今治市で借りたオフィスの家賃の3分の2が、36か月を限度に戻ってきます。月の上限は50万円で、36か月分を受けると最大1,800万円です。ただし最初の奨励金を申請できるのは、賃貸借を始めてから1年がたってからです。
この記事は、同じ制度の「賃借料に対する奨励金」だけを扱います。改装費や機器の購入費が500万円まで出る「開設費用に対する奨励金」は、別の記事で書いています。
今治市 賃貸借型企業立地奨励金(賃借料)の要点まとめ
正式名:今治市賃貸借型企業立地奨励金(賃借料に対する奨励金)
だれが
- 申請者
- 賃貸オフィス等に事業所を開く企業
- 対象業種
- 情報通信業、学術研究・専門・技術サービス業の一部
- 利用目的
- 賃貸オフィス等の月額賃借料(家賃)の負担軽減
- 対象地域
- 愛媛県今治市
- 従業員数
- 市内在住の新規雇用が2人以上(短時間は2人で1人)
いくら
- 補助上限額
- 1,800万円(月額50万円を上限に36か月)
- 補助率
- 2/3(月額賃借料に3分の2を乗じた額)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年4月1日〜2027年3月31日(jGrants掲載・市に記載なし)
うちの会社は対象になる?
次の4つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 4
次のどちらかに当たると対象外です。
- ✕ 対象業種に当たらない事業
- ✕ 企業立地促進奨励金を受ける
対象業種は、情報通信業のうち情報サービス業、インターネット付随サービス業、映像・音声・文字情報制作業と、学術研究・専門・技術サービス業のうち学術・開発研究機関、専門サービス業、広告業です。
施行規則の別表では、さらに絞られています。インターネット付随サービス業はコールセンター事業を含みます。映像・音声・文字情報制作業は、映像情報制作・配給業と広告制作業だけです。この2つと、専門サービス業のデザイン業は、専ら情報通信の技術を利用する方法で行う事業に限られます。建築設計などの技術サービス業は、別表に挙がっていません。区分は国の日本標準産業分類で決まるので、自社が当たるかは産業振興課に聞くのが確実です。
「適用事業者の指定」は、奨励金を受ける前に市長へ申請して受ける指定です。賃貸オフィスを借りる事業者は、賃貸借契約の締結日から14日以内に、指定申請書(施行規則の様式第1号)を出します。
新規雇用従業員は、次のすべてを満たす人です。
- 今治市に住んでいる
- 操業開始の1年前から開始後6か月までの間に雇われた
- 奨励金の申請時にも市内に住んでいる
- 連続して1年以上雇われている
パートなどの短時間労働者(通常の従業員より所定労働時間が短い人)は、2人で1人と数えて含められます。
いくらもらえる?
月額賃借料の3分の2が出ます。月の上限は50万円で、月額賃借料が75万円を超えると、上限に当たります。次の金額は計算例で、条例に書かれた数字ではありません。
- 広告制作会社が月30万円の事務所を借りる:30万円 × 2/3 = 20万円 → 36か月で720万円
- システム開発会社が月60万円のフロアを借りる:60万円 × 2/3 = 40万円 → 36か月で1,440万円
- コールセンター運営会社が月90万円の大きな事務所を借りる:90万円 × 2/3 = 60万円 → 上限の50万円 → 36か月で1,800万円
90万円の例では、家賃の3分の2より月10万円少なくなります。家賃が75万円を超える物件では、超えた分は全額が自己負担です。
何に使える?
対象にならないもの
- 賃貸借の開始から1年たつ前の分の申請
- 36か月を超える期間の家賃
- 月額50万円を超える部分
対象になるもの
- 賃貸オフィス等の月額賃借料の3分の2
月額賃借料に、共益費や駐車場代が入るかは書かれていませんでした。契約書の内訳を持って、産業振興課に確かめてください。
申請の流れ
- 市に相談する(事業者→産業振興課。物件を決める前に。電話0898-36-1540)
- 賃貸借契約を結ぶ(事業者→貸主。この契約の締結日が、次の指定申請の期限の起点になる)
- 適用事業者の指定を申請する(事業者→今治市長。契約の締結日から14日以内)
- 操業を開始して、届け出る(事業者→今治市長。操業を始めた日から14日以内)
- 1年たったら、1回目を申請する(事業者→今治市長。賃貸借の開始から1年を過ぎた日以降)
- 2回目、3回目を申請する(事業者→今治市長。前回の申請日から1年を過ぎた日以降)
申請は3回で、36か月分を受ける形です。賃貸借の開始から数えて、1年目の終わり、2年目の終わり、3年目の終わりが目安になります。賃貸借の引渡しを受けた日から5年以内に、操業を始める必要があります。
必要な書類
準備できた 0 / 15
上から順に、指定の申請、操業開始の届出、交付の申請で使います。交付の申請は、1回目から3回目まで、そのつど出します。指定の申請には、施行規則が土地の登記事項証明書や設計図なども挙げていますが、市長は不要な書類を省略させることがあります。個人は法人登記事項証明書の代わりに住民票抄本です。様式の入手先は市のページに案内がないため、産業振興課に確かめてください。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 事業所を休止・廃止した:36か月の途中で事業をやめた状態になると、交付の停止や、受けた奨励金の返還を命じられることがあります。
- 市税を滞納した:滞納は指定の取り消しの理由に挙がっています。
- 新規雇用の条件を欠いた:要件を欠いたときも、取り消しや返還の対象です。
- 不正があった:偽りその他の不正な方法で受けると、取り消しと返還の対象です。
- 企業立地促進奨励金と重ねた:この2つは重複して支給されません。
開設費用の奨励金や雇用の奨励金とは?
