駅の近くの空き店舗で、小さな店を開きたい。物件は見つかったのに、毎月の家賃が開業前の不安として残る。
筑紫野市には、その家賃の一部を市が持つ制度があります。指定地域の空き店舗を借りて開業する人に、1年目は家賃の50%(月5万円まで)、2年目は25%(月2.5万円まで)を補助します。申請は開業前に、筑紫野市商工会を通して出します。公式ページに受付期間の記載はありません。
筑紫野市創業支援事業の要点まとめ
正式名:筑紫野市創業支援事業(空き店舗利用促進補助金)
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人事業主、創業予定の人を含む)
- 対象業種
- 小売業・飲食業・生活関連サービス業(風俗業・夜間のみ営業を除く)
- 利用目的
- 指定地域の空き店舗を借りて開業する際の家賃
- 対象地域
- 福岡県筑紫野市(指定地域内の空き店舗)
- 従業員数
- 規定なし
いくら
- 補助上限額
- 月額5万円(1年目)/月額2.5万円(2年目)
- 補助率
- 50%(1年目)/25%(2年目)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 開業前に商工会経由で申請(受付期間の記載なし)
- 事業の完了
- 年度末(3月末)または補助期間の終了月に完了報告
- 公式サイト
- 筑紫野市「筑紫野市創業支援事業のご案内」
どんな店なら使える?
次の5つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 区域内で閉店して6カ月以内
- ✕ 第三者に転貸する目的
- ✕ 家賃に別の公的補助がある
- ✕ 事務所など店を開けない事業
- ✕ 大型店の中の区画
指定地域は、西鉄二日市駅・JR二日市駅の周辺と、都市計画法上の商業地域・近隣商業地域です。令和8年10月1日に商業地域・近隣商業地域が加わり、広がりました。市のPDFの地図には、二日市駅エリアのほか、湯町周辺、西鉄朝倉街道駅周辺、西鉄筑紫駅周辺、JR原田駅周辺が載っています。物件が入るかは、この地図で確かめられます。
業種は日本標準産業分類(国が業種を番号で整理した分類)で判断されます。自分の計画がどの業種に当たるか迷うときは、先に商工観光課へ問い合わせる手があります。大型店の区画は、大規模小売店舗立地法の大規模小売店舗の敷地内にある空き店舗のことです。空き期間は、仲介業者などの証明で確かめられる必要があります。道路拡幅計画で移転の対象になっている物件などは、条件に合っても対象外になる場合があります。「その他市長が適当でないと認める人」も対象外です。
家賃はいくら戻ってくる?
補助は開業の翌月から始まります。1年目は家賃の1/2で月5万円まで、2年目は1/4で月2.5万円までです。
月ごとの計算は次のとおりです。
- 1年目、家賃8万円 × 1/2 = 4万円
- 1年目、家賃12万円 × 1/2 = 6万円 → 上限の5万円
- 2年目、家賃8万円 × 1/4 = 2万円
- 2年目、家賃12万円 × 1/4 = 3万円 → 上限の2.5万円
家賃10万円の店なら、1年目は月5万円、2年目は月2.5万円です。2年分を足すと、5万円 × 12か月 + 2.5万円 × 12か月 = 90万円になります。上限に届くのは、1年目は家賃10万円以上、2年目も家賃10万円以上のときです。
家賃のどこまでが対象?
