自社の電気は特別高圧だが、国の値引き支援を受けられていない。そういう熊本県内の事業者に、県が使用量に応じて補助するのが第6弾です。対象は県内にある施設の分だけで、本社が県内でも県外の工場の分は含まれません。
この記事は特別高圧電気とLPガス(従量支援分)の2本立てです。LPガスは、家庭用や店舗用の一般的なプロパン契約ではなく、貯蔵所の許可や届出が要る工業用が対象です。
熊本県 特別高圧電気・LPガス補助金(第6弾)の要点まとめ
正式名:熊本県特別高圧電気料金高騰緊急対策補助金(第6弾)/LPガス従量支援分
だれが
- 申請者
- 特別高圧の契約者/工業用LPガスの貯蔵所を持つ事業者
- 対象業種
- 業種の指定なし
- 利用目的
- 電気料金・LPガス料金の負担軽減
- 対象地域
- 熊本県内
- 従業員数
- 規定なし(大企業等も申請可)
いくら
- 補助上限額
- 定額の上限なし(大企業等は上限を設ける場合あり)
- 補助率
- 使用量×単価(特高0.9〜1.2円/kWh、LPガス0.4円/㎥)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年10月30日〜2026年11月30日
うちは対象になる?
特別高圧電気は、次の3つにすべて当てはまれば対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 3
特別高圧は、供給電圧が2万ボルト以上の契約を指します(熊本県のQ&A)。契約先の小売電気事業者に指定はありません。
LPガス(従量支援分)は、次の3つにすべて当てはまれば対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 3
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 国・地方公共団体(公営企業を含む)
- ✕ 県の医療・福祉などの支援金の対象者
- ✕ 売電目的の発電事業にかかる電気料金
- ✕ 県外の施設で使うLPガスの分
- ✕ 3トン未満の貯蔵施設で使うLPガスの分
「県の別の支援制度の対象者」は、病院・診療所・薬局、介護・障がい福祉の事業所、保育所、一般公衆浴場、クリーニング事業者などです。地域鉄道事業者や土地改良区、県の指定管理者で電気料金について措置済みの者も外れます。これらの事業者は別の支援金で手当てされるため、重ねて受け取ることはできません。
テナントとして入居している事業者は、自分で申請できません。特別高圧を受電している事業者が、テナントの使用量もまとめて申請します。売電目的の発電事業にかかる電気料金とは、たとえば売電専用の太陽光発電施設の管理運営に使った電気の分です。
LPガスは、貯蔵施設の許可・届出が必要な3トン以上の貯蔵施設での使用分に限られます。熊本市内の貯蔵所は対象で、通常のボンベを使う別の事業所の分は、熊本県LPガス料金高騰対策事業者支援金のほうの対象です。第6弾の記載から外れる事業所がある場合は、エネルギー政策課に確かめるのが確実です。
よく誤解されるポイント
「うちは特別高圧だから申請できるはず」と考えて、手が止まる人が多い箇所を3つ挙げます。
1つ目は、会社の本社の場所です。県内に本社があっても、特別高圧の受電施設が県外にあれば対象外です。逆に、本社が県外でも県内に受電施設があれば対象になります。
2つ目は、申請の単位です。複数の事業所で特別高圧を受電していても、事業所ごとではなく1企業につき1申請です。
3つ目は、先着順かどうかです。県のQ&Aでは、先着順ではないと明記されています。ただし大企業等は、予算の執行状況によって補助上限額を設ける場合があります。
いくら補助される?