賃貸借型企業立地奨励金は、賃借料に対する奨励金と、開設費用に対する奨励金の合計額です。開設費用側は、改装、通信回線、機器の購入と搬入の費用を、500万円まで受けます。
新規雇用を増やすと、雇用促進奨励金も受けられる場合があります。賃貸借型の企業は、新規雇用従業員1人につき30万円以内です。限度は1億円ですが、指定区域(今治新都市区域)では限度額がありません。
よくある質問
賃借料の奨励金は、いくらもらえますか?
月額賃借料に3分の2をかけた額で、月の上限は50万円、期間は36か月が限度です。最大は50万円の36か月分で、1,800万円になります。月額賃借料が75万円以下なら、家賃の3分の2がそのまま出ます。たとえば月30万円の事務所なら月20万円で、36か月で720万円です。物件の家賃が上限を超えないかは、契約の前に計算しておくと安心です。
最初の奨励金は、いつ受け取れますか?
賃貸借を始めてから1年がたった日以降にしか、申請できません。条例が、申請時期を「賃貸オフィス等の賃貸借を開始した日から1年を経過した日以降」と定めているためです。それまでの1年間、家賃は全額を自社で払います。資金繰りの計画では、最初の1年分の家賃を先に払う前提で、運転資金を見積もっておいてください。
36か月は、続けて受けるのですか?
申請は3回で、36か月が限度です。2回目以降は、前回の申請日から1年を過ぎた日以降に申請します。賃貸借の開始から数えると、1年目、2年目、3年目の終わりごろが目安です。契約期間が3年に満たない物件でも、制度は36か月を限度としているだけですが、途中で退去する場合の扱いは、産業振興課に確かめてください。
家賃が月75万円を超える物件でも使えますか?
使えます。ただし月の上限が50万円なので、家賃の3分の2が50万円を超える部分は出ません。月90万円の物件なら、3分の2は60万円ですが、受け取れるのは50万円です。差の10万円は自己負担になります。家賃が75万円を超えても、新規雇用の条件を満たしていれば、対象であることは変わりません。
共益費や駐車場代も賃借料に入りますか?
条例は「賃貸オフィス等の月額賃借料」とだけ書いています。共益費、管理費、駐車場代が入るかは、条例にも市の案内ページにも書かれていませんでした。契約書で家賃と共益費が分かれている場合は、内訳の書かれたページを持って産業振興課に聞いてください。入るかどうかで、受け取る額が毎月変わります。
どの業種でも使えますか?
使えません。対象は、情報通信業のうち情報サービス業、インターネット付随サービス業、映像・音声・文字情報制作業と、学術研究・専門・技術サービス業のうち学術・開発研究機関、専門サービス業、広告業です。製造業や小売業は入りません。区分は日本標準産業分類で決まるので、自社が当たるか分からないときは、先に産業振興課へ聞いてください。
新規雇用の2人は、どう数えますか?
今治市に住み、操業開始の1年前から開始後6か月までに雇われ、申請時にも市内に住んでいて、連続して1年以上雇われている人です。短時間労働者は2人で1人と数えます。正社員1人とパート2人で、新規雇用は2人です。3年に分けて申請するため、雇用の条件は申請のたびに確かめられる点にも注意してください。
開設費用の奨励金と一緒に受け取れますか?
受け取れます。賃貸借型企業立地奨励金は、賃借料に対する奨励金と開設費用に対する奨励金の合計額です。開設費用は、改装、通信回線、機器の購入搬入に使った費用を500万円まで受けます。申請の時期は別で、開設費用は操業開始後、賃借料は賃貸借の開始から1年後です。両方を合わせた資金計画を立てると、受け取る時期のずれが見えます。
途中で退去したり、事業をやめたりしたらどうなりますか?
事業所の事業を休止または廃止した場合や、これと同様の状態になった場合、市は指定を取り消し、奨励金の交付を止めることができます。すでに交付した奨励金の全部または一部の返還を命じられることもあります。移転や縮小を考えるときは、動く前に産業振興課へ相談して、奨励金への影響を確かめておくと安心です。
申請の受付期間と締切はいつですか?
市の案内ページ、条例、施行規則には、受付期間の記載がありません。国の補助金サイトjGrantsには、2026年4月1日から2027年3月31日の掲載があります。条例の交付の申請時期は、賃貸借を開始した日から1年を過ぎた日以降です。ただし先に受ける指定の申請には、賃貸借契約の締結日から14日以内という期限があります。交付は予算の範囲内で行われるため、早めに産業振興課へ連絡してください。
企業立地促進奨励金とは一緒に受けられますか?
受けられません。条例は、企業立地促進奨励金と賃貸借型企業立地奨励金を重複して支給しないと定めています。企業立地促進奨励金は、新たに取得した固定資産にかかる固定資産税の収納額に相当する額を受ける仕組みです。賃貸オフィスで始めるか、自社で建物や設備を取得するかで、進む制度が分かれます。
指定の申請は、いつまでに出せばよいですか?
賃貸オフィスを借りる事業者は、賃貸借契約の締結日から14日以内です。施行規則が、建物を賃貸借する事業者の期限をこう定めています。最初の奨励金を受けるのは1年後でも、指定の申請は契約の直後に迫ります。指定申請書(様式第1号)のほか、事業実施計画書や決算書、市税の完納証明書などが要るので、契約の前に産業振興課で必要書類を確かめて、準備を進めておくと安心です。
問い合わせ先はどこですか?
今治市の産業振興課です。電話は0898-36-1540、メールはsangyou@imabari-city.jpで、場所は今治市別宮町1丁目4番地1の本庁第1別館7階です。開庁時間は平日の午前8時30分から午後5時15分までです。月額賃借料の範囲や、指定申請の書類で迷ったときは、賃貸借の契約を結ぶ前に連絡しておくと安心です。
