名前は雇用の助成金です。ところが入口は、人を雇うことではなく、設備投資にあります。
県が指定した復興関連の補助金か融資を受けて設備投資をした事業所だけが、申請できます。先に補助金か融資の採択を受け、そのあとに被災求職者を雇った事業所が対象です。順番が逆だと、その人は対象になりません。
令和8年度の受付は、2026年8月3日から12月11日(最終日消印有効)までです。
ふくしま産業復興雇用支援助成金(雇入費)の要点まとめ
正式名:ふくしま産業復興雇用支援助成金(雇入費)
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人事業主)
- 対象業種
- 業種の指定なし(県指定の補助金・融資の採択が必要)
- 利用目的
- 被災求職者の雇入れ費用の助成(人材確保・雇用)
- 対象地域
- 福島県内
- 従業員数
- 県内の中小企業等(被災15市町村は大企業も可)
いくら
- 補助上限額
- 1事業所2,000万円(1人あたり最大225万円)
- 補助率
- 定額(所在地・雇用形態などで額が決まる)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年8月3日〜2026年12月11日(最終日消印有効)
中小企業庁のガイドブックでは、同じ制度が「事業復興型雇用確保事業による支援」の名前で載っています。県の制度名は、ふくしま産業復興雇用支援助成金です。
うちの事業所は対象になる?
事業所の条件は、次の3つです。すべてに当てはまると、申請できる可能性があります。
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被災15市町村の事業所は大企業でも対象です。それ以外は中小企業か、これに準ずる事業所に限ります。NPOや公益法人、任意団体も要件を満たせば対象で、地方公共団体は対象外です。
設備投資は、2011年3月11日以降に受けた補助金か融資によるものです。過去に受給した事業所は、後述の特例に当たれば申請できます。
被災15市町村は、いわき市・相馬市・田村市・南相馬市・川俣町・広野町・楢葉町・富岡町・川内村・大熊町・双葉町・浪江町・葛尾村・新地町・飯舘村です。
中小企業は、主たる事業の業種ごとに、資本金か従業員数のどちらか一方が上限以下ならよいとされます。製造業などは資本金3億円以下か従業員300人以下です。卸売業は1億円以下か100人以下です。サービス業は5,000万円以下か100人以下です。小売業は5,000万円以下か50人以下で、手引きは飲食店を小売業に含めています。
「県が指定した補助金か融資」は、県の「産業政策 対象事業一覧」に載っています。ふくしま産業復興企業立地補助金や、設備資金のふくしま産業育成資金が例です。一覧にない事業は、原則として対象外です。ただし震災復興に関する設備投資を含む事業なら、書類を見て判断される場合があります。
雇う人(被災求職者)の条件は、次の7つです。
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対象期間は、2025年12月13日から2026年12月11日までです。新卒は、卒業予定者か卒業後3年以内で職歴のない人が対象です。有期雇用は、更新が可能なものに限ります。
次のどれかに当たる人は、対象外です。
- ✕ 採択前に雇った人
- ✕ 転職や転籍で来た人
- ✕ 派遣労働者や技能実習生
- ✕ 人件費を事業主が負担しない出向者
- ✕ 申請時点ですでに離職した人
- ✕ 役員
採択日は、補助金なら交付決定日で融資なら契約日です。前職が有期雇用で期間満了により離職した人は、転職でも対象です。
採択の前か後かが、いちばん落ちやすい条件です。採択より前に雇った人は、あとから申請しても対象になりません。
過去に受給した事業所は、原則として対象外です。例外は2つあります。
- 2年ルール:令和6年度か令和7年度に初めて支給決定を受け、最初の雇入れから2年以内に雇った人だけを申請する
- 復活ルール:過去の支給対象期間が終わり、同じ住所で同じ産業政策を再び実施した
ほかに県税の未納がある事業主や、労働基準法・最低賃金法などに違反して改善が見られない事業主も対象外です。
いくら支給される?
