助成金

【全国】人材開発支援助成金(教育訓練休暇等付与コース)とは?最大30万円

#地域補助金#地域

人材開発支援助成金には、研修費用そのものを助成するコースのほかに、「休む・働き方を変える」ことに対して助成する枠があります。それが教育訓練休暇等付与コースです。社員が自発的に学び直す時間そのものを、会社が制度として保証したかどうかを見る助成金です。

このコースは、性質の異なる3つの制度に分かれています。どれを導入するかで、支給額も対象になる取り組みも変わります。

人材開発支援助成金(教育訓練休暇等付与コース)の要点まとめ

項目内容
申請者事業者(法人・個人事業主)
制度名人材開発支援助成金(教育訓練休暇等付与コース)
対象業種全業種
利用目的雇用・職場環境を改善したい(労働者の自発的な学び直しの支援)
対象地域全国
従業員数規定なし(中小企業・大企業を問わず利用できます。賃金助成の単価は企業規模により異なります)
補助上限額教育訓練休暇制度の導入=30万円/長期教育訓練休暇制度の導入=20万円+賃金助成(1人1時間あたり1,000円・最大1,600時間分、大企業は800円・最大1,200時間分)+業務代替の取組への加算/教育訓練短時間勤務等制度の導入=20万円
補助率定額支給(賃金助成は時間単価×時間数)
申請受付通年受付。制度導入・適用計画届の提出が必要です(提出タイミングの詳細は公式ページでご確認ください)
公式サイト人材開発支援助成金|厚生労働省
横にスクロールできます

人材開発支援助成金(教育訓練休暇等付与コース)の対象・金額・締切の概要

3つの制度、どれを導入すればいい?

「教育訓練休暇」といっても、日数と目的が異なる3つの制度があります。自社で今ある休暇制度と見比べながら確認してください。

① 教育訓練休暇制度(30万円)

3年間に5日以上取得できる、有給の教育訓練休暇制度を導入し、対象労働者が実際に取得した場合に支給されます。1回の休暇は数日単位でよく、比較的導入のハードルが低い制度です。無給の休暇制度では対象になりません。就業規則等に「有給」であることを明記する必要があります。

② 長期教育訓練休暇制度(20万円+賃金助成)

30日以上の長期の教育訓練休暇を取得できる制度を導入し、対象労働者が実際に取得した場合に支給されます。制度導入そのものに20万円、さらに休暇中の賃金助成として1人1時間あたり1,000円(大企業は800円)、最大1,600時間分(大企業は最大1,200時間分)が支給されます。

長期の休暇となると、抜けた穴をどう埋めるかが課題になります。そこで、長期教育訓練休暇の取得者の業務を代わりに行う労働者を新たに採用した場合や、周囲の労働者に手当を支給した場合にも、別途助成の対象になります。加算額は取り組みの内容によって変わるため、詳しくは下記の出典パンフレットでご確認ください。

③ 教育訓練短時間勤務等制度(20万円)

所定労働時間の短縮や所定外労働の免除を、30回以上利用できる制度を導入し、対象労働者が実際に1回以上適用した場合に支給されます。フルタイムでの休暇取得は難しいが、学び直しの時間を確保したい労働者向けの制度です。

図版①:3つの制度の使い分け(数日単位の学び直し=教育訓練休暇制度/まとまった期間の学び直し=長期教育訓練休暇制度/時短で学び直し=教育訓練短時間勤務等制度) 図: 3つの制度の違い。詳しい要件は本文を参照

共通して重要なのは、制度を「導入しただけ」では支給されないことです。 対象労働者が実際に休暇を取得する、または短時間勤務等を適用することまでが要件に含まれます。

承認までの重要なタイミングと必要書類

タイミングやること必要になるもの
制度導入前就業規則等に制度を規定し、制度導入・適用計画届を労働局へ提出する制度導入・適用計画届、就業規則等の規定文書
制度の適用中対象労働者に実際に休暇を取得させる、または短時間勤務等を適用する(制度ごとに定められた日数・回数を満たす)休暇取得・適用の記録
適用後支給申請を行う制度導入支給申請書、実施状況報告書、賃金台帳 等
横にスクロールできます

