燃料電池フォークリフトを入れたいが、同格のエンジン車と見積を並べると差が大きい。この補助金が候補に上がるのは、たいていこの場面です。
環境省の補助事業で、エンジン車との価格差の1/2を、1台あたり最大550万円まで補助します。ただし令和8年度分の応募受付は、令和8年9月10日に終了しました。当初の締切は11月27日18時でしたが、公式ページはそれより前に受付終了を告知しています。理由は書かれていません。
次の募集の有無や時期も、公式ページに記載がありません。以下は、令和8年度の公募要領にもとづく中身です。次に備えるときの下調べとして使えます。
フォークリフトの燃料電池化促進事業の要点まとめ
正式名:産業車両等の脱炭素化促進事業のうち、フォークリフトの燃料電池化促進事業
だれが
- 申請者
- 民間企業(リース会社含む)・自治体・公益法人など
- 対象業種
- 指定なし(燃料電池フォークリフトを導入する事業者)
- 利用目的
- 燃料電池フォークリフトの導入
- 対象地域
- 全国(日本国内で使う車両)
- 従業員数
- 規定なし
いくら
- 補助上限額
- 1台あたり550万円
- 補助率
- エンジン車との価格差の1/2(実績ありは1/3)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年5月21日〜2026年9月10日(受付終了)
- 事業の完了
- 交付決定日から2027年2月26日まで
受付が終わっていたら、何を見ておく?
執行団体は公益財団法人北海道環境財団です。応募案件は月単位でまとめて審査し、採択者を公表しています。令和8年度に公表された採択は、7月14日の第1回と9月11日の第2回で、ともに1社です。
次の募集があったとしても、補助率や上限額は変わるかもしれません。それでも、見積の取り方と書類の組み立ては、次に使い回せる可能性が高い部分です。
準備できるのは次の3つです。
- FCフォークリフトと同格のエンジン車の見積書を、販売店から両方取る
- 事業所の地図、車両の置き場と水素の充填場所の位置関係を整理する
- 直近2期分の貸借対照表と損益計算書を手元に置く
うちの会社は対象になる?
次の4つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 4
民間企業にはリース・レンタル会社も入ります。公益法人は、公益財団法人・公益社団法人・一般財団法人・一般社団法人です。ほかに独立行政法人や、法律で直接設立された法人も申請できます。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 電動フォークリフトを入れる
- ✕ 中古車を入れる
- ✕ 交付決定の前に発注する
- ✕ 国の他の補助金と同じ経費を含める
リースで入れる場合は、ファイナンスリースの会社が代表事業者になり、使う側が共同申請者になります。リース料から補助金相当分を減らす契約と、法定耐用年数のあいだ使い続ける契約が条件です。
いくら戻ってくる?
補助額は、導入費用そのものではなく「一般的なエンジン車の価格との差額」に補助率を掛けて決まります。補助率は1/2です。令和2年度(2020年度)までに環境省の補助金で導入した実績があれば1/3になります。リース会社が申請するときは、譲渡先かリース先の共同事業者の実績で見ます。
以下は仕組みを見るための仮の金額です。実際の差額は見積で決まります。
- FC車とエンジン車の差額が600万円:600万円 × 1/2 = 300万円
- 差額が1,200万円:1,200万円 × 1/2 = 600万円 → 上限の550万円
- 差額が600万円で、導入実績のある事業者:600万円 × 1/3 = 200万円
上限の550万円に届くのは、差額が1/2なら1,100万円以上、1/3なら1,650万円以上のときです。実績がある事業者は、経費内訳の様式も1/3用を使います。
実際の交付額は、差額に率を掛けた額と、総事業費から寄付金を引いた額を比べて、少ない方です。1,000円未満は切り捨てになります。
補助の単位は1台です。同じ事業を複数の場所で行うときは、事業者ごとにまとめて申請しても、場所ごとに分けて申請してもかまいません。
何に使える?
