海外の日本語学校で説明会を開きたい。けれど渡航費と人件費を1法人で先に持つと、採用が決まる前に費用だけが出ていきます。愛媛県のこの補助金は、そうした海外現地での活動費を、1法人あたり上限50万円、補助率10分の10以内で出す制度です。
条件は、同一関係ではない2法人以上でグループを組むこと。グループの中に、外国人介護人材を受け入れた経験のある法人と、まだ受け入れたことのない法人の両方を入れます。受付は2026年11月30日(必着)までで、審査は先着順です。
外国人介護人材獲得強化補助金の要点まとめ
正式名:令和8年度愛媛県外国人介護人材獲得強化事業費補助金
だれが
- 申請者
- 介護事業所・施設を経営する法人(2法人以上のグループで申請)
- 対象業種
- 介護保険法の指定・許可を受けた介護事業所・施設
- 利用目的
- 海外現地での外国人介護人材の確保
- 対象地域
- 愛媛県
- 従業員数
- 公式ページに記載なし
いくら
- 補助上限額
- 1法人あたり50万円(6法人以上のグループは調整あり)
- 補助率
- 10分の10以内
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年9月11日〜2026年11月30日(必着・先着順)
- 事業の完了
- 交付決定の日〜2027年2月28日(支払いまで完了)
まず確かめたいのは、グループが組めるか
この補助金で最初に決まるのは、金額より誰と組むかです。次の項目が全部そろえば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 4
対象は、愛媛県内で外国人介護人材を受け入れている、または受け入れる予定の事業所を経営する法人です。事業所は介護保険法の指定または許可を受けている必要があります。「同一関係でない」とは、100%子会社、資本金・出資金の2分の1以上を持つ関係、議決権の50%超を持つ関係、代表者が同じ関係のいずれにも当たらないことです(Q&A)。
法人の種別は問いません。医療法人でも申請できます。法人の本店が他県にあっても、愛媛県内の事業所のための採用活動なら対象です。ただし他県から同様の補助を受けるときは、重複しないよう按分が要ります。知事が特に認める場合はグループの条件に例外があります(要綱第2条)。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 日本国内での採用活動だけ行う
- ✕ 送出機関や学校を含むグループ
グループは申請の前に形にしておく必要があります。相手が見つからないときは、愛媛県外国人介護人材支援センター(愛媛県社会福祉協議会内)が、希望する海外での活動に合わせたマッチングを手伝っています。電話は089-921-5560で、事前相談シート(Excel)を添えてメールかFaxで相談します。
いくら戻ってくる?
対象経費の実支出額に補助率10分の10を掛けた額が、上限の50万円に届くまで補助されます。千円未満は切り捨てです。
- 説明会と現地訪問の経費が合計38万円:38万円 × 10/10 = 38万円
- 経費が合計62万円:62万円 × 10/10 = 62万円 → 上限の50万円
- 7法人のグループで、他の法人の交付決定額がすでに合計220万円:250万円 − 220万円 = 30万円 → 30万円(50万円より少ないほう)
3つ目は、6法人以上のグループだけに関わる計算です。グループ全体では250万円が天井になるため、後から申請する法人ほど基準額が下がることがあります。5法人以下のグループなら、各法人が50万円までです。
補助金は精算払いが基本で、事業を終えて額が確定してから振り込まれます。県が必要と認めた場合は概算払もあります(要綱第14条)。先に自己資金で立て替える前提で、資金繰りを組んでおくと安心です。
何に使える?