金額は事業所の所在地と雇う人の働き方で決まります。支給は3年間で、年ごとに額が下がります。
| 事業所の所在地 | 雇用形態 | 1年目 | 2年目 | 3年目 | 3年間の合計 |
|---|---|---|---|---|---|
| 被災15市町村 | フルタイム | 120万円 | 70万円 | 35万円 | 225万円 |
| 被災15市町村 | 短時間 | 60万円 | 30万円 | 20万円 | 110万円 |
| それ以外の県内 | フルタイム | 60万円 | 40万円 | 20万円 | 120万円 |
| それ以外の県内 | 短時間 | 30万円 | 20万円 | 10万円 | 60万円 |
「フルタイム」は、その事業所で所定労働時間がいちばん長い人です。それより短い人は「短時間」になります。この表は、新規に雇った人の金額です。
再雇用は、同じ事業所で過去3年間に働いたことのある被災求職者を、もう一度雇う場合です。県指定の産業政策のうち要綱第4条第2号に当たる事業では、再雇用の金額が下がります。被災15市町村ではフルタイム200万円と短時間90万円、それ以外ではフルタイム110万円と短時間50万円です。第1号に当たる事業なら、再雇用も新規と同じ金額です。
申請は、必ず新規雇用者を1人以上含めます。再雇用者だけでは出せません。再雇用者は、雇入れ数の8割までです。
計算例は、次のとおりです。
- 被災15市町村でフルタイムを1人雇う:225万円 × 1人 = 225万円
- それ以外の県内でフルタイム2人と短時間1人を雇う:120万円 × 2人 + 60万円 × 1人 = 300万円
- 被災15市町村でフルタイムを9人雇う:225万円 × 9人 = 2,025万円 → 上限の2,000万円を25万円超える
上限は、1事業所につき総額2,000万円です。9人の例では、県は「1人外して8人で申請する」ことを案内しています。計算は225万円 × 8人 = 1,800万円です。9人全員の申請額を220万円に下げる出し方は、×とされています。
雇入れから60日を過ぎて申請すると、支給額が減ります。2026年8月3日以降に雇った人は、雇入れ日から60日以内の消印で出せば減りません。たとえば9月1日に雇った人なら、10月31日(土)の消印までです。
8月2日以前に雇った人は、10月3日が分かれ目です。募集開始日の8月3日から60日がたつと、10月3日以降の消印の申請から減額が始まります。遅れた日数ぶんが、支給額から引かれます。どれだけ引かれるかの計算は、手引き15〜16ページの図にあります。
申請の流れ
申請は郵送のみです。書留など、配達の記録が残る方法で出します。
- 県の対象事業か確かめる(事業主。「産業政策 対象事業一覧」で、受けた補助金や融資を探す)
- 採択日と雇入れ日の順番を確かめる(事業主。採択日より前に雇った人は外す)
- 書類をそろえる(事業主。労働者本人の書類と、事業所の書類)
- 雇入れから60日以内に郵送する(事業主→ふくしま産業復興雇用支援事業事務センター。12月11日の消印まで)
- 審査を受ける(事務センター・県。聞き取りがある。通ると支給決定通知書が届く)
- 実績報告を出す(事業主→県。雇入れから3年間に3〜4回。報告のたびに支給)
実績報告とは、雇った人が働き続けているかを期日までに県へ報告する手続きです。支給は一括ではなく、報告の確認後に出ます。支給決定後でも、報告の内容で額が減る場合やゼロになる場合があります。
書類がそろえば必ず通るわけではありません。要綱は、予算の範囲内で支給するとしています。選ぶときは、期間の定めのない雇用者の割合が多い事業所などが優先されます。
提出先は、〒960-8035 福島市本町5-5 福島本町フコク生命ビル5階のふくしま産業復興雇用支援事業事務センターです。電話は024-573-9821で、受付は平日の午前9時から12時と午後1時から5時です。書類は原本1部で、返却されません。コピーは手元に残します。
必要な書類
準備できた 0 / 21
様式は、県の雇入費の募集ページにあります。債権者登録申請書は、登録済みなら要りません。採択を示す書類は、補助金なら交付決定通知書・事業計画書・完了報告書、融資なら契約書・信用保証書などです。控えがなければ補助金や融資の窓口で手に入れます。
設備投資の支払いは、領収書や固定資産台帳などで示します。雇用契約書か労働条件通知書の写しは、雇入れ時から直近まで全部出します。本人確認書類は、住民票(申請日から3か月以内)、運転免許証、マイナンバーカード表面のどれかです。
資格取得等確認通知書の正式名は「雇用保険被保険者資格取得等確認通知書(事業主通知用)」です。常時使う労働者が10人未満で就業規則を作っていなければ、申立書を出します。36協定(時間外・休日労働の協定)は時間外か休日の労働がある場合、変形労働時間制の協定書・協定届・カレンダーなどは制度を入れている場合だけ要ります。
履歴事項全部証明書は法人だけが出します。福島県税納税証明書は、申請日から3か月以内のものを取ります。
履歴事項全部証明書は、法務局が出す登記の証明書です。会社の名前や所在地、役員などが載っています。
雇用契約書に「シフト表による」とある場合は、申請前月を含む3か月分のシフト表も要ります。県が、書類の不備が多い例として挙げています。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 60日を過ぎて出した:支給額が、遅れた日数ぶん減ります。
- 雇った人を事業主都合で辞めさせた:支給後に解雇か雇止めをすると、その人数ぶんの支給額が減ります。過去2年に解雇した人数ぶんは、対象の労働者から外れます。
- 実績報告を出さなかった:正当な理由なく期日に出さないと、その回以降の受給を辞退したとみなされます。
- 労働法令に違反した:労働基準法や最低賃金法に違反して改善が見られないと、支給した助成金が全額返還になる場合があります。
- 国の助成金と重ねた:同じ人について国やその委託先の助成金を申請していると対象外です。
併用と住宅支援費
国の助成金とは、併給できません。キャリアアップ助成金(正社員化コース)、特定求職者雇用開発助成金、人材開発支援助成金などが、手引きに挙がっています。挙がっていない助成金は、福島労働局職業対策課(024-529-5409)に確かめます。
同じ県のメニューに、住宅支援費があります。雇入費とは別の申請で、併用できます。雇った人のために、社宅を新しく借りる、または住宅手当を導入する事業所に、その費用の4分の3を助成します。上限は1事業所で年240万円、最大3年間で720万円です。窓口は福島県雇用労政課の助成金担当(024-521-7290)です。
よくある質問
令和8年度の申請はいつまでですか?
