの納期遅延など、申請者の責任でない理由で間に合わない見込みのときは、遅れが分かった時点ですぐ産業ものづくり課(0284-20-2110)に相談するよう、Q&Aに書かれています。発注時に納期を確認してください。