対象にならないものを先に挙げます。
- 外国人介護人材を採用する際の職業紹介事業者への手数料
- 監理団体への監理費、登録支援機関への支援委託手数料
- 食費、観光施設の利用料、治療費などの個人に帰属する経費
- グループの法人・施設の職員以外の人の旅費
- 単価5万円以上の備品の購入
対象になるのは、次の取組に必要な経費です。
- 海外の学校や送出機関を訪ねて関係をつくる訪問活動と、必要な宣材ツールの作成
- 海外の日本語学校などでの説明会、現地での求人募集、愛媛県の介護のPR
- そのほか現地での人材確保に資する取組
経費の費目は、人件費(報酬・報償費)、旅費、需用費、会議費、使用料・賃借料、役務費、委託料、備品購入費、負担金などです。Q&Aには細かい線引きがあります。
- 朝食込みで内訳が分けられない宿泊費は、宿泊費として計上できます。昼食と夕食は対象外です。
- ビジネスクラスに乗っても、補助されるのは同じ便のエコノミークラス運賃までです。
- 海外保険料は旅費に計上できます。現地の病院代や薬代は対象外です。
- 観光地として訪ねる場所の見学は対象外です。
- 家族を連れて行った場合の家族の旅費は対象外です。
申請から入金までの流れ
- グループを組む(各法人→代表法人を決める。相談はセンターへ)
- 申請書類を県に出す(代表法人を含む各法人→保健福祉課 企画係。メールか郵送、2026年11月30日必着)
- 交付決定を待つ(県→各法人。先着順の審査。予算上限に達すると受付が終わる)
- 海外で活動し、2027年2月28日までに支払いまで終える(各法人)
- 実績報告を出す(各法人→県。事業が完了した日から30日を過ぎた日か、年度末の3月31日のどちらか早い日まで)
- 額の確定後に請求する(各法人→県。精算払請求書)
経費の精算は、代表法人がまとめて行えません。補助金は法人ごとに交付されるので、支払いも請求も各法人が自分の分を行います。
必要な書類
準備できた 0 / 6
様式は、案内ページにWord(様式第1号〜第7号)とExcel(様式1-1〜1-6、4-1〜4-3)で載っています。様式1-5は役員一覧、1-6は法人グループの同意書です。案内ページの提出書類には1-1〜1-4までしか載っていないため、1-5と1-6が要るかは企画係に確かめると確実です。「その他参考になる書類」の中身にも公式の具体例がありません。提出前に問い合わせてください。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 支払いが期間に間に合わない:2027年2月28日までに、振込を含めた支払いが全部終わっている必要があります。期限を過ぎた支出は対象外です。
- 領収書などの根拠がない:現地で領収書をもらえなかった経費は、原則として認められません。外国語の領収書には日本語訳と換算レートの資料が要ります。
- グループの条件を外れる:同一関係の法人が混ざった場合や、経験ありの法人がいない場合は、グループとして認められません。
- 予算が先になくなる:11月30日より前でも、予算上限に達すると受付が終わります。全体の申請額が予算を超えると、県が調整して減額することもあります。
申請前に知っておきたい注意
消費税の仕入控除税額(事業者が納税時に差し引ける消費税分)は、補助の対象から減額して申請します。申請の時点で額が分からないときは、実績報告の段階で減額して報告します。
交付決定を受けたあとに内容を変えるときは、あらかじめ変更の承認が要ります。経理の帳簿と証拠書類は、事業の終わった年度の翌年度から5年間、保管します。
補助金の使い道は目的に限られます。ほかの経費への流用は認められず、不正があれば交付決定の取消しや返還を命じられることがあります。
よくある質問
日本国内での外国人介護人材の採用活動は対象になりますか?
対象になりません。この補助金が支えるのは海外現地での取組です。国内で開く合同説明会や、国内にいる留学生への求人活動の費用は、補助対象事業に入りません。海外の送出機関や日本語学校との関係づくり、現地での説明会や求人募集、愛媛県の介護のPRといった活動に必要な経費に限られるため、事業計画も「現地で何をするか」を軸に組むと整理しやすくなります。
対象になる在留資格に決まりはありますか?
在留資格は問われません。Q&Aに「在留資格は問いません」と書かれています。技能実習、特定技能、介護、留学などで区切らずに、海外現地での外国人介護人材の確保につながる取組なら対象になります。ただし対象はあくまで海外での活動費です。採用後の在留手続きを支える登録支援機関への手数料や、監理団体への監理費は対象外なので、経費を分けて整理しておくと安心です。
現地で活動しても採用できなかったら、補助金は返しますか?