特別高圧は、検針で請求のあった電力使用量の累計に、補助単価を掛けます。千円未満は切り捨てです。
| 月分 | 補助単価 |
|---|---|
| 2026年7月・9月 | 0.9円/kWh |
| 2026年8月 | 1.2円/kWh |
LPガスは、2026年7月1日から9月30日の間に納品された購入量に、1立方メートルあたり0.4円を掛けます。消費税は含みません。
- 特別高圧:7月・9月分の使用量が合計100万kWhなら、100万 × 0.9円 = 90万円
- 特別高圧:8月分の使用量が40万kWhなら、40万 × 1.2円 = 48万円
- LPガス:期間中の購入量が5万立方メートルなら、5万 × 0.4円 = 2万円
特別高圧の例の2本は、同じ事業者が両方の月で受け取れば合計138万円です。特別高圧の対象は、検針日が2026年8月から10月のものです。検針日が7月31日の分は、使用量の算定期間が6月から7月でも対象外になります(Q&A問4-1)。
申請書(様式2-1)では、8月検針分を7月分、9月検針分を8月分、10月検針分を9月分として書きます。単価は、この月分の区分で決まります。
LPガスの購入量が納品書でkg表記なら、申請書の定めで1kg=0.458立方メートルに換算します。額は千円未満を切り捨てます。
LPガスは、注文した日ではなく納品された日で判断します。9月30日に注文して10月10日に納品された分は含まれません。7月に買ったガスを7月中に使い切っていなくても、問題ありません。
申請の流れ
- 必要書類をそろえる(事業者→電力会社・法務局・銀行。11月30日の申請前に)
- 県のページから様式をダウンロードして記入する(事業者→熊本県のページ。特別高圧は様式1・2-1・3、LPガスは様式1)
- 郵送かメールで出す(事業者→熊本県エネルギー政策課。11月30日まで。郵送は消印有効、持参は事前に連絡)
- 審査と交付決定を待つ(熊本県→事業者)
- 口座に振り込まれる(熊本県→事業者)
郵送は簡易書留かレターパックプラスで、宛先は「〒862-8570 熊本県商工労働部産業振興局エネルギー政策課」です(県庁専用の郵便番号なので住所は不要です)。メールは eneseisaku@pref.kumamoto.lg.jp に、件名を「【企業名】(第6弾)熊本県特別高圧電気料金補助金申請書」の形で送ります。LPガスは件名の頭が「【企業名】第6弾熊本県LPガス料金補助金申請書」です。
特別高圧の給付は申請受付後の2027年2月ごろ、LPガスは2026年12月から2027年1月ごろを、県は想定しています。
必要な書類
特別高圧電気の書類です。
準備できた 0 / 7
履歴事項全部証明書は、発行から3か月以内のものです(登記情報提供サービスのPDFでも可)。テナントを抱える事業者は、事業者別電力使用量一覧(様式2-2)も要ります。
LPガスの書類です。
| 書類 | どこで手に入るか |
|---|---|
| 申請書兼請求書(様式1) | 県のページ |
| 納品書・請求書の写し | LPガス販売店 |
| 許可書・届出書の写し | 自社 |
| 通帳の写し | 取引銀行 |
納品書などは、購入月・購入量・購入先が分かるものを出します。許可書・届出書の写しは、前回(2026年1月から3月分)の従量支援分を受けていて許可等の状況が変わっていなければ、省けます。通帳の写しも、前回と振込先が同じなら省けます。いずれも申請書の誓約欄で申し出ます。委任状は、振込先を別名義にするときだけです。販売店で値引きされている場合は、そのことが分かる領収書なども添えます。
もらえなくなるのはどんなとき?
- テナントへの還元をしない:特別高圧の施設でテナントに電気を融通している事業者は、補助相当額を使用量に応じて還元します。2027年3月31日までに終え、県に報告します。
- 対象外の事業者が申請した:交付決定のあとで要件に合わないと分かると、決定が取り消され、返還を求められます。
- LPガスの重複申請:熊本県LPガス料金高騰対策事業者支援金に申請した事業所は、従量支援分の対象外です。
- 不正や虚偽があった:返還に加え、未納分には年10.95%の延滞金がかかることがあり、事業者名が公表される場合もあります。
前の弾とのちがい
第6弾の対象は2026年7月から9月の使用分です。第5弾は2026年1月から3月分だったので、旧弾の案内で見た単価や対象期間は、そのまま当てはめられません。第5弾の特別高圧は別の記事で書いています。
第6弾のページに載っているLPガスの支援は、従量支援分だけです。一般消費者向けのLPガスは販売店の値引き補助が別にあり、この申請の対象ではありません。
よくある質問
特別高圧電気とLPガスの両方を使っていたら、まとめて申請できますか?
制度ごとに申請書類が別です。特別高圧は交付要項第5条の申請兼請求書など、LPガスは従量支援分の申請書兼請求書(様式1)を使い、それぞれ提出します。宛先とメールアドレスは同じエネルギー政策課ですが、封筒の表書きとメールの件名は別になります。両方に当てはまる事業者は、期限内にそれぞれの書類をそろえて出してください。
本社は県外で、熊本県内に工場があります。対象ですか?
