茅野市に拠点を出したIT企業は、50万円をもらえるのか。もらえます。ただし開設から6か月たってから1年以内に申請する決まりで、早すぎても遅すぎても受け付けてもらえません。
県外に本社があること、民間の空き物件を使うことも条件です。個人事業主は対象外なので、先に自社が当てはまるかを確かめてください。
IT関連企業誘致奨励金の要点まとめ
正式名:茅野市IT関連企業誘致奨励金
だれが
- 申請者
- 県外に本社を置く法人(個人事業主は対象外)
- 対象業種
- IT関連4業種(ソフトウェア業・情報処理サービス業ほか)
- 利用目的
- 市内でのIT関連事業所の開設・操業
- 対象地域
- 長野県茅野市
- 従業員数
- 規定なし(常時雇用の正社員がいること)
いくら
- 補助上限額
- 50万円(1事業者1回限り)
- 補助率
- 定額(50万円)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 開設から6か月後〜1年以内(予算枠に達するまで)
- 公式サイト
- 茅野市「IT関連企業誘致奨励金について」
うちの会社は対象になる?
次の6つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 6
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 個人事業主である
- ✕ 市内にすでに事業所がある
- ✕ 空き物件でない場所を使う
「開設」とは、市内に事業所のない企業が新しく事業所を置くことです。茅野市内にもう拠点がある会社が2つ目を出しても、開設にはなりません。
空き物件は、空き事務所・空き店舗・空き工場・空き倉庫・空き家のことです。事業所には、サーバーなどの機器を置き、従業員が常時勤務している実態が要ります。
業種は日本標準産業分類(総務省が決めた業種の分類)で見ます。対象は次の4つです。
- ソフトウェア業(受託開発・組込み・パッケージ・ゲーム)
- 情報処理・提供サービス業
- インターネット附随サービス業(ポータルサイト運営、アプリ・コンテンツ提供など)
- デジタルコンテンツ業(映画・ビデオ・テレビ番組・アニメの制作や配給)
正社員の人数に下限は書かれていません。要綱では、法人格があり、代表者と常時雇用される正社員がいる会社を「企業」としています。
どこで対象になり、どこで外れる?
線引きが分かれやすいのは次の点です。
| 項目 | 対象になる | 対象にならない |
|---|---|---|
| 本社の所在地 | 長野県外 | 長野県内 |
| 市内の拠点 | これまで無く、新しく開設 | すでに市内に事業所がある |
| 物件 | 民間所有の空き事務所・店舗・工場・倉庫・空き家 | 空きでない物件 |
| 事業主体 | 法人 | 個人事業主 |
| 申請の時期 | 開設から6か月後〜1年以内 | 6か月未満、または1年を過ぎた後 |
| 回数 | 1事業者1回 | 2回目以降 |
県内に本社がある会社や、空きでない物件を使う会社は、この表の右側に入ります。
いくらもらえる?
金額は1事業者につき50万円の定額です。かかった費用に応じて増減しません。
- 賃料の低い小さな事務所:50万円 × 1回 = 50万円
- 賃料と通信費の高い大きな事務所:50万円 × 1回 = 50万円
- 2か所目を開設して再度申請:交付されない(1事業者1回限り)
市のページには、事業所を開設する経費相当分(賃貸借料と通信費など)を奨励金として支給するとあります。実費を精算する仕組みではなく、申請書に領収書を添える決まりもありません。
50万円は何の費用にあたる?
