新しい工場を建てる。ラインを増やす。見積を並べたら、建屋と機械だけで1億円を超えた。ここで福島県の補助金を調べる企業は多いはずです。
県内に工場や物流施設をつくる企業に、建物と設備の投資額の5〜25%(上限5億円)を県が出します。2026年度の受付は2026年10月7日(水)までで、指定の通知より前に発注・契約した分は対象外です。着工の順番から逆算して考えてください。
ふくしま産業活性化企業立地促進補助金の要点まとめ
正式名:ふくしま産業活性化企業立地促進補助金
だれが
- 申請者
- 事業者(企業)
- 対象業種
- 製造業・物流・次世代自動車・ICT関連など
- 利用目的
- 工場・物流施設・研究所などの建物と設備の取得
- 対象地域
- 福島県内全域(一部地域を除く)
- 従業員数
- 従業員数の要件なし(新規地元雇用が要件)
いくら
- 補助上限額
- 5億円(ICT関連産業投資企業は1億円)
- 補助率
- 投資額と新設・増設で5〜25%(本文の表)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年8月5日〜2026年10月7日
- 事業の完了
- 指定日から原則3年以内
うちの会社は対象になる?
次のすべてに当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 4
対象の施設は、製造業の工場・研究所、自社で使う物流施設、コールセンター・データセンターなどです。投資額は建物と設備の投資額(投下固定資産額)で、地域活性化等枠は5,000万円以上です。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 投資額が1億円未満
- ✕ 国の立地補助金の対象地域に立地する
- ✕ 同じ投資で国や県の別制度に重ねて申請
- ✕ 機械設備が増えず生産能力が上がらない増設
投資額の下限は、地域活性化等枠なら5,000万円、ICT関連産業投資企業なら1,000万円です。国の立地補助金は、経済産業省の「自立・帰還支援雇用創出企業立地補助金(製造・サービス業等立地支援事業)」を指します。
用語を2つ整理します。
投下固定資産額は、工場などで使う建物と設備の取得価格の合計です。消費税と地方消費税は含みません。新規地元雇用者は、指定を受けた日から実績報告書を出す日までに直接雇った人のうち、県内に住所があって勤務する人です。
必要な人数は投資額で変わります。
| 投下固定資産額 | 新規地元雇用者 | 地域活性化等枠 |
|---|---|---|
| 1億円以上 | 5人以上 | 3人以上 |
| 10億円以上 | 8人以上 | 4人以上 |
| 30億円以上 | 10人以上 | 5人以上 |
| 50億円以上 | 50人以上 | 10人以上 |
| ICT関連のみ 1,000万円以上 | 3人以上 | なし |
地域活性化等枠は、企業誘致の独自の優遇制度を持つ市町村のうち、辺地・過疎地域・準過疎地域振興枠・特別豪雪地帯のどれかに当たる地域で新設・増設する企業、またはIoT機器など省力化の機器を入れる企業が使える枠です。対象の市町村かどうかは、県の企業立地課に電話で聞くのが確実です。
パートやアルバイトも数えられます。ただし雇用保険に入り週20時間以上働く人に限り、算入できるのは必要人数の3分の1までです(端数は切り捨て)。5人必要なら1人まで、8人なら2人までです。
いくら戻ってくる?
補助率は、投下固定資産額が大きいほど高くなり、同じ額なら増設より新設のほうが高くなります。新設は県内に新たに進出する企業の工場等、増設は県内にすでに工場等を持つ企業が新しく設ける工場等のことです。
| 投下固定資産額 | 新設 | 増設 |
|---|---|---|
| 1億円以上(地域活性化等枠は5,000万円以上) | 10%(次世代自動車・成長産業・カーボンニュートラルの投資は15%) | 5%(同10%) |
| 10億円以上 | 15%(同20%) | 10%(同15%) |
| 50億円以上 | 20%(同25%) | 10%(同15%) |
| ICT関連産業投資企業(1,000万円以上) | 10% | 5% |
増設の10%(同15%)は、10億円以上のセルが50億円以上の行まで続いています。表の上では、増設は10億円を超えると率が上がりません。
上限は1件5億円です。ICT関連産業投資企業は、募集要領と募集概要で1億円とされています。一方、交付要綱の別表は3億円と書いていて食い違うため、該当する企業は企業立地課に確かめてください。補助率は上限の率で、予算より申請が多いと調整されることがあります。
- 県外から進出する製造業が工場を新設:3億円 × 10% = 3,000万円
- 県内に工場がある企業が、ロボット関連の設備を増設(成長産業の投資):12億円 × 15% = 1.8億円
- 製造業が大規模な新工場を新設:60億円 × 20% = 12億円 → 上限の5億円
- 製造業が新工場を新設:30億円 × 15% = 4.5億円(上限の5億円に届かない)
- 過疎地域の市町村で製造業が工場を新設(地域活性化等枠):8,000万円 × 10% = 800万円
- 情報サービス業がデータセンターを新設(ICT関連):2,000万円 × 10% = 200万円
上限の5億円に届くのは、新設で率15%なら投資額が約33.4億円、率20%なら25億円からです。それより小さな投資では、率のほうで金額が決まります。
補助金は、金額が確定したあとに最大5年の分割で支払われます。工事代金を支払う時点では、全額を自社の資金か融資で回すことになります。
何に使える?