採用に至らなくても、返還は不要です。Q&Aにそのとおり書かれています。ただし、採用できなかった理由やその後の経過について、県から尋ねられることがあります。説明会の参加人数、訪問先、先方とのやり取りの記録を残しておくと、実績報告のときにも役に立ちます。補助の条件は採用の成否ではなく、計画した取組を実施して経費を支払ったことです。
グループに送出機関や日本語学校を入れてもいいですか?
入れられません。グループを構成できるのは、愛媛県内で外国人介護人材を受け入れる、または受け入れる予定の介護事業所・施設を経営する法人だけです。介護福祉士の養成施設、日本語学校、送出機関は含められません。こうした機関とは、グループの外で連携する形になります。訪問先として関係を築く、業務の一部を委託するといった形で関わらせることになります。
「同一関係ではない」法人とは、どんな関係のことですか?
100%子会社、資本金・出資金の2分の1以上を持つ法人、議決権の50%を超えて持つ法人、代表者が同じ法人は、実質的に同じ法人とみなされます。こうした法人が入ったグループは認められません。2法人以上という条件は、独立した別々の法人が組むことを前提にしています。グループを組む前に、各法人の資本関係と代表者を確認しておきましょう。
代表法人がグループ全員の補助金をまとめて受け取れますか?
できません。補助金は、グループ内の各法人それぞれに交付されます。経費の支払いも精算も、各法人が自分の分を行います。代表法人はグループを取りまとめる役割で、他の法人の補助金を代わりに受け取ったり、事業の経費をまとめて支払ったりはできません。複数の事業所分を出す場合は、法人の単位で、各事業所分をまとめて申請します。
飛行機のビジネスクラスや、現地での食事は補助されますか?
ビジネスクラスに乗ること自体は可能ですが、補助されるのは同じ便のエコノミークラスの運賃までです。申請ではエコノミークラスの根拠資料を示し、その金額で出します。食事は、昼食と夕食が対象外です。朝食込みで内訳を分けられない宿泊費は、宿泊費として計上できます。機内食は航空券代に含まれる範囲で航空賃の一部として扱われます。
領収書が外国語だったり、もらえなかったりしたらどうなりますか?
外国語の領収書は、日本語に訳したものと、支払時の為替レートが分かる資料をあわせて出します。領収書がもらえなかった経費は、支払いの根拠を示せないため、原則として認められません。クレジットカードで払って領収書がないときは、振込依頼書に加えて、支払いの完了が分かる口座の写しも要ります。現地では領収書を必ずその場で受け取る習慣をつけておきましょう。
現地の通訳へは、現地の通貨で払ってもいいですか?
この補助金は日本円での支払いを前提にしています。現地への支払いが必要なときは、国内の金融機関から外貨送金で行います。そのときの手数料は、役務費として計上して構いません。現地通貨での支払いは想定されていないため、使う前に企画係へ確かめておくと確実です。
法人の本店が他県でも申請できますか?
本店が他の都道府県にあっても、愛媛県内の事業所のための採用活動なら対象になります。ただし、他県から同じ趣旨の補助金を受けるときは、補助が重複しないよう経費を按分します。県内事業所の分と他県の分を、帳簿の上で分けておくと説明がしやすくなります。対象は法人単位で、複数の事業所を持つなら、法人で各事業所分をまとめて申請します。
申請の受付はいつまでで、先着順ですか?
受付は2026年9月11日から11月30日までで、期限内の必着です。審査は期間中に先着順で行われます。予算の総額は公式ページに書かれていませんが、期間中でも予算上限に達すると受付が終わります。全体の申請額が予算を超えたときは、県が調整して減額する可能性もあります。グループづくりに時間がかかる制度なので、早めに相談を始めるのが安全です。
問い合わせ先はどこですか?
申請や経費については、愛媛県 保健福祉部 社会福祉医療局 保健福祉課 企画係(電話 089-912-2383)です。法人グループの組み方は、愛媛県外国人介護人材支援センター(電話 089-921-5560)が相談を受けています。経費の線引きで迷うときは、Q&Aに載っていない内容を申請前に企画係へ確かめておくと、実績報告のときに経費が認められないという事態を防げます。
