いま長野県に拠点がないスタートアップでも、この補助金は申請できます。拠点を県内に置くと誓約すれば足ります。そのかわり、外せない条件が1つあります。長野県が登録した「パートナーVC」から出資を受けているか、出資の意向を文書でもらっていることです。
補助するのは県内で行う事業費の1/2で、上限は1,000万円です。締切は2026年11月17日(火)。採択は4件程度で、面談による審査を通る必要があります。
スタートアップ誘致・創出強化事業補助金の要点まとめ
正式名:令和8年度スタートアップ誘致・創出強化事業補助金
だれが
- 申請者
- パートナーVCから出資を受けた未上場のスタートアップ
- 対象業種
- 医療・ヘルスケア、フードテック、環境・エネルギー、モビリティなど
- 利用目的
- 県内で行う事業の人件費、賃借料、設備費、委託費など
- 対象地域
- 長野県
- 従業員数
- 公式ページに記載なし(経営・創業支援課へお問い合わせください)
いくら
- 補助上限額
- 1,000万円か、VCの出資額のどちらか低い額(2年度の合計)
- 補助率
- 対象経費の1/2以内
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年9月〜2026年11月17日
- 事業の完了
- 2027年2月末日まで(2年度計画は2028年2月末日)
自分の会社は対象になる?
次のすべてに当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 6
「県内に本社・事業所・住所がある」と「県内進出を誓約できる」は、どちらか一方で足ります。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 過去にこの補助金を受けた
- ✕ 同一の大企業が株式の1/2以上を持つ
- ✕ 大企業が株式の2/3以上を持つ
- ✕ 役員の1/2以上が大企業の役職員
スタートアップとは、中小企業支援法の規定する会社(中小企業にあたる会社)で、革新的なアイデアで新しい価値を生み出し、急成長を目指す企業のことです。
大企業との関係は、株式や出資の持ち分で見られます。大企業の持ち分が1社で1/2以上、または複数の大企業の合計で2/3以上なら対象外です。役員の半数以上が大企業の役員・職員を兼ねている場合も同じです。
事業分野は、医療・ヘルスケア、フードテック、環境・エネルギー、次世代モビリティ・ものづくりのほか、県内企業との協業や地域の課題解決に役立つ分野です。調査・研究だけの事業と、イベント開催だけの事業は補助の対象になりません。
出資が条件になる話
VCの出資か、VCが書く投資意向確認書がないと、申請そのものができません。投資意向確認書は、出資する額と予定日をVCが書いて県あてに出す書類です。
意向確認書で申請した場合も、出資は補助事業の完了日(2027年2月末日)までに実行されていなければなりません。実行されないと、交付決定が取り消されます。すでに概算払いを受けていれば、返還です。
対象の出資は、パートナーVCからの普通株式・種類株式による出資です。転換社債型新株予約権付社債は対象になりません。
登録されているパートナーVCの一覧は、公式ページと募集要領には見当たりません。出資を相談したいVCが登録されているかは、経営・創業支援課(電話 026-235-7194)に確かめるという手があります。
いくら戻ってくる?
補助額は、次の3つを比べて、いちばん低い額になります。
- 対象経費(税抜)の1/2
- パートナーVCから受けた出資額
- 1,000万円
募集要領には、次の3つの例があります。
- 出資1,500万円、経費2,400万円:2,400万円 × 1/2 = 1,200万円 → 上限の1,000万円
- 出資600万円、経費2,000万円:2,000万円 × 1/2 = 1,000万円 → 出資額の600万円
- 出資1,200万円、経費1,400万円:1,400万円 × 1/2 = 700万円 → 補助率どおりの700万円
出資が少ない会社は、出資額が上限になります。補助金は出資にひも付く「上乗せ」の位置づけです。
2年度にわたる計画も出せます。1,000万円は2年度の合計で、年度ごとの配分は申請者が決めます。補助率の1/2は、年度ごとの経費に掛けます。2年目(令和9年度)の交付は、県の令和9年度予算が成立することが前提です。
何に使える?