対象です。県のQ&Aでは、本社が県外でも特別高圧の受電施設が県内にあれば対象と書かれています。逆に、本社が県内でも受電施設が県外なら対象外です。判断するのは本社の場所ではなく、電気を受けている施設の場所です。LPガスも同じで、県外の工場での使用分は購入量に含められません。
特別高圧の事業所が複数あります。事業所ごとに申請しますか?
事業所ごとではなく、1企業につき1申請です。電力使用量は事業所の分を合算して申請書に記入し、請求書などの書類は事業所の数だけそろえます。テナントを抱える施設を複数お持ちの場合は、事業者別電力使用量一覧(様式2-2)で施設ごとの内訳を示します。書き方に迷うときは、エネルギー政策課に電話で確かめてください。
7月に検針日がある分は対象になりますか?
検針日が2026年7月の分は対象外です。対象になるのは、検針日が8月から10月のものです。たとえば検針日が7月31日で使用量の算定期間が6月10日から7月9日の分は含まれません。逆に検針日が10月10日の分は、算定期間に10月分が含まれていても、日割りで除く必要はありません。
中小企業と大企業等でちがいはありますか?
補助単価は同じです。ちがうのは上限で、大企業等については、予算の執行状況に応じて補助上限額を設けるなどの調整をする場合があります。大企業等は、中小企業基本法の基準(製造業なら資本金3億円以下または従業員300人以下など)を満たさない事業者や、独立行政法人、国立大学法人などです。
消費税は補助の対象ですか?
対象外です。特別高圧電気もLPガスも、消費税は補助の計算に含めません。LPガスの単価1立方メートルあたり0.4円は、消費税を含まない金額です。特別高圧は、検針で請求のあった電力使用量の累計に補助単価を掛けて計算するため、請求書の税込み金額に補助率を掛けるのではありません。
LPガスの値引き補助を受けていても申請できますか?
申請できます。県のQ&Aでは、工業用LPガスが販売店で値引きされている場合は、値引きされたことが分かる領収書などを申請時に添付するよう案内されています。値引き補助の対象は、液石法が適用される一般消費者等向けのLPガスです。今回の申請対象は工業用のLPガスなので、仕組みが別になります。
申請は先着順ですか?
先着順ではありません。県のQ&Aでは、必要書類をそろえて期間内に申請するよう案内されています。受付期間は2026年10月30日から11月30日までで、郵送は最終日の消印が有効です。手引きには受付の始まりを10月23日とする記載もありますが、県の案内ページは10月30日からです。書類に不足があると追加提出の連絡がきます。連絡がつかない、または期日までに出ない場合は取り下げとみなされます。
振込先の口座が申請者と別名義でもいいですか?
特別高圧では、親会社と子会社の取り決めなどの事情があれば可能です。申請者から口座名義人へ受領の権限を委任したことが分かる委任状(押印あり)を出します。委任状は原本が必要です。当座預金で通帳がないときは、当座勘定照合票やネットの口座情報の画面印刷を出し、口座以外の情報は隠します。
給付はいつごろですか?
特別高圧は申請受付期間のあとの2027年2月ごろ、LPガスは2026年12月から2027年1月ごろを、県は想定しています。県は、補助上限額を設ける場合があるため申請状況を見極める必要があるとしています。県の案内ページと資料で年の表記が分かれていますが、受付期間のあとの時期として、Q&Aの2027年2月ごろを採っています。ここに書いた時期は想定で、確定ではありません。進み具合はエネルギー政策課に電話で確かめられます。
受け取ったお金に税金はかかりますか?
熊本県のページや交付要項、Q&Aには、税務上の扱いが書かれていませんでした。公式に明記がないため、受け取った額の処理は税務署か顧問の税理士に確かめるのが確実です。なお、帳簿と証拠書類は、特別高圧では補助事業が完了した日の属する会計年度の終了後5年間、保管する必要があります。
問い合わせ先はどこですか?
熊本県商工労働部産業振興局のエネルギー政策課エネルギー班で、電話は096-333-2320です。メールの問い合わせは、県のページにある問い合わせフォームから送れます。貯蔵施設が3トン未満の分や、別の支援金との関係で迷うときは、申請前に電話で確かめると書類の出し直しを防げます。