対象にならないもの
- 居住部分の家賃
- 敷金・礼金
- 駐車場代・共益費
- 仲介手数料などの諸費用
- 消費税
対象になるもの
- 毎月の店舗の家賃
対象は店舗の家賃だけです。住まいと店が一体の物件では、居住部分を除いた店舗分の家賃で計算することになります。内装工事や設備の購入は、この補助の対象に入りません。
開業前の順番と申請の流れ
この制度は、先に店を開けてからでは申請できません。次の順に進みます。
- 商工会に事前相談する(事業者→筑紫野市商工会。計画段階で、経営計画と資金計画の指導を受ける)
- 申請書類を出す(事業者→商工会経由で筑紫野市 商工観光課。開業前に。事業計画書は商工会の確認を受けたもの)
- 開業して、開業届を出す(補助は開業の翌月から1年間が1年目。開業届は様式第6号)
- 6・9・12月に部分払いを請求する(事業者→筑紫野市。様式第8号)
- 年度末の3月末か、補助期間の終了月に完了報告を出す(事業者→筑紫野市。その年度分の補助金が交付される)
申請と交付は年度ごとです。
必要な書類
準備できた 0 / 6
事業計画書と収支予算書は、筑紫野市商工会の確認を受けたものを出します。「空き店舗期間を証する書類」は、物件の所有者が「1年以上継続して利用されていない」ことを証明する様式です。
開業届(様式第6号)は、交付決定を受けて開業したあとに出す様式で、申請時の書類ではありません。部分払いと完了報告には、家賃の支払いが確認できる賃借料支払証明書を付けます。完了時は完了報告書兼請求書(様式第7号)を使います。内容を変えるときは変更申請書(様式第3号)、やめるときは廃止届(様式第4号)です。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 開業してから申請した:申請は開業前です。計画段階で商工会に相談する前に店を開けると、この順番を満たせません。
- 契約期間が1年未満:空き店舗の賃貸借契約が1年未満の人は対象外です。契約書の期間を先に見ておきます。
- 閉店して6カ月以内:対象区域内で店を閉めてから6カ月以内の人は対象外です。
- ほかの公的補助を受けている:同じ空き店舗の賃借に、国や地方公共団体などの補助がある人は対象外です。
創業塾の受講で広がる選択肢
筑紫野市商工会の「ちくしの創業塾」を受講すると、市が受講証明書を交付します。配信期間は令和8年6月15日から令和9年3月15日までで、受講料は無料です。創業と経営、会計と税金、マーケティング、労務と財務の4テーマ(各2時間)を、オンデマンドで見ます。
受講後は創業計画書を作って商工会に連絡し、個別の支援を受けると、商工会から受講修了証が出ます。修了証などを付けて市に申請すると、証明書が交付されます。証明書があると、次の特例が使えます。
- 株式会社・合同会社を設立するときの登録免許税が軽くなる(資本金の0.7%が0.35%に。最低税額は15万円が7.5万円、合同会社は6万円が3万円)
- 無担保・第三者保証人なしの創業関連保証を、事業開始の6か月前から使える
- 日本政策金融公庫の新規開業・スタートアップ支援資金で、貸付利率が引き下げられる
- 小規模事業者持続化補助金〈創業型〉(上限200万円、補助率2/3)の対象になる
登録免許税の軽減は、会社の設立前に証明書を取る必要があります。他の市区町村で創業する場合や、合名会社・合資会社は軽減を受けられません。軽減を受けるには、会社の発起人で代表者になる個人本人が証明を受けます。証明書の申請は、創業予定の人(6か月以内に創業する個人)か、創業後5年未満の人が、受講の最終日から1年以内に市の商工観光課へ出します。手数料は無料で、交付まで概ね1週間です。
空き店舗の家賃補助の申請条件に、創業塾の受講は書かれていませんでした。家賃補助と創業塾は別の制度として、両方を並べて使う手があります。
よくある質問
開業してから家賃補助を申請できますか?
申請は開業前に行います。計画の段階で筑紫野市商工会に事前相談し、経営計画や資金計画の指導を受けたうえで、申請書に必要書類を添えて商工会経由で商工観光課に出します。開業後に申請できるという記載は公式ページにありません。物件が決まりそうな段階で、契約や開業の前に商工会へ連絡しておくのが安全です。
令和8年10月からの対象エリアの拡大で、何が変わりましたか?
令和8年10月1日から、西鉄二日市駅・JR二日市駅の周辺に加えて、都市計画法上の商業地域と近隣商業地域が指定地域に加わりました。補助率や上限額が変わるとは書かれていません。自分の物件が指定地域に入るかは、市のページに載っている指定地域の地図(PDF)で見られます。迷う場合は商工観光課に住所を伝えて聞く方法があります。
家賃以外の費用は補助されますか?