対象にならないもの
- 土地の取得・造成
- 既存の建物・設備の撤去・解体、建替・入替・更新、移転
- 事務用品などの消耗品、備品、予備品
- 自動車などの車両
- 持ち運べて他の用途にも使える汎用品
- 設備のリース料・賃借料
- 中古品のうち、価格が適正か分からないもの
対象になるもの
- 建物の取得(建物だけでも申請できる)
- 設備の取得(設備だけでも申請できる)
増設の場合、対象になるのは生産能力が増えた分に相当する経費です。既存ラインの置き換えは、「入替・更新」にあたるため対象外です。
発注は必ず2者以上から見積を取ります。実際の購入額と相見積の額を比べて、低いほうが補助対象額です。相見積がない購入は対象外になることがあります。
申請の流れ
- 県に事前相談する(企業→福島県 企業立地課。事業内容・投資計画・雇用計画を説明。電話024-521-8523で日程を調整。締切の直前は混み合います)
- 指定申請の書類を出す(企業→企業立地課。2026年10月7日(水)まで。持参か郵送で、郵送は必着。FAXとメールは受け付けません)
- 審査を受ける(県の審査会。2026年10月8日〜11月に審査)
- 指定の通知を受ける(県→企業。12月中の予定。通知のあとで発注・契約・採用ができます)
- 事業を終える(企業。指定日から原則3年以内。工事の完了、必要な新規地元雇用の確保、経費の支払いまで済ませる)
- 交付申請・実績報告・交付請求をする(企業→県。第3号・第5号・第6号様式。交付申請は原則、指定を受けた会計年度末まで。実績報告は原則、操業を始めた日の属する会計年度の次年度末まで。順番は県の事務フローチャートで確認)
指定の前に発注や契約が必要な事情があるときは、指定申請と同時に「事前着手承認申請書」を出す方法があります。県が承認した場合に限り、承認日から指定日までの発注・契約などが対象になります。ただし事前着手が承認されても、指定は約束されません。承認されるには、代替性の低い進出予定地が確保できなくなる、供給先からの発注に応えられなくなる、といった損失の具体的な説明が要ります。
必要な書類
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申請書の正式名は「対象企業指定(変更)申請書(第1号様式)」で、同意書は反社会的勢力でないことの表明・確約・同意書です。従業員名簿と被保険者台帳照会の写しは指定申請日現在のもので、名簿には正社員、雇用1年以上、1年未満の別を明記します。被保険者台帳照会の写しの請求先は公式ページに記載がないため、企業立地課へお問い合わせください。
立地予定位置図は2万5千分の1か5万分の1の地形図、配置計画図は500分の1程度です。増設なら現工場の平面図・機械設備配置図も出します。決算報告書は製造原価報告書などを含み、企業の概要は会社パンフレットなど、金額の根拠は見積などです。
書類は片面印刷のA4で、正本を1部出します。出した書類は返却されません。審査の間に追加資料を求められることがあります。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 指定の前に発注・契約した:指定を受ける前の発注・購入・契約は対象外です。事前着手の承認を受けた分は例外になります。
- 雇用が減った:必要な新規地元雇用者数は、事業を完了した会計年度の翌年度から5年後の会計年度末まで維持します。維持できないと、補助金の一部を返すことになります。
- 操業をやめた:補助金の交付後5年以内(分割交付なら最終回の交付後5年以内)に工場等の操業を休止・廃止すると、交付が取り消され、補助金の返還を命じられることがあります。休止や廃止の前に、届出を出して県の指示を受けます。倒産など、県が特にやむを得ないと認めた場合は除きます。
- 補助でできた財産を勝手に処分した:補助事業で取得した建物や機械設備の転用、売却、貸与、担保に入れることなどは、前もって企業立地課に相談します。処分にあたるか、返還を求めるかは県が判断します。
- 見積が1社分だけ:相見積がない購入は対象外になることがあります。
- 予算が足りない:予算を上回る申請があれば、補助率が下がることがあります。
次の募集と、知っておきたい決まり
募集は毎年あります。公式ページによると、2025年度は8月4日〜10月3日、2024年度は8月5日〜10月4日が受付でした。今年度に間に合わなくても、来年度の準備として事前相談を早めにしておく手があります。
- 国や県(特殊法人等を含む)が助成する他の制度と、同じ投資で重ねた申請はできません
- 指定のあと、企業名・立地場所・計画の概要は県が公表します。申請書類の内容は、指定前には公表されません
- 補助対象になる企業かどうか(次世代自動車・成長産業・カーボンニュートラル・ICT関連)は、申請書と事業計画をもとに県が最終的に判断します
よくある質問
申請は誰でもできますか?