市のページの説明は、事業所の開設にかかる賃貸借料と通信費などの経費相当分です。要綱に、使い道を縛る条文は見当たりません。
対象外の経費を精査して申請する補助金とは違い、「条件を満たした企業に定額を交付する」奨励金です。迷うのは経費ではなく、時期と物件の条件のほうです。
申請の流れ
- 事業所を開設して操業する(事業者。機器を置き、従業員が常時勤務する)
- 開設から6か月たつまで待つ(事業者。この間は申請できない)
- 商工課に事前に相談する(事業者→茅野市 商工課。条件を満たした段階で)
- 書類をそろえて申請する(事業者→茅野市 商工課。開設から1年以内)
- 審査を受け、決定通知を受け取る(茅野市→事業者)
たとえば4月1日に開設したなら、目安は10月1日以降の申請です。1年後の3月末までに出します。申請書には「事業所取得又は賃借開始年月日」と「操業開始年月日」の欄がありますが、どちらを開設日として数えるかは要綱に書かれていません。日付は商工課で確認してください。
申請書は「交付申請書兼請求書(様式第1号)」で、請求書を兼ねています。振込口座を書く欄があり、押印は社印か代表者印です。決定は「交付決定兼確定通知書」で届き、交付決定と金額の確定が1回で済みます。
必要な書類
準備できた 0 / 8
登記簿謄本か住民票は、どちらか一方です。契約書は、物件を買った場合は売買契約書の写しになります。
財務諸表は貸借対照表・損益計算書・株主資本等変動計算書です。ほかに市長が必要と認める書類を求められることがあります。事業計画書には、3年以上操業することが分かる内容を書きます。申請書には「奨励金の支給を受けた後も事業を3年以上継続します」という誓約事項もあります。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 開設から1年を過ぎた:申請は開設から1年以内です。過ぎると受け付けてもらえません。
- 予算枠に達した:予算がなくなると受付が終わります。条件を満たした段階で早めに商工課へ相談します。
- 茅野市中小企業振興条例の対象になる:この条例の適用を受けられる人は、奨励金を受けられません(要綱第9条)。
- 偽りその他不正な手段で受けた:交付の決定が取り消され、すでに受け取った分は返還を求められることがあります。
- 必要な許認可を得ていない:営業に必要な許認可を得ていない人は対象外です。
よく誤解されるポイント
「開設すればすぐ申請できる」わけではない
開設から6か月を経過していることが条件です。開設の直後に申請書を出しても対象になりません。逆に、1年を過ぎると申請できなくなるので、受付に空きがある期間は半年だけです。
申請できるのは、開設から6か月後〜1年以内の半年間と覚えてください。
「拠点が増えるなら対象」ではない
対象は、市内に事業所を持たない企業が新しく開設する場合です。すでに茅野市に事業所を持つ会社が増設しても、この奨励金の「開設」には当たりません。
「賃貸でないと使えない」わけでもない
要綱が求めるのは、民間所有の空き事務所などを利用することです。必要書類には賃貸借契約書と売買契約書の両方が並びます。購入した物件でも、空き物件なら使える余地があります。
ただし購入の場合の扱いは、市のページに細かい説明がありません。商工課に確認してください。
「市の補助金は、年度の締切日までに出せばよい」とは限らない
多くの補助金は年度ごとに締切日が決まりますが、この奨励金は企業ごとの開設日から数えます。市のページに「何月何日まで」という日付はありません。ただし予算枠に達すれば受付は終わります。
よくある質問
個人事業主でも申請できますか?
申請できません。市のページに「法人に限ります。個人事業主は対象となりません」と明記されています。要綱でも、企業とは法人格があり、代表者と常時雇用される正社員がいるものと定めています。個人事業主として市内で開業するつもりなら、この奨励金ではなく、起業や創業を支える別の制度を市の窓口で探すことになります。まず法人化を検討する選択肢もあります。
「県外に本社を置く」とは、登記上の本店のことですか?
要綱は「県外に本社を置くIT関連企業」とだけ書き、本社の判定方法までは書いていません。申請には法人登記簿謄本か代表者の住民票を添えるため、登記された所在地が一つの目安になると考えられます。ただし、登記は県内で実際の本社機能は県外、という場合の扱いは確認できませんでした。判断に迷う場合は、開設する前に商工課へ相談してください。
開設から6か月たたないと、本当に申請できませんか?