2026年8月3日から12月11日までで、最終日の消印が有効です。手引きには、応募状況によっては早めに締め切る場合があると書かれています。雇った人ごとに、雇入れ日から60日を過ぎると減額されます。12月11日の直前に出すより、雇ってから早めに出すほうが、受け取れる額を守れます。郵送は書留など記録の残る方法で出します。
被災求職者とはどんな人ですか?
2011年3月11日に、福島県に住んでいた人か、福島県内の事業所で働いていた人です。大学などのため県外に住んでいた人は、扶養者がその日に福島県に住んでいれば当てはまります。さらに、雇われる前日が失業状態であることが要ります。卒業予定者や、卒業後3年以内で職歴のない人は、失業状態でなくても対象です。確認は、雇用保険受給資格者証や履歴書で行います。
どんな補助金や融資を受けていれば対象になりますか?
県が決めた「産業政策 対象事業一覧」にある事業です。要綱第4条第1号の事業(新しい事業や地域の産業の中核になる事業など)と、第2号の事業(地場産業の振興分野など)があります。融資は、設備資金を含むものに限られ、運転資金だけでは対象外です。2011年3月11日より後に採択を受け、設備投資をしている必要があります。一覧にない事業は、原則として対象外です。
過去に受給していても申請できますか?
原則として対象外です。例外は2つあります。令和6年度か令和7年度に初めて支給決定を受けた事業所は、最初の雇入れから2年以内に雇った人に限り申請できます。もう1つは、過去の支給対象期間が終わり、同じ住所で同じ産業政策を再び実施した場合です。2年ルールの上限は、令和6〜8年度の申請分を合わせて2,000万円です。
パートやアルバイトも対象ですか?
対象になります。雇用保険に入り、週の所定労働時間が20時間以上であれば、パートやアルバイトも対象です。雇用期間は、期間の定めがないか、更新できる1年以上の有期契約が条件です。支給額は、事業所でいちばん長い所定労働時間の人がフルタイム、それより短い人が短時間として決まります。短時間は、フルタイムの約半分の金額です。
転職してきた人を雇った場合は対象ですか?
原則として対象外です。雇入れ日の前日が失業状態でない人は、転籍や転職として外れます。ただし前職が有期雇用で、期間満了で離職した人は、前日が失業状態でなくても対象です。個人事業主だった人は、廃業等届出書の写しが要ります。出せない場合は、廃業していることの申立書で代わります。迷う場合は、事務センターに聞いてください。
雇った人が辞めたらどうなりますか?
支給決定の前に辞めた場合は、対象外で、取下げ書を出します。支給決定のあとに辞めた場合は、辞めた日まで支給されます。自己都合の離職なら、同じ雇用区分と雇用形態の人を新しく雇うことで、残りの期間を引き継げます。事業主の都合で解雇や雇止めをした場合は、その人数ぶんの支給額が減ります。
他の雇用関連の助成金と一緒に使えますか?
国の助成金とは併給できません。国から委託を受けた団体の助成金も同じです。手引きの例には、キャリアアップ助成金(正社員化コース)、特定求職者雇用開発助成金、人材開発支援助成金などがあります。同じ人について申請している場合が対象外になります。例にない助成金は、福島労働局職業対策課(024-529-5409)に確かめてください。
支給はいついくらずつ振り込まれますか?
一括ではありません。雇入れから3年間に、3回から4回の実績報告を行い、確認のたびに支給されます。申請から支給決定までは、審査に時間がかかるとされています。実績報告の日程は、決まり次第、事務センターのサイトで知らされます。支給対象になった事業所には、報告の1か月前に手引きが届きます。
申請の前に支給されるかを教えてもらえますか?
教えてもらえません。県は、公正・中立の立場から、申請前に支給の可否をお答えできないとしています。申請前の電話での診断も行っていません。民間の会社が、この助成金の無料診断をうたう例が県に報告されています。県は、診断を民間企業に委託しておらず、その会社とは関係がないと注意しています。
来年度も続きますか?
令和9年度以降の募集があるかは、公表資料から確認できません。支給要綱は、次年度以降に助成金の予算が成立した場合に適用すると定めています。要綱は毎年改正されていて、令和8年度の版は2026年6月12日に施行されました。次の募集は、県の案内ページで毎年の更新を確かめてください。
問い合わせ先はどこですか?
雇入費は、ふくしま産業復興雇用支援事業事務センター(024-573-9821)です。平日の午前9時から12時と午後1時から5時に受け付けます。住宅支援費は、福島県商工労働部雇用労政課の助成金担当(024-521-7290)です。メールは koyourousei@pref.fukushima.lg.jp です。メニューによって窓口が分かれているため、提出先を間違えないようにしてください。
