北海道や東北など雪の多い地域では、冬の間だけ仕事がなくなる季節労働者が珍しくありません。建設業や造園業で働く人たちの多くが、毎年12月から3月ごろまで実質的に失業状態になります。この「冬になると仕事がなくなる」構造そのものを変えようとする事業主を後押しするのが、通年雇用助成金です。
対象になるのは、積雪寒冷地の指定地域で季節労働者を雇っている事業主です。冬期間も仕事を作る、休業手当を支払う、他の業務へ配置転換する、職業訓練を実施するといった取り組みのうち、いずれかを行うと助成の対象になります。助成額は取り組みの種類ごとに決まっており、例えば冬期間に事業所内で仕事を作る場合、新たに継続雇用した労働者に支払った賃金の3分の2(上限71万円)が助成されます。
通年雇用助成金の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人・個人事業主) |
| 制度名 | 通年雇用助成金 |
| 対象業種 | 建設業・造園業など季節労働者を雇用する業種(指定地域内) |
| 利用目的 | 人材確保・雇用(季節労働者の通年雇用化) |
| 対象地域 | 北海道・東北地方等の積雪寒冷地(指定地域) |
| 従業員数 | 規定なし(季節労働者を雇用していることが条件) |
| 補助上限額 | 方式により異なる(例: 事業所内就業・新規継続労働者は賃金の2/3、上限71万円) |
| 補助率 | 方式により異なる(賃金の1/2〜2/3程度) |
| 申請受付 | 通年(通年雇用届の提出期限は例年1月末が目安。詳細は労働局へ要確認) |
| 公式サイト | 厚生労働省「通年雇用助成金」 |

どんな会社が対象になるか
積雪寒冷地に指定された地域(北海道・東北を中心とする指定地域)で、冬の間に仕事が減る季節労働者を雇用している事業主が対象です。建設業・造園業・除雪関連業などが典型ですが、業種そのものより「季節的な業務のために雇用が不安定になる労働者がいるかどうか」が判断のポイントになります。
対象になる取り組みは次の7つのいずれかです。
- 事業所内での通年就業の実施
- 事業所外への出向・派遣による通年就業の実施
- 冬期間の計画的な休業の実施(休業手当の支払い)
- 季節的業務以外の業務への転換
- 職業訓練の実施
- 新分野への進出にともなう事業所設置
- 季節トライアル雇用終了後の常用雇用化
助成額は取り組みの内容で変わる
助成額は一律ではなく、どの取り組みを選ぶかで金額も上限も変わります。事業所内就業を例にすると、新規に継続雇用した労働者には支払った賃金の3分の2(上限71万円)、すでに継続雇用している労働者への再継続分には2分の1(上限54万円)が助成されます。
自社にとってどの取り組みが現実的か、またどの助成額区分に該当するかは、制度の作りが複雑なため、事前に労働局やハローワークへ相談してから進めることをおすすめします。
通年雇用届と支給申請の流れ
この助成金は「通年雇用届」を提出したうえで、取り組みを実施し、そのあとで支給申請を行う仕組みです。過去の実施年度では、通年雇用届の提出が12月中旬から1月末ごろ、支給申請が3月中旬から6月中旬ごろという流れで運用されてきました。
年度によって細かい期日が変わる可能性があるため、通年雇用届の提出期限は必ずその年の労働局案内で確認したうえで、早めに動き出すことが重要です。期限を過ぎると、その年度の対象から外れてしまいます。
よくある質問
通年雇用助成金はどの都道府県でも申請できますか?
いいえ。積雪寒冷地として指定された地域に限られます。北海道全域と、東北地方を中心とした一部地域が対象です。自社の所在地が対象地域に含まれるかは、管轄の労働局に確認してください。
パートやアルバイトの季節労働者も対象になりますか?
季節労働者としての雇用実態や継続雇用の状況によって判断されます。雇用形態だけで一律に決まるものではないため、個別のケースは労働局・ハローワークへの相談が必要です。
助成金の対象になる取り組みは複数同時に行えますか?
取り組みの組み合わせ方によって申請できる助成の種類が変わります。どの取り組みが自社に合うかは、事前相談で確認するのが確実です。
