離職が減らない。求人を出しても人が来ない。人材確保等支援助成金(雇用管理制度・雇用環境整備助成コース)は、雇用管理制度の整備や現場の機器導入で離職率を下げた事業主に、最大325万円を支給する制度です。
対象は賃金規定・人事評価制度から、POSシステムや電動アシスト台車まで幅広いです。「導入して終わり」ではなく、離職率を実際に下げることが支給の条件です。
人材確保等支援助成金(雇用管理制度・雇用環境整備助成コース)の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(雇用保険の適用事業の事業主) |
| 制度名 | 人材確保等支援助成金(雇用管理制度・雇用環境整備助成コース) |
| 対象業種 | 全業種 |
| 利用目的 | 雇用管理制度(賃金規定・諸手当等・人事評価・職場活性化・健康づくり)の導入、または業務負担軽減機器等の導入による離職率の低下 |
| 対象地域 | 全国 |
| 従業員数 | 規定なし(雇用保険一般被保険者数の規模で離職率の低下目標が変わる。1〜9人は現状維持、10人以上は1ポイント低下) |
| 補助上限額 | 最大230万円(賃金要件を満たした場合、最大325万円) |
| 補助率 | 制度導入:定額20万〜50万円(複数導入で上限80万〜100万円)/業務負担軽減機器等:対象経費の1/2(賃金要件で62.5〜75%、上限150万〜225万円) |
| 申請受付 | 通年(雇用管理制度等整備計画を提出し認定を受ける方式) |
| 公式サイト | 厚生労働省「人材確保等支援助成金(雇用管理制度・雇用環境整備助成コース)」 |

導入できる制度は5つ+機器等
対象になる「雇用管理制度」は5種類、加えて「業務負担軽減機器等」の導入も対象です。
| 導入するもの | 支給額 | 上限額 |
|---|---|---|
| 賃金規定制度(賃金表の整備) | 40万円(賃金要件あり50万円) | 80万円(同100万円) |
| 諸手当等制度(資格手当等の導入) | 40万円(同50万円) | 同上 |
| 人事評価制度(人事評価制度の導入) | 40万円(同50万円) | 同上 |
| 職場活性化制度(メンター制度・エンゲージメントサーベイ・1on1のいずれか) | 20万円(同25万円) | 同上 |
| 健康づくり制度(人間ドックの実施) | 20万円(同25万円) | 同上 |
| 業務負担軽減機器等の導入 | 対象経費の1/2(同62.5%または75%) | 150万円(同187.5万円または225万円) |
上限額は「複数導入した際の合計」にかかります。 賃金規定制度と人事評価制度を同時に導入しても、80万円の枠の中でしか支給されません。賃金要件(3〜7%以上の賃上げ)を満たすと、この上限額自体が引き上がります。
たとえば賃金規定制度(50万円)+諸手当等制度(50万円)+業務負担軽減機器の導入(対象経費の1/2、上限225万円)を、7%以上の賃上げとあわせて実施すると、合計最大325万円が支給対象になります。
支給の条件は「離職率を下げること」
この助成金の最大の特徴は、制度を導入しただけでは支給されない点です。評価時離職率算定期間(計画期間終了後12か月間)を経て、離職率が実際に下がったことを確認してから支給されます。
離職率の低下目標は、雇用保険一般被保険者の人数規模で変わります。
- 1〜9人の事業所:現状維持で目標達成(それ以上下げなくてよい)
- 10人以上の事業所:計画時離職率から1ポイント以上の低下が必要
例えば従業員15人の事業所で、計画時離職率が10.0%なら、評価時離職率を9.0%以下にする必要があります。評価時離職率が30%を超えると、目標を達成していても支給対象外になる点にも注意してください。
承認までの重要なタイミングと必要書類
| タイミング | やること |
|---|---|
| 事業所ごとに「雇用管理責任者」を選任 | 計画開始日までに選任し、労働者に周知する |
| 計画の作成・提出 | 本社所在地を管轄する都道府県労働局へ提出し、認定を受ける |
| 計画期間中(3か月以上1年以内) | 認定された制度・機器を導入し、対象労働者の2分の1以上に実施・利用する |
| 評価時離職率算定期間(計画終了後12か月間) | 導入した制度・機器の運用を継続する |
| 算定期間終了後2か月以内 | 支給申請書を提出する |
計画認定日から支給申請まで、最短でも1年以上かかる制度です。急ぎの資金調達には向きません。じっくり職場環境を整える計画に向いています。
よくある質問
制度を導入すれば必ずもらえますか
もらえません。導入後の評価時離職率算定期間(12か月間)を経て、離職率の低下目標を達成することが支給の条件です。導入するだけでは支給されない点にご注意ください。
賃金要件とは何ですか
整備計画期間中に、雇用管理制度・雇用環境整備の実施とあわせて、対象労働者の毎月決まって支払われる賃金を3〜7%以上引き上げる取組です。達成度に応じて助成額に25〜50%が加算されます。
過去にこの助成金を受給していても再度申請できますか
過去に同じ雇用管理制度等区分(人事評価制度、雇用環境整備の措置等)を含む助成金を受給している場合、最後の支給決定日の翌日から起算して3年間が経過していないと申請できません。