されません。対象は毎月の店舗の家賃だけです。居住部分の家賃、敷金、礼金、駐車場代、共益費、仲介手数料などの諸費用、消費税は除かれます。内装工事や備品の購入費も、この補助の対象ではありません。資金計画を立てるときは、補助が戻るのは家賃の一部だけだと見込んでおくと、開業直後の手元資金を読み違えません。
3年目以降も補助は続きますか?
公式ページには、開業の翌月から1年間が1/2(月5万円まで)、2年目が1/4(月2.5万円まで)と書かれています。3年目以降の補助は記載がありませんでした。2年分で最大90万円(家賃10万円以上の場合)と見て資金計画を立て、3年目以降は自己負担で組んでおくのが堅い考え方です。気になる場合は商工観光課へ確かめられます。
賃貸借契約の期間が短いと対象外になりますか?
空き店舗の賃貸借契約の期間が1年未満の人は対象外です。たとえば6か月更新の契約だけで借りようとしている場合は、対象にならない可能性があります。契約期間をどう組むかは、貸主との相談になります。契約を結ぶ前に、商工会への事前相談で期間を伝えておくと、あとから対象外と分かる行き違いを防げます。
前に自分が営業していた店の跡地でも使えますか?
対象区域内で店舗を閉店してから6カ月以内の人は、対象外です。区域内の別の店を閉めたあと、すぐに同じ区域の空き店舗で開く場合に引っかかります。また、借りる空き店舗の側は、1年以上継続して利用されていないことが条件です。閉店からの経過月数と、物件の空き期間の両方を、申請の前に確かめます。
事務所だけの開業でも対象になりますか?
対象になりません。店舗として営業しない事業(事務所など)は対象外です。対象業種は小売業、飲食業、生活関連サービス業で、日本標準産業分類で判断されます。計画している業種がどれに当たるかは、個別に問い合わせるよう公式ページに書かれています。風俗業と夜間のみの営業も、対象から外れます。
申請の締切はいつですか?
公式ページに受付期間や締切日の記載はありません。申請と交付は年度ごとに行い、開業前に商工会経由で出す決まりです。予算の上限についても記載を確認できませんでした。締切が見えないぶん、物件を決める前に商工会へ相談し、市に受付状況を聞いておくのが動きやすい進め方です。窓口は商工観光課(092-557-5144)です。
補助金はいつ振り込まれますか?
6月・9月・12月に部分払いを受けられます。部分払いの請求には、補助金部分払請求書(様式第8号)を使います。年度末(3月末)か補助期間の終了月には、事業完了報告(完了報告書兼請求書、様式第7号)を出して、その年度の補助金の交付を受けます。請求には家賃の支払いが確認できる賃借料支払証明書を付けます。具体的な振込日は公式ページに書かれていないため、手元資金には余裕を持たせます。
創業塾を受けないと家賃補助は申請できませんか?
公式ページに、家賃補助の条件として創業塾の受講は書かれていません。必要なのは、計画段階で商工会の経営計画・資金計画の指導を受けることです。創業塾は特定創業支援等事業にあたり、受講すると登録免許税の軽減などの特例が使えます。会社を設立する予定があるなら、家賃補助とは別に受講を考える価値があります。
創業塾の受講証明書は誰が申請できますか?
市内で創業する予定で、事業内容が具体的に決まっている人です。事業を営んでいない個人で、申請日から6か月以内に創業を予定している人か、創業後5年未満の個人・法人が対象です。創業塾を受講した最終日から1年以内に、交付申請書、創業計画書、本人確認書類、商工会の受講修了証の写しを商工観光課へ出します。手数料は無料です。
受講証明書はいつまで使えますか?
有効期限は、令和9年3月31日と、創業している人は開業日(設立年月日)から5年を経過しない日の、どちらか早い日です。登録免許税の軽減を使うなら、会社設立の前に証明書を取って、法人登記のときに原本を法務局へ出します。取得から設立まで時間が空く場合は、この期限に収まるかを先に見ておきます。
問い合わせ先はどこですか?
筑紫野市 環境経済部 商工観光課 商工観光担当(092-557-5144)と、筑紫野市商工会(092-922-2361)です。家賃補助の申請は商工会を経由するので、最初の相談は商工会が窓口になります。商工観光課では、指定地域に入るか、業種が対象かといった個別の確認ができます。