対象にならないもの
- 水素を車両に充填する設備
- 検査や届出の代行費用、納車費用
- 振込手数料
- 電動フォークリフト
対象になるもの
- 燃料電池フォークリフト本体(エンジン車との差額分)
- 爪やアタッチメントなど、業務に必要なオプション
オプションは詳細を財団に問い合わせる扱いです。自社製品を導入するメーカーが申請する場合は、製造原価が対象経費になります。
申請の流れ
- 財団に事前連絡する(事業者→北海道環境財団。公式の告知に、申請を考える事業者は事前に連絡するよう書かれていました)
- 応募書類を出す(事業者→財団。jGrantsか電子メール。様式1と様式3はメールで出せます)
- 審査と採択を待つ(財団→事業者。月単位で取りまとめて決まります)
- 交付申請をして、交付決定を受けてから発注する(事業者→財団。契約・発注は交付決定日以降)
- 導入して支払い、2027年2月26日までに完了する(事業者)
- 実績報告を出す(事業者→財団。完了から30日以内か、2027年3月10日のいずれか早い日)
実績報告のあとに額が確定し、精算払いの請求を経て補助金が入ります。支払いは銀行振込で、小切手と手形は使えません。
必要な書類
準備できた 0 / 14
見積書と仕様書は、比較対象になる同格のエンジン車の分も必要です。誓約書は共同事業者の分も要り、地方公共団体は出しません。見取り図は、車庫と水素の充填場所の位置関係がわかるものです。図面や仕様書には、法定耐用年数が確認できる資料も付けます。Dファイルは環境省の算定ガイドブックにある輸送機器用の計算ファイルで、CO2の削減量を出します。共同事業者がいる場合は、組織概要と決算書も共同事業者の分が要ります。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に発注した:契約・発注日は交付決定日以降でなければ、原則として補助の対象になりません。見積を取ることは対象期間の前でも問題ありません。
- 承認なく車両を処分した:譲渡、貸付、担保、廃棄などは、法定耐用年数のあいだ財団の事前承認が要ります。無断で処分すると返還を求められることがあります。
- 虚偽の記載があった:交付決定の取消しと、支払い済みの補助金の返還になります。
- 事業期間内に終わらなかった:事業は2027年2月26日までに完了する必要があります。複数年度にまたがる計画では応募できません。
併用と税金で気をつけること
国の他の補助金と同じ経費を重ねて受けることはできません。企業版ふるさと納税による寄附は、総事業費から引かずに補助額を計算できます。
補助金で取得した固定資産には、法人税法の圧縮記帳(国庫補助金等で取得した資産の帳簿価額を減らして、その年の課税を先送りする仕組み)が使える場合があります。手続きがあるため、税務署か税理士に確かめてください。
よくある質問
令和8年度の受付は終わっていますか?
終わっています。公式ページに、令和8年9月10日付で「公募の受付を終了しました」と告知されています。公募要領上の締切は11月27日18時でしたが、補助金の予算が上限に達すると判明した場合は受付を終えることがあると書かれています。今回の終了理由は公式ページに記載がないため、気になる場合は財団に問い合わせてください。
次の募集はありますか?
公式ページには、令和8年度の次の募集に関する記載がありません。この事業は環境省の年度ごとの補助金で、令和8年度の交付規程と公募要領にもとづいて行われました。次の募集があるかどうかと、補助率や上限額が同じかどうかは、財団の公式ページと環境省の発表で確かめる必要があります。見積や書類の準備は先に進められます。
補助額はどう計算しますか?
FCフォークリフトの導入費用と、一般的なエンジン車の価格との差額に、補助率を掛けます。補助率は1/2です。令和2年度までに環境省の補助金で導入した実績があると1/3になります。1台あたりの上限は550万円です。実費が差額の1/2より少ないときは、実費までです。差額が600万円なら、1/2で300万円、1/3で200万円です。差額の根拠として、同格のエンジン車の見積書が要ります。
中古のFCフォークリフトは対象ですか?
