オフィスビル・店舗・工場。既存の建築物を持つ事業者にとって、断熱改修や高効率空調への入れ替えは「やりたいけど後回し」になりがちな投資です。この補助金は、その改修工事の費用を国が支援する制度です。
「二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(民間建築物等における省CO2改修支援事業)」は環境省の補助金で、執行団体は静岡県環境資源協会。令和7年度補正予算・令和8年度分をあわせた二次公募が、9月30日締切で実施中です。
民間建築物等における省CO2改修支援事業の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人・個人事業主) |
| 制度名 | 二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(民間建築物等における省CO2改修支援事業・令和7年度補正三次公募/令和8年度二次公募) |
| 対象業種 | 業種指定なし(民間建築物を所有・使用する事業者) |
| 利用目的 | 設備整備・IT導入、エコ・SDGs活動支援 |
| 対象地域 | 全国 |
| 従業員数 | 規定なし(執行団体の交付規程で確認が必要) |
| 補助上限額 | 3,500万円 |
| 補助率 | 3分の1 |
| 申請受付 | 令和8年8月21日(金)〜9月30日(水) |
| 公式サイト | https://siz-kankyou.com/2025hco2/minkan3/ |
自分が対象かどうかを確かめる
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
空き家の改修は対象外です(別枠の「空き家等における省CO2改修支援事業」が該当します)。すでに使用されている民間建築物の改修が、この事業の対象になります。
いくらもらえるか
いくらもらえるか計算する
補助率 3分の1 / 上限 3500万円
補助率は補助対象経費の3分の1、上限3,500万円です(公募要領・別表第1)。空き家等における省CO2改修支援事業(上限1,000万円)より大きな枠です。
ただし、この上限には落とし穴があります。CO2削減コストが1トンあたり29,000円を超える場合、「29,000円×年間CO2削減量[t]」で計算した金額が上限になるという追加ルールがあるためです。省エネ効果に対して工事費が大きすぎる(費用対効果が低い)改修計画は、3,500万円まで届く前にこちらの上限で頭打ちになることがあります。たとえば、オフィスビルの空調設備を高効率機種に入れ替え、あわせて断熱改修を行うケースで対象経費が3,000万円かかった場合、単純計算では3分の1の1,000万円が補助額の目安になりますが、CO2削減量が小さいとこの上限式で減額される可能性がある、ということです。
なお、対象事業には「改修前よりCO2排出量を30%以上削減できる設備を導入すること」に加え、「運用改善によりさらなる省エネを実現する体制の構築」(社内会議の設置やESCO事業者・エネマネ事業者への委託契約、エコアクション21等の認証取得)が要件になっています。空き家等における省CO2改修支援事業(15%以上)より削減率のハードルが高い点に注意してください。
対象になる経費・ならない経費
対象になるのは、省CO2化に直接資する設備費・工事費・事務費です。具体的には、高効率空調・ボイラー・給湯器・換気設備・受変電設備の導入費と、それに一体不可分な工事費です。
対象外になりやすいのは、次のような経費です。
- 照明設備(この事業では、空き家等における省CO2改修支援事業と異なり、照明は完全に対象外)
- 建築工事・躯体工事など省エネルギーに直接寄与しない工事
- 太陽光発電・風力発電などの再生可能エネルギー発電設備
- 既存機器の撤去・移設・処分費、設計費、各種申請・届出費用
- 交付決定前に発注・契約・着工した工事
申請の流れと期限
- 公募要領・実施要領・交付規程を確認する
- 改修計画・見積を整理し、申請書類一式を作成する
- 執行団体(静岡県環境資源協会)へ申請(〜令和8年9月30日)
- 審査を経て交付決定
- 交付決定後に改修工事へ着手し、完了後に実績報告
締切は9月30日です。改修範囲が広い(複数フロアにまたがる等)場合は、見積取得や設計にも日数が必要になるため、早めに動き始める必要があります。
落ちる・返還になる要因
- 交付決定前の工事着手・契約:交付決定通知の前に着手した工事は補助対象から外れます
- 省CO2化の要件を満たさない改修:断熱性能・設備効率などの基準を満たさない工事は対象外になります
- 実績報告の未提出・遅延:交付決定の取り消し・返還につながります
- 予算の消化状況:二次公募という位置づけのため、一次公募での消化状況によっては採択のハードルが上がる可能性があります
よくある質問
空き家等における省CO2改修支援事業との違いは何ですか?
対象となる建築物の使用状況が違います。この事業は「使用中の民間建築物」の改修が対象、空き家等における省CO2改修支援事業は「空き家」の改修が対象です。両方の要件を満たす建築物は存在しないため、自分の建築物がどちらに該当するかを最初に確認してください。
テナントとして入居している場合でも申請できますか?
テナント部分は対象外です。 公募要領では「対象施設のうち、テナント部分は対象外」と明記されています。申請できるのは、その建築物を所有し、自ら使用している事業者(またはリース・ESCO事業者と施設所有者の共同申請)です。
一次公募で不採択だった場合、二次公募に再応募できますか?
公募要領上、再応募を制限する記載は今回確認できませんでした。詳細は執行団体(静岡県環境資源協会)に確認することをおすすめします。
対象になる建築物の規模に下限はありますか?
公募要領には、延床面積や補助対象経費の下限額に関する規定は見当たりませんでした(空き家等における省CO2改修支援事業のような「延べ面積300㎡未満」といった面積要件は、この事業にはありません)。ただし、建物の用途は「事務所・ホテル・病院・店舗・学校・飲食店・集会所等」に限定されており、住宅・工場・倉庫などは対象外です。
改修工事の一部だけを対象経費にすることはできますか?
改修工事のうち、省CO2化に資する部分のみを対象経費として申請する運用が一般的です。詳細な切り分け方は公募要領の対象経費一覧で確認してください。