対象にならないものを先に挙げます。
- 代表者や役員の人件費
- 交際費、食料費、寄付金、賠償金
- 投資金、出資金、借入金の返済、配当
- 租税、消費税及び地方消費税
- 振込手数料、送金手数料
- 不動産の購入費
- 敷金、礼金、保証料、保険料
- 本人か三親等以内の親族が持つ不動産の借入費用
- 主に販売のための原材料の仕入れ
- 事業計画書などの作成・提出の費用
対象になるのは、交付決定の日以降に発注や契約をして、2027年2月末までに支払いまで終えた経費です。区分は次のとおりです。
- 人件費(補助事業に直接従事する従業員の給与・賃金)
- 店舗賃借料(県内の事務所や店舗の賃借料)
- 設備費(機械装置、工具、器具、備品の購入・製造・改良・据付け・借用・保守・修繕)
- 原材料費(試作や実証に必要な原材料、副資材)
- 知的財産権等関連経費(弁理士費用、出願・登録の経費)
- 専門家経費(謝金、旅費、コンサルティング費用)
- 旅費
- 委託費
- 広報費(印刷製本費、ホームページ制作費、PR動画、展示会出展費など)
- その他(知事が必要と認めた場合のみ)
人件費に県内の事業以外の仕事が混ざる場合は、「年間総支給額(賞与を含む)÷ 年間所定労働時間 × 対象事業への従事時間」で計算します。勤務記録を残しておく必要があります。
経費は原則、銀行振込で払います。支払いの証拠を残すためです。
申請から入金までの流れ
- パートナーVCに出資を相談する(スタートアップ→VC。出資か、投資意向確認書をもらう)
- 事業計画書などを県へメールで出す(スタートアップ→経営・創業支援課。11月17日まで)
- 書類審査と、審査会のプレゼンを受ける(県の一次審査が11月。二次審査は11月下旬)
- 採択の通知を受けて、交付申請をする(県→スタートアップ。条件が付けば計画を直す)
- 交付決定を受けて、事業を始める(県→スタートアップ。11月下旬〜12月上旬の予定。発注はこのあと)
- 2027年2月末までに事業を終え、実績報告を出す(スタートアップ→県。完了から30日後か2月末日の早い方まで)
- 金額が確定し、補助金を受け取る(県→スタートアップ。精算払い)
事業の実施中は、概算払い(先払い)も請求できます。条件は、VCからの出資が実行されていることと、県内に拠点があることの2つです。
必要な書類
準備できた 0 / 10
決算関係書類は直近2期分です。2期分がなければ、出せる直近の年度分を出します。納税証明書は、本社がある都道府県の都道府県税のもので、発行から3か月以内のものです。出資を示す書類は、通帳の表紙と振込金額がわかる部分の写しなどです。出資の前なら、投資意向確認書と契約書案を出します。拠点進出の誓約書は、申請時に県内に拠点がない会社だけが出します。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 出資が実行されなかった:補助事業の完了日までにVCの出資が実行されないと、交付決定の全部か一部が取り消されます。払われた補助金があれば返還で、加算金と延滞金もかかります。
- 交付決定の前に発注した:採択の通知は交付決定ではありません。事前着手届を出していないかぎり、発注や契約は交付決定のあとにします。届出があっても、交付が約束されるわけではありません。
- 内容や配分を勝手に変えた:事業計画や経費の総額・配分を変えるときは、事前に変更承認を受けます。承認前に発注した経費は対象外です。
- 取得財産を勝手に処分した:補助金で取得した財産は、補助の目的以外に使えません。耐用年数の期間内に処分するときは県の承認が要ります。
- 審査委員に個別に説明した:申請者や関係者が審査委員に個別に説明すると、審査対象から外されたり、採択が取り消されたりします。
よくある質問
長野県外のスタートアップでも申請できますか?
申請できます。申請時点で県内に本社・事業所・住所がなくても、県内に拠点を進出させると宣誓すれば対象です。「拠点進出に関する誓約書」を出し、補助事業の完了日までに県内に拠点を置いて、実績報告のときに登記の写しなどを出します。県内の拠点では、申請した事業を実際に行う必要があります。県外の本社のまま事業を続ける形は認められません。
パートナーVCとは何ですか?