できません。対象になる条件の一つが「開設から6月を経過していること」です。事務所に機器を置き、従業員が働いているかの操業確認が条件だと、市のページにも書かれています。申請は6か月が過ぎてから、開設後1年以内の間に出します。早く出しても、その分早く受け取れるわけではありません。
申請はいつまでに出せばよいですか?
開設から1年以内です。たとえば4月に開設したなら、翌年3月までが目安になります。年度ごとの締切日は、市のページにも要綱にも書かれていません。ただし予算枠に達した場合は受付が終わるため、条件を満たした段階で早めに商工課へ相談するよう、市が案内しています。開設日の数え方に不安があれば、あわせて確かめてください。
50万円は、実際にかかった費用の領収書で精算しますか?
精算ではなく、定額の交付です。額は1事業者につき50万円で、費用の多少にかかわらず変わりません。市のページには、事業所を開設する経費相当分(賃貸借料や通信費など)を奨励金として支給するとあります。必要書類に領収書は含まれず、代わりに契約書の写しや現況写真などで、事業所の実態を確かめる流れです。
コワーキングスペースやレンタルオフィスでも対象になりますか?
公式ページには明記がなく、断定できません。要綱が挙げる空き物件は、空き事務所・空き店舗・空き工場・空き倉庫・空き家です。事業所の要件は、機器の設置施設などがあり、従業員が常時勤務していることです。共用型の場所がこれに当たるかは個別の判断になる可能性があるため、契約前に商工課へ確認すると確実です。
社員が全員リモートワークでも大丈夫ですか?
市内の事業所に機器を置き、従業員が常時勤務していることが要件です。市のページでも、事務所内に機器が設置され、従業員を置くなどの操業確認が条件だとされています。全員が市外で在宅勤務をしていて、事務所に誰もいない状態では、この要件を満たさないおそれがあります。勤務の実態は、現況写真や事業計画書で示すことになります。
3年未満で撤退したら、奨励金は返すことになりますか?
要綱に、3年未満で撤退した場合の返還を定めた条文は見当たりません。返還を命じられるのは、偽りその他不正な手段で交付を受けたときと、要綱に違反したときです。とはいえ、申請の条件に「継続的に3年以上事業を行う計画を有すること」があり、申請書にも支給後に3年以上続けるという誓約の欄があります。計画どおりに続ける前提の制度です。撤退の可能性がある場合は、事前に商工課へ確認してください。
同じ会社が、2つ目の拠点でもう一度申請できますか?
できません。申請は1事業者につき1回限りです。市のページにも「1事業者1回限り」と書かれています。そもそも、市内にすでに事業所を持つ企業が新しく事業所を置いても「開設」には当たりません。複数拠点を出す予定があっても、この奨励金を使えるのは、最初の開設のときだけと考えてください。
他の補助金と一緒に使えますか?
要綱で併用を制限しているのは、茅野市中小企業振興条例の適用を受けられる人だけです。この条例の適用を受けられる人は、奨励金を受けられません(第9条)。ほかの国や県の補助金との併用は、市の資料に定めがありませんでした。申請前に、受け取る予定のほかの補助金の窓口と商工課の両方に確認してください。
申請書の様式はどこで手に入りますか?
市のページから、交付申請書兼請求書(様式第1号)のWordファイルをダウンロードできます。同じページに、補助金交付要綱(PDF)とパンフレット(PDF)もあります。申請書には、登記簿謄本または代表者の住民票、財務諸表、位置図・平面図、現況写真、契約書の写し、事業計画書を添えて、茅野市役所の商工課へ出します。
問い合わせ先はどこですか?
茅野市 産業経済部 商工課 工業・産業振興係です。電話は0266-72-2101(内線432)で、メールでの問い合わせフォームもあります。受付は平日の午前8時30分から午後5時15分で、土日祝日と年末年始は閉まっています。条件を満たした段階で一度相談するよう、市のページが案内しているので、書類を出す前に連絡しておくと安心です。