「うちの会社でも対象?」対象事業者の考え方

対象になるのは、雇用保険適用事業所の事業主です。すでに何らかの休暇制度がある会社でも、「有給かどうか」「日数・回数が要件を満たすか」を確認すると、追加の制度整備で対象になる場合があります。

例:従業員25人のIT企業(法人) 資格取得やスキルアップのための学習時間を作りたいが、まとまった休暇までは難しい。まず数日単位の有給休暇から始めたい。 → 3年間に5日以上取得できる有給の教育訓練休暇制度を就業規則に規定し、労働者が実際に取得すれば、教育訓練休暇制度として30万円が支給対象になります。

よくある質問

制度を導入するだけで支給されますか?

いいえ。就業規則等に制度を規定して導入するだけでなく、対象労働者が実際に休暇を取得する、または短時間勤務等を適用することまで必要です。導入しただけでは支給対象になりません。

無給の休暇制度でも対象になりますか?

教育訓練休暇制度・長期教育訓練休暇制度は、いずれも有給であることが条件です。無給の休暇制度を導入しても、このコースの支給対象にはなりません。

研修費用そのものの助成とは別ですか?

はい。研修費用や研修中の賃金を助成する「人材育成支援コース」「人への投資促進コース」などとは別のコースです。教育訓練休暇等付与コースは、休暇制度・短時間勤務制度そのものの導入に対して助成します。

※支給額・要件・申請手続きなどの制度内容は、支給要領の改定により変更される場合があります。申請前に必ず厚生労働省の公式サイトまたは都道府県労働局で最新情報をご確認ください。

【攻略ガイド】人材確保・雇用の補助金で失敗しない申請の進め方

国の雇用関係助成金には、計画届という手続きがあります。取り組みを始める前に届け出て、認定を受ける仕組みです。要件さえ満たせば、原則として支給されます。予算の枠で切られることは、あまりありません。

自治体の人材確保・雇用の補助金は、これとは違う設計です。多くの制度に計画届はありません。そのかわり、先着順で予算が尽きたら、その年度の受付はそこで終わります。 トピックは近くても、手続きの前提はまったく別物だと考えてください。

1. この種の補助金の"勝負どころ"

ここを取り違えると、痛い目に遭います。設備投資分野の例ですが、伊勢原市の中小企業向け補助金は、受付開始の翌日12時38分に予算の上限へ達しました。受付から締切まで、1日ともちませんでした。 人材確保・雇用の分野にも、同じ先着順の制度が数多くあります。「まだ間に合う」と思っている間に、締め切られていることがあります。

もう一つの決定的な違いは、手続きの順番です。設備投資の補助金は「交付決定前の発注は対象外」が基本ですが、人材系の制度には、逆に雇用・受講・資格取得を先に済ませてから申請するものが少なくありません。国の助成金の感覚のまま「先に届け出てから動く」と思い込むと、順番を間違えます。

2. 申請前に必ず確認する5つのこと

  1. 予算方式か計画届方式か:先着順で予算が尽きる制度か、要件を満たせば原則支給される制度か。窓口に確認しておくと、動くべき速さが分かります

ここから先は

残り 3,700 / 図版3

無料会員登録で、攻略ガイドを最後まで読めます

数多くの補助金を見てきた専門家が作成した攻略ガイドが無料で見放題。

今すぐ会員登録ログイン

免責事項: 本記事の内容は2026年8月時点で確認できた厚生労働省の公式資料にもとづきます。補助上限額・要件・受付状況は変更される場合があるため、申請前に必ず厚生労働省の公式ページまたは都道府県労働局で最新の内容をご確認ください。

出典(一次情報)

この記事を書いた人
白木さん|元・自治体職員
制度をつくる側にいた元・自治体職員(産業振興)

市の産業振興課で補助金の設計・審査に関わってきました。「なぜこの要件があるのか」を制度の目的から説明できるのが強みです。窓口では伝えきれなかった制度の意図まで踏み込んで書きます。掲載内容は公募要領などの一次情報をもとに整理しています。

本記事は情報提供を目的としており、補助金の採択・交付を保証するものではありません。 補助上限額・補助率・締切等の内容は変更される場合があります。申請にあたっては、必ず 公式サイト・最新の公募要領をご確認ください。