長野県が登録した、スタートアップへの投資機能と事業化の支援機能を持つ法人のことです。VCはベンチャーキャピタルの略です。県が要件を審査して登録します(県は「Shinshu Partner VC」の名で募集しています)。この補助金は、VCの出資と県の補助を組み合わせて、スタートアップが県内で成長する資金を増やす仕組みです。どのVCが登録されているかは、公式ページと募集要領には見当たらないため、経営・創業支援課に確かめてください。
まだ出資を受けていませんが、申請できますか?
申請できます。出資の前でも、パートナーVCが書く投資意向確認書(募集要領の別紙1)と契約書案を出せば申請できます。ただし、出資は補助事業の完了日である2027年2月末日までに実行されていなければなりません。実行されないと交付決定が取り消されます。VCとは、出資のタイミングを先に詰めておくのが安全です。
補助額は出資額によって変わりますか?
変わります。補助額は、対象経費の1/2、パートナーVCから受けた出資額、1,000万円の3つのうち、最も低い額です。たとえば出資が600万円なら、経費が2,000万円でも補助は600万円までです。出資額は、交付申請の時点までに受けた額で数えます。出資が大きいほど上限が上がる仕組みなので、出資額の見込みを先に確定させておくと、計画が立てやすくなります。
2年度にわたる計画は出せますか?
出せます。最大2年度の事業計画を提出できます。1,000万円の上限は2年度の合計額で、年度ごとの配分は自分で決めます。経費と補助金額、予算収支内訳書は年度ごとに分けます。2年目の交付は令和9年度の予算が成立することが前提のため、予算の状況で交付されなかったり、額が変わったりすることがあります。2年目を当てにした資金計画は、余裕を持って組んでください。
審査はどのように行われますか?
二段階です。まず書類審査で、対象者・対象事業・対象経費の要件を満たすかを確かめ、二次審査に進む事業者を決めます。二次審査は有識者の審査会で、プレゼンテーションと質疑応答です。審査は非公開で、審査内容への問い合わせには応じてもらえません。見られるのは、事業の成長性、県内での事業実施と定着、地域への波及効果、事業計画と経費の妥当性です。
過去にこの補助金を受けたことがあります。もう一度申請できますか?
申請できません。募集要領に、過去にこの補助金の交付を受けた事業者は対象外と書かれています。ほかの国や県の補助金で、同じ事業計画や同じ経費の支援を受けている場合も、同時にこの補助金は使えません。重複して受けられないのは同じ経費に対してなので、別の経費なら併用できるかを、経営・創業支援課に確かめるという手があります。
締切は11月17日と11月18日のどちらですか?
公式ページと募集要領のスケジュール表は、11月17日(火)です。募集要領の提出方法の欄だけ、11月18日(水)と書かれています。ずれがあるため、11月17日に間に合わせるのが安全です。提出はメールで、紙の持参や郵送は不要です。期限後の受理はできません。送る前に、担当(経営・創業支援課 創業・承継支援係)へ電話で確かめる方法もあります。
交付決定の前に発注してもいいですか?
事前着手届を出していないかぎり、避けてください。採択の通知を受けた時点では、まだ交付決定ではありません。発注や契約は交付決定の日以降にします。交付決定は2026年11月下旬〜12月上旬の予定です。やむを得ず先に始めるときは、事前着手届を出すと対象にできます。ただし届出で交付が約束されるわけではなく、交付決定がなかった場合、すでに払った経費は対象外です。
補助金をもらったあとに、やることはありますか?
あります。補助金額が確定した通知を受けた日から5年間、毎年度の事業の状況を県に報告します。報告書は、毎年度の決算確定の翌日から20日以内に出します。経費の書類は、交付を受けた年度の終了後5年間保管します。単価50万円(税抜)以上の財産は、取得財産等管理台帳をつけて管理します。交付が決まると、事業者名と事業名が公表されます。
問い合わせ先はどこですか?
長野県産業労働部 経営・創業支援課 創業・承継支援係(電話 026-235-7194、平日9:00〜16:30)です。書類の提出先もこの係で、電子メールで出します。パートナーVCの登録状況、出資の形が対象になるか、経費の扱いで判断に迷う点は、書類を作り込む前に聞いておくと手戻りを減らせます。審査の内容そのものには答えてもらえません。