対象外と考えるのが安全です。公募要領は、日本国内でFCフォークリフトの新車を導入する事業を対象にすると書いています。中古車を認める記載は、公募要領にも公式のQ&Aにもありません。中古車での導入を考えている場合は、応募する前に財団へ問い合わせて、対象かどうかを書面かメールで確かめておくと安心です。
電動フォークリフトは対象になりますか?
対象外です。公募要領に「電動フォークリフトは対象外」と明記されています。対象は、水素を燃料にした燃料電池で電動機を動かし、内燃機関を併用しない構内用の産業車両です。バッテリー式の電動フォークリフトは、見た目が似ていても別の車両として扱われます。導入する車両がFCフォークリフトに当たるかは、型式と仕様書で確かめます。
水素の充填設備も補助されますか?
補助されません。公式のQ&Aに、この事業は燃料電池フォークリフトの車両の導入のみが対象で、燃料の水素を車両に充填するための設備は補助対象にならないと書かれています。納車費用や、検査・届出手続きの代行費用も対象外です。設備や諸費用は自己負担になるため、全体の資金計画では車両の補助とは分けて見積もる必要があります。
リースで導入しても補助されますか?
補助されます。民間企業にはリース・レンタル事業者が含まれます。ファイナンスリースの場合は、リース会社が代表事業者として応募し、フォークリフトを使う側が共同申請者になります。リース料から補助金相当分が減額されていることと、法定耐用年数が終わるまで使い続ける契約であることを、書類で示すのが条件です。転リースの場合は、中間のリース会社の契約書の写しも要ります。
発注は申請の前にしてもかまいませんか?
しないでください。補助事業の開始は交付決定日以降で、契約・発注日も交付決定日以降でなければなりません。それより前に発注した経費は、原則として補助の対象になりません。見積書を取ることや、業者を選ぶ見積合わせは、発注とは別の行為として扱われます。販売店の納期が長い場合は、交付決定の時期を見込んで早めに相談しておきます。
複数台や複数の事業所で導入できますか?
できます。補助の単位は車両1台です。同じ事業を複数の場所で行うときは、事業者ごとにまとめて申請することも、場所ごとに別々に申請することもできます。ただし事業は単年度で、複数年度にまたがる計画では応募できません。台数が多いときは、事業の完了期限である令和9年2月26日までに納車と検収が終わるかを、販売店と確かめます。
販売店やメーカーも申請できますか?
申請者の区分に当てはまれば申請できます。公式のQ&Aでは、FCフォークリフトの製造者でも、公募要領の補助事業対象者の要件を満たせば対象になるとされています。ただし自社製品を導入するときは、自社の利益分を補助しない決まりで、製造原価が補助対象経費になります。原価を計算しにくい場合の扱いは、財団に確かめます。
完了したあとにやることはありますか?
あります。完了から30日以内か令和9年3月10日のいずれか早い日までに、完了実績報告書を出します。そのあとも、完了した年度の翌年度から3年間、CO2削減効果の事業報告書を毎年4月30日までに出します。法定耐用年数のあいだは、車両を財団の承認なく処分できません。補助金で得た削減分をカーボン・クレジットとして登録することもできません。
書類はどうやって提出しますか?
電子申請システムjGrantsか、電子メールで出します。jGrantsで申請するには、GビズID(国の電子申請に共通で使うID)のプライムかメンバーのアカウントが先に要ります。メールの場合は、応募申請書(様式1)と経費内訳(様式3)をまず送り、ほかの書類は申請の受理後に財団から届く案内に従います。メールを財団が受信した時点で受理とされます。
問い合わせ先はどこですか?
北海道環境財団です。問い合わせは原則としてメールで、件名に法人名と事業名を書きます。アドレスは fork_ask■heco-hojo.jp で、■を@に置き換えます。公式ページに、先に公式のQ&Aを見るよう案内があります。公募説明会は開かれませんでした。次の募集があるかどうかも、同じ窓口で確かめられます。