製造業の工場・研究所、自社で使う物流施設を県内につくる企業が中心です。ほかに、次世代自動車関連、再エネ・医療機器・ロボット・航空宇宙といった成長産業、カーボンニュートラルに役立つ投資、ICT関連、知事が特に認める企業も対象です。業種で決まるのは枠と補助率で、従業員数の要件はありません。大企業か中小企業かは、申請書に書く区分です。
いくら以上の投資から使えますか?
投下固定資産額が1億円以上であることが条件です。地域活性化等枠なら5,000万円以上です。ICT関連産業投資企業だけは1,000万円以上から使えます。投資額には、土地の取得や既存設備の更新費、消費税は入りません。1億円に届くかどうかは、対象外の費用を外した金額で数えるため、見積の段階で内訳を分けて確かめておくと安心です。
補助率は何%ですか?
投資額と、新設か増設かで決まります。新設は1億円以上で10%、10億円以上で15%、50億円以上で20%です。増設は1億円以上で5%、10億円以上で10%で、50億円以上でも10%のままです。次世代自動車関連、成長産業、カーボンニュートラルの投資は、それぞれ5ポイント上乗せされます。ICT関連は新設10%、増設5%です。補助率は上限で、予算より申請が多いと調整されることがあります。
雇用は何人必要ですか?
投下固定資産額が1億円以上10億円未満なら5人以上、10億円以上は8人以上、30億円以上は10人以上、50億円以上は50人以上です。地域活性化等枠は、それぞれ3人、4人、5人、10人です。数えられるのは県内に住所があり、その工場等で働く新規の直接雇用だけです。非正規は必要人数の3分の1まで算入でき、端数は切り捨てです。
今ある工場を建て替えるのは対象ですか?
対象外です。既存の建物・設備の撤去・解体、建替・入替・更新、移転の費用は補助の対象になりません。増設の場合も、対象になるのは生産能力が増えた分の経費です。機械設備が増えず、古い設備を新しくするだけの投資は、申請の前に企業立地課へ相談して、増設として認められるかを確かめておくのが安全です。
着工や発注はいつからできますか?
県が指定を通知したあとです。募集要領のスケジュールでは、指定の通知は2026年12月中で、通知のあとに発注・購入・契約・新規地元雇用者の採用ができます。指定の前に着手した分は原則として対象外です。ただし、事前着手承認申請書を指定申請と一緒に出し、県が承認したときは、承認日から指定日までの分が対象になります。
事前着手の承認は誰でも受けられますか?
誰でもは受けられません。代替性の低い進出予定地が確保できなくなる、供給先からの発注に応えられなくなる、競合他社との受注競争で著しく不利になる、といった多大な損失が出ることを、具体的に説明する必要があります。事前に県へ相談したうえで、指定申請の書類一式と一緒に出します。あとからの修正や追加提出はできません。承認されても指定は約束されません。
補助金はいつ、どのように支払われますか?
指定のあとの手続きを経て金額が確定し、その後に支払われます。支払いは、原則として最大5年の分割で、かかった費用を精算する方式です。工事や設備の代金は、先に自社で支払う必要があります。資金繰りは、補助金が入るまでの期間が長くなる前提で組んでおくと安心です。
雇用を減らしたら返還ですか?
雇用者数が維持されていないと、補助金の一部を返還することがあります。必要な新規地元雇用者数は、事業が完了した日の属する会計年度の翌年度から数えて5年後の会計年度末まで、維持しなければなりません。退職が出たときの補充を見込んだ採用計画にしておくと、返還のリスクを下げられます。
申請の前に相談は必要ですか?
必ず必要です。募集要領は、申請しようとする場合、事業内容・投資計画・雇用計画について事前に県の担当者に説明するよう求めています。企業立地課(電話024-521-8523、平日9時〜12時・13時〜17時)に電話で日程を調整し、来庁します。締切の直前は大変混み合うため、余裕を持って相談してください。
申請書類はどこへ出しますか?
福島県企業立地課(福島市杉妻町2-16 西庁舎12階)へ、持参か郵送で出します。郵送は2026年10月7日(水)必着です。FAXとメールでの提出は受け付けません。書類は片面印刷のA4で正本1部です。出した書類は返却されないので、控えを自社で残しておいてください。
締切に間に合わなかったらどうなりますか?
2026年度の募集には申請できません。募集は例年、8月上旬から10月上旬にかけて行われており、2025年度は10月3日、2024年度は10月4日が締切でした。次の募集の内容は、県の案内ページで更新されます。投資の計画が固まっているなら、先に企業立地課へ事前相談をして、来年度の募集に向けた準備を進めておく手があります。